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【メルマガ日台共栄:第3324号】 米国が台湾を重視する理由  能勢 伸之(フジテレビ解説委員)

2018/10/15

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1>> 米国が台湾を重視する理由  能勢 伸之(フジテレビ解説委員)
2>> 台南市に王育徳記念館が開館  王 明理(台湾独立建国聯盟日本本部委員長)
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1>> 米国が台湾を重視する理由  能勢 伸之(フジテレビ解説委員)

 米国が台湾との関係を強化していることは、国内法として「台湾旅行法」や「国防権限法」を制
定するばかりでなく、台湾関係法に基づき、9月24日に3億3000万ドル(約370億円)に上る、F16戦
闘機などの交換部品を台湾に売却する方針を発表したことにもよく現れている。

 さらにそれは、アジア太平洋担当の国防次官補という実務の最高責任者で、海軍士官出身のラン
ディ・シュライバー氏が台湾への武器売却について、10月11日に「もっと常態化した、しかも政府
間取引の対外有償軍事援助(FMS)的な関係の構築を目指す」(中央通信社)と発言したことから
も分かるように、米国は日本などと同じレベルで台湾へ武器売却しようという姿勢を見せている。

 米国のペンタゴン(国防総省)が行っている対外軍事援助プログラム「対外有償軍事援助(FM
S:Foreign Military Sales)」は、輸出窓口が兵器製造メーカーではなく、ペンタゴンになると
いう。日本など約160ヵ国がこの有償援助対象国になっているそうで、シュライバー国防次官補
は、ここに台湾を加えたいと発言したのだ。

 なぜ米国はこれほど台湾を重視するのか。その一つの見方を、フジテレビ報道局上席解説委員の
能勢伸之氏が小野寺五典・前防衛大臣の発言などを引用して解説している。下記に紹介したい。

 ちなみに、能勢氏が言及している台湾の高度早期警戒レーダー・システム「EWR」は米国のレ
イセオン社製で、2013年2月から運用を開始しているという。着弾の6分以上前から警戒態勢を敷け
るそうだ。探知距離は3500km以上とされ、南シナ海全域を監視でき、北朝鮮のミサイル発射も探
知していて、あらゆる奇襲攻撃に対応できると言われている。

 なお、原題は「米中対立の中、際立つ台湾軍の巨大レーダーEWRの存在」だが、天災に当り「米
国が台湾を重視する理由」に改題していることをお断りする。

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米中対立の中、際立つ台湾軍の巨大レーダーEWRの存在
【FNN PRIME「能勢伸之の安全保障」:2018年10月14日】
https://www.fnn.jp/posts/00374590HDK

◆台湾軍演習:蔡英文総統の隣にパラグアイ大統領

 米中間の軋轢は、いわゆる“貿易戦争”以外にも拡大を見せている。

 10月中旬に予定されていた米中高官による米中外交・安全保障対話(DSD)を中国が中止。

 そうした中、目立ってきたのが、台湾の存在だ。

 台湾の陸軍と空軍が10月9日に合同で演習を行い、AH-1攻撃ヘリコプターやUH-60ヘリ・CH-47輸
送ヘリを使い、台湾のCM11またはCM12型戦車が参加した。

 この演習を視察した蔡英文総統の隣には、パラグアイのベニテス大統領がいた。

 2人は、AH-64Eアパッチ・ガーディアン攻撃ヘリコプターの格納庫の前で記念写真を撮影。

 台湾軍の演習に、外国の国家元首が参加したのは、公表されている限り、台湾史上、初めての事だ。

 その演習の前日のあたる8日に訪中したポンぺオ米国務長官に、王毅外相は「米国は貿易問題を
エスカレートさせ、台湾問題でも中国の権益を損なう行動をとっている」「米国が誤ったやり方を
やめるよう求める」等、激しい言葉を浴びせ、貿易問題だけでなく、台湾問題でも苛立ちを隠さな
かったようだ。

 これに対し、ポンぺオ国務長官は、米中外交・安保対話の中止に遺憾の意を伝えたという。

◆米ジェットエンジン・メーカーを狙った中国スパイ

 10月10日、米司法省は、アメリカの航空宇宙産業の秘密を盗んだとして、米国の令状に基づき、
ベルギーで逮捕された中国の国家安全部=MSSに所属するYanjun Xu被告を、10月9日に米国へ身柄
を移送、告訴した。

 その後、Xu被告は国外追放となったが、彼が所属していたとされるMSSについて、米司法省は
「中国の情報機関および治安機関であり、カウンターインテリジェンス・外国諜報機関・政治安全
を担当。 

 「MSSは国内外のスパイ活動を行うために幅広い権限を持つ」と説明している。

 どんな“スパイ行為”だったのか、その具体的な内容は、司法省の発表文には見当たらなかった
が、ワシントンポスト紙などによると標的となっていたのは、米国を代表するジェットエンジン・
メーカーのGE Aviation等の航空宇宙産業。

 GE Aviation社のエンジンは、民間旅客機だけでなく、F-15戦闘機、F-16戦闘機、AH-64アパッチ
攻撃ヘリコプター、B-2ステルス爆撃機、F/A-18E/F戦闘攻撃機などの軍用機にも幅広く使用されて
いる。

 中国外務省は、この“スパイ行為”疑惑を「根拠のないでっちあげ」として、反発した。

◆小野寺前防衛相「台湾の高い山」発言

 このように米中の対立の根が深まる最中、徐々に存在観を見せる台湾だが、今後、台湾と米国の
関係は、どうなるのだろうか。

 10月2日まで防衛大臣の任にあった、小野寺五典衆議院議員は、11日のBSフジ「プライムニュー
ス」で、興味深い発言をしている。

<小野寺前防衛相:
 今まで台湾に対して、ずっとアメリカは中国に気を遣って、肩入れしてこなかった。例えば防衛
装備についても、私、現場で見させてもらったが、アメリカからの部品補給が無いので、稼働して
ないものもあった。>

 だが9月24日、米国防省の国防安全保障協力局は、米国務省が米国内での台湾の利益代表部に相
当する「台北経済・文化代表部」が、総額3億3000万ドルに及ぶ台湾軍のF-16戦闘機・C-130輸送
機・F-5戦闘機、それに台湾国産戦闘機であるIDF=チンクオ戦闘機のスペアパーツを購入すること
を承認し、米議会に通知。

 中国外務省スポークスマンは翌25日、「米中間に深刻なダメージを与える」と強い異議を唱えた。

<小野寺前防衛相:
 台湾に対してもしっかり応援をするというトランプ政権の姿勢、中国への1つの一定のメッセー
ジにもなるんだと思います。
 台湾の地政学的な存在って、とても大きくて、台湾には高い山もありますし、アメリカも台湾
と、さらに情報共有を含めて連携するのではないでしょうか。>

 米軍は、台湾軍とさらに情報共有をすすめる、というのである。

◆台湾の巨大レーダー「EWR」と米本土防衛

 ここで気に掛かるのが、小野寺前防衛相が口にした「高い山」という言葉の意味である。

 小野寺前防衛相は、その意味を番組内で明らかにすることはなかったが、推測は出来る。
 
 台湾で標高2500m級の山、樂山の頂上には巨大なレーダーが立っている。このレーダーは、米国
が米本土に向かって発射された戦略弾道ミサイルをいち早く捕捉するために開発した、PAVE PAWS
戦略レーダーを基に作られたレーダーで、2つあるアンテナの直径は30メートル以上。EWRとも
呼ばれていた。

 弾道ミサイルだけでなく、巡航ミサイル・航空機を捕捉できるように性能が変更され、探知距離
は以前、3500km以上と言われた。

 南シナ海の海南島には、核弾頭を搭載した戦略核ミサイル「JL-2」を搭載した戦略ミサイル原潜
の基地がある。

 樂山から2000kmで、南シナ海全域が監視できる上、このレーダーなら、中国本土から発射され
るICBMも捕捉できるかもしれない。

 しかも、昨年改修されているので、性能が向上した可能性がある。米国にとっては、米本土防衛
のためにも無視できない存在となっているかもしれない。

 中国が、このまま戦略核兵器の開発・生産・配備を続けるなら、米本土防衛の観点から、この台
湾の山上に立つレーダーは、戦略弾道ミサイルを見張る眼として、米国防当局にとっても、極めて
重要な存在に映るだろう。

 従って、小野寺前防衛相が「米国と台湾がさらに情報共有を含めて連携」すると発言した背景に
は、この巨大レーダーの存在があるのかもしれない。

◆米国は米本土防衛のために台湾を防衛?

 では台湾にとって、このレーダーはどんな存在なのか。

 もちろん、台湾に向かってくる弾道ミサイル・巡航ミサイル・航空機の捕捉に重要な役目を果た
すだろう。

 だがそれ以上に、このレーダーが破壊されれば、米本土に向かう戦略弾道ミサイルを見張る眼が
効かなくなることを意味しかねない。

 この米本土防衛に直結しうる“眼”を米国が防衛するなら、それは米国による台湾防衛にも直結
するだろう。

 米中関係が対立し、緊張すればするほど米国は、台湾を重視せざるを得なくなる──それが、小
野寺前防衛大臣の読みなのだろうか。

             ◇     ◇     ◇

能勢伸之(のせ・のぶゆき)フジテレビ報道局上席解説委員
1958年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、フジテレビに入社。報道局取材センター政
治部で防衛・外交を中心に取材。1997年FNNロンドン支局長、1999年にコソボ紛争をベオグラー
ドとNATO本部の双方で取材。フジテレビ報道局取材センター政治部担当部長を経て、現職。著
書に、『ミサイル防衛』『防衛省』(いずれも新潮新書)、『東アジアの軍事情勢はこれからどう
なるのか』(PHP新書)、『弾道ミサイルが日本を襲う』(幻冬舎ルネッサンス新書)、『検証 日
本着弾』(共著)など。

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2>> 台南市に王育徳記念館が開館  王 明理(台湾独立建国聯盟日本本部委員長)

【台湾独立建国聯盟日本本部ホームページ:2018年10月7日】
https://www.wufi-japan.org/archives/580

 去る9月9日、台南市の呉園(台南公会堂のある公園)内に王育徳記念館がオープンした。王育徳
(1924年-1985年)の33年目の命日にあたるこの日、偲ぶ花ではなく、開館を祝う花が李登輝元総
統をはじめ多くの人から寄せられた。生涯を台湾の為に捧げ、それ故に国民党独裁政権の下では帰
国を許されなかった王育徳が、初めて故郷に迎えられた凱旋の日であった。

 228事件で検事だった兄王育霖を殺され、それ以後も身の回りの関係者が次々と逮捕されていく
状況の中、王育徳はやむを得ず、国外に脱出することを選択した。25歳で愛する故郷を後にしなけ
ればならなかったが、日本に亡命して自由を得た王は、それ以後かえって全力で台湾の為に生きる
ことができた。

 記念館の設立は2年前、当時台南市長だった頼清徳氏が決定し、台南市政府文化局がその責を
担った。王が61年の生涯の間に果たした台湾への貢献を評価してのことである。台湾独立運動、台
湾語研究、台湾の歴史研究、台湾人元日本兵士のための補償実現に向けての活動など、王の軌跡が
よく分かるような展示館となっている。

 記念式典は、オペラ歌手古川精一氏による「祖国台湾」(作詞作曲王育徳)の独唱と、師範大学
声楽家コーラスによる歌で始まった。続いて、著名な詩人李敏勇氏がこの日の為に書きおろした
「流亡、帰郷―紀念王育徳前輩」を自ら朗読。

 その後、張紹源・台南市副市長、葉澤山・台南市政府文化局長、呉密察・国史館館長、陳南天・
台湾独立建国聯盟主席が祝辞を述べ、最後に遺族として王の妻で筆者の母の王雪梅、二女の筆者、
孫の綾が謝辞を述べた。

 その後、王育徳記念館看板の除幕式が行われた。出席する予定だった頼清徳行政院長は前日の大
雨で北部に被害が出ていることから出席を見合わせたが、式典後に館内を見学していた筆者ら遺族
に、直接電話で祝いの言葉を伝えた。

 式典には、約400名が参加したが、日本からも王の明治大学の教え子や「台湾人元日本兵士の補
償問題を考える会」のメンバーだった弁護士、有志らが参加したほか、王の台南第一中学校の教え
子も高雄やアメリカから駆けつけた。また、産経、毎日、朝日、時事通信など日本のメディアが取
材に訪れ、台湾のメディアを驚かせた。

 その後、9月21日には黄昭堂記念公園が台南市七股にオープンした。「台湾青年社」創立メン
バーである王育徳と黄昭堂の記念館、記念公園が相次いでオープンしたことは何を意味するのか。
二人が今日の台湾の民主化に与えた影響が評価されただけでなく、今もまだ内外共に不安定な状況
にある台湾にとって、王と黄が訴え続けたことを一つのマイルストーンとして残そうという意図を
感じとることができる。

◆「王育徳紀念館」開館の御案内
 https://www.wufi-japan.org/archives/564

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 しています。ご迷惑をおかけしますがご理解のほどお願いします。【2018年9月1日】

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