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【メルマガ日台共栄:第3507号】 中国のフェイクニュースに汚染される日本  黄 文雄(文明史家)

2019/06/27

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1>> 中国のフェイクニュースに汚染される日本  黄 文雄(文明史家)
2>> 台湾の対中輸出、2期連続で減少  嶋 亜弥子(ジェトロ海外調査部中国北アジア課アドバイザー)
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1>> 中国のフェイクニュースに汚染される日本  黄 文雄(文明史家)

【黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」:2019年6月25日号】
*読みやすさを考慮し、小見出しは本誌編集部で付したことをお断りします。

◆言論の自由を逆手に取る中国のフェイクニュース

 2019年5月、台湾では災害時にフェイクニュースを流した者に対して、最高で無期懲役を科すこ
とができる法律を可決しました。

 2018年9月、台風による浸水被害で関西国際空港が麻痺状態になり、多くの旅客が一時的に関空
に取り残されるという事態になりましたが、このとき、中国では「中国総領事館がバスをチャー
ターし、空港に閉じ込められた多くの中国人たちを優先的に避難させた。中国は偉大だ」という自
画自賛のニュースが駆け巡りました。

 これに対して、台湾のネットでは、「なぜ中国にはこのような行動ができて、台湾はできないの
か」と、台湾の駐日大使館(駐日代表処)を批判する声が飛び交い、これに台湾のメディアや国民
党も呼応して、蔡英文政権攻撃の材料にしました。

 その結果、台北駐大阪経済文化弁事処(領事館に相当)の蘇啓誠(そ・けいせい)処長が自殺に
追い込まれるという痛ましい事件が起こりました。しかも、「中国総領事館がバスをチャーターし
て中国人を優先的に避難させた」という事実はなく、まったくのフェイクニュースであったことが
判明しました。

 この事件については、以前、このメルマガでも取り上げています。

 これを教訓として、台湾では災害時のフェイクニュースを罰する法律が成立したわけです。もし
もそのフェイクニュースが原因で死者が出れば、発信者は無期懲役になる可能性もあります。

 フェイクニュースは、民主主義にとっては非常にやっかいなものです。民主主義にとって言論の
自由や情報公開は選挙民の選択を左右するきわめて重要なものですが、それを逆手に取って、フェ
イクニュースを流すことによって選挙行動を捻じ曲げてしまうことが可能になるからです。

 台湾の蔡英文政権も、中国発のフェイクニュースが台湾で拡散していることに強い警戒感を示し
ています。とくに来年は台湾国政選挙ですから、一層の注意が必要です。

◆中国のフェイクニュースに汚染され続けてきた日本

 一方、私から見ると、日本はつねに中国のフェイクニュースに汚染され続けてきた国です。昔か
ら日本の漢学者、朱子学者、東洋学者、シナ学者は中国を「聖人の国」「道徳の国」などと言って
持ち上げてきましたが、彼ら自身が中国のフェイクニュースに感染し、自らもフェイクニュースを
拡散する役割を担ってきました。

 日本人が中国を見誤る背景には、表意文字としての漢字・漢文がきわめて虚飾的で、「あるべ
き」という主張が「ある」「あった」と誤読されやすいことも一因としてあります。

 ことに戦後は、社会主義の中国を極端に礼賛し、「中国にはハエも蚊も泥棒もいない」といって
賛美した進歩的文化人や中国学者がたくさんいました。

 現在ですら、中国のプロパガンダに乗せられて、中国側の歴史認識こそが正しく、「戦前の日本
は中国で虐殺の限りをつくした」と思い込んでいる人も少なくありません。

 シナの国は昔から「ウソの国」でした。とくに歴史的に有名な嘘つきは、孔子と司馬遷です。孔
子は紀元前5世紀、司馬遷は漢の武帝の時代の人物でありながら、甲骨文字以前の上古を現在を
もって憶測し、ウソをばら撒きました。

 孔子などは周人になりすまし、臨終の際にようやく弟子たちに「自分は殷人だった」と自白して
います。

 中国古代史の大家・顧頡剛(こ・けつごう)によれば、諸子百家の時代、自分の論に箔をつける
ために古代聖人の話をでっち上げて自説を仮託することが流行したといいます。これによりウソが
文化風土になっていきました。

 中国には「すべてがウソ、詐欺師のみが本当」という俗諺がありますが、かつて朱鎔基首相も中
国にウソが蔓延していることを嘆いていたことは有名な話です。

 「すべてがウソ」になる理由は、古代から「嘘をつけないと生きていけない」というのが黄河文
明の生存条件だったからです。

 その元凶のひとつが、前述した孔子であり、現在も「孔子学院」などは中国のデマを拡散する基
地局として象徴的な存在となっています。

◆「中華民国建国」映画はウソだらけ

 私は日本の議員や地方の活動家を台湾研修に案内したことがありますが、国会にあたる立法院で
は「中華民国建国」の映画鑑賞から始まります。そこでは孫文が白馬に乗って陣頭指揮をとる映像
が出てきます。

 ところがこの映画からしてウソだらけなのです。というのも越人の孫文は革命資金の濫用を呉人
の章炳麟や陶成章に告発され、革命同盟会が空中分解、追放された形の孫文はアメリカで隠居して
いるところ、デンバーで見た新聞で初めて辛亥革命が起きたことを知りました。

 革命資金を集めるためにヨーロッパを回って帰国、北京政府の袁世凱に対抗するために、軍事力
のない文人としての孫文が支持を得て南京臨時政府の臨時大総統に選出されたものの、孫文は北京
政府に南京臨時政府を売り渡したというのが、中華民国史の史実なのです。

 「毒を喰らわば皿まで」という文化伝統からウソが歴史の法則となり、教育はもっぱら愚民化、
奴隷化のための道具となってきました。

 中国のフェイクニュースも、こうした愚民を対象としたマインド・コントロールなのです。たと
えば台湾でよく言われる「中国と統一すれば、台湾ドルは5倍の価値に急騰する」などという噂も
そのひとつです。愚民として教育された人々は、国際的な常識がないため、カネに弱いのも確かです。

 フェイクニュースのことを台湾では「烏龍消息」と呼んでいます。ことに学校教育やマスメディ
アにフェイクニュースが溢れており、台湾はここ70年にわたり被害者として毒を飲み続けてきました。

 あまりにも害が深刻であるため、2019年5月になって、取締強化のための立法化を果たしたわけ
です。とはいえ、本当にフェイクニュースを根絶できるかどうかは別問題です。

◆中国の「五毛党」というヤラセ集団

 台湾の「オジサン」と呼ばれる長老たちは、よく台湾人を近代養鶏場のニワトリにたとえます。
エリートたちは唐揚げにされるチキンです。戦後約70年、台湾人はニワトリのように飼料で飼いな
らされ、タマゴを生み、いつ唐揚げにされるかわからない存在だというのです。

 中国では、政府の主張にネット上で「いいね」と賛同するたびに50セント分(約54円)のカネが
貰えるというアルバイトをする人たちがいて、彼らは「五毛党」と呼ばれていますが、アメリカC
IAの調査では、五毛党のほとんどが政府の役人だといいます。

 ソフトパワーのない中国は、世界各国で情報操作などによる世論工作、いわゆる「シャープ・パ
ワー」を行使しています。しかも、「一帯一路」をふくめ中国の世界戦略のほとんどが、カネで他
者を釣るというものです。

 したがって、アメリカの対中戦略としては、中国を兵糧攻めして資金を枯渇させることで、中国
の手足を縛ることが重要になってきます。

 近年、日本でも中国人の「爆買い」が話題になりましたが、韓国のTHAAD問題で中国政府が
韓国への旅行を禁止・自粛させて韓国の旅行業界を干上がらせたように、政治問題はつねに中国リ
スクなのです。

◆台湾の観光収入は中国人観光客が減ると増える?!

 中国は台湾でも観光客戦略を展開、台湾経済に影響力を持とうとしました。しかし中国業者は
「一条龍政策」、つまりホテル、食事、買い物、バスの手配まですべて中国業者が牛耳ってしまう
ために台湾にカネが落ちず、一方で世界一マナーの悪い中国人が台湾各地を闊歩するようになっ
て、他の外国人が台湾を敬遠するようになってしまいました。

 台湾観光局の発表した数字には、中国人観光客が減ると、かえって台湾の観光収入が増えるとい
う逆転現象が表れているのです。

 このように、中国と離れると台湾はむしろ活気が出るというのが現状なのですが、日本のメディ
アはあまり現状確認をせず、中国政府のフェイクニュースをそのまま引用するため、中国について
の認識はもちろん、台湾についての認識もよく間違えるのです。

 ネット社会になって、フェイクニュースが流しやすくなったのも確かですが、その一方で、その
ウソも長続きせずに、すぐにバレてしまうようになりました。

 日本は神代から「純と誠」を貫いてきた民族です。たしかに相手を簡単に信用するため、「すぐ
騙される」というお人好しの部分もありますが、一方で、ウソを忌避するため、世界でもっとも信
用される民族でもあります。それが日本の強みでもあります。

 中国がウソつきであることは、世界中で知られています。その一方、日本は世界一信用できる国
として信頼度が高いのです。日本人はその強みを活かして、中国のフェイクニュースに対峙してい
くことで、中国の戦略を無価値化することができると考えています。

◆「逆観法」と「逆読」の勧め

 「中国のウソ」の被害は日本だけではなく、その周辺諸国にとっても深刻です。中国は南シナ海
や東シナ海を「数千年前から中国が管理してきた」というウソで自国領だと主張し続けています。

 また、チベット人やウイグル人、モンゴル人、そして消された満州人にしても、「中華民族」な
どという虚妄の人種を作り上げて、そのなかに無理やり入れられようとしています。

 中国人は思っていることと口にすること、やっていることがそれぞれまったく異なる人種であ
り、建前と本音を使い分けることにきわめて長けています。

 では、どうすれば中国の本音を知ることができるのでしょうか。私はよく、「逆観法」を勧めて
います。つまり、中国の言うことのすべて逆が本音だということです。

 じつは、戦前の知名な文士である徳富蘇峰も中国人については「逆読」を勧めていました。「支
那人ですから、古典もそのように読むべきです」と語っていたのです。

 やはり戦後の中国学者とは異なり、「先見の明」があります。

 中国のフェイクニュースという「公害」をどのようにクリアするかということは、人類共通の課
題でもあります。日本の国会も、フェイクニュースの汚染についてもっと真剣に対応すべきです。

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2>> 台湾の対中輸出、2期連続で減少  嶋 亜弥子(ジェトロ海外調査部中国北アジア課アドバイザー)

 人件費の高騰や米中の貿易摩擦の影響により、中国から撤退する日本企業が続出している。2012
年の1万4,394社をピークとしてだんだん減りはじめ、この3年間で249社が撤退して2019年には1万
3,685社に減少、ピーク時からは709社も減少したという(帝国データバンク調査:2019年5月)。

 その内訳をみると、撤退した249社は年商10億円未満の企業で、10〜100億円未満は2016年の6,0
58社から6,066社(2019年)に微増、100〜1000億円未満は2,560社から2,611社に増え、1000億円以
上も569社から605社に増えている。

 人件費高騰や米中貿易摩擦の影響を受けやすい企業から撤退しはじめているという状況のようだ
が、報道によれば、大手製造業や卸売業では中国企業との取り引き見直しや東南アジアへの生産拠
点移設などの動きがすでに出てきているというから、今後、大手企業の中国撤退も視野に入ってき
ているようだ。

 一方、台湾の2018年の貿易額は輸出入ともに増加し、輸出が前年比5.9%増の3,360億5,026万ド
ルと過去最高となり、輸入が10.6%増の2,866億5,543万ドルで過去2番目の水準だったという。

 輸出の内訳を見てみると、中国(28.8%)と香港(12.4%)で41.2 %を占め、米国(11.8%)、
日本(6.9%)となっている。前年比でみると、中国(8.8%)・香港(0.9%)、米国(7.5%)、
日本(11.1%)と伸びていた。

 ところが、対中輸出が減りはじめ、昨年の第4四半期(10〜12月)の0.3%減に引き続き、今年の
第1四半期(1〜3月)も前年同期比12.3%減となり、2期連続の減少となっているという。

 それとは対照的に対米輸出は好調で、昨年の第4四半期は106億2,000万ドル、今年の第1四半期も
19.3%増の106億1,275万ドルだったという。

 ジェトロ海外調査部中国北アジア課アドバイザーの嶋亜弥子(しま・あやこ)氏が、6月10日に
発表された台湾財政部の貿易統計速報を分析しているので下記に紹介したい。

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台湾の対中輸出、2期連続で減少
嶋 亜弥子(ジェトロ海外調査部中国北アジア課アドバイザー)
【日本貿易振興機構(ジェトロ)「ビジネス短信」:2019年6月27日】

◆表1:台湾の対中輸出(上位10品目) 表2:台湾の対米輸出(上位10品目)
 https://www.jetro.go.jp/view_interface.php?blockId=28803711

 台湾財政部が6月10日に発表した貿易統計速報によると、2019年第1四半期(1〜3月)の台湾の輸
出は、前年同期比4.2%減の763億2,825万ドルだった(表参照)。国別でみると、中国へは12.3%
減の203億4,787万ドル、米国は19.3%増の106億1,275万ドルとなった。対中輸出は2018年第4四半
期(10〜12月)の0.3%減に引き続き、2期連続のマイナスとなった。

 第1四半期の対中輸出の上位10品目をみると、集積回路(IC)(20.4%減)、電子部品(集積回
路を含まない)(10.8%減)、液晶デバイス(9.9%減)、エチレングリコール(32.3%減)など
がマイナスに寄与し、輸出主力品目の減少が目立った(添付資料の表1参照)。一方、コンピュー
タ部品(90.2%増)、記憶媒体(51.0%増)は急増した。

 対米輸出の上位10品目をみると、前年同期比で2桁以上増加した品目は自動データ処理機械およ
びその付属品(2.7倍)、コンピュータ部品(51.1%増)、スイッチング機器およびルーティング
機器など(84.8%増)、電子部品(集積回路を含まない)(26.7%増)などで、特に自動データ処
理機械およびその付属品は大幅に増加しており、第1四半期の輸出増加に大きく寄与した(添付資
料の表2参照)。

 なお、貿易統計速報によると、2019年1〜5月累計の輸出は前年同期比4.2%減の1,298億7,942万
ドルだった。5月の輸出は前年同月比4.8%減の277億1,710万ドルと、月次ベースで2018年11月から
7カ月連続のマイナスとなった。

 台湾財政部は、米中貿易摩擦の影響を受けて世界経済の成長が鈍化しつつあり、加えて、国際原
材料価格低下、前年の基数の高さなどの影響を受けたものと分析している。また、将来的に米中貿
易関係が膠着(こうちょく)化すれば、企業投資や世界的なサプライチェーンに影響を与え、国際
経済での不確実性を高め、ハイエンドスマートフォンのライフサイクルが長期化し、輸出の勢いが
そがれることとなりかねない。

 ただし、一部のメーカーによる台湾での生産増加(台湾回帰)や、第5世代移動通信システム
(5G)、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)など新興産業のビジネスチャンスが持続的に拡大しており、一部のマイナスの影響を相殺すると予測している(2019年6月26日記事参照)。

(嶋亜弥子)

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