国際情勢

メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

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【メルマガ日台共栄:第3144号】 花蓮地震で日台の絆を見せつけられた中国の歯ぎしり  黄 文雄(文明史家)

2018/02/14

>>>>> http://www.ritouki.jp/ ━━━━━━━━━━━━ 平成30年(2018年) 2月14日】

    ☆★☆★ 日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」 ☆★☆★
           日台共栄のためにあなたの力を!!
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1>> 花蓮地震で日台の絆を見せつけられた中国の歯ぎしり  黄 文雄(文明史家)
2>> 【花蓮地震】 お見舞いと激励のメッセージ
3>> 台湾総督府庁舎(現・総統府)の建築秘話  片倉 佳史(台湾在住作家)
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● 柚原正敬・本会事務局長を講師に2月24日「台湾セミナー」お申し込み *new
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/m85qxmzjhqch

●【花蓮地震】 お見舞いと激励のメッセージを募集中!
  送付先:〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
  E-mail:info@ritouki.jp  Facebook:http://goo.gl/qQUX1
  Twitter:https://twitter.com/jritouki  FAX:03-3868-2101

● 桜募金 ご協力のお願い【期間:11月10日〜2018年2月28日】
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20171120/
 *2月5日現在のご寄付:37万8,500円(35名)
 *台日文化経済協会への桜苗木200本の寄贈は2月26日の予定です。

● 【戸籍問題】 本会のネット署名にご協力を!【第16期:1月1日〜6月30日】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/a5gxiadcmygj
 *署名に国籍制限はありません。誰でも、世界中どこからでも署名できます。
 *本会署名は、氏名及び住所の記載を要請する請願法に基づいた正式署名です。

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1>> 花蓮地震で日台の絆を見せつけられた中国の歯ぎしり  黄 文雄(文明史家)

【黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」第222号:2018年2月13日号】
http://www.mag2.com/m/0001617134.html

*読みやすさを考慮し、小見出しは本誌編集部で付したことをお断りします。

◆素早い対応ができたのは台湾南部地震の教訓があったから

 2月6日に台湾東部の花蓮県を襲った震度7級の地震による被害者は、死者17人、負傷者280人超と
判明した段階で捜索の打ち切りを決定しました。まずは、亡くなられた方のご冥福を祈るととも
に、被災された方々にお見舞い申し上げます。

 地震発生から、捜索打ち切りまでの一連の出来事を振り返ってみましょう。今回、地震発生から
わずか5日で不明者すべての所在を明らかにするほどまでに素早い対応ができたのは、2年前の台湾
南部地震の教訓があったと言われています。

 台湾南部地震では117名の人が亡くなりました。震度は今回の地震と同等の、マグニチュード6.6
でした。その時の教訓を活かし、今回は、傾いた建物を鉄骨で支えた上に、鉄骨をコンクリートで
固めて補強して、建物が倒れる前に中に取り残された人々を救出することに成功したのです。た
だ、押しつぶされた下層階にいた人の犠牲は免れませんでした。

 それでも今回は、生存者は可能な限り救出できたでしょう。生存者救出のため、8日、日本は瓦
礫の上から生命反応を探査するための機材や同機材を運用するチームを派遣しました。これも迅速
な対応でした。同時に、安倍首相は台湾へのエールを送るとともに、「台湾加油」の書をFacebook
で公開しました。以下は、安倍首相のエールの言葉です。

「この困難な時、私たち日本人は古くからの友人である台湾の皆さんと共にあります。日本とし
て、全力を挙げて支援して参ります」

 これに対し、蔡総統も以下のような感謝の言葉を日本語でツイッターに記しました。

「安倍首相からのお見舞いは、まさかの時の友は真の友、まさにその通りです。このような困難な
時の人道救助は正に台日双方の友情と価値観を体現するものだと思います」

 また、世界各国からはお見舞いの言葉も寄せられています。もちろん、日本の皆さんからの応援
メッセージや寄付金もすぐに届きまました。地震当時、台北にいた俳優の阿部寛さんは、一千万円
の寄付を申し出たことで話題を呼びました。

 台湾在住の飲食店経営の男性は、被災地で博多ラーメン200食を被災者や消防隊員の方々に提供
したこともニュースとなりました。この男性は、台湾南部地震の被害者だったそうです。

 捜索救助犬隊に所属するラブラドール・レトリバーの「鉄雄」も、生存者を一人発見する活躍を
見せ、明るい話題を提供してくれましたが、被災地で負傷したため、その後治療にあたっているそ
うです。

◆人命や人権よりも政治を重んじる中国は台湾と日本を批判

 しかし、ここでも中国とのギクシャクした関係は浮き彫りになります。地震発生後、中国も早々
に支援を申し出てきましたが、蔡英文総統は中国からの支援は断り、日本からの支援は受け入れる
という選択をしたのです。表向きの理由は、日本は生存者を発見できる高度な機材を持っているから。

 しかし、そんなことで中国側が納得するわけがありません。報道によると、「中国のインター
ネット交流サイト(SNS)は、今回の地震で改めて浮き彫りになった日台の親密ぶりに『台湾独立
分子の目には、中国は敵で日本は身内と映っている』などと台湾を非難する書き込みであふれてい
る。」そうです。共産党機関紙・人民日報系の環球時報(電子版)も8日、「大陸を拒絶しながら
日本の援助を受けるのか?」と題する記事を配信しました。

 日台の親密ぶりに入り込む隙のない中国は、批判の矛先を日本にも向けました。報道を以下引用
します。

「中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は9日の定例記者会見で、安倍晋三首相が台湾の蔡英
文総統への地震お見舞いメッセージで『総統』の肩書を使用したことについて『直ちに誤りをただ
し、中日関係に新たな妨害を作らないよう促す』と批判。日本側に厳正な申し入れを行ったことを
明らかにした。」

 さすが、人命や人権よりも政治を重んじる中国です。だいたい、蔡英文は総統で間違いないです
し、それ以外にどう呼べというのでしょうか。トランプ大統領などは、「The President of 
Taiwan」と呼んでいます。

 地震をめぐる様々なドラマがあった5日間でしたが、建物の倒壊を食い止めながらの救出劇は終
了となりました。これからは、被災者のライフラインの復旧や、生活の立て直しへと問題は移行し
ていきます。旧正月を目前に控えての地震でした。また、観光地として成り立っている花蓮県であ
るため、復旧作業は急がれます。

◆日本のワイドショーから台湾の地震ニュースが消えた理由

 気になったのは、日本での報道が少ないことです。こうしたニュースはワイドショーで連日話題
にされるものですが、今回はあまり取り上げられていませんでした。地震のほかに、北朝鮮の軍事
パレードや冬季オリンピックなど優先すべき事項があったからなのかもしれませんが、どうも、最
近の中国の動きと連動しているように思えて仕方ないのです。

 このメルマガでも以前に紹介しましたが、中国は今、諸外国の民間企業に台湾の扱いについて非
常に目を光らせており、台湾を国扱いしようものなら公開謝罪を強制するという力の入れようで
す。最近のニュースでは、「メルセデス・ベンツ」の宣伝広告にチベット仏教の最高指導者ダラ
イ・ラマ14世の言葉が引用されたことに中国内で反発が起き、ベンツの中国販売会社が謝罪に追い
込まれた、という話題がありました。

 日本の良品計画が作成したカタログに掲載した地図にも、中国側からのクレームがついて廃棄処
分を受けました。ただ、このニュースにはその後のオチがあります。以下、報道を引用します。

「日本の良品計画(東京都)が運営する無印良品のカタログが中国当局から『地図に釣魚島(尖閣
諸島の中国側名称)が掲載されていない』などと指摘され廃棄処分を受けた問題で、この地図は大
まかな世界地図で沖縄諸島なども掲載されておらず、中国側の主張には適さないことがわかった。

 中国外務省の会見場に設置された世界地図にも尖閣諸島(沖縄県石垣市)などの記載はなく、事
実上の“言いがかり”であることが浮き彫りとなった。

 中国の国家測量地理情報局は、中国が領有権を主張する尖閣諸島などが地図に記載されていない
と主張。良品計画によると、地図は世界各地の無印良品の店舗数を示すのが目的で、日本のカタロ
グに掲載した地図を中国語に翻訳したものだった。」

 とにかく、気に入らないものは闇雲にイチャモンをつけるわけです。しかし、中国という巨大
マーケットを敵に回す民間企業はまずありませんから、中国の理不尽な主張をどう思うかは別とし
て、みな言われた通りに謝罪するなり、廃棄するなりするわけです。

 こうしてエスカレートしている中国の態度を忖度するように、日本のワイドショーからは台湾の
地震のニュースが消えています。安倍首相が堂々と「台湾加油」と言っているのに、マスメディア
が萎縮しているとしたら、なんともおかしな話です。

◆他人の不幸を喜ぶ中国人のメンタリティー

 台湾は、日本と同じく地震の多い国です。日本からインドネシアに至るまで、環ユーラシア大陸
の列島線は、なおも活火山が多く、地震が多い上に台風も多くあります。いわゆる「天変地異」と
言われる自然災害が多いのです。

 中国も自然災害は多くありますが、中国の場合は水害、疫病の流行、旱魃などが多く、自然と社
会の劣化が連鎖的に、そして加速度的に繰り返され、年々深刻になっていきます。自然災害が珍し
くないことから、中国人は自然災害に遭遇した人への感情的な反応は薄いけれど、それを政治利用
しようとする傾向はあります。

 戦前に、日本で和訳された『中国救荒史』という中国の自然災害についての名著がありました。
著者の●雲特は、文革のきっかけとなる『燕山夜話』の執筆者の一人として文革中に粛清された文
化人の一人です。(●=都の者が登)

 戦後になると、反日言論人は盛んに「中国に学べ」と鼓吹しましたが、その本ではアリやネズミ
などの動きを研究して地震の予測をたてようとしていたのです。しかし、日本の地震研究はもっと
進んでいるのだから、わざわざ遅れた中国の本のマネをしなくても、独自の研究を進めればいいの
です。

 中国は、スポーツや自然災害など、あらゆるものを政治利用します。1999年9月に台湾で発生し
た台湾中部大地震でも、中国政府はロシアが台湾へ救援隊を派遣しようとしていたのを阻止しまし
た。また、中国の主張によれば、台湾は中国のものであるため、地震のお見舞金として集まった義
援金は中国の赤十字によこせというのです。

 中国人のメンタリティーとしてよく知られているのは、「辛災楽禍」という、他人の不幸を喜ぶ
精神です。四川大地震の際、北京の人々は「もっと死ね」と大喜びしたそうです。東日本大震災の
第一報に接した中国のネットユーザーたちが祝賀会を開いたところ、百万人以上の人が殺到しました。

 この中国人のメンタリティーについて台湾人はよく知っているため、中国で天災が起こっても義
援金は送りません。お金を中国に送れば、赤十字が潤って、金は役人のポケットに入るだけで「不
正を助長する」ことになるからです。

 東日本大震災のときに、台湾から日本に送られた義援金は200億円でした。大陸である中国と、
島国である日本と台湾は、なぜこれほどまでに違うのか。その「気風」と「根性」については、
もっと解明する必要があります。

 日露戦争のとき、戦艦建造寄付金を募集したところ、最も多かったのは東京、二位は大阪、三位
は台湾でした。

 台湾の7代目総督であった明石元二郎の逝去に伴う教育資金の募集も、最も多かったのは台湾で
した。日台は、島国であることから、両国のメンタリティーやエトスは近いものがあります。

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2>> 【花蓮地震】 お見舞いと激励のメッセージ

 今回の花蓮地震では、本会にも電話やメールでお見舞いのメッセージが寄せられており、そこで
本会では、被災された方々へのお見舞いや激励のメッセージを募り、花蓮県政府にお届けするとし
てご案内しています。

 お見舞いや激励のメッセージは、メール、フェイスブック、ツイッター、FAXなどで、本会ま
でお寄せいただきますようお願いします。もちろん、郵送でも結構です。下記に寄せていただいた
メッセージをご紹介します。

◆お見舞い・激励メッセージのお送り先

 日本李登輝友の会:
 〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
 E-mail:info@ritouki.jp
 Facebook:http://goo.gl/qQUX1
 Twitter:https://twitter.com/jritouki
 FAX:03-3868-2101

 なお、メッセージをお送りするだけでは気持ちがおさまらないということもあるかもしれませ
ん。義捐金を送られる場合、本会は台北駐日経済文化代表処(日本の台湾大使館に相当)をご紹介
しております。台北駐日経済文化代表処も義捐金の受付口座は設けておりませんが、直接持参され
るか、現金書留郵便でお送りすれば受け付けています。

・台北駐日経済文化代表処 
 〒108-0071 東京都港区白金台5-20-2
 TEL:03-3280-7811
 HP:https://www.roc-taiwan.org/jp_ja/index.html

 また、もっと手軽に義捐金を振り込むことができるところとしては「日台若手交流会」がありま
す。集めた義援金は全額、花蓮縣政府にお届けするとのことです。

・日台若手交流会FB
 http://taiwannokoe.com/ml/lists/lt.php?tid=PdrwYWjeMeCZHA5QzKn3lKjtOfrzUR28rYm/cMp/XeJCMkjFbmy3P5Y0Qp7DBRYF

【義捐金 振込口座】

 ゆうちょ銀行 二一八(ニイチハチ)支店 (普)2907826 
 日台若手交流会(ニッタイワカテコウリュウカイ)

 郵便局
 12150-29078261
 日台若手交流会(ニッタイワカテコウリュウカイ)

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◎東京の友人より(2月13日)

 花蓮地震で被災された皆さまへ

 この度は、被災された皆さまに心から御見舞い申し上げます。

 大変でしたね。 大丈夫ですか?

 台湾と日本は共に地震が多い事で有名な土地柄で、地震の恐ろしさや悲惨さをお互いによく知っ
ていると思っています。

 ですから、今回の地震で被災された方々の痛みがよくわかります。

 日本にいる多くの友人が皆さまに心を寄せ、暖かく見守っている事を忘れないでくださいね。

 明けない夜はありません。

 どうか復興に向けて、力強く一歩を踏み出してください。

 早く皆さまに笑顔が戻りますように。

 ご自愛ください。

◎松田(2月13日)

 亡くなられた方々のご冥福を祈りますとともに、負傷された方々建物等被害に会われた方々にお
見舞い申し上げます。

 一刻も早い復興を祈ります。

◎東郷光典(2月12日)

 この度の【花蓮大地震】の犠牲者とその関係各位に心より御悔やみを申し上げます。又、負傷者
並びに被災者各位に御見舞いを申し上げます。

 我国は「例によって」左翼偏向メディアによる【報道しない自由】の濫用により、貴国の大地震
について、殆ど報道されて居りません。

 数少ない報道の中で、貴国メディアによる映像を見るに、先ず激甚な【縦揺れ】に襲われた事が
読み取れます。そして【座屈した建物群】を目の当たりにして、あの【阪神大震災】を想起した
我々日本人も少なくありません。

 我国も貴国も、言うまでも無く【地震多発地帯】です。

 その地震対策は、我国に於いては【横揺れ】で倒壊する建物は激減しましたが、東日本大津波震
災で見る【津波】や、熊本大地震に見る【縦揺れ】対策は、未だ【道半ば】と言わざるをえませ
ん。

 従って、我国同様貴臺灣國に於いても、益々【地震津波対策】に、励まなければなりません。

 特に貴国では、現在、【歴史的建造物の修復保存】が、活発に行われていますが、それらの【古
い建物群】の【耐震補強対策】は如何なっているのでしょう?

 特に【日本統治時代】の建物群か多い、と聞きます。大丈夫なんでしょうか?

 「日本統治時代の建物群は、地震に強い!」との事ですが、そこに胡座をかいていてはダメです
よ! 日々修復技術を磨き更新し続けなければ!

 万が一にでも、大地震が起り「日本統治時代の建物群に潰された〜!」等と云うのは見たくあり
ません。震災対策を営々とやり続けなければ、そうなる事確実です。

 又、熊本大地震で損壊した【熊本城修復】では、「歴史的価値を保存する為、昔のままに復元す
べき」との【歴史至上主義者】と、「歴史的価値を保存しつつ、最新の耐震補強技術を取り入れる
べし!何となれば一に安全の為なり!」と云う【現実主義者】の対立が起きています。

 貴国は如何なっているのでしょうか?

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3>> 台湾総督府庁舎(現・総統府)の建築秘話  片倉 佳史(台湾在住作家)

【nippon.comコラム:2018年2月11日】
https://www.nippon.com/ja/column/g00493/

 最近台湾で、中国との統一促進派がつくる団体「孫文学校」が、総統府を「台湾抗日英烈紀念
館」への変更を住民投票で求めようとする運動を展開して、物議を醸したことがあった。

 台湾が日本の統治下に置かれた半世紀(1895〜1945)。その最高統治機関として君臨したのが台
湾総督府である。その庁舎は現在、中華民国総統府として使用されている。今回は壮麗な風格を誇
るこの建物の歴史をひもといてみよう。

◆東洋屈指とうたわれた西洋建築

 台湾総督府。現在は中華民国の総統府として使用されているこの建物は、台湾を代表する官庁建
築である。赤れんがと花こう岩を混用して造られ、重厚感をまとっている。高層ビルが林立する台
北市だが、この建物が放つ威容はまさに別格と言ってもいい。

 天気に恵まれれば、赤れんがの壁面が南国の日差しを浴びて、美しく輝く。建物の完工は1919年
6月30日。すでに1世紀に近い歳月を経ているが、建物を前にすると、その威容が全く色あせていな
いことを思い知らされる。

 台湾は1895年に締結された下関条約によって、澎湖諸島とともに清国から割譲され、終戦までの
半世紀、日本の統治下に置かれた。当初は清国が行政庁舎としていた巡撫衙門と布政使司衙門を総
督府の庁舎として使用した。このうち、布政使司衙門は台北植物園に移設され、現在も保存されて
いる。

◆デザインは日本初のコンペで決まった

 庁舎は権威を強調したデザインが求められた。当時、東アジアへの進出をうかがっていた欧米列
強に対し、新興国の日本はいかにして国力を誇示するかという命題と向かい合っていた。そして、
総督府はあえて西洋古典様式を採用した。つまり、欧米のスタイルを踏襲しつつ、その中で自らの
国威を誇示するという手法を選んだのである。

 デザインは民政長官・後藤新平の発案で、公募という形が採られた。この「台湾総督府庁舎設計
競技」は、日本で最初の公開制設計コンペだった。概要は1907年5月27日に公布され、審査官には
辰野金吾、中村達太郎、塚本靖、妻木頼黄(よりなか)、野村一郎、長尾半平、伊東忠太といった
建築界・土木界の重鎮が名を連ねていた。

 審査は2段階で、まずは外観などの基本デザイン、続いて、細部にわたる審査が行われた。1次審
査では応募者28人中、7人名が入選し、長野宇平治の案が1等となった。

 長野は明治期における建築界の旗手だった。西洋建築をその理論や精神にまで立ち返ることで極
めていった人物とされる。日本銀行の技師として、日銀本店の増築の他、日銀小樽支店や広島支
店、岡山支店、旧北海道銀行本店などを手掛けている。銀行建築以外には、奈良県庁や横浜の大倉
山記念館(大倉精神文化研究所)などの作品がある。

 しかし、09年4月22日の官報によると、最終結果は最優秀案の甲賞の該当者はなく、長野の作品
は乙賞にとどまった(丙賞は片岡安の案)。長野はこの時、順位は該当作品の中で決めるべきで、
賞金最多額の甲賞に該当無しとは不自然だと異議を申し立てている。しかし、抗議は受け入れられ
なかった。

 さらに、台湾総督府からは統治機関としての威厳をより強調することが要求された。そして、長
野の案には同じく辰野門下の野村一郎と森山松之助が手を加えた。この時、6階程度だった中央塔
は9階(最頂部は11階に相当)に引き上げられ、デザインは確定した。

 長野はこの前後、台湾総督府の嘱託技師となっているが、その後は台湾と関わることはなかっ
た。一方、森山は総督府庁舎の設計を機に、台湾建築界の重鎮となっていった。やや後味の悪い設
計コンペであった。

◆最高統治機関として君臨

 起工式は1912年6月1日に挙行された。敷地面積は約7148平方メートル。5階建てで、当時、台湾
で最も大きな建物だった。作業は毎日、午前4時半から行われ、交代制で深夜まで続けられた。そ
のため、騒音に悩まされて住民が不眠症になったとか、時間厳守が徹底されていたため、付近一帯
では時計が不要だったなどという逸話が残っている。

 起工から3年あまりが過ぎた15年6月25日、主要部分の工事が終了し、同日、上棟式が挙行され
た。建物は4年後に完成、時の台湾総督は明石元二郎だった。

 正面に立つと、帯状に配された花こう岩の白石が赤れんがの壁面にアクセントを付けている。こ
ういったスタイルはイギリスで流行したクイーン・アン様式を基調とし、「明治の建築王」と称さ
れる辰野金吾が好んだもの。いわゆる「辰野式」と呼ばれるものであった。

 庁舎内の部屋数は152に及んだ。総督官房室の他、内務局、文教局、財務局、殖産局、警務局な
どの部署があった。勤務する職員は常時1000人程度と言われ、出入り業者らを含めると、1500人を
超える人が庁内で働いていた。

◆空襲と台湾総督府

 完工以来、権力の象徴として君臨したこの建物だが、やはり戦禍だけは免れることができなかっ
た。1944年10月12日から始まった台湾地区への空襲では中央塔が被弾した。そして、翌年5月31日
の台北大空襲の際には建物の右翼が被弾した。この時に倒壊したのは、中央塔脇のエレベーターと
階段、その間にあった事務室にとどまったが、炎を消すのに3日間を要したと言われている。

 この時、館内にいた人々は地下室に避難していたが、全員が生き埋めになるという悲劇も起こっ
た。この空襲で死者は100人を数え、対家屋面積比の83%に当たる箇所が被害を受けたとされている。

 終戦を迎えると、台湾は蔣介石率いる中華民国国民党政権の統治下に入った。台湾総督府も「台
湾省行政長官公署」と改名された。そして、国民党が共産党との内戦に敗れ、国体そのものを台湾
に移してくると、この建物は中華民国の総統府として使われることとなった。

◆総督府を修復した人物

 終戦を迎えると、台湾総督府は統治機関としての機能を失った。疲弊し切った総督府に庁舎を修
繕する余裕はなかったが、修復は台湾人技師と留用された日本人技師が担うことになった。

 この時に重要な役割を演じたのが故・李重耀氏だった。李氏は総督府修繕の他、桃園神社の保存
や戦後の衛生機関の整備などで知られる人物である。18歳で台湾総督府財務局営繕課の技師とな
り、戦時中は台湾総督官邸(現台北賓館)の防空壕(ごう)の設計コンペで入選した経験もある。

 庁舎の修復は行政長官・陳儀の命令によるものだった。李氏は日本人技師から受け継いだ建築士
としての誇りを胸に、職務に没頭したという。

 工事は1947年に始まった。まず、しなければならなかったのは館内のがれきを運び出すことだっ
た。これは牛車で約1万台分に相当し、延べ8万人の工員を要した。当時はインフレの嵐が吹き荒れ
ており、物価が非常に不安定だった。現金は意味をなさないので、李氏は米を確保し、給金として
これを分配したという。当時の世相を如実に物語るエピソードである。

◆一般公開されるようになった権力機関

 現在、この建物は館内の一部が開放されており、外国人旅行者でも参観は可能だ。平日の午前中
に開放される常設展示空間の他、年に6回の特別開放日には総統の執務室やホールなども見ること
ができる。台湾の歩んできた道のりが紹介され、地方事情や伝統芸能を学べる企画展示もある。な
お、政権によって展示内容の選別や紹介方法が変わるのは台湾らしいとも言える。為政者たちの意
図を冷静に判断しつつ、参観を楽しみたい。

 同時に、展示物を見ていると、台湾と日本がいかに深く関わってきたかを思い知らされる。半世
紀にわたった日本統治時代は現在、客観的な評価が下され、台湾史の一部として扱われている。そ
ういった側面を受け止めながら、歴史を振り返りたいものである。

            ◇     ◇     ◇

片倉 佳史(かたくら・よしふみ)
台湾在住作家。1969年、神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部在学中に初めて台湾を旅行する。大
学卒業後は福武書店(現ベネッセ)に就職。1997年より本格的に台湾で生活。以来、台湾の文化や
日本との関わりについての執筆や写真撮影を続けている。分野は、地理、歴史、言語、交通、温
泉、トレンドなど多岐にわたるが、特に日本時代の遺構や鉄道への造詣が深い。主な著書に、『古
写真が語る 台湾 日本統治時代の50年 1895―1945』、『台湾に生きている「日本」』(祥伝
社)、『台湾に残る日本鉄道遺産―今も息づく日本統治時代の遺構』(交通新聞社)等。

オフィシャルサイト「台湾特捜百貨店」:http://katakura.net/

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【日本李登輝友の会:取扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

*ご案内の詳細は本会ホームページをご覧ください。

● 児玉神社社殿修復事業へのご寄付のお願い
  http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170611/

● 台湾フルーツビール・台湾ビールお申し込みフォーム
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/rfdavoadkuze

*台湾ビール(缶)は在庫が少なく、お申し込みの受付は卸元に在庫を確認してからご連絡しますの
 で、お振り込みは確認後にお願いします。【2016年12月8日】

● 美味しい台湾産食品お申し込みフォーム【常時受付】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex

*沖縄県や伊豆諸島を含む一部離島への送料は、宅配便の都合により、恐縮ですが1件につき
 1,000円(税込)を別途ご負担いただきます。【2014年11月14日】

*パイナップルケーキとマンゴーケーキを同一先へ一緒にお届けの場合、送料は10箱まで600円。

・奇美食品の「マンゴーケーキ(芒果酥)」2,900円+送料600円(共に税込、常温便)
 [同一先へお届けの場合、10箱まで600円]

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 [同一先へお届けの場合、10箱まで600円]

・最高級珍味「台湾産天然カラスミ」4,160円+送料700円(共に税込、冷蔵便)
 [同一先へお届けの場合、10枚まで700円]

● 書籍お申し込みフォーム
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px

・呉密察(國史館館長)監修『台湾史小事典』(第三版)
・李登輝・浜田宏一著『日台IoT同盟』 *在庫僅少
・王育徳著『台湾─苦悶するその歴史』(英訳版) *在庫僅少
・浅野和生編著『1895-1945 日本統治下の台湾』
・王明理著『詩集・故郷のひまわり』 *在庫僅少
・李登輝著『李登輝より日本へ 贈る言葉』 *在庫僅少
・宗像隆幸・趙天徳編訳『台湾独立建国運動の指導者 黄昭堂』
・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』 *在庫僅少
・盧千恵著『フォルモサ便り』(日文・漢文併載)
・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点』
・李筱峰著・蕭錦文訳『二二八事件の真相』

● 台湾・友愛グループ『友愛』お申し込みフォーム
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*第1号〜第15号(最新刊)まですべてそろいました。【2017年6月8日】

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・『湾生回家』
・『KANO 1931海の向こうの甲子園』 *現在「在庫切れ」(2018年1月25日)
・『台湾アイデンティティー』 
・『台湾アイデンティティー』+『台湾人生』ツインパック
・『セデック・バレ』(豪華版)
・『セデック・バレ』(通常版)
・『海角七号 君想う、国境の南』
・『台湾人生』
・『跳舞時代』 *現在「在庫切れ」(2017年8月31日)
・『父の初七日』

● 講演会DVDお申し込みフォーム
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・2014年 李登輝元総統ご来日(2014年9月19日〜25日)
・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)

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・入会案内:http://www.ritouki.jp/index.php/guidance/
・入会申し込みフォーム:https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46

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