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【メルマガ日台共栄:第3487号】 給食費の補助という中学校への寄付で明らかになった中国による台湾統一工作

2019/06/03

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1>> 給食費の補助という中学校への寄付で明らかになった中国による台湾統一工作
2>> 中国「台湾統一」の行程表  河崎 真澄(産経新聞論説委員)
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1>> 給食費の補助という中学校への寄付で明らかになった中国による台湾統一工作

 中国による台湾統一工作は深く静かに潜航して行われているようだが、このほど金銭買収の一端
が明らかになった。

 苗栗県内の中学校が4月下旬、中国企業から「給食費の補助」という名目で60万台湾元(約210万
円)の寄付を受けたという。しかし、鄭聚然という国民党県議が議会でこの寄付行為を庇い「統一
工作など関係ない。(相手が中国であっても)金をくれる者を親と見なす」と発言したと報じている。

 この発言を聞きつけた蔡英文総統は、5月31日のフェイスブックで「我不能認同(私は同意でき
ない)」として、中国による統一工作の意図は非常に明確だと厳しく非難した。それを伝える中央
通信社の記事を下記に紹介したい。

 中国は、台湾統一工作として台湾人同士の離間と反目を目論んでいる。金銭買収もその一環だろ
う。国民党県議の発言や民進党と国民党の対立激化を誰がほくそ笑んでいるのかは、3歳の童子に
も分かることだ。

 その他にも、本誌で伝えたように、総統選の予備選を舞台に、民進党支持者の間で、蔡英文支持
派と頼清徳支持派がSNSなどで誹謗中傷を繰り返すという事態が起こっている。SNSの投稿者
が意図的に両陣営を反目させるような内容を投稿している可能性を否定できない。それにまんまと
乗せられて相手方を中傷すれば、「思う壺」と嗤うのは、誰か。

 学校側は中国企業に寄付金を返還したという。国民党県議の発言と学校側の対応のいずれが正し
い選択だったのか。贅言は要すまい。

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蔡総統、親中発言の国民党県議を批判 「台湾の民主は買収できない」
【中央通信社:2019年6月1日】

http://japan.cna.com.tw/news/achi/201906010002.aspx
写真:苗栗県議会で発言する国民党の鄭聚然県議=資料写真

 (台北 1日 中央社)北部・苗栗県の国民党県議が「統一工作など関係ない。(相手が中国で
あっても)金をくれる者を親と見なす」と発言したことが物議を醸している。蔡英文総統は5月31
日、自身のフェイスブックに「賛同できない」とするコメントを投稿し、台湾の民主主義は決して
金銭で買収できるものではないと強調した。 

 発端となったのは、同県内の中学校が4月下旬、中国企業から給食費の補助という名目で60万台
湾元(約210万円)の寄付を受けたことだった。中国による統一工作の一環だと問題視され、学校
側は寄付金を返還した。 

 国民党に所属する鄭聚然県議は、5月中旬の県議会でこの件に言及。統一工作かどうかよりも
「生徒たちのためになればそれでいい」と自身の見解を述べるうちに問題発言に至った。蔡総統は
投稿で、直接選挙で選ばれた議員の言葉であることに不満を表明した。 

 蔡総統はまた、中国の国政助言機関、全国政治協商会議の汪洋主席が5月10日、両岸(台湾と中
国)のメディア関係者を集めて「平和的統一、一国二制度の実現のためにはメディアの努力が必
要」と述べたことにも触れた。北京当局が台湾で統一工作を進めようとする意図は非常に明らかだ
と指摘した上で、これらに反対し、中華民国台湾の主権と尊厳を堅守する自身の立場は明確だとつ
づり、ともに台湾を守ろうと呼び掛けた。 

                               (游凱翔/編集:塚越西穂)

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2>> 中国「台湾統一」の行程表  河崎 真澄(産経新聞論説委員)

【産経新聞「一筆多論」:2019年5月28日】


 「中国の習近平指導部は2049年までの『台湾統一』実現に向け、すでにロードマップ(行程表)
を描いている」。台湾総統府の直属学術機関、中央研究院の前副研究員、林泉忠氏はこう指摘し
た。共産党が1949年に北京で成立させた「中華人民共和国」の建国100周年が年限だ。

 林氏はロードマップの基本に「香港返還のプロセスがある」と考えている。

 82年に当時の英首相、サッチャーが訪中して始まった香港返還交渉で、最高実力者だったトウ小
平が“切り札”にしたのが、「一国二制度」の提案だった。

 共産党が支配する一つの中国の主権の下に、地域を限定して高度な自治を認め、社会主義とは異
なる民主社会を返還後50年間、併存させるという歴史的にほとんど例のない政策だ。

 「一国二制度」は、共産党が香港を試験台とし、将来の「台湾統一」への応用を狙って編み出し
た。言論の自由や資本主義の維持で譲歩する一方、主権掌握という難解な政治問題で勝利する。

 実際、習近平国家主席は今年1月2日の北京での演説で、「一国二制度による平和統一」を台湾に
強く迫った。同時に武力行使もチラつかせ、威圧した。

 林氏は中国が香港で行った3つの工作を挙げる。(1)中国への経済依存を高めさせ、(2)報
道機関への言論コントロールを強める。そして(3)政界で親中派を多数派にする。共産党政権に
「ノー」と言えない状況を、時間をかけて浸透させた。

 台湾ではすでに経済や報道機関への中国の影響力が強まっている。台湾独立を党綱領に掲げる民
主進歩党が政権与党の現在、政界工作こそが残された課題だ。

 中英交渉の結果、97年7月、正式に香港の主権が返還された。英国のような存在がない台湾と
は、当局間交渉が必要だ。それでも「建国100周年の統一を念頭にいつまでに何を行うか、中国は
香港返還の経験を生かして行程表を設定している」と林氏は考える。

 中英は84年、香港の主権を97年に返還することで合意し、「共同宣言」に調印した。90年には、
特別行政区として香港に高度な自治を認める「基本法(憲法に相当)」を成立させた。

 林氏の考察では、中国は4年に1度の台湾総統選に照準を当て、どんなに遅くとも2040年までに
「一国二制度」による統一を受け入れる親中派の政権を誕生させたい。この政権に統一協定を44年
に結ばせ、48年までに双方が合意し、中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の場で「台湾基本
法」を成立させる。

 だが、このロードマップはあくまで、49年の統一実現に向けたギリギリの政治日程だ。香港です
ら15年かかった返還手続き。海峡を隔てて独自に民主政治を実現した台湾を、どう屈服させるか。
49年まで残り30年の今年、習指導部は統一工作を本格化させねば間に合わない、と踏んでいる。

 民進党の蔡英文総統は就任から3年を迎えた今月20日、記者会見で「強大な中国は『一国二制
度』を声高に叫んでいる。だが私たちの国家は民主、自由、人権を有する中華民国台湾だけだ」と
警戒感を示した。

 ただ、台湾では次期総統選(来年1月)の候補者擁立をめぐり、与野党とも混乱が続いている。
政界工作を急ぎたい中国にとっては思うツボの展開だろう。(論説委員)

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