国際情勢

メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

全て表示する >

【メルマガ日台共栄:第3411号】 米中国交「40周年」 中国の本音  浅野 和生(平成国際大学教授)

2019/02/13

>>>>> http://www.ritouki.jp/ ━━━━━━━━━━ 平成31年(2019年) 2月13日】

   ☆★☆★ 日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」 ☆★☆★
          日台共栄のためにあなたの力を!!
<<INDEX>> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  [Vol.3411]
1>> 米中国交「40周年」 中国の本音  浅野 和生(平成国際大学教授)
2>> 王育徳紀念館は東アジアで最高の個人資料館  下川 正晴(元毎日新聞論説委員)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

● 2月23日、多田恵氏を講師に「第43回台湾セミナー」お申し込み
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/m85qxmzjhqch
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20190201/

● 浅野和生編著『日台関係を繋いだ台湾の人びと(1)(2)』お申し込み
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20190124/

● 桜募金 ご協力のお願い【期間:2018年11月10日〜2019年2月28日】
 *今年も台湾に河津桜の苗木200本をお贈りします。
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20181221-2/

● 【戸籍問題】 本会のネット署名にご協力を!【第18期:1月1日〜6月30日】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/a5gxiadcmygj
 *署名に国籍制限はありません。誰でも、世界中どこからでも署名できます。
 *本会署名は、氏名及び住所の記載を要請する請願法に基づいた正式署名です。
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/recommendations/koseki/

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1>> 米中国交「40周年」 中国の本音  浅野 和生(平成国際大学教授)

【Viewpoint:2019年2月12日】

 40年前の1月1日、米中の国交が正常化された。これに伴い、その1月1日にアメリカと台湾は断交
となった。しかしそのアメリカは、国内法で「台湾関係法」を制定して、台湾の存続を保証し、ア
メリカにいる台湾の人々の法的権利を保護することにした。「台湾関係法」にカーター大統領が署
名したのは同年4月7日、しかし条文の規定により1月1日に遡(さかのぼ)って効力が発生すること
になった。

 つまり1月1日は、「台湾関係法」発効40周年でもある。

 しかし中国は、この日を別の形で祝してみせた。すなわち、中国は「台湾同胞に告げる書」公表
から40周年を記念して1月2日に祝賀式典を開催、習近平(国家主席)が記念演説を行った。

 ところで、「台湾同胞に告げる書」は、1978年12月26日の全国人民代表大会常務委員会で決定さ
れたものだ。その要点は5つである。第1に「一つの中国の立場を堅持」「台湾独立に反対」、第2
に「統一においては台湾の現状を考慮する」「台湾の人々の意見を尊重して、実情に合う政策を採
用する」、第3に「台湾の統一には、台湾人民の希望となる方針を提出する」、第4に「金門島に対
する砲撃を停止する」、中台間で「軍事的対決状態を終結させる話し合いを行う」、第5に「台湾
海峡両岸の郵便、往来」「親族や友人の訪問」「観光による相互訪問」の実現と「貿易、経済交流
の促進」―以上である。これが「台湾を祖国回帰させ、祖国の平和統一を実現する大方針」として
発表された。

 その内容は、アメリカとの国交正常化を切望した中国が、アメリカの要望に合わせたものであ
る。ところで、中国に対するアメリカの基本的立場は、72年2月の「上海コミュニケ」に示されて
いる。つまり「台湾海峡両岸の全ての中国人が、中国は一つであり、台湾は中国の一部であると主
張していると認識している」「中国人自らによる台湾問題の平和的解決に関心を有している」、そ
の展望の下に、台湾に置かれていたアメリカの軍隊と軍事施設を撤退ないし撤去する、というもの
である。79年1月1日の国交正常化の際の共同声明でも「上海コミュニケ」の原則が確認された。

 注目すべきは第4項目である。中国は58年8月23日から、アモイの目と鼻の先にある台湾領の金門
島に、最初の2時間だけで4万発という凄(すさ)まじい砲撃を行ったことがある。しかし米第7艦
隊が出動、台湾周辺に7隻の空母が展開されると中国は砲撃を停止した。ところが、同年10月28日
以後、中国は「隔日攻撃」として、毎週月・水・金曜日に金門島に向けて砲撃を行うようになっ
た。「隔日攻撃」はそれ以来21年間続けられたが、「台湾同胞に告げる書」は、これを「停止」す
ると表明したのである。

 40年前の「台湾同胞に告げる書」は、上海コミュニケの原則を上書きするものだが、今回の記念
演説は、さらにそれを上書きするものだった。

 習近平は、1月2日の演説で、40年前の方針を繰り返すとともに、祖国統一の最善の方法は「一国
二制度」であると強調した。しかし、これは既に香港で実施している方式であり、中国中央政府の
意のままに扱われ、民主と人権が圧迫される香港の実情を熟知している台湾の人々が、「一国二制
度」を喜ぶはずがない。

 また、台湾はすっかり民主化が定着したから、共産党独裁の中国と急いで統一したいと願う人は
3・1%、「どちらかといえば統一を望む」と合わせて16%にすぎない(國立政治大学選挙研究セン
ターの昨年12月の世論調査)から、第2、第3項目の「台湾の人々の現状に沿った統一方法」や、
「台湾の人々の希望になる」ことはあり得ない。

 ところで本年10月1日は、中華人民共和国の建国70年である。そこに思いをいたせば、1月2日に
習近平が「台湾同胞に告げる書40周年記念式典演説」を行ったことの意味が理解できるだろう。つ
まり習近平は、自らの手で「祖国統一」の悲願を達成するために、建国70年の今年こそ、台湾統一
へ向けて一歩前進を遂げたいに違いない。

 一方、米中国交正常化のもう一方の当事者であるアメリカは、これとは別の形で米中国交正常化
40周年を祝した。昨年12月31日、トランプ(大統領)がアジア再保証促進法(Asia Reassurance 
Initiative Act=ARIA)に署名して、同法を成立させたのである。

 同法は、「アメリカ第一主義」を掲げるトランプでも、アメリカがアジアの平和と繁栄に責任を
持ち続けることを法制化したものだ。同法は「台湾関係法」の誠実な執行を大統領に迫るととも
に、昨年成立した「台湾旅行法」の積極的な適用、つまり米台双方の政府高官の相互訪問の促進を
求めている。つまり、習近平が、台湾の統一実現を断言し、「武力行使を放棄しない」と宣言した
かの演説の2日前に、アメリカは、「そうは問屋が卸さない」と先回りしたのであった。

 ちなみに、ARIAにおいて、アメリカがアジアの平和のために最も重視しているパートナーは
日本であり、その基礎は日米安保条約だと言及されている。(敬称略)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2>> 王育徳紀念館は東アジアで最高の個人資料館  下川 正晴(元毎日新聞論説委員)

【下川正晴氏フェイスブック:2019年2月7日】
https://www.facebook.com/shimokawa502/posts/2031669780242092

 王育徳紀念館は、東アジアで、最高の個人資料館である!!!

 昨年、台南市の尽力で開館した。旧正月の休館が終わったので、早速、駆けつけた。呉園文藝中
心という最高の場所にできたのは知っていたが、その充実した展示内容に驚嘆した。前市長や遺族
などの関係者のご努力の賜物であろう。

 王育徳を知らない日本人は多い。記念館に来ていた台湾人カップルも知らなかった。2・28事件
で行方不明になった弁護士の兄とともに、台湾人の公的記憶にとどめておくべき人物だ。

 王育徳は1)台湾独立運動家2)台湾語普及に貢献した3)台湾人の戦後補償に尽力した――な
ど多面的な活動を行なった。時代の何歩も先を歩んだ人だ。彼の自伝「昭和を生きた台湾青年」を
読んで驚嘆した。台南一中、台北高校時代の逸話が秀逸である。

 記念館の特記すべき事柄は、日本語による説明が充実していることだ。パンフ、展示説明ともに
見事なものだ。王育徳の台湾語が聞ける受話器など、来館者を楽しませる工夫がある。台南に来る
日本人は、必ず参観すべきだろう。

 日本と台湾の近現代にとって、王育徳の存在は限りなく偉大であったと確信させる。

              ◇     ◇     ◇

◆「王育徳紀念館」開館の御案内【台湾独立建国聯盟日本本部ホームページ】
 https://www.wufi-japan.org/archives/564

◆王明理「台南市に王育徳記念館が開館」【台湾独立建国聯盟日本本部ホームページ】
 https://www.wufi-japan.org/archives/580

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【日本李登輝友の会:取扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

*ご案内の詳細は本会ホームページをご覧ください。

● 台湾フルーツビール・台湾ビールお申し込みフォーム
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/rfdavoadkuze

*台湾ビール(缶)は在庫が少なく、お申し込みの受付は卸元に在庫を確認してからご連絡しますの
 で、お振り込みは確認後にお願いします。【2016年12月8日】

● 美味しい台湾産食品お申し込みフォーム【常時受付】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex

*台湾の高級調味料XO醤は在庫切れのためお申し込みを中止しています。悪しからずご了承のほ
 どお願いします。入荷予定が分かり次第、本誌やホームページでお伝えします。(2019年1月9日)

● 台湾土産の定番パイナップルケーキとマンゴーケーキのお申し込み【常時受付】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/2018pineapplecake/

*沖縄県や伊豆諸島を含む一部離島への送料は、宅配便の都合により、恐縮ですが1件につき
 1,000円(税込)を別途ご負担いただきます。【2014年11月14日】

*パイナップルケーキ・マンゴーケーキを同一先へ一緒にお届けの場合、送料は10箱まで600円。

・奇美食品の「鳳梨酥」「芒果酥」 2,900円+送料600円(共に税込、常温便)
 [同一先へお届けの場合、10箱まで600円]

・最高級珍味「台湾産天然カラスミ」 4,160円+送料700円(共に税込、冷蔵便)
 [同一先へお届けの場合、10枚まで700円]

● 書籍お申し込みフォーム
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px

・浅野和生編著『日台関係を繋いだ台湾の人びと1・2』*new
・劉嘉雨著『僕たちが零戦をつくった─台湾少年工の手記』
・渡辺利夫著『決定版・脱亜論─今こそ明治維新のリアリズムに学べ』
・呉密察(國史館館長)監修『台湾史小事典』(第三版)
・李登輝・浜田宏一著『日台IoT同盟』 *在庫僅少
・王育徳著『台湾─苦悶するその歴史』(英訳版) *在庫僅少
・浅野和生編著『1895-1945 日本統治下の台湾』
・王明理著『詩集・故郷のひまわり』
・李登輝著『李登輝より日本へ 贈る言葉』 *在庫僅少
・宗像隆幸・趙天徳編訳『台湾独立建国運動の指導者 黄昭堂』
・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』 *在庫僅少
・盧千恵著『フォルモサ便り』(日文・漢文併載)
・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点』
・李筱峰著・蕭錦文訳『二二八事件の真相』

● 台湾・友愛グループ『友愛』お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr

*第1号〜第15号(最新刊)まですべてそろいました。【2017年6月8日】

● 映画DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za

・『海の彼方』
・『台湾萬歳』
・『湾生回家』
・『KANO 1931海の向こうの甲子園』
・『台湾アイデンティティー』 
・『台湾アイデンティティー』+『台湾人生』ツインパック
・『セデック・バレ』(豪華版)
・『セデック・バレ』(通常版)
・『海角七号 君想う、国境の南』
・『台湾人生』

● 講演会DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3

・2018年 李登輝元総統沖縄ご訪問(2018年6月23日・24日)*new
・2014年 李登輝元総統ご来日(2014年9月19日〜25日)
・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆日本李登輝友の会「入会のご案内」

・入会案内:http://www.ritouki.jp/index.php/guidance/
・入会申し込みフォーム:https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46

-------------------------------------------------------------------------------------
◆メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の活動情報
とともに配信する、日本李登輝友の会の公式メルマガ。

●発 行:
日本李登輝友の会(渡辺利夫会長)
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1
 Twitter:https://twitter.com/jritouki

●事務局:
午前10時〜午後6時(土・日・祝日は休み)

●振込先: 

銀行口座
みずほ銀行 本郷支店 普通 2750564
日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
(ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

郵便振替口座
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)
口座番号:00110−4−609117

郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
加入者名:日本李登輝友の会 (ニホンリトウキトモノカイ)
店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
*他の銀行やインターネットからのお振り込みもできます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright(C) 2011  Friends of Lee Teng-Hui Association in Japan







規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2003-10-06  
最終発行日:  
発行周期:週3回以上刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 下津井よいとこ2019/02/14

    (お詫びと訂正)

    先程の投稿で、陸軍落下傘部隊と海軍落下傘部隊を逆に書いてしまいました。お詫びして訂正します。



    陸軍落下傘部隊……スマトラ島パレンバンに降下

    海軍落下傘部隊……セレベス島メナドに降下

                                 です。



     セレベス島メナドへの海軍落下傘部隊の降下は陸軍よりも一箇月早い昭和17年1月11日です。戦果の発表は、陸軍のほうを待って、確か、同時発表だったと思います。

  • 下津井よいとこ2019/02/14

    パレンバンデー記念講演会が開催されます。

      日時 平成31年2月14日午後5時半から

      場所 憲政記念館講堂にて

     



    (藍より蒼き大空に大空に 忽ち開く百千の 真白き薔薇の花模様……。昭和17年2月14日は海軍落下傘部隊がスマトラ島パレンバンに降下して、油井施設確保に向けての行動を開始した日です。「空の神兵」と云う愛称は、宮崎県の新田原で降下訓練中に、空から羽衣を負った天人が舞い降りたのかと思ったお年寄りが思わず跪いて手を合わせたことに由来するそうです(『あゝ戦友あゝ軍歌』(東京12チャンネル、昭和46年)より)。実際の作戦でも目の覚めるような、降下の情景が展開されましたが、隊員達は護身用の拳銃だけを携行した決死の作戦行動に挺身しました。

     石油が噴き出す油井を囲んで空挺隊員達が歓声を挙げている写真が、今でも書物に掲載されていることがあります。国内に於いても、翌2月15日のシンガポール陥落と合わせて、戦捷の報に国民が歓呼の声を挙げました。日蘭会商の失敗やアメリカの対日石油禁輸に苦しめられた我が国にとって石油の確保に成功したことは大きな意味を持つ戦果でした。パレンバンやメナド(陸軍落下傘部隊が降下)の作戦も含めて、我が陸海軍が蘭印を占領しオランダ当局が撤退したことはインドネシア独立への重要な階梯となりました。

     蘭印から内地へは昭和18年頃迄は大量の石油が輸送されていたようです。然し、輸送途上での油槽船の損耗が多く、昭和19年頃からは輸送に困難をきたすようになりました。海軍が海上護衛兵力整備の重要性に気付くのが遅かったことが原因でした。アメリカ軍の潜水艦によりタンカーが次々と沈められてしまいました。(石井正紀著『石油技術者たちの太平洋戦争』(光人社、平成3年)を参照)内地では、艦船や航空機の燃料が乏しくなりました。「誉」などの高性能エンジンも、高オクタン価ガソリンが確保出来ないことから性能を十分発揮出来なくなりました。食糧不足が深刻になり、学校の校庭や空き地と云う空き地全てに作物が植えられるようになったのも、石油不足により化学肥料が払底し農業の生産性が低下したからだったのでしょう。(食料無駄なし運動、お芋は今や主食です)。

     海軍の用兵思想や戦略に難があり、苦闘の末確保した蘭印の油井も、大東亜戦争の展開とともに十分活用出来なくなってしまったのです。

     そう云うこともありましたが、開戦当初、大きな戦果を挙げたことも語り継いでいく必要があります。無論、尊い犠牲があったことも忘れてはなりません。

     大東亜戦争では、時期を問わず、我が軍将兵が勇猛果敢に戦いました。今でも、各会戦を思い起こす時、我々は勇気づけられるのです。