文学

雲上マガジン

総合創作団体・雲上回廊が送るメール文芸マガジン。

全て表示する >

雲上マガジン vol_79

2006/01/15

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

    メールマガジン『雲上』 〜読者へつなぐ〜         第79号
         毎月、05日、15日、25日配信         2006/01/15
                     http://unjyou.kairou.com/

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

 ……………………………………… も く じ …………………………………………

 【1】 前書
 【2】 遠野浩十の究極連作「七十秒後の改行都市」 第11回
 【3】 キセンで超短編「平穏についての断片」   第2回
 【4】 霧生康平と世界の旅「世界追放」      第9回
 【6】 編集後記

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【1】 前書
 ──────────────────────────────────────

 前書きといっても何を書いたら良いんでしょうね、おはようございます桂です。
 なんか面白いこと書かなきゃ、みたいな小説とは異質なプレッシャーを感じていますが、
まあ、気楽にいきましょう。
 最近寒くなってきましたね。コタツから離れられません。でも頑張ってコタツから離れ
るたびにウチの猫が私の座っていた場所を横取りします。なので私はその横で所在無く立
ち尽くすだけです。これは一種の作戦で同情を買おうとしているわけですね。猫の。
 まあ、丸無視ですわ。
 なのでそのまま泣き寝入りです。でも冷たい床を涙で濡らしながら泣きつかれていると
猫が立ち上がって、「どくのかな」と思うも束の間、伸びをしただけでした。
 首根っこを掴んでポイですわ。
 人間様ナメンナヨ。

「べ、べつにあんたに読んでもらうために雲上発行してるんじゃないんだからね!」
 こういう芸風はダメですか?
 それでは、一月十五日発行雲上79号、お楽しみください。

                                      後略。

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【2】 遠野浩十の究極連作「七十秒後の改行都市」 第11回
                   著/遠野浩十
 ──────────────────────────────────────

 ここに在るのは果たして、詩か、小説か、短歌か……。鋭利な一行が全てを斬り裂く!

 ●前々回●
 カッシーニの間隙に閉じこめられた、空気と絶望と少女と希望。
 ●前 回●
 触れない誰もいないはずの声を聴いた。

 ……………………………………………  斬  ……………………………………………

 風船は大きくなりすぎて人混みに落っこちて砕けて空へと飛んでった。

 …………………………………………… つづく ……………………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:info@kairou.com
 次回は第80号(01月25日配信予定)に掲載予定です。お楽しみに!


________________________________________
[広告]   オンライン文芸マガジン『回廊』第六号【騒乱】

■廊』         乱】         公開中  『回         ■
■   第六号          好評             【騒     ■

        『回廊』公式サイト:http://magazine.kairou.com/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【3】 キセンで超短編「平穏についての断片」   第2回
                   著/キセン
 ──────────────────────────────────────

 キセンさんが闇に紛れるとき、その目は眩しさに細められ、恍惚に怖気を走らせる。
 キセンくんが歓喜に湧くとき、その頬は滂沱の滴りに濡れ、怒りに震えて肩が笑う。
 キセンちゃんが空を飛ぶとき、その足は地面を歩いていて、両腕は水をかいている。
 キセンが超短編を綴るとき、世界は変わる。

 …………………………………………… 超短編 ……………………………………………

 ここの空気は辛い。わたしには周りの空気の味が感じられるのだ。しかし、これほどに
辛い空気をわたしは知らない。舌がひりひりする。どういう場所の空気がどのような味な
のか、正確にわかっているわけではないが、ある程度の傾向は経験的に掴んでいた。つま
りは単純で、緊張感のある場所が辛く、その反対が甘いのだ。この場は殺気立っている。
周りを見ればそのことは容易に感じられる。
 隣にいる恋人が殺気立った眼でケーキを選ぶ。わたしにはよくわからないが、この値段
でケーキ・バイキングを食べられる店は珍しいらしい。元をとらなくては、と呟きながら
彼がトレイに載せるケーキの量を見てわたしは驚く。こんなに食べてどうするというのか。
わたしは自分のトレイに載ったショートケーキを一口つまむ。だが、甘みと空気の辛さが
奇妙に入り混じって、はっきりいって不味い。
 自分の能力を憎く思うのは、わたしをつけ狙う組織の人間を殺したときではなく、こう
いうときだ。恋人の眼を盗み何気なくフォークを投げる。向こうで、眉間にフォークが突
き刺さった男が倒れざわめきと怒号が起こる。たとえばこういうとき、わたしは自分の能
力を憎く思わない。
 これでケーキ・バイキングの料金を払わなくてすむかな、とわたしは思う。恋人も喜ぶ
だろう。空気は少し甘くなる。ケーキも美味しくなる。わたしはうれしい。

 …………………………………「A PIECE OF THE PEACE」…………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:info@kairou.com
 次回は第80号(01月25日配信予定)に掲載予定です。お楽しみに!


◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【4】 霧生康平と世界の旅「世界追放」      第9回
                  著/霧生康平
 ──────────────────────────────────────

 あなたは知っているか?
 我が永遠の旅路にあって、其を片時も残さずに記述し尽くす事における絶望の闇をも呑
み込まんとする方法を知っているか?
 霧生康平を知っているか?

 ……………………………………………霧生世界……………………………………………

 ──世界に中枢はあるか? その疑問が最初だった。この疑問に関しては、不完全なが
らも答えを返すことができる。──否だ。
 世界というのは無数の糸で編まれており、そこには小さな糸だまほどの溜まりもありは
しない。
 単細胞生物には中枢も網目も存在しない。進化していくにつれて脳という中枢装置がで
きた。そしてこの中身は進化と共に重くなっていく。恐竜ほどの大きさともなれば脳が体
の中に二つ以上あることもある。では、世界は?
 中枢である脳の中にもネットワークが存在する。ニューロン・ネットワークだ。もしか
すると、この世界もなにか巨大なものの中枢の中にあるニューロン・ネットワークに過ぎ
ないのかもしれない。そしてそれはあるいは神なのかもしれない。
 ──閑話休題。脳の中のニューロンネットワークとは複雑に絡み合っている。単体で存
在している記憶などはなく、すべては密接に関係しあっている。仮に長い間使われない情
報があったとすると、そこに向かうための道は徐々に衰え、やがて消えうせる。私たちは
そのような情報があったことすら思い出せなくなる。では、これを『世界』でやってみた
らどうなるか。ある一個人と一個人とをつなぐ糸。これは単に血縁というような肉体的な
問題ではなく、さりとてその個人を観測している全てのものなどということでもない。
 このことに関しては未だ人類には納得のいく説明ができない。しかし、だからといって
人類同士の間に何らかのネットワークが張られていないと考えるのは早計である。人は単
体で完結していない。一人では満足に生きることもできないのだから、人類は自分以外の
ものを利用し道具として扱うことに長けた生き物だ。故に、他のどんなものよりも広い
ネットワークを持っている。少し考えてみれば分かることだ。いったい地球上にどれだけ
人間の『お手付き』でないものが残っているだろうか?
 とにかく、その個人となんらかの繋がりを持っている生物あるいは器物たちを壊してい
く。すると、シナプスがつながらなくなった記憶のように、そいつの存在が希薄になって
いく。詩的な言い方をすれば『世界と関係できなくなっていく』のである。存在感が薄く
なり、他人に認知されなくなり、最終的に物理的影響を与えることが不可能になる。そし
て全ての繋がりを断ったそのとき、そいつは世界から追放される。

 ──うまいやり方だと思った。なにしろ奴と繋がりを持つ7つのもののうち、6つまでが
取るに足らない草花や、近所の野良猫だったんだ。残る一つを殺せば、奴は世界から追放
される。俺は合法的に奴を始末することができる。
 まさか、最後の一つは俺自身だったなんて思ってもみなかった。もはやほとんど世界と
関係できなくなったそいつでも関係できる人間が一人だけいる。俺自身だ。奴は俺のそば
にいない限り目の前にいても気づかれないほどに存在感を失っている。そのおかげで俺は
余計に付きまとわれることになった。
 ──まったく、最悪だ。

 ……………………………………………世界霧生……………………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:info@kairou.com
 次回は第80号(01月25日配信予定)に掲載予定です。お楽しみに!


◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【5】 編集後記
 ──────────────────────────────────────
 前略。
 というわけで雲上でした。いかがでしたでしょうか。
 さて毎号恒例の次号予告です。
「そんな! 彼の正体がカーネルサンダーライガー?」
「勇者様! ムーンストーンを使うのよ!」
「レイちゃんがいてくれれば怖いものアルナイヨー」
 どれがどの作品の予告かな? みんなも考えてみてねなんて嘘です予告とか。

 おふざけが過ぎました桂でした。
 今度とも雲上回廊をよろしくお願いいたします。

*公式サイト
http://unjyou.kairou.com/
*編集部
info@kairou.com


 続いて、読者状況に関して報告を。
 現在、メールマガジンの購読者数は101人。

『回廊』のダウンロード状況は、
第00号〜第05号:合計で7332。
[最新]第06号:ダウンロード版が277。


 次回の配信は01月25日を予定しています、それでは。

   ……………………………………… 公 募 ………………………………………

 本誌『雲上』では、アイデアと感動に満ちた作品を募集しています。

 対象は「文章で表現されるすべての作品」です。
 著作権等の問題が無ければ、既に何らかの形で公開された作品でも構いません。
 編集部では作者との共同作業で作品をより良くするシステムを整えております。
 たくさんのご応募を、お待ちしております。

         まずは編集部までご連絡ください:info@kairou.com

   ……………………………………… 奥 付 ………………………………………

       発行日:2006年01月15日
       発行元:雲上回廊
       発行者:秋山真琴
       編集者:言村律広
           遥 彼方
           恵久地健一
           桂たたら

       ご意見ご感想:
           info@kairou.com
       購読の解約および、公式サイト:
           http://unjyou.kairou.com/

       (c) unjyou_kairou 2006 all right reserved

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2003-11-08  
最終発行日:  
発行周期:月3回  
Score!: 90 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。