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【メルマガ日台共栄:第3247号】 国際貿易港を造った川上浩二郎と松本虎太  古川 勝三(台湾研究家)

2018/07/10

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1>> 国際貿易港を造った川上浩二郎と松本虎太  古川 勝三(台湾研究家)
2>> 蔡英文総統や頼清徳行政院長のお見舞いに続いて台湾が2000万円の支援を決定!
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 ご連絡の際は、お手数ですがお電話(03-3868-2111)もしくはFAX(03-3868-2101)、メールは
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1>> 国際貿易港を造った川上浩二郎と松本虎太  古川 勝三(台湾研究家)

 古川勝三(ふるかわ・かつみ)氏は、昨年11月から「nippon.comコラム」において「台湾を変え
た日本人シリーズ」を連載している。第1回目に、「蓬莱米の父」として今でも台湾で尊敬されて
いる磯永吉(いそ・えいきち)を取り上げて以来、下記の日本人を紹介してきている(古川氏の原
文は、本誌バックナンバーからご確認を)。

 烏山頭ダムを造った八田與一をはじめ、台湾ではいまでも尊敬され慕われている日本人だが、日
本ではほとんど知られていない人々が少なくない。

 今回、取り上げている基隆港を造った川上浩二郎と松本虎太も、土木界や港湾関係者ならいざ知
らず、やはり日本ではほとんど知られていないといってよい。本来なら日本が誇ってもよい優秀な
日本人を、台湾の人々が見出して顕彰しているのだ。

 日本人にまだまだ台湾の歴史が知られていない証左ともいえ、やはり台湾を通して見えてくる日
本がある。

・第1回【2017年11月05日】蓬莱米をもたらし、「台湾農業の父」となった日本人・磯永吉
 本誌11月7日号

・第2回【2017年11月26日】宜蘭を救った西郷隆盛の長男・西郷菊次郎
 本誌11月27日号

・第3回【2018年01月14日】台湾原住民族研究の先駆者・鳥居龍蔵
 本誌1月15日号

・第4回【2018年02月04日】台湾全島に電気をともした日本人・松木幹一郎
 本誌2月5日号:

・第5回【2018年03月25日】台湾野球の礎を築いた日本人・近藤兵太郎
 本誌3月25日号

・第6回【2018年05月13日】台湾の上下水道を整備した日本人・浜野弥四郎
 本誌5月14日号

・第7回【2018年07月07日】国際貿易港を造った川上浩二郎と松本虎太
 本誌7月10日号

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国際貿易港を造った川上浩二郎と松本虎太  古川 勝三(台湾研究家)
【nippon.com「台湾を変えた日本人シリーズ」:2018年7月7日】
https://www.nippon.com/ja/column/g00546/

◆天然の良港に恵まれなかった台湾

 台湾の面積は九州とほぼ同じ大きさだと言われるが、入り江が少なく海岸線の長さは九州の3分
の1程度である。したがって、天然の良港と呼べる場所は少ない。ただ、台南には台江と呼ばれる
天然の入り江が存在した。大航海時代にやって来たオランダ人は、1625年に台南の湾の奥にプロビ
デンジャ城を、30年には湾の入り口にゼーランダ城をそれぞれ築き、台湾統治の拠点としている。
その後、安平港が造られ、鄭成功の一族や清朝もこの港を利用しながら中心を台南に置いた。

 台湾島の中央には3000メートル級の高山が縦走しており、陸上交通はほとんど近代まで発達せ
ず、代わりに人々の交流は、海上交通に頼っていた。ただ清朝末期に比較的発達していた基隆港や
高雄港、淡水港などは、入港できる船はジャンクか小舟に過ぎなかった。

 冬期には、北東風や北からの季節風のため荒波が収まらず、多数の船が難破した。加えて、港内
の水深は浅く、内港の半分は干潮時には露出してしまうほどで、岩礁も多いため船が少しでも大き
いと利用できない状況だった。

 日本統治時代初期の基隆港は、沖縄、門司、長崎との間に2000トン級の定期航路が運航されてい
たが、港に着くとサンバン(木造の小型船)に乗り換えて上陸しなければならなかった。

 初代台湾総督の樺山資紀は、総督就任後、直ちに縦貫鉄道の建設と基隆築港を政府に願い出て認
可されている。その点からも、いかに基隆築港が急務であったのかが分かる。第4代総督の児玉源
太郎の時代にも基隆築港工事は4大事業の一つに組み込まれている。

 海に囲まれた台湾にとって港湾事業は極めて重要であり、台湾縦貫鉄道建設のための資材運搬に
とっても、基隆と高雄の港湾を早急に近代化する必要性があった。その事業に多大の貢献を果たし
たのが川上浩二郎とその後を継いだ松本虎太という二人の人物である。

◆基隆の難工事を完成させた川上浩二郎

 川上浩二郎は1873年6月8日、新潟県古志郡東谷村に生まれた。95年7月高学を卒業するとわが国
における土木事業が急務であるとの考えから、東京帝大工科大学土木工学科に入学。98年7月に卒
業後、直ちに農商務省の技手になり、翌年の7月には台湾総督府技師として台湾に渡った。その頃
の台湾は、盗賊が横行し、風土病がはびこる「瘴癘(しょうれい)の地」と言われていた。そのよ
うな環境で99年には基隆築港第1期工事が4年計画で開始されていた。川上も1900年8月に基隆築港
局技師兼台湾総督府技師として、基隆築港に取り組み、波浪から港を守る防波堤工事と港内の水深
を整える浚渫(しゅんせつ)工事を主導した。01年12月26日には英国領インドやオランダ領ジャワ
島、欧州港湾視察に2年間赴いて見識を深めている。

 基隆築港第2期工事は、06年から6カ年計画で開始された。この年、京都帝大を卒業したばかりの
青年が基隆築港局工務課に技手として赴任してきた。川上の後継者となる松本虎太である。

 基隆の海底は軟弱な地質だったため、第2期工事は困難を極めた。09年10月に基隆築港局出張所
所長専任になった川上は、海外諸港の岸壁工事の失敗例や困難工事を調べ上げ、参考にした。材料
調達や岸壁の設計並びに工事の実施方法については厳密な試験を重ね、難工事を一つ一つ乗り越え
た。その結果、770メートルの岸壁建設、港内の岩礁撤去、内港防波堤構築、倉庫の建設など大掛
かりな工事を行い、6000トン級の船舶を同時に13隻係留できる港を12年に完成させ、第2期築港工
事を竣工(しゅんこう)した。

 川上は、困難を極めた基隆築港とその時の心境を「基隆築港の地点は海がばかに深いのみか、潮
の流れが急で自他ともに許す一流技術家の誰でもが処置なしの難工事でした。自分自身もいくどと
なく失敗をくり返したが、この苦難にたえ、だれがどんな非難を浴びせようとも、これを完成させ
るのは自分以外には絶対にないという信念に燃えて、ついにこの工事を完成させた。だから人間は
どんな苦境に立っても、断じて自信を失ってはならない」と郷里での講演で語っている。

 第2期工事が完了すると「基隆港の岸壁を論ず」という題の全5編の論文を書き上げ、東京帝大の
工学博士号を取得している。基隆築港に大きな業績を残した川上は、16年10月2日、本人の希望に
より総督府を辞して帰国した。その後は、博多湾築港株式会社専務取締役に就任し、福岡筑豊線の
敷設や博多港築港に従事し、33年3月29日に死去した。享年61歳であった。

 川上には、こんなエピソードが残っている。1920年頃、川上のおいが友人と台湾を旅行した際、
おいであることを知った船長が、特別待遇で歓待し、食事は全てボーイが注文をとり、それを船室
に運んでくるという待遇ぶりだったと言う。

◆巨大船舶が多数停泊できるように変えた松本虎太

 川上の後を引き継いだのが技師の松本である。松本は1879年10月17日に香川県綾歌郡陶村で生ま
れた。1903年に京都帝国大学土木科に入学し、06年に卒業すると直ちに台湾に渡り、基隆築港局工
務課技手として川上の下で基隆築港に携わった。その後、台湾総督府工事部技師、土木部技師とし
て活躍し基隆築港所所長に任命されると、第3期および第4期基隆築港工事の設計を行って、工事の
監督・指導に携わった。

 所長になった松本は基隆港の当面の問題を解決するため大規模な拡張計画を立てた。まず取り組
んだのが、岸壁裏にある石造倉庫の増築と、高雄から廻航して来た新竹号での浚渫工事だった。第
4期工事は35年まで続けられるが、工事によって港湾区域内部にあった暗礁が取り除かれ、大型造
船所と軍港区域、漁港区域が建設され、埠頭倉庫から港湾区域までの線路が整備された。 4期に
わたる築港工事の結果として、その後の基隆港発展の基礎が固められたばかりか、70年代に基隆港
を台湾トップの港湾にすることにつながった。基本計画では現在の岸壁を約700メートル伸ばし
4000トン級の船舶4隻を同時に係留し、年間80万トンの石炭を積み込む設備を構築し、その奥に
は、3000トン級と1万トン級の修繕船渠(きょ)を置くことにした。

 さらに、560メートルの岸壁の水深を9〜10メートルとして6000トンから1万トンまでの船舶を係
留し、最後の420メートルの岸壁の水深を11メートルにして1万5000トンまでの船舶が横着けできる
ようにした。この結果、3000トンから1万トン級の船舶を15隻、浮標にも同じ大きさの船舶を6隻係
留し、合計21隻の船舶が安全に内港に停泊できる近代的な港湾設備が完成した。

◆米軍の爆撃で廃墟になるが、戦後に国際貿易港として復活

 その後、大阪港や門司港と基隆港を結ぶ航路が大阪商船や日本郵船によって運営され、8000トン
から9000トン級の客船が往来するようにもなった。

 松本は基隆築港のめどが立つと、砂の堆積がひどく使用不能になっていた安平港と台南市内を結
ぶ台南運河の設計と施工の指導監督を行うため台南に拠点を移し、1923年に着工し4年後に完成さ
せた。また36年には台南の玄関口、安平港も整備し完成させている。翌年には基隆港を見下ろす旭
が丘に顕彰館「松本虎太記念館」が建設されたが、戦後は放置され荒れた状態になっている。

 基隆には日本軍の基隆要塞があり、41年に第二次世界大戦が始まると、物資輸送や海軍基地とし
て重要になった。このため、大戦末期には攻撃の矢面に立ち、米軍の爆撃の主要目標となった。港
湾埠頭施設と停泊していた船舶は全て深刻な被害を受け、港湾区域は廃墟となった。

 日本人の多くはまず基隆港に上陸して台湾の大地に第一歩を記したが、戦後は上陸したその基隆
港から引き揚げていった。松本は戦後も留用日本人として台湾に残り、台湾電力の維持のため顧問
となって協力し、2年後の47年に基隆港から引き揚げ、59年80歳で生涯を終えた。川上、松本の両
技師が造り上げた基隆港は、台湾における国際貿易港として今日も活況を呈している。

            ◇     ◇     ◇

古川 勝三(ふるかわ・かつみ)
1944年、愛媛県宇和島市生まれ。中学校教諭として教職の道をあゆみ、1980年、文部省海外派遣教
師として、台湾高雄日本人学校で3年間勤務。『台湾の歩んだ道−歴史と原住民族−』『台湾を愛
した日本人─八田與一の生涯』『日本人に知ってほしい「台湾の歴史」』『台湾を愛した日本人
2─KANO野球部名監督近藤兵太郎の生涯』などの著書がある。現在、日台友好のために全国で
講演活動をするかたわら『台湾を愛した日本人3』で磯永吉について執筆している。

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2>> 蔡英文総統や頼清徳行政院長のお見舞いに続いて台湾が2000万円の支援を決定!

 気象庁は7月9日、西日本を中心に広い範囲で大きな被害が出た今回の記録的な豪雨について「平
成30年7月豪雨」と名付けたそうです。気象庁が豪雨災害で名称をつけるのは、去年の「平成29年
7月九州北部豪雨」以来とのこと。

  消防庁が本日午前5時45分に発表した「平成30年7月豪雨による被害状況及び消防機関等の対応状
況について(第15報)」によりますと、死亡者は122人、行方不明者は22人となっています。

 NHKの本日午前2時24分のニュースでは、これまでに全国で124人が死亡し、6人が心肺停止の
状態になっているほか、63人の安否が不明となっていると報じています。

 改めて、亡くなられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に深甚のお
見舞いを申し上げます。ともかくこれまでに例のないような豪雨による大災害で、まだまだ被害は
拡大しそうな模様です。安倍総理が11日から予定していた欧州・中東訪問の中止を決定したのも当
然のことかと思います。

 台湾政府は災害支援のため2000万円を拠出することを決め、呉[金リ]燮・外交部長が日本台湾交
流協会を通じて日本政府にお見舞いを発出したとのことです。

◆消防庁「平成30年7月豪雨による被害状況及び消防機関等の対応状況について(第15報)」
 http://www.fdma.go.jp/bn/fc58c6a78cae3345149f1d08bba9383cb4abb7a3.pdf

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西日本豪雨 台湾が支援意向 2000万円寄付へ
【中央通信社:2018年7月9日】

 (台北 9日 中央社)記録的な豪雨で西日本各地に大きな被害が出ているのを受け、総統府は9
日、日本を支援する意向を示した。黄重諺報道官は、台湾はすでに各方面の準備ができていると
し、日本側が必要な支援を喜んで行うと述べた。外交部は同日、政府は災害支援のため2000万円の
寄付を決めたと発表した。 

 西日本の豪雨被害に関し、これまでに蔡英文総統や頼清徳行政院長(首相)がツイッターにお見
舞いと早期復旧を祈るメッセージを投稿。呉ショウ燮外交部長(外相)は日本の対台湾窓口機関、
日本台湾交流協会を通じて、日本政府にお見舞いを表明した。(ショウ=金へんにりっとう) 

                          (呂欣ケイ、顧セン/編集:名切千絵)

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・2014年 李登輝元総統ご来日(2014年9月19日〜25日)
・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)

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