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【メルマガ日台共栄:第3193号】 中国軍の演習 台湾への威圧で緊張高めるな

2018/04/24

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<<INDEX>> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  [Vol.3193]
1>> 中国軍の演習 台湾への威圧で緊張高めるな
2>> 「台湾料理」は何料理?  大岡 響子(明治学院大学兼任講師)
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1>> 中国軍の演習 台湾への威圧で緊張高めるな

 今年の世界保健機関の年次総会(WHA)は5月21日からスイスのジュネーブで開催される。昨
年に続いて台湾に招待状が届いていないことを受け、昨日(4月23日)、米国在台湾協会(AI
T)台北事務所のキン・モイ所長は「我々はWHO年次総会に台湾がオブザーバー参加することを
支持する」と表明した。

 日本も、超党派の国会議員でつくる「日華議員懇談会」(古屋圭司会長)は3月22日に台湾のW
HAへのオブザーバー参加支持を決議しているものの、招待状が届けられないことが予想される。

 中国は台湾孤立化工作の一環として「世界保健機関(WHO)など国際機関にも、台湾のオブ
ザーバー参加を認めないよう圧力をかけている」と指摘したのは、昨日の読売新聞「社説」だ。そ
の通りだろう。

 読売の「社説」は、中国の人民解放軍が4月18日に福建省泉州市沿岸部の台湾海峡で実施した実
弾射撃演習したことや、21日の空母「遼寧」を含む空母編隊が台湾南東沖で軍事演習したことにつ
いて「蔡英文政権と、台湾を支援するトランプ米政権を牽制けんせいする狙いは明らかだ」として
「地域に緊張をもたらす振る舞いは自制すべき」と強調している。

 そして「中台の緊張は、日本の安全保障にも直結する。政府は情勢安定に向けた働きかけが欠か
せない」と結んでいる。

 台湾は中国の外洋への展開を扼する絶好の場所に位置しており、日米同盟にとっての戦略的価値
は計り知れないほど大きい。台湾が日本の生命線と称される所以だ。

 では、日本政府による「情勢安定に向けた働きかけ」とは具体的になにを指しているのだろうか。

 その具体案の一つが、本会がこのほど発表した「政策提言」だ。国際・地域テロ、海賊、捜索・
救難、大規模自然災害など、通常の軍事演習ではなく、「非伝統的」海洋安全保障における共同訓
練を米国と日本が主催し、そこに台湾を参加させるのである。

 台湾が台湾海峡を含む西太平洋地域の平和と安定に寄与できる機会を拡大することは、世界の安
全保障に貢献することに他ならず、日本及び米国の国益に合致していることを疑う余地はない。

 また、日本には台湾を対象とする法律は1つもないが、本会が2013年に政策提言として発表した
台湾との情報交換を主とする「日台関係基本法」の制定、いわゆる日本版・台湾関係法を制定する
ことも重要だ。

 この日台関係基本法が制定されれば、台湾がWHOやその年次総会のWHAに参加できず、医療
情報に事欠く事態となれば日本から医療情報を提供できるようになる。また中国からやってくる黄
砂やPM2・5など気象情報の交換もできるようになる。これは、台湾の国益にも日本の国益にも合
致している。

 読売「社説」は政府による「情勢安定に向けた働きかけ」について具体的に示していないもの
の、その情勢判断は的確だ。下記にその全文を紹介したい。

 なお、台湾軍は来る6月4日から5日間の日程で中国軍の台湾侵攻を想定した「漢光34号演習」を
実施するという。

 すでに米国はオバマ大統領時代の2016年12月、米台間の軍の現役将官や国防総省の次官級以上の
交流プログラム実行を容認する「2017国防授権法」を成立させている。米国はこの「漢光34号演
習」にどのような人材を派遣してくるのか。

 また、この「漢光34号演習」が終わった直後の6月12日には、台北市内の内湖に新たに開設され
る米国在台湾協会(AIT)台北事務所のオープニングセレモニーが行われる予定で、このセレモ
ニーに米国は誰を派遣してくるのか。

 いずれもトランプ政権の台湾との関係強化策がどのレベルなのかを窺い知る重要なポイントかと
思われる。期待しつつ見守りたい。

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中国軍の演習 台湾への威圧で緊張高めるな
【読売新聞「社説」:2018年4月23日】

 中国が圧倒的な軍事力を背景に、台湾を威圧する動きを強めている。地域に緊張をもたらす振る
舞いは自制すべきだ。

 中国陸軍が台湾対岸の福建省沿海で、武装ヘリコプターなどによる実弾射撃訓練を実施した。空
軍も、台湾付近で主力爆撃機による飛行訓練を行った。

 中国側は、軍事演習の目的は「祖国の主権と領土の一体性を守る」ためだとしている。独立志向
が強い台湾の蔡英文政権と、台湾を支援するトランプ米政権を牽制けんせいする狙いは明らかだ。

 蔡政権は、台湾は中国の一部だとする「一つの中国」原則を認めていない。中国の習近平政権
は、蔡政権との当局間対話を拒否し、対決姿勢を露あらわにしている。

 中国は、1996年の台湾初の総統直接選挙の際、独立を容認しない決意と能力を示すため、台湾近
海でミサイル演習を実施した。米国は2隻の空母を派遣し、中国の挑発を抑えた。

 留意すべきは、中国の軍事力が当時と比べて飛躍的に増強されていることだ。軍事費は公表分だ
けで台湾の約15倍に及ぶ。

 中台の軍事バランスが中国側に有利に傾く中、米国は台湾防衛への関与を続ける必要がある。

 蔡政権が進める潜水艦の自主建造計画に対し、トランプ政権が米企業の参加を許可したのは、台
湾支援の姿勢の表れと言えよう。

 3月には、米国と台湾の高官の相互往来を解禁する「台湾旅行法」がトランプ大統領の署名に
よって成立した。79年の米台断交後、中国に配慮して控えてきたトップの訪問の道が開かれた。

 中国が台湾と外交のある国に断交を迫り、台湾を孤立させる工作を加速させていることに対抗す
る側面もあろう。中国は世界保健機関(WHO)など国際機関にも、台湾のオブザーバー参加を認
めないよう圧力をかけている。

 トランプ氏が大統領就任前から、慣例を破って蔡総統と直接電話で会談して以来、中国は米国へ
の反発を強めてきた。

 習国家主席は3月の全国人民代表大会で「祖国分裂の活動や企たくらみは全て失敗に終わり、人
民の責めと歴史の懲罰を受ける」と述べ、蔡政権と米政府に警告を発した。台湾の「武力統一」も
視野に入れているとされる。

 台湾を巡り、米中が対立を深め、地域に悪影響を及ぼす事態があってはならない。

 中台の緊張は、日本の安全保障にも直結する。政府は情勢安定に向けた働きかけが欠かせない。

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2>> 「台湾料理」は何料理?  大岡 響子(明治学院大学兼任講師)

【nippon.comコラム:2018年4月14日】
https://www.nippon.com/ja/column/g00515/?pnum=1

 人気の旅行先としてすっかり定着した台湾だが、「台湾でおいしいものを食べる!」ことは、台
湾旅行に欠かせない要素だ。日本人旅行者の小籠包好きは、鼎泰豐の店先を見れば一目瞭然だし、
古都台南も美食の街として認識されるようになってきた。しかし、「台湾料理」(台菜)とはどう
いうものかを改めて考えてみると、説明するのはなかなか難しいことに気が付く。

◆台湾料理は何料理?

 台湾料理とは、ということをぼんやりと考え始めると、昨年亡くなられた「老台北」(司馬遼太
郎の「台湾紀行」でこう呼ばれている)こと蔡焜燦先生のひと言が思い出される。

 数年前の真夏のある日、台北での留学生活を始めたばかりの私は、蔡先生の饗応にあずかる幸運
を得て国賓大飯店12階にあるレストランのソファ席に座っていた。初めてお目にかかった老台北
は、まるで歴史博物館の音声解説のようにとうとうと台湾の歴史について語り聞かせてくれなが
ら、私が気を抜いたタイミングを見計らって歴史と日本語の小テストを挟み込んでくるチャーミン
グで、油断のならないおじいさんだった。

 一体どれだけの料理がテーブルに並べられただろう。小テスト付き昼食会の終盤に、あまりのお
いしそうな匂いにお坊さんも塀を飛び越えてしまうというあのスープが運ばれてきた。「これがか
の有名な佛跳牆(ファッチュウーチョン)か!」と感動している私に老台北はこう問い掛けた。
「これは何料理かな」。

◆日本人が出会った「台湾料理」

 中央研究院の曾品滄氏によると、「台湾料理」という言葉は、日本が台湾を領有した翌年1896年
に、日本人が日本料理と現地の料理を区別して呼称するために使い出した。つまり、台湾料理は、
外部からやってきた日本人によって、「台湾料理」と名付けられたことにより勝手に線引きされ、
突然一つのジャンルとして登場したのである。この頃から、日本人は「台湾料理」とはどういうも
のかをあれこれ書き記しながら、そのおいしさに魅了され続けてきた。

 永島金平は、1912年に台湾総督府巡査練習生として台湾へと渡り、その後13年間を台湾で過ごし
た人物である。永島が日本へ戻ってから書いた『面白い台湾』(1925年)では、台湾料理が独特の
表現で評されている。

 永島によれば、台湾料理は日本料理のように見た目を重視した体裁本位ではなく、まさに「食べ
る」料理なのだという。一つのテーブルを8人ほどで囲み、おのおの好きなものを突いて食べる形
式は「共和政体」式で、おいしいものは早い者勝ちだから台湾人は競い合うように食べるため、話
す暇がないほどだと少々大げさである。銘々膳ではなく、大勢でテーブルをぐるっと囲み、それぞ
れの箸やさじで直接食べ物を口に運ぶ様子は、日本人にとってはなじみのない食事風景だった。

 明治から大正にかけて27年間にわたり刊行された『風俗画報』(1907年)にも、こうした日台の
食事風景の違いが報告されている。

 台湾で出版された『台湾料理之栞』(1912年)の著者・林久三は、料理本の著者としては少し変
わった経歴の人物である。林は、1895年に警察官として渡台し、後に台湾語の通訳者として活動し
た。『警察会話篇』『日台会話初歩』『台湾語発音心得』 などの日本人向け台湾語学習テキスト
も刊行している。

 著者が通訳者ということもあって、レシピには全て台湾語発音のルビがふられ、ちょっとした形
容詞辞典まで付いている。この片仮名ルビが有用であったのかは置いておくとして、渡台した日本
人女性が買い物をしたり、仕出屋に注文を出したりする際に便利なように、という著者の意図が
あった。登場する料理は、冬菜鴨、八宝鴨、八宝蟳羹など福建系の料理が中心で、鉄鍋一つででき
る台湾料理は、西洋料理のように面倒でなく、衛生的で風味もよい!と大絶賛している。

 その他、日本本土で出版された『主婦之友』や『旅』などの雑誌にも台湾料理はたびたび登場
し、福建式(閩菜)や広東式(奥菜)、四川式(川菜)などの系統があると紹介されている。

 台湾料理を教科書的に説明すれば、17世紀以降福建省南部の泉州や廈門から台湾へ移住してきた
閩南系の人々の郷土料理がもととなり、台湾の風土や食材に合わせて変容したものだと言われてい
る。『面白い台湾』の永島や『台湾料理之栞』の林らが料理を食べたのは、その当時多くの日本人
が訪れた酒楼と呼ばれたいわゆる料亭だったはずだ。というのも、当時の出版物を手掛かりに考え
てみると、台湾料理は中華料理のいずれかの系統に属する、あるいは類するものだと紹介されてい
て、そうした料理が並んだのは一般家庭の食卓ではなく、酒楼の宴会においてだったからである。
酒楼で供された宴会料理を通じて、当時の日本人たちはさまざまな系統の中華料理に接していた。

 1920年代以降、大いに発展した台北の飲食業界の代表格である江山楼の主人は、北京、広州、天
津をはじめ中国大陸のさまざまな地域を訪れ、調理方法を学び、料理人も連れ帰っている。つま
り、この頃からすでに台北では中国大陸の諸地域にルーツをもつ料理が楽しまれていたということ
になる。では、台湾料理とは、中国のさまざまな地方料理が集約された「中華料理」だと言ってし
まっていいのだろうか。

◆台湾料理と台湾意識

 1920年代以降、台湾料理はそのおいしさに舌鼓を打った日本人たちを通じて、日本本土の婦人雑
誌でも紹介されるようになった。広東料理に似たもの(『婦女界』1924年11月号)、中華料理に似
たもの、元々中華料理から出たもの(『主婦ノ友』1930年12月号、1924年12月号)と定型的に表現
されながらも、中華料理よりも「味は淡泊でずっと日本人向き」だったり、中華料理とは「ちょっ
と変わった味」があったりすると伝えている。

 こうした当時の日本人の台湾料理理解は、直接的な抗日運動はほぼ抑え込まれ、その代わりに台
湾人の自治を要求する政治運動が盛んになり始めた20年代に、「台湾意識」が生じたことと、意図
しないかたちで符号しているようにも思える。江山楼の後継者である呉渓水は後に、台湾料理は中
華料理に由来しながらも、台湾の風土や習慣の影響を受けたことで、台湾料理は台湾料理としか言
えない独自の料理を形作ったと述べている。

◆台湾料理を形作るもの

 台湾料理には他にも忘れてはいけない要素がある。客家料理や先住民の人々の料理も台湾料理を
構成する一部であるし、植民地期には日本料理の影響も受けた。現在、日本人にもおなじみの台湾
グルメである牛肉麺は、第二次世界大戦後国民党とともに流入してきた200万人超の人々とともに
台湾へとやってきた中国北方の料理である。

 「台湾料理とは何か」を説明することの難しさは、台湾が経験してきた歴史の屈折と複雑な折り
重なりからくるものだ。だからこそ、そのおいしさの背後に何があるのかについて、少し思いを巡
らすことがあってもいい。

 「これは何料理かな」という老台北の問い掛けに、「ふ、福建料理でしょうか」と答えた私はも
ちろん「台湾料理だよ!」と先生の添削を受けた。デザートのパパイアが運ばれてきた時には、も
うおなかも頭もいっぱいいっぱいだった私に、老台北は直々においしい食べ方を伝授してくださっ
た。パパイアの種が入っていたくぼみに、ラベルにX.Oと書かれた琥珀(こはく)色の液体を流し
込む。「こんな食べ方知らないでしょう」という蔡先生に「これも台湾料理ですか」と尋ねると、
ふふっと笑いながらひと言。「これは蔡式料理だね。」

              ◇     ◇     ◇

大岡響子(おおおか・きょうこ)
明治学院大学兼任講師。国際基督教大学アジア文化研究所研究員。植民地期台湾における日本語の
習得と実践のあり方とともに、現在も続く日本語を用いての創作活動について関心を持つ。「台湾
における「健康観」 有機食品を通じて考える」、「変わりゆく都市の生活空間:台北における伝
統市場という『場所性』」(『VESTA』95号、96号2014)、「植民地台湾の知識人が綴った日記」
(『日記文化から近代日本を問う』笠間書院 所収、2017年)

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・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
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