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日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

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【メルマガ日台共栄:第3519号】 中国国民党の総統選予備選で韓國瑜・高雄市長が圧勝 公認候補に内定

2019/07/16

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<<INDEX>> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  [Vol.3519]
1>> 中国国民党の総統選予備選で韓國瑜・高雄市長が圧勝 公認候補に内定
2>> 牡丹社事件は生きている――今も続く和解の試み  平野 久美子(ノンフィクション作家)
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1>> 中国国民党の総統選予備選で韓國瑜・高雄市長が圧勝 公認候補に内定

 中国国民党は7月15日午前、総統選予備選候補者の世論調査の結果、韓国瑜・高雄市長が当選し
たと発表した。

 この世論調査は5つの調査機関に依頼、7月8日から14日にかけて固定電話方式で行われ、下記の
ような結果だったという。急追していた郭台銘・鴻海精密工業前董事長は政権発表会における発言
などが影響して終盤で失速し、17ポイントの大差で敗れた。また、昨年11月24日の統一地方選挙直
後に出馬表明していた朱立倫・前新北市長に至っては27ポイントも引き離され惨敗だった。

 韓國瑜:44.805%
 郭台銘:27.730%
 朱立倫:17.900%
 周錫●: 6.020%(●=王韋)
 張亞中: 3.544%

 なお、中国国民党は候補者別に総統選の世論調査も実施していて、韓國瑜氏が中国国民党候補者
として総統選挙に出馬した場合、韓氏が47.7%で、民進党候補の蔡英文氏や無所属の柯文哲・台北
市長に圧勝するという結果も発表している。郭台銘氏や朱立倫氏でも、総統選では蔡英文氏や柯文
哲氏に勝つという結果だった。

・韓國瑜:47.7% 蔡英文:15.8% 柯文哲:18.0%
・郭台銘:29.2% 蔡英文:14.1% 柯文哲:14.6%
・朱立倫:20.7% 蔡英文:15.6% 柯文哲:18.8%

 ただ、報道を見る限り、総統選候補者に内定した韓氏に笑顔はなかった。7月15日に党本部で開
いた勝利の記者会見でも「公認候補内定について『一抹の喜びもなく、あるのは比類ないほどに重
いプレッシャーだ。これから巨大な挑戦に直面することになるが、この責任を引き受けたい』と
語った」(時事通信)という。

 6月19日に蘋果日報が発表した世論調査では、韓国瑜:32.8%、蔡英文:27.1%、柯文哲:24.3
%だったが、蔡英文氏との一騎打ち対決では蔡英文:40.3%、韓国瑜:39.1%と逆転される結果
だった。また、6月24日にTVBSが発表した世論調査でも、蔡英文:37%、韓国瑜:29%、柯文
哲:20%と旗色は悪かった。

 韓國瑜氏が総統選にも圧勝すると出た中国国民党の世論調査の結果は、メディアの世論調査とか
け離れ、記者会見で笑顔のない韓氏の正直とも思えるコメントともかけ離れていて、どういう世論
調査だったのか、支持率操作さえ疑いたくなる結果だった。

 下記に紹介する毎日新聞は「柯文哲・台北市長(59)は15日、記者団に『(出馬を)まじめに考
えているところだ』と述べた」と伝え、柯文哲氏に総統選出馬を決意させることも十分あり得る中
国国民党の世論調査だったと言えよう。

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台湾総統選 国民党候補に韓・高雄市長 鴻海前会長は及ばず
【毎日新聞:2019年7月15日】
https://mainichi.jp/articles/20190715/k00/00m/030/082000c

 来年1月11日にある台湾の総統選で、対中融和路線を取る最大野党・国民党は15日、予備選の当
選者を決める世論調査の結果を発表した。韓国瑜・高雄市長(62)が鴻海精密工業の郭台銘・前会
長(68)ら他の4人を支持率で上回った。同党は17日の幹部会合で韓氏を公認候補に決定する。独
立志向がある与党・民進党からは蔡英文総統(62)が再選を目指して出馬する。2大政党の候補が
固まったことで総統選の戦いが本格化する。 

 国民党が民間機関に委託した五つの世論調査の平均支持率で韓氏が44・8%、郭氏は27・7%だっ
た。韓氏は15日、党本部であった記者会見で「共に美しい未来を切り開こう」と決意を述べた。 

 韓氏は昨年11月の高雄市長選で「高雄市民をもっと豊かにする」という訴えと庶民的な独特の語
り口で既存政治に飽き足らない有権者の人気を集めた。「韓流」と呼ばれるブームを巻き起こして
初当選。同12月に市長就任後は、主に中国との関係強化による経済振興を試みてきた。総統選でも
「経済活性化」を前面に出して選挙戦に臨む戦略だ。 

 韓氏は訪中時に中国側から歓待を受けており「親中」のイメージがある。また、中台が「一つの
中国」で合意したとされる「92年コンセンサス」を認める国民党の立場を踏襲する。台湾の有権者
には「韓氏が政権を取れば、中国との関係が過度に深まる」との警戒感も少なくない。一方で有権
者は経済活性化を強く期待する。韓氏は対中関係について「経済を優先する」と主張し、有権者に
理解を求めている。 

 ただわずかな期間で高雄市長から総統にくら替えを図ることへの批判は根強い。また韓氏は香港
で6月に「逃亡犯条例」改正案に反対する大規模デモが起きた際、記者に「(デモを)詳しく知ら
ない」と述べ、強い反発を受けた。韓氏は中国が目指す台湾への「1国2制度」導入について「絶対
に受け入れない」と釈明している。 

 一方、予備選で敗れた郭氏について台湾メディアは、離党して無所属で立候補する可能性を報じ
ている。郭氏が出馬すれば国民党支持者の票が割れて蔡氏が有利になる可能性がある。また無所属
での出馬を検討している柯文哲・台北市長(59)は15日、記者団に「(出馬を)まじめに考えてい
るところだ」と述べた。無所属で立候補するには有権者の1・5%の署名(約28万人分)を集める必
要がある。【台北・福岡静哉】

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2>> 牡丹社事件は生きている――今も続く和解の試み  平野 久美子(ノンフィクション作家)

【nippon.com:2019年7月14日】
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g00716/

◆台湾出兵で戦死した兵士の遺族からの連絡

 つい先日、見知らぬ方からフェイスブックの友達リクエストが舞い込んだ。こうしたことはよく
あるのだが、今回、最初のあいさつ文を見た途端、私の心拍数は一気に上がった。そこには、「ご
著書に登場する北川直征の子孫です」という言葉があったからだ。

 2019年5月に私は『牡丹社事件 マブイの行方 日本と台湾それぞれの和解』(集広舎刊)とい
うノンフィクションを上梓した。その中で紹介した北川直征は、1874(明治7)年の台湾出兵に加
わった元薩摩藩士の1人だ。同年5月18日に、台湾島南部の恒春半島西部に設けた日本軍の駐屯地か
ら山間の渓谷を下見に出かけた際、敵方の原住民(パイワン族)と遭遇して殺害された。おそら
く、彼が最初の戦死者と思われる。145年前に、20代の若さで命を落とした兵士のやしゃご、つま
り5代目に当たる人物が、「北川の子孫が生きていることを知らせたかった」とメッセージを送っ
てくれたのである。

 昔の事件に一気に血が通い、いにしえからの鼓動が響いてくるような感慨にとらわれた。

◆忘れられた日台近代史

 北川直征ら多くの若者が参戦した台湾出兵のきっかけとなったのが、その3年前に起こった「琉
球民遭難殺害事件」である。琉球王府へ年貢を納めた帰りの宮古島の船が台風のため現在の屏東県
八瑤湾に漂着し、上陸した66人のうち54人がパイワン族に殺害されるという惨劇だった。どちらも
台湾恒春半島の「牡丹社」が舞台となったため、この2つを併せて「牡丹社事件」と呼び習わされ
ている。「社」は原住民のコミュニティーを指す言葉だ。

 当時、琉球は日本と清の双方に朝貢する「両属」の国で、その帰属を巡って対立が生じつつあっ
た。明治政府は「原住民に対する懲罰、自国民の保護、航行の安全」を大義名分として、事件から
3年後に西郷従道率いる大軍が牡丹社を攻めた。パイワン族との戦闘は半月ほどで勝負がつき、日
本軍の勝利に終わる。この結果、明治政府は琉球を自国の領土だと内外に宣言し、後の台湾領有を
確実なものとした。

 「牡丹社事件」は、近代国家として出発した日本にとっても、併合された琉球にとっても、日本
の領土になった台湾にとっても、かつての宗主国だった清国にとっても、非常に重要な意味を持つ
出来事なのだ。台湾では歴史の授業でこの事件を教えているが、日本ではほとんど取り上げていない。

◆100年越しの大和解プロジェクト

 以前、コラムに書いたように、当時暮らしていた台北で、2005年2月に、琉球民遭難殺害事件に
関係したパイワン族の末裔(まつえい)が、先祖の罪を謝罪するために沖縄に行き、被害者遺族と
対面して和解するというテレビニュースを偶然見た。被害者と加害者という正反対の立場の人たち
が、100年以上の歳月を超えて、先祖の身に起こったことを振り返り、過去を赦(ゆる)し、未来
志向の友好関係を誓い合う。そんなことが可能なのか?なぜパイワン族の末裔が百数十年もたった
今になって和解を目指すのだろうと、不思議に感じた。

 それから4カ月後、双方の和解を試みる愛と平和の旅が実施され、沖縄県と台湾のメディアが大
きく報道した。そのニュースを見ながら、歴史が今に生きていることを実感した。

 それがきっかけとなり、私は牡丹社事件の執筆の準備を少しずつ始めた。学者や研究者のよう
に、新事実を発掘したいというよりも、日台双方の関係者(加害者である台湾の原住民と被害者で
ある沖縄県民)が、長年続けてきた和解の努力をもっと知りたいと思った。末裔たちに会い、牡丹
社事件が彼らの中でどのように受け止められているのかを確かめたかった。

 そこで、私は現場の屏東県をはじめ、末裔たちが住む沖縄県宮古島市や那覇市、大分県まで出掛
けて行った。また、台湾出兵の拠点となり現在も記念碑が立つ長崎市にも何度か足を運んだ。おの
おのの場所に立ち、あのとき起こったことを考えた。ひとつひとつの事実はどんなことに起因して
いるのか? 他の出来事となんらかの関係性はないのか? 事実と解釈をまぜこぜにしていない
か? 山のような資料を前に「なぜ?」の答えを見つけようとする作業は、途方に暮れることもし
ばしばあった。

 幸運なことに、和解イベントの発案者のひとりであり、加害者のやしゃごにあたる故マバリウ・
バジロク(中国語名は華阿財)さんを紹介され、屏東県へ行くたびに事件の経緯を詳しく教えても
らった。

 漂着民が迷い込んだ村は当時どんな状態だったのか? 当初は水や食料や寝場所を提供したの
に、なぜ、大量殺害という結末に至ってしまったのか? なぜパイワン族は被害者の首を狩ったのか?

 こうした疑問は、日本の公文書館や外務省の外交史料館に足を運んでも分からない。どういう状
況で彼らが村に迷い込み、逃走の果てに修羅場を迎え、12人だけが漢人によって救助されたかとい
う点は、生存者たちの生々しい証言として残っているけれど、パイワン族側に立っての説明は当然
のことながら記録にない。

 バジロクさんは、長年かけて集落の古老から集めた証言やパイワン族の歴史として語り継がれて
いる口伝を日本や中国の史料と突き合わせ、先住民族の視点からこの事件を分析した。そうして、
若者たちに自分たちの歴史を教え、私たち日本人には日本語で牡丹社事件を語ってくれた(残念な
ことにバジロクさんは2018年11月末に旅立たれた)。

◆和解のゴールは未来の共生のため

 2005年の和解イベントを記念して、沖縄県宮古島市の下地中学校の校庭には、台湾側から寄贈さ
れた「愛と和平」像が立っている。しかし、その由来などは生徒や市民に伝わっておらず残念な状
況にある。この件ひとつとっても、まだまだ和解のゴールまでには時間がかかるだろうと思われる。

 過去へのわだかまりは人それぞれであるし、歴史の見方も差異がある。私がお目にかかった琉球
民遭難殺害事件の遺族たちの間でも、和解に関する統一見解は出ていない。台湾出兵にしても、い
ろいろな族群の人々が関係しているので、和解を注意深く進めないともつれた細い糸の状態になっ
てしまう。

「私が背負った運命を前向きに捉え、沖縄の皆さんと交流を続けたい。互いの伝統や文化を知り、
尊敬し合うことで不信感やわだかまりも解けていくのです」

 故マバリウ・バジロクさんは、何度も私にこう話していた。

「何よりも互いに話し合って理解し合うことが大切です。既成のストーリーから抜け出して、自分
たちの歴史を中心に考えてみることも必要です」

 長年牡丹社事件を研究し、日台双方の和解の努力に尽力してきた沖縄大学客員教授の又?盛清さ
んも同様の意見だ。

 台湾の原住民文化と日本統治時代にも詳しい文化人類学者の黄智慧さんも、次のように言う。

「和解のゴールを未来の共生のためと明確にして、当事者だけでなく第三者も交えてルールを作る
ことが大切です」

 あのとき何が起こったのか?当事者たちの努力はどのように続いているのか?

 それらは拙著に詳しく書いたのでぜひお読みいただきたいが、真の和解を達成するにはお互いに
和解の意思を示し、痛みを分かち合う気持ちが大前提で、何度でも話し合いを持つ必要がある。過
去の出来事から自分自身を解放できなくては、心の平安を得ることは難しい。

 世界各地で起きている民族や宗教の対立、紛争、戦争の賠償問題を巡るいがみあい。それらを見
れば分かるように、互いの歴史や文化を理解しようとせずに、自分たちの歴史観や立場ばかりを主
張する。そこから誤解が生まれ、不信感や憎悪という負の連鎖が起こり、暴力や武力に頼るように
なってしまう。

 史実を現代に引き寄せ、今を生きる私たちがそこから何を学ぶかを引き出す。それが作家に与え
られた使命であるなら、牡丹社事件の和解を地道に続けようとする人々の心情に、その長年の悲し
みに寄り添いながら、ゴールまでの行程を共に歩みたい。

筆者注 : 
台湾では、古くから台湾に暮らしてきた16部族を政府が「原住民」として認定している。日本の新
聞等では「先住民」と表記されることが多いが、台湾での呼称を尊重して「原住民」「原住民族」
と表記している。

              ◇     ◇     ◇

・書 名:『牡丹社事件 マブイの行方─日本と台湾それぞれの和解』
・著 者:平野久美子
・体 裁:四六判、並製、本文326頁
・版 元:集広舎 https://shukousha.com/information/publishing/7258/
・定 価:本体1852円(+税)
・発 売:2019年5月20日

 現代の視点から、初めて「牡丹社事件」をとらえた本書には、百数十年の時空を超えて、異郷で
命を落とした犠牲者のマブイ(霊魂・琉球語)と向き合った遺族たちが登場。罪と罰、和解と葛
藤。加害と被害の末裔が日台で繰り広げたドラマを、台湾を知り尽くした著者が描く。(集広舎
ホームページ)

目次

序 章 耳を疑ったニュース・飛び込んできた、びっくり仰天のニュース
第一章 和解への旅・時空を超えて、事件の被害者と加害者の末裔が向き合った
第二章 事件の顛末・日本人がすっかり忘れているあの事件
第三章 末裔たちの葛藤・末裔たちは、歴史を背負って生きてきた
第四章 パイワン族の口伝・日本の公文書が記録できなかった、事件の核心「なぜ?」
第五章 忘却の拠点地・長崎から台湾出兵を振り返る
第六章 未来への残像・和解のゴールを求めて歩み続ける人々
第七章 マブイへの行方・未知の彼方からマブイの視線が……

平野久美子(ひらの・くみこ)ノンフィクション作家
東京都出身。学習院大学卒業。編集者を経て90年代末より執筆活動へ。アジアと日本の関係をテー
マに作品を発表。台湾は四半世紀にわたり取材を続け、日本統治時代から食文化まで造詣が深い。
主な著作に『淡淡有情・日本人より日本人』(小学館ノンフィクション大賞)、『トオサンの桜─
散りゆく台湾の中の日本』『台湾好吃大全』(新潮社)『水の奇跡を呼んだ男』」(産経新聞出
版、日本農村土木学会著作賞)『テレサ・テンが見た夢・華人歌星伝説』(ちくま文庫)『台湾世
界遺産級案内』(中央公論新社)など。日本文藝家協会会員

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・2014年 李登輝元総統ご来日(2014年9月19日〜25日)
・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)

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