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メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

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【メルマガ日台共栄:第3356号】 統一地方選挙は国民党が勝利したのか  黄 文雄(文明史家)

2018/11/29

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1>> 統一地方選挙は国民党が勝利したのか  黄 文雄(文明史家)
2>> 政府は前面に立って台湾の5県産品輸入禁止問題解決に動き出すべき
3>> 日米台関係研究所のシンポジウム「台湾有事と日本の対応」【懇親会締切:11月30日】
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――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1>> 統一地方選挙は国民党が勝利したのか  黄 文雄(文明史家)

【黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」第263号:2018年11月28日】
http://www.mag2.com/m/0001617134.html
*読みやすさを考慮し、小見出しは本誌編集部で付したことをお断りします。

 みなさんこんにちは、黄文雄です。
 昨日まで台湾の統一地方選挙を取材していました。
 今回の選挙では民進党が大敗し、蔡英文は党主席の辞任を表明しました。しかしそれは、国民党
の勝利を意味するのでしょうか。
 中国は大喜びですが、今回の選挙結果は、2年後の総統選挙にどのような影響を及ぼすのでしょ
うか。
 今週のメルマガでは、以上の点について解説しました。

              ◇     ◇     ◇

◆政権党の民進党はなぜこれほど大敗してしまったのか

 台湾の統一地方選挙、いわゆる「九合一選挙」(直轄市長、直轄市議員、省轄縣市長、県市議
員、郷鎮市長、郷鎮市民代表、村里長、山地原住民区長及び平地原住民区民代表の9つの選挙)が
11月24日(土)に行われ、結果は民進党の大敗となり、蔡英文総統も民進党主席を辞任しました。

 行政院長と陳菊秘書長(元高雄市長)も、蔡総統に辞意を表明しましたが慰留されました。選挙
結果として、政治勢力地図はかなり大きく塗り替えられました。市長クラスの数字だけを見ても、
ブルー(国民党)15席、グリーン(民進党)6席という結果でした。計22の県市の中で、民進党は
桃園、台南の2都市および基隆市、屏東市、新竹市、嘉義県の4つの県市以外はすべての県市を失い
ました。

 国民党は、高雄市、台中市、新北市の3大都市のほか、計15の県市を獲得しました。台北市は元
市長の柯文哲と国民党候補である丁守中の2人が競りましたが、僅差で柯文哲氏の当選となりまし
た。しかし、この結果に対して物言いがつき、法的に認められるものかどうかの審議の最中です。

 では、政権党の民進党が、なぜこれほど大敗してしまったのかについてですが、関係者や政治評
論家たちがその理由を100以上も上げており、喧々諤々としています。

 その中でも主な理由としては、蔡英文政権の諸改革に対する不満です。さらに、投票日に10項目
もの「公民投票」を行ったことで投票に時間がかかり、有権者は2時間以上も行列しなければなり
ませんでした。この待ち時間に民進党への不満も高まり、有権者たちが民進党にノーを突き付ける
結果となったのでしょう。

 結果の詳細については、皆さんご存知と思いますのでここでは割愛します。今回の選挙につい
て、このメルマガでも書きましたが、中国からの様々な妨害が予想されており、実際にいろいろと
あったようです。例えば、10項目に及ぶ住民投票については、以下のような報道がありました。

<2017年に住民投票に関する法律が改正され、25%以上の投票率で賛成が過半数を超えれば成立す
ることになったからだ。そもそも10件も住民投票が乱立することになったのも、法改正で住民投票
実施に必要な署名数が有権者の5%(約94万人)から1.5%(約28万人)に大幅に緩和されたためだ。

 野党の国民党や社会団体など、蔡政権に不満のあるグループがここぞとばかりに署名集めを展開
した。署名に関しては、複数の提出案件で亡くなった人の名前が約1万人も含まれていたことが発
覚し、投票業務を管轄する中央選挙委員会が刑事告訴を検討する騒ぎもあった。>

 また、ネットでの情報操作についての報道もありました。

<今回の選挙では、台湾のフェイスブックや台湾で人気がある掲示板(PTT)に対して、中国の
ネット部隊「網軍」から台湾世論を誘導する書き込みが多数行われたとの指摘がある。>

 このほかにもいろいろとあったことでしょう。選挙期間以前からの中国のいやがらせも数々あり
ました。中国人観光客の台湾渡航禁止によって、台湾の観光業者を窮地に追いやったり、台湾と国
交のある小国に資金援助を申し出て、台湾と断交させたりと、蔡英文政権誕生後から中国はずっと
あからさまないやがらせを繰り広げてきました。

 今回の選挙結果には、そうしたことも多少の影響はあったとは思いますが、今回の選挙結果を招
いた主な要因は、やはり台湾の民意と蔡英文政権とのすれ違いだったと思います。

◆「天然独」といわれる若者層の存在

 私は、蔡英文が総統になったときから言ってきたことですが、蔡英文には多くを期待してはいけ
ない。なぜなら、台湾は中台関係もあり、急激に変わることができないからです。蔡英文は台湾を
変える改革の芽を生んでくれればそれでいい、と言ってきました。

 そして、彼女はわずか2年間で、物事を慎重に運びながらも、労基法の改正や年金改革への着手
という英断をしてきました。蔡英文の行く手には習近平という大魔王が立ちはだかっているため、
彼女のやることが裏目に出るよう仕組まれる危険性も想定した上での数々の英断だったことでしょう。

 そして、この2年間の展開は、まさにその通りになっていました。蔡英文が慎重な態度を取れ
ば、決断できない総統とのレッテルを張られ、年金制度改革では激しいデモが繰り広げられ、蔡英
文の支持率は下がる一方でした。

 これらの出来事の裏には、「天然独」といわれる若者層の存在も大きくありました。彼らは、今
の台湾社会の在り方を「当然」と捉えています。今の民主的で自由な台湾社会は、生まれたときか
らあって当然のものであったし、それ以外にどんな社会があるのかを知りません。

 そんな彼らにとって、蔡英文が今ある制度をわざわざひっくり返して反発を招いているのは滑稽
に映ったのかもしれません。さらに、中国はこうした「天然独」層の存在を味方につけて、台湾を
引き寄せようともしています。台湾人の若者の中国留学や就職を優遇したり、台湾企業の中国進出
を優遇したりという懐柔政策をとっているのです。

 蔡英文は四面楚歌です。2年前に民進党が大躍進した背景には、ひまわり革命や中国に媚びへつ
らう馬英九への不満がありました。それも時間とともに台湾人の中から忘れ去られ、代わりに蓄積
したのは蔡英文の経済や内政への不満だったのでしょう。

 小泉純一郎元首相がよく口にしたフレーズですが、台湾にとっては「時には痛みの伴う改革」が
必要です。それが労基法の改正であり、年金制度改革なのです。「天然独」層は、白色テロ時代を
知りません。話には聞いているかもしれません。知識としては知っているかもしれません。しか
し、実感としては知りません。

 台湾の著名な歴史研究家であった王育徳氏のご令嬢である王明理氏の、今回の選挙に対する言葉
が非常に心に刺さります。

<今、台湾人が享受している平和で自由な空気は、天から降ってきたものではなく、多大な犠牲の
上に手に入れたものだ。かつての国民党の一党独裁体制から民主化に生まれ変わるために、台湾人
がどれだけ努力し、忍耐し、尽力したか。李登輝さんという稀有な人材が副総統から総統になると
いう奇跡が無ければ、有り得ない革命だった。台湾人は世界史にも燦然と輝く無血革命を成し遂げ
た民族であったはずだった。

 未だ正式な独立国家とはなっていないが、苦悶の歴史からやっと脱却しつつある過程で、まさか
自ら後退を選び苦しい過去へ逆走し始めるとは思わなかった。>

 台湾の暗黒の時代を知っている我々だからこそ、今ある台湾社会を護りたいと強く願うのです。
そして、それができるのは少なくとも中国の代弁者である国民党ではありません。2年後の総統選
挙に向けて、習近平は高雄市長や新北市場など、国民党候補が当選した地域に対して直接的および
間接的に接触してくることでしょう。そして、民進党政権を揺るがせるような地盤づくりに励むこ
とでしょう。

◆今回選挙の特色

 民進党は200万票を失う結果となりましたが、今回の選挙には過去にない特色がありました。2大
政党以外のミニ政党が多く進出してきたのです。有権者の意識にも変化があったように思います。
これまでの政治意識としては、国民党と民進党の2大政党の対立がありましたが、ミニ政党が多
かったことで政党への支持傾向は弱くなり、個人を支持する傾向がありました。

 さらに、「買票」(選挙買収)ができなくなり、「生活関心」に大きなウエートを置くことにな
り、「改革」には拒否反応を示す傾向が強くなりました。古いタイプの政治家も人気が落ち、高雄
市長に当選した韓國瑜に代表されるような新しい世代の政治家が台頭してきました。これらが今回
の地方選挙の特色でした。

 再度言いますが、今回の選挙に関しては、民進党大敗で国民党大勝という「政党勝敗」的な見方
は間違いです。

 中国が、ロシアのアメリカ大統領選のマネをして、各国の選挙にフェイクニュースを流し、選挙
の行方を左右しようとしていたことはよく知られています。台湾の公安関係者も、それについての
具体的な証拠を数多く突き止めています。

 では、中国が流したフェイクニュースがどれだけ選挙の行方に影響を及ぼしたでしょうか。これ
については、「限定的」という一言に尽きます。というのも、中華文化の伝統風土としては、嘘つ
きやほら吹きは欠かせない要素の一つだからで、誰もが知っているからです。それも、日常生活の
中で欠かせないメンタリティです。

 「中国ではすべてが嘘、本物はペテン師だけ」という言い方があるほど、嘘は中国伝統文化のひ
とつとして欠かせないものなのです。そのため、中国でフェイクニュースが多用されるのは近年に
始まったことではありません。

 フェイクニュースは「烏龍(ウーロン)消息」と言われ、国民党統治下の70年の間、台湾メディ
アの信頼性は1%程度でした。「疑心暗鬼」「人間不信」は、中国の国民性にもなっているほどな
ので、今さら中国がフェイクニュースを流したところで、台湾人は慣れているし、事前に注意勧告
もさんざんあったことからも、その効果は限定的と言わざるを得ません。

 ソ連はかつてバルト3国を呑み込み、ロシアもクリミアを手に入れました。中国もチベット、ウ
イグル、南モンゴルまでを「大中華民族」とした事例があります。しかし、それらはいずれもミニ
国家か、民主的な制度を持った経験がなかった地域でした。

 確かに、台湾の教育やマスメディアは、かつて中華文化一色に塗りつぶされたことがありました
が、島という独自の存在として中国からのいかなる攻略にも、いかなる恫喝にも微動だにしなかっ
たのが、この一世紀以来の台湾の歴史です。

◆中国が台湾選挙に大きな影響を与えられない理由

 今回、私は民進党候補者だけでなく国民党候補者の台湾語による演説を聞いていて感じたのは、
中国との一体感よりも台湾を主体とする政見放送が主であり、中国以上に台湾に対してアイデン
ティティを認知しているということです。ブルー陣営もグリーン陣営も、色の違いの壁をはるかに
超えていました。それもあって、中国からの台湾選挙に対する戦略は限定的という分析をしたのです。

 選挙結果として民進党が大敗したことも、中国により選挙介入がしきりに伝えられ、マスメディ
アによる報道も一層激しくなっています。しかし、選挙システムや民意を問うシステムも破壊でき
ない中国が、台湾をはじめとする民主主義国家の選挙システムにフェイクニュースという手段で大
きな影響を及ぼすことはほとんどできないでしょう。

 地方選挙と国政選挙は事情が違います。国民党の大勝は「復活」とも報道されています。2年後
に控える国政選挙(総統と立法委員の選挙)について、国民党と中国政府が手を組んで介入してく
るという予想も少なくありません。

 日本の地方首長も、無党派が主流となってきています。党派をもって国政選挙を読むのは難しい
時代になってきているのかもしれません。民進党の改革路線が挫折すると、戦後以来の台湾の改革
路線は頓挫するに違いありません。

 核、エネルギー問題をはじめ、環境問題など、地方首長だけでは解決できない問題は実に多くあ
ります。もちろん、政党や国家だけでも解決できません。蔡英文が断行した年金制度改革だけで
も、政権安定に確実に響いています。

 様々な問題をクリアしなければ台湾に未来はないとわかっていても、現実には問題解決は難しい
ものです。日本も、消費増税や憲法改正などの問題は山積しています。今回の選挙の結果を受け
て、中国の台湾に対する圧力は強くなるに違いありませんが、では台湾の「民意」だけで台湾の未
来を決めることはできるのかというと、それも難しいでしょう。

◆蔡英文に代わって誰が有力候補となるのか

 「九合一」選挙から新しい情勢を見る限り、古い政治リーダーの没落が顕著でした。2020の国政
選挙をめぐって、いったい誰が政治リーダーとしてふさわしいのかがこれからの課題です。若い世
代が多く期待され、新しいタイプの政治スターが出てくる可能性もおおいにあります。

 2年後のことを言うのは時期尚早かもしれませんが、来年からは各党派の指名や選出をしないと
間に合わないという見方も少なくありません。台湾の内外情勢を鑑みて、蔡英文総統の2期目の当
選は難しいという見方も多くあります。

 では、蔡英文に代わって誰が有力候補となるのかというと、その名を挙げられるのは難しいで
しょう。2年後、台湾政治を牽引するリーダーとなるべき人物は誰なのか、今の段階ではまだわか
りません。もしも蔡英文が再選しなかったとしても、台湾が過去に後退するようなことになること
だけは避けるべきなのです。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2>> 政府は前面に立って台湾の5県産品輸入禁止問題解決に動き出すべき

 本日付の産経新聞が「主張」において、台湾で行われた公民投票で「食品の安全にかかわる問題
が、科学的議論を抜きに住民投票に委ねられたこと」自体が重要問題で「民意を問うこと自体が間
違いなのだ」と述べている。

 台湾贔屓の産経新聞にしてはこういう批判的な物言いは珍しいが、実は編集子も同感だ。昨日の
本誌でも「日本の5県産品の輸入禁止問題は、民意を問う公聴会などは開かなくてもよかったので
はないか。蔡英文総統が政治判断すべきだったのではないかという疑問が残り、公聴会は国民党な
ど反政府派に政治利用されただけに見える」と指摘した。

 さはさりながら、翻って日本政府に落ち度はなかったのだろうか。

 この主張では「政府が前面に立ち、あらゆる手立てを講じて風評を払拭するしかない」とも結論
付けていて、この主張にも賛意を表する。

 菅義偉・官房長官は11月26日、記者会見で「『食品の安全性などに関する各種の情報を提供しつ
つ、科学的根拠に基づき早期の規制撤廃を働きかけてきた』とこれまでの取り組みを説明。その上
で、『台湾の消費者の皆さんに十分にご理解を頂けない結果になった』と遺憾の意を表明した」
(中央通信社)という。

 しかし、これまで当該県の知事や県議など、また国会議員や日本台湾交流協会が「科学的根拠に
基づき早期の規制撤廃を働きかけてきた」とは聞き知るところだが、政府の誰が働きかけてきたの
だろう。農林水産大臣や副大臣など担当所管の閣僚などが台湾まで行って働きかけたことがあるの
か。寡聞にして知らない。やはり、産経「主張」のとおり「政府が前面」に立つ必要があったので
はないか。

 吉川貴盛(よしかわ・たかもり)農水大臣は11月27日の記者会見で「極めて残念」と述べつつ、
「規制の早期撤廃につながるように、日本台湾交流協会を通じて、また、あらゆる機会をとらえて
粘り強く働き掛けていく必要がある」と述べているが、今後も日本台湾交流協会という代理ですま
せようとしている。

 しかし、すでにその段階は過ぎている。日本台湾交流協会では埒が明かないことは明らかではな
いか。

 この5県産品輸入禁止問題は、公民投票の成立を受けて「今後2年間、解禁措置を取れなくなる」
と伝えられるが、今からでも遅くはない。政府が前面に立ち、問題を解決する姿勢を明らかにして
動き出すべきだ。これは日本の国益のためであり、台湾の国益のためでもある。苦境に陥っている
蔡英文政権への助け舟ともなるはずだ。

 下記に産経新聞「主張」を紹介したい。

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台湾の輸入規制 風評根絶に民意を向けよ
【産経新聞「主張」:2018年11月29日】

 東日本大震災後、台湾の人たちはいち早く被災者支援に動き、総額で200億円を超える義援金を
送ってくれた。それだけに残念でならない。

 台湾の統一地方選に合わせて実施された住民投票で、福島第1原発事故から続けている福島県な
ど5県産の食品に対する輸入禁止措置が今後2年は継続されることになった。

 重要な問題点が2点ある。

 一つは、食品の安全にかかわる問題が、科学的議論を抜きに住民投票に委ねられたことだ。

 たとえば、「天動説」と「地動説」のどちらをとるかを、住民投票で決めるのが「おかしい」こ
とは明白だろう。食品の安全性も科学的論拠に基づいて判定されるべき事象であり、民意を問うこ
と自体が間違いなのだ。

 原発事故以降、台湾のほか韓国、中国、香港、シンガポールなどの国、地域が日本産食品に対す
る輸入規制を続けている。

 今年2月、世界貿易機関(WTO)の小委員会は、韓国の禁輸に関する報告書で「不当な差別」
だとする判断を示した。「基準値以上の放射性物質は検出されていない」とする日本の主張の正し
さは、科学的かつ客観的に示されているのである。

 民意を問う前に輸入規制には根拠がない。これを国際社会の共通認識としなければならない。

 もう一つの問題点は、極めて深刻な「風評」の根深さである。

 原発事故から7年8カ月余が過ぎた。福島県や近隣の生産者は米の全量検査をはじめとする厳格な
検査で安全性をアピールし、風評の払拭にできる限りの手立てを尽くしてきた。しかし、現実と乖
離(かいり)した「福島=放射能汚染」というイメージは払拭されず、むしろ定着してしまっている。

 中国や韓国では、反日感情と風評が結びついて政治利用されている。台湾の住民投票にもその影
響はある。生産者や自治体の努力では解消できない。政府が前面に立ち、あらゆる手立てを講じて
風評を払拭するしかない。

 菅義偉官房長官は「台湾の消費者に十分に理解してもらえず、極めて残念だ」と述べたが、国内
でも「福島産」が敬遠される傾向はまだ続いている。中国メディアは「日本人も福島の食品をあえ
て食べない」と論評した。

 日本の民意を「風評の根絶」に向ける必要がある。

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3>> 日米台関係研究所のシンポジウム「台湾有事と日本の対応」【懇親会締切:11月30日】

 台湾統一に向けた攻勢を強化し、露骨なまでに台湾への圧力を強めつつある中国の覇権的動きが
アジア太平洋の平和と安定を脅かしている現在、日本、米国、台湾の安全保障体制を固めることこ
そ喫緊の課題と考え、本年4月、渡辺利夫・拓殖大学学事顧問を理事長に「一般社団法人日米台関
係研究所」[略称:JUST(ジャスト)]を設立しました。

 顧問には、日本から中西哲(参議院議員、自民党国防部会副会長)、江口克彦(李登輝基金会最
高顧問)、米国からジェームス・E・アワー(元米国防総省国際安全保障局日本部長)、ウォレ
ス・グレグソン(元国防次官補)、台湾から羅福全(元台湾日本関係協会会長)、許世楷(元台北
駐日経済文化代表処代表)の各氏が就任しています。

 本研究所の設立は台湾でも知るところで、陳菊・総統府秘書長からは「台日関係に資するところ
が大きく、感謝したい」という激励と感謝のお言葉をいただいています。

 来る12月2日、シンポジウム「台湾有事と日本の対応」を開催します。いわゆる「台湾有事」に
際し、日本はいかなる対応ができるのか、その場合の米国との共同はいかにすべきかなど、日米台
の三者が安全保障上の関係強化を進めることの重要性を訴え、中国の外洋への覇権的進出の危機に
警鐘を鳴らします。                          【使用言語:日本語】

*懇親会の申し込み締切は11月30日(金)まで大丈夫と判明しましたので、訂正してご案内申し上 げます。

 平成30年(2018年)11月吉日

                              一般社団法人 日米台関係研究所

              ◇     ◇     ◇

・日 時:2018年12月2日(日)15時30分〜[受付開始:15時]

・会 場:アルカディア市ヶ谷 5階 大雪

      東京都千代田区九段北4-2-25 TEL:03-3261-9921
           【交通】JR・地下鉄 市ヶ谷駅 徒歩3分
      http://www.arcadia-jp.org/access.htm

 第1部 シンポジウム(15:30〜18:00)  

      司会:梅原克彦(中信金融管理学院教授)

      許 世楷(元台北駐日経済文化代表処代表、津田塾大学名誉教授)
      金田秀昭(岡崎研究所理事、元海上自衛隊護衛艦隊司令官)
      浅野和生(平成国際大学教授)

      【コメンテーター】
      渡辺利夫(拓殖大学前総長、日米台関係研究所理事長) 
      ジェームス・E・アワー(米国・ヴァンダービルト大学名誉教授) 
      川村純彦(川村研究所代表、岡崎研究所副理事長) 
      ウォレス・グレグソン(米国・元国防次官補) 
      林 建良(台湾の声編集長) 
      柚原正敬(日本李登輝友の会事務局長)

  第2部 懇親会(18:10〜20:00)  アルカディア市ヶ谷 5階 穂高

・参加費:シンポジウム=無料     懇親会=8,000円

・お申込:メールまたはFAXにて、ご氏名(フリガナ)、電話、メールアドレス、シンポジウム
     のご出欠、懇親会のご出欠を書き添えてお申し込み下さい。

      E-mail:just.japan2018@gmail.com 
      FAX:03-3868-2101

・締 切:懇親会は11月30日(金)、シンポジウムは12月1日(土)です。

・主 催
 一般社団法人日米台関係研究所
 TEL:03-3868-2422 FAX:03-3868-2101
 E-mail:just.japan2018@gmail.com

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日米台関係研究所シンポジウム「台湾有事と日本の対応」お申し込み

・ご氏名(フリガナ):
・お電話:
・E-mail:
・シンポジウム: ご出席・ご欠席 (いずれかを丸で囲んでください)
・懇親会: ご出席・ご欠席 (いずれかを丸で囲んでください)

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【日本李登輝友の会:取扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

*ご案内の詳細は本会ホームページをご覧ください。

● 台湾フルーツビール・台湾ビールお申し込みフォーム
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/rfdavoadkuze

*台湾ビール(缶)は在庫が少なく、お申し込みの受付は卸元に在庫を確認してからご連絡しますの
 で、お振り込みは確認後にお願いします。【2016年12月8日】

● 美味しい台湾産食品お申し込みフォーム【常時受付】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex

*新たに「台湾の高級調味料XO醤」をご案内しています。【2018年11月14日】

*沖縄県や伊豆諸島を含む一部離島への送料は、宅配便の都合により、恐縮ですが1件につき
 1,000円(税込)を別途ご負担いただきます。【2014年11月14日】

*パイナップルケーキ・マンゴーケーキを同一先へ一緒にお届けの場合、送料は10箱まで600円。

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・渡辺利夫著『決定版・脱亜論─今こそ明治維新のリアリズムに学べ』
・呉密察(國史館館長)監修『台湾史小事典』(第三版)
・李登輝・浜田宏一著『日台IoT同盟』 *在庫僅少
・王育徳著『台湾─苦悶するその歴史』(英訳版) *在庫僅少
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・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』 *在庫僅少
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・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点』
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● 講演会DVDお申し込みフォーム
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・2018年 李登輝元総統沖縄ご訪問(2018年6月23日・24日)*new
・2014年 李登輝元総統ご来日(2014年9月19日〜25日)
・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)

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  • 名無しさん2018/11/29

    国民党や社会団体が集めた「署名に関しては、複数の提出案件で亡くなった人の名前が約1万人も含まれていたことが発覚」とありましたが、そういえば国民党などはもはや中国の亡霊ファントムのようなもので、1万人ものキョンシーが署名したのだろうと思われます(笑)