文学

雲上マガジン

総合創作団体・雲上回廊が送るメール文芸マガジン。

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雲上マガジン vol_96

2006/04/25

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    メールマガジン『雲上』 〜読者へつなぐ〜         第96号
         毎月、05日、15日、25日配信         2006/04/25
                     http://unjyou.kairou.com/

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 ……………………………………… も く じ …………………………………………

 【1】 前書
 【2】 秋山真琴はいかが?「AFTER THE LAST BATTLE」第6回
 【3】 桂たたらの連載エッセイ「塑性言論」    第1回
 【4】 オンライン文芸マガジン「回廊」 第七号アフター編
 【5】 編集後記

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【1】 前書
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 気が付けば十日が経とうとしているわけです。回廊公開直前の高揚感が終わり、まあい
うならば祭りのあと、ほへほへほへとしているのですが、それでも雲上は出るのです!

                                      後略。

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【3】 秋山真琴はいかが?「AFTER THE LAST BATTLE」第6回
                 著/秋山真琴
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 いらっしゃいませ、ようこそ秋山真琴へ。
 ご注文お決まりでしたらどうぞ。え、ええはい、こちらすこし不思議で、かしこまりま
した。……マスター、五番様オーダーいただきましたぁ! 瑶ちゃん燃え風味でひとつ!

 …………………………………………… 418文字……………………………………………

「サラ」その瞬間、割れた窓から強い風が城内に入り込んだ。風はたいまつの炎を揺らし、
床に流された血を照らし、テラスに倒れた巨大な骸と、それに突き立てられた長い剣を照
らした。たいまつを持っていた女性は、返事がないことをいぶかしむように背後を振り向
き、たいまつをかざし、正にその時、初めてその事実に気付いたかのように息を吐き、そ
して自分は既にそこに広がっている光景を知っていたのだと思い出した。予期していた訳
ではない、身体と精神がただ一個の生命を終わらせるためだけの機関となったとき、神経
が限界まで研ぎ澄まされ、感覚という感覚が異常なまでに鋭敏化されていたのだ。後ろを
見なくとも、音と振動、気配だけで背後に起こったことの全てを女性は、既に知っていた
のだ。しかし、それでも。女性は目を瞑り、もう一度、開いた。現実は無情だ。女性は首
を振り、血にまみれた手で目を擦った。哀しげな吐息を、苦い微笑みを散らし、女性は先
の言葉の続きを口にした。「帰ろう」

 ……………………………………「いつか帰るところ」……………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:unjyou@ml.kairou.com
 次回は第97号(05月05日配信予定)に掲載予定です。お楽しみに!

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【3】 桂たたらの連載エッセイ「塑性言論」    第1回
                 著/桂たたら
 ──────────────────────────────────────

 オンライン文芸マガジン「回廊」に、「緑の抵抗値」、「常常恋慕」といった良質な作
品を寄稿している新進気鋭の書き手、桂たたら。はたして彼は、どのように思考し、どの
ように執筆をしているのでしょうか? その一端が、この連載エッセイで覗けるかもしれ
ません。

 ……………………………………………エッセイ……………………………………………

 片桐姫子  「パンにカビが生えるのはどうしてでしょう?」
 レベッカ宮本「早く食べないからだよ」
 片桐姫子  「じゃあ空から雨が降るのはどうしてでしょう?」
 レベッカ宮本「予報が外れたからだよ」
 片桐姫子  「鉄で出来た飛行機が大空を飛べるのは……」
 レベッカ宮本「お客様の笑顔に支えられているから」

 片桐姫子  (学校で習った知識なんて……)

 *

 五十嵐美由紀「恋愛も料理も同じです。
        出来立てをすぐにほおばるよりも、いったん火からおろして冷まし、
        再び温めなおしたくらいが味がよく染み込んで
        人生の深い味わいを楽しむことができるのです」
 柏木優麻  「はーい。先生は何回くらい温めなおしましたか?」
 五十嵐美由紀「それは質問ですか?
        挑発ですか?」
 柏木優麻  「先生は煮え切らないうちにつまんじゃった事がありますか?」
 五十嵐美由紀「ええい、面倒だ! 小娘、かかってこい!」

 *

 こんな感じで紙面を埋めようと思ったけれどそれではあんまりですね。
 興味のある方がどれだけいるか分かりませんが、小説の話を少ししましょう。私の小説
に対する考え方、のよーなものです。誰かのなにかの役に立つと喜ばしいですね。
 素人のくせにえらそーに、とかいわないでください。グラスハート!

『明日から使える! なんちゃって筋書きの書き方』

 まず最初に注意ですが、それなりのものを書きたいなら、この方法は参考になりません
のでご了承ください。

 私は小説を作るとき、「着想」「構成」「演出」の三点を考えます。
 着想とはお話の核。テーマや全体のイメージのようなもの。
 構成がスタート地点からゴールまでの道のり。
 演出は装飾のようなものです。キャラクタやギミックなどですね。

 ここからは少しためになる話をしますよ。絶対に損はさせません(というのは詐欺師の
台詞ですが)。
 「着想」「構成」「演出」のそれぞれに違った作品をまんまぱくって組み合わせてみる
と、それだけでオリジナリティのある(ように見える)小説になります。オリジナル「ら
しき」小説、の、できあがり。
 着想、構成、演出の順に決めていくと考えやすいです。

 ここで一例を。
 着想——少女Q(アニメぱにぽにだっしゅ! OPテーマソング)「メディア:音楽」
 構成——ローマの休日(洋画)「メディア:映画」
 演出——魔人探偵脳噛ネウロ(週刊少年ジャンプ)「メディア:漫画」

 少女Qからは、
 公園でドレスを着たアイドルの少女、普通にあこがれている、などのピースを。
 ローマの休日からは、
 堅苦しい場所から抜け出したお姫様、困難から助け出してくれた相手に恋をする、など
の流れを。
 ネウロからは、
 トンデモ探偵役、777の魔界道具、不可能を可能にする特殊能力、更に具体的には絶
望的状況を打開する能力、などのギミックを、それぞれ頂戴するとします。

 まず、「着想」を物語の始点に定めてしまいます。今回の例で言えば、

 ——少年が公園でパーティードレスを着た少女と出会う——

 といった出だし。
 そして「着想」で得た作品の全体的なイメージで、「構成」をくるんでしまいます。だ
から、物語の全体を見たときに最も色が濃くでるのは「着想」になることは必然ですね。

 ——ドレスの彼女は、自宅で行われていたパーティから抜け出してきたところだった。
だがその場で少女は身代金目的でさらわれてしまい、少年は彼女を助けることを決意する
(ここで彼の行動動機が必要になりますね)——
(これなんてハヤテのごとく?)(まあ良いじゃん)

 ここで注意すべきは、「構成」の作品に全体の雰囲気が引き寄せられすぎないようにす
ることです。二つ以上の作品がお互いに自己主張してしまうと面白さがとっちらかってし
まう場合があります。「着想」「構成」にまったく違う雰囲気のものを選択した場合はな
おさらです。雰囲気が近い場合はそれほど気にする必要はないかもしれません。一例の少
女Qとローマの休日は……、まあ、個人の感覚にもよりますが、私は近いものを感じてい
ます。少なくともネウロとローマよりは。
 そして、「着想」で色づけした「構成」に、「演出」のキャラクタやギミックを不自然
でないように足してしまえば、終わりです。
 この先は割と自由に組むことができるのですが(ネウロが「演出」にあるのでトンデモ
な解決法も有効になりますね)、折角なのでネウロネタを使用しましょう。

 ——港で彼女を無事に返してもらえることになったのだが、実は少年は騙されており、
そこは麻薬の取引現場であった。それは既に警察の知るところであり、彼を誘拐、麻薬取
引の現行犯として仕立て上げようとする何者かの仕業だった——

 そしてこの状況を打開するために「不可能を可能にする特殊能力」の出番、というわけ
です。個人的な感覚ですが、ここでどれだけ絶望的な状況を作り出せるかがポイントにな
ると思います。

 ——最後は少年少女の心が通じ合ってハッピーエンド(心情的のみでなく、物理的に結
ばれるか否かは、作者の好みで書き分けてしまいましょう)——

 全体を通して、「普通にあこがれる少女」の「普通」に対する考え方なんかを変化させ
てやる流れを考えればそれがテーマになるでしょう(ここは少女Qですね)。

 そしてこれらを不自然でないように繋ぎ合わせます。いじょ。
 え? そこが一番大事なトコですか? こんな面倒な話、考えたくもないですよ。

 筋がありきたりですが、作品をぱくって組み合わせただけなので仕方がありません。デ
ィテールでなんとかしましょう。

 ちなみに「着想」「構成」「演出」の選び方ですが、これは完全に好みで選んで構いま
せん。好きで好きでたまらない作品を選びましょう。それなら間違いなく書きやすいはず
です。

 要望があれば次回は『明日から使える! なんとなく見られる物語の閉じ方』の話をし
ます。

 なければ美味しい焼き鳥屋さんの話になります。バラックの飲み屋って良いですよね。
 美しき打ち切りシステム! ロケットで突き抜けろ!

 お疲れ様でした。桂でした。

(BGM 上海アリス幻樂団 「東方花映塚」)

 …………………………………………… つづく ……………………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:unjyou@ml.kairou.com
 次回は第97号(05月05日配信予定)に掲載予定です。お楽しみに!

━━━【オンライン文芸マガジン『回廊』最新刊 Vol.7 】━━━━━━━━━━━━━

 殺人者の少女 記憶に追われる男 恋に焦がれる人々 人ならぬモノ 白と黒の猫 
 いびつな物語の踊り手たちが 始まりとなり 終わりとなり 円を描いて回旋する 

━━━《輪舞(ロンド)の第七号》 (http://magazine.kairou.com/) 絶賛公開中━━━

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【4】 オンライン文芸マガジン「回廊」 第七号アフター編
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 無事公開された、オンライン文芸マガジン「回廊」第七号。回廊メンバから恒例のアフ
ター編をお届けします!(到着順)

 ……………………………………………アフター……………………………………………

●ポーン(「ブラッド・スカーレット・スター」著者」

感想で牛についてのコメントが多かったので、タイトルを「牛のはなし」にすれば良かっ
たとおもいました。

●秋山真琴(編集長・「SHAPE OF ROCK」著者」)

 メールマガジン『雲上』読者の皆様、こんにちは。『回廊』の編集長、秋山真琴です。
『回廊』もとうとう第七号までやってきました。年に三回というけっして多いとは言えな
い発行数ですが、創刊号を出してから早二年となります。参加者紹介のページなどを見て
いると、初期からのメンバがだいぶ減って、途中から参加した人ばかりだなあと感慨もひ
としおです。
 私事ですが、無事に三年生に進級することができました。進級するのに最低限、必要な
 単位数を取っていました。つまり、ギリギリで上がれたわけです。今年からは卒論を視
野に入れて勉強しなければなりませんし、就活を考えつつ行動しなければならないでしょ
う。もしかしたら今までのように、暇な時間の大半を『回廊』に注ぐことは不可能になる
かもしれません。そこで、ここで大々的にメンバを増やしたいなと思っています。
 具体的には編集側。
『回廊』は編集システムを取り入れているアマチュア文芸誌ですが、やはり書き手に比べ
て読み手——つまり、編集者の人数が圧倒的に少ないです。これをどうにかしなくてはと
思い、今回「回廊が出来るまで」という文章を書き下ろしました。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/link.cgi?url=http://magazine.kairou.com/07/postscript.html
「編集って何をやるんだろ?」「ぼくもわたしも『回廊』に携わってみようかな」と少し
でも思われた方は、どうぞ上のページを見てみてください。
 ま、かたい話は置いておいて。
 メンバが手に手を取り合って、踊るように舞うように作った輪舞の第七号でした。
 次回はかつてに交わした約束を果たすべく、約束の第八号です。お楽しみに。

●恵久地健一(『雲上』宣伝部長」)

 皆様どうも、第七号「アフター編」ですよ。
 まあ、作品が掲載されていない私が、あとがきを書くのもどうかと思いましたけど。
 今回は本業の仕事が年度末で忙しく、寄稿を断念して裏方をやらせてもらいました。
 仕事をしないと生活できないし、創作だけでは、まだ御飯を食べていけませんので。
 本当に、同人の創作活動なんて、野山の花みたいなものでね。だれが種を買ってまくわ
けでもないし、だれが花を買ってくれるわけでもないし、ただ咲くだけの花ですよ。
 それでも、それが凄い花とか、きれいな花畑とかなら、わざわざ山に登って見に来る人
がいるかもしれない。そして、花を見に来た人が──ああ、わざわざ来たかいがあったな
と喜んでくれれば、それでいいんです。
 お金にならない小説をなぜ書くの? とたずねるのは、野山の花に、どうして咲いてい
るの? とたずねるのと一緒です。ようは、そういう作家でありたいからですよ。
 値札のついた切り花なんて、どれだけ高くても、枯れてしまえば、それで終わり。作家
が、みんなそうなったら本当につまらない。野山の花は枯れたとしても、次の時期が来れ
ばおなじ花畑が見られる──本当の創作はそういうものだと、最近は思います。
 花は、ただ咲く。私は、ただ書く。できるなら、そういう作家になりたいです。
 まあ、なにか一つ、次回の『回廊』で作品が書けれるといいですね。それでは、また。

●言村律広(『雲上』引継ぎ担当)

 おっす! みんなお疲れっ!

●水池亘(超短編編集)

 自分がバトンを受け取る役になれなかったことだけが心残りといえば心残りです。

●鞘鉄トウ(「箱の中のヒト」著者)

 カッとなって書いた。今は反省している。
 嘘々、全然反省していません。多分また書かせて貰うので、その時はどうぞよろしくで
す。

●星野慎吾(「猫猫猫猫ネコノヒト!」著者」

 こんにちは。特集小説を書かせていただきました。
 既に読まれた方、これから読まれる方、ありがとうございます。
 毎度言うことが同じなので恐縮ですが、感想は次に書くための大切な糧にさせていただ
いています。コールアンドレスポンスです。
 次回もまた回廊に参加できそうなら、もちろん書くつもりなのでよろしくお願いします。
ではでは〜。

●桂たたら(「常常恋慕」著者)

 趣味丸出しなお話でごめんなさい。

●遥彼方(「Phantasmagoria-Melancholia」著者)

 振り返ればいろんなことがありましたが、やっぱり、とっても、楽しかったです。回廊
と回廊を支える素晴らしい人たちとに、心から感謝します。

 ……………………………………… 第八号へつづく ………………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:unjyou@ml.kairou.com

〜〜〜〜■□作者と読者を繋ぐ◆◇◆◇オンライン文芸マガジン『回廊』□■〜〜〜〜〜

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◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【5】 編集後記
 ──────────────────────────────────────
 前略。
 いかがでしたでしょうか。『雲上』では現在、作品募集を行っています。詳しくは下記
公式ページをご覧ください。
 ちょっと長い雲上です。桂さんの新連載、実践的で面白いですね。この連載で創作に目
覚めた若人が、回廊や雲上に参加する日が来れば……おお、素敵な妄想です。では、また、
十日後に。

*公式サイト
http://unjyou.kairou.com/
*編集部
unjyou@ml.kairou.com


 次回の配信は05月05日を予定しています、それでは。

   ……………………………………… 公 募 ………………………………………

 本誌『雲上』では、アイデアと感動に満ちた作品を募集しています。

 対象は「文章で表現されるすべての作品」です。
 著作権等の問題が無ければ、既に何らかの形で公開された作品でも構いません。
 編集部では作者との共同作業で作品をより良くするシステムを整えております。
 たくさんのご応募を、お待ちしております。

         まずは編集部までご連絡ください:unjyou@ml.kairou.com

   ……………………………………… 奥 付 ………………………………………

       発行日:2006年04月25日
       発行元:雲上回廊
       発行者:秋山真琴
       編集者:キセン
           遥彼方
           言村律広
           恵久地健一
       ご意見ご感想:
           unjyou@ml.kairou.com
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