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【メルマガ日台共栄:第3135号】 台湾全島に電気をともした日本人―松木幹一郎  古川 勝三(台湾研究家)

2018/02/05

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1>> 台湾全島に電気をともした日本人――松木幹一郎  古川 勝三(台湾研究家)
2>> 【広辞苑誤記問題】 岩波はもう終わっている  江畑 哲男(東葛川柳会代表)
3>> 【広辞苑誤記問題】 時宜を得た訂正要求  相沢 光哉(宮城県議会議員)
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1>> 台湾全島に電気をともした日本人――松木幹一郎  古川 勝三(台湾研究家)

 古川勝三(ふるかわ・かつみ)氏は、日本の統治時代に台湾の発展に貢献した人物について、そ
の代表と言ってもいい八田與一(はった・よいち)について『台湾を愛した日本人─八田與一の生
涯』を1989年に著して以来、KANO野球部監督の近藤兵太郎(こんどう・ひょうたろう)を『台湾を
愛した日本人』の第2弾とするなど次々と発表してきている。

 「nippon.comコラム」では「台湾を変えた日本人シリーズ」として、昨年11月に「蓬莱米の父」
や「台湾農業の父」として今でも台湾で尊敬されている磯永吉(いそ・えいきち)を取り上げて以
来、初代宜蘭庁長をつとめて善政を敷いた西郷隆盛長男の西郷菊次郎(さいごう・きくじろう)、
台湾原住民族研究の先駆者の鳥居龍蔵(とりい・りゅうぞう)を取り上げ、今回は「台湾電力の
父」と慕われ日月譚に発電所を設けた台湾電力社長の松木幹一郎(まつき・かんちろう)を紹介し
ている。

 ちなみに、周知のように奇美実業創業者の許文龍氏は、台湾の発展に貢献した日本人の胸像を制
作、これまで後藤新平(ごとう・しんぺい)、新渡戸稲造(にとべ・いなぞう)、浜野弥四郎(は
まの・よしろう)、鳥居信平(とりい・のぶへい)、八田與一(はった・よいち)、羽鳥又男(は
とり・またお)、新井耕吉郎(あらい・こうきちろう)、磯永吉(いそ・えいきち)、末永仁(す
えなが・めぐむ)を手掛け、松木幹一郎の胸像は許氏の制作ではないものの制作を支援している。

 なお、古川氏は日月潭の読み方に「にちげつたん」と振り仮名を付している。いまはどの旅行案
内書でもそのように読んでいるが、明治42年発行の『大日本地名辞書』では「じつげつたん」と振
り仮名を振っている。地名の読み方が正確と定評のある片倉佳史氏の『古写真が語る台湾 日本統
治時代の50年』(2015年、祥伝社)も「じつげつたん」と振り仮名を振っている。漢字の読み方は
変わることも往々にしてあるものの、松木幹一郎の時代としては「じつげつたん」と読みたい。

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台湾を変えた日本人シリーズ:台湾全島に電気をともした日本人――松木幹一郎
【nippon.comコラム:2018年2月4日】
https://www.nippon.com/ja/column/g00489/

◆観光地として有名な日月潭は、発電所としても80年以上の歴史を持つ

 台湾中部南投県に台湾最大の湖がある。北側が丸形で南側が月形をしていることから日月潭(に
ちげつたん)と呼ばれる。風光明媚(めいび)な標高748メートルの湖は、年間600万人が訪れる一
大観光地としても有名である。また湖を一周する39キロメートルのサイクリングロードは、世界中
のサイクリストの憧れの地となっている。しかし、この湖が83年前から発電用ダム湖として利用さ
れ続け、台湾最大の水力発電所に寄与していることを知る者は少ない。

 1931年に完成した日月潭第一発電所(現大観発電所)は、10万キロワットの発電量を誇る東洋一
の水力発電所として台湾全島に電力を供給し続けた。その結果、当時の台湾で「人間が居れば、そ
こには必ず電気がある」とまで言われるようになる。この巨大事業に取り組んだ日本人が「台湾電
力の父」と今もって台湾人から尊称されている松木幹一郎である。

 松木幹一郎は1872年愛媛県周桑郡楠河村大字河原津(現西条市河原津)で庄屋の長男として生ま
れた。松山中学校を経て京都の第3高級中学校を7月に卒業、9月には東京帝国大学法科大学法学科
に入学した。3年後の7月に卒業すると直ちに逓信省に就職している。25歳のときである。

 広島郵便局長、文書課長、横浜便局長などを歴任し、1908年に鉄道院秘書課長となったとき、松
木の将来に大きな影響を与える人物に出会うことになる。逓信大臣兼鉄道院総裁の後藤新平がその
人である。

 後藤は有能な人材を生かして登用することに優れていた。台湾総督府の民政長官時代には、米国
から38歳の新渡戸稲造を三顧の礼で迎え、殖産局長心得に抜てきし、臨時台湾糖務局長に据えて台
湾糖業発展の基礎を築くことに成功している。その後藤が松木の有能さを認め重用した結果、後藤
の片腕として活躍することになる。松木も後藤の人材活用術を学び、同郷で12歳下の十河信二を後
藤に紹介している。十河はその期待に応えて、後に新幹線事業の偉業を成し遂げ「新幹線の父」と
称されるようになる。

◆後藤新平に引き抜かれて電気局長に就任する

 1911年、後藤の推薦により東京市初代電気局長に就任した松木は、4年後に愛媛県県北宇和郡吉
田町(現宇和島市吉田町)出身の山下亀三郎に請われ、山下汽船の理事、副社長を務める。さら
に、松木は道路法が制定された19年には、社団法人道路改良会(日本道路協会の前身)を設立し、
理事に就任して道路の普及に努めた。

 23年9月1日に関東大震災が発生、東京は壊滅的な被害を受けた。4月まで東京市長だった後藤
は、自ら総裁とする帝都復興院を設置し松木を副総裁兼物資供給局長に、十河を経理局長に任命
し、市長時代に作成していた「都市計画」を採用することにした。この案には復興院内部でも異論
があったが、松木や十河らが主張する全面的な土地区画整理事業が採用される。ところが政党間の
争いに遭い24年2月に復興院が廃止され復興局に縮小されると、後藤とともに松木も辞任した。

 しかし後藤・松木が採用した復興計画は、今日に続く東京の都市づくりの基本となっている。30
年3月には帝都復興完成記念式典が開催されるが、後藤はそれらを見ることなく29年4月に亡くなっ
た。後藤は死ぬ前に「いいかよく聴け、銭を残して死ぬやつは下、仕事残して死ぬやつは中、人を
残すやつが上だ。分かったか」と言ったという。台湾、満州、東京の都市計画を手掛けた73年の生
涯であった。

 後藤が東京市長当時、台湾では近代化に必要な発電用ダムの建設と米の増産を目的とするかんが
い用ダムの建設が急務だった。そこで台湾総督府は二つの巨大プロジェクトを計画した。日月潭水
力発電所建設計画であり、もう一つが15万ヘクタールの不毛の大地をかんがいする嘉南大圳新設工
事計画である。

 日月潭水力発電用ダム工事は明石元二郎総督の決断により19年に開始された。3000万円で台湾電
力株式会社を創設し、堀見末子技師らが設計を行った。巨大な予算もさることながら、その工事計
画も驚く規模であった。

 台湾最長の河川である濁水渓の海抜1300メートルの武界に高さ48.5メートルのコンクリート製重
力式の武界ダムを設置し、そこから日月潭まで延長15.1キロメートル の距離を8本のトンネル、3
カ所の開渠(かいきょ)、4カ所の暗渠で、毎秒約40トンの水を送る計画である。

 日月潭の名称は、湖の北側が太陽(日)の形、南側が月の形をしていることからこう呼ばれる。
中央の島にはサオ族の守り神(祖霊)が祭られていた。この計画によって日月潭の水位が上昇する
ため、2カ所に土堰堤(どえんてい)を築き、湖の水位を約18メートル上昇させることにした。こ
のため二つの湖は完全につながり一つの人造湖ができることになった。この工事により、海抜748
メートル、水深27メートル、周囲長37キロメートル、貯水量1億4000万トンの台湾最大の淡水湖が
誕生する。日月潭の水は、約3000メートルの水圧トンネルと約640メートルにおよぶ5本の水圧鉄管
により約330メートル下の発電所に送ると言う大規模な工事計画である。

◆着工から15年がたってようやく完成。台湾全島に電気が通る

 工事に着手したものの第一次世界大戦後の不景気に見舞われ、さらに関東大震災が追い打ちをか
けたため、資金不足により1926年に中止が決まった。既に3800万円を投資していた日本政府と台湾
総督府は、機会があれば日月潭での水力発電事業を再開したいと考えていた。

 そこで当時の石塚英蔵台湾総督は、三顧の礼で松木を呼び29年12月、台湾電力社長に迎えた。翌
年1月、松木は台湾着任後すぐに峻険(しゅんけん)な現地視察を行うと共に最も権威ある専門家
を集め、工事計画の見直しを行った。その結果、残りの工事に必要な金額は4860万円と算定され
た。この年の日本の実行予算は16億1000万円であり、必要工事費はその約3%に相当する巨大工事の
ため、日本国内ではこの資金を集めることができないことが分かり、外国から借金して集めること
にした。

 当時は、世界恐慌などの経済情勢だけでなく、国際政治情勢も混沌(こんとん)としていた時代
であったが、31年6月に外国に債券を売却することができ、必要な工事費を確保し、10月には工事
に着手することができた。

 工事は鹿島建設が行うことになったが困難を極めた。湿気の多い熱帯雨林の環境下で、マラリ
ア、アメーバ赤痢、ツツガムシなどの被害が想像以上で、担架で山を下りる患者が列をなし、病院
は患者で溢(あふ)れかえった。

 そこで、工事を中断してマラリアを媒介する蚊の根絶のために周囲の山を燃やし、宿舎の周りに
は草を生やさず、窓には二重網戸をし、売店や娯楽設備を完備し、日本・朝鮮・台湾料理の店を設
け、鹿島神社を造営し、直営病院を増やすなど、環境整備を徹底した。その結果、工事は順調に進
み34年6月に完成し、同年9月に発電を開始した。着工から15年が経過していた。「日月潭第一發電
所」と命名された発電所は最大出力10万キロワットであり、当時、東洋一の規模を誇った。さらに
37年には「日月潭第二発電所」を完成させた。この発電所の完成によって、台湾全島に電気が送ら
れ台湾の近代化に拍車がかかることになる。しかし、社長の松木は完成から2年後の39年6月14日に
急逝した。67歳であった。

 45年の日本の敗戦後、日月潭第一発電所は大観発電所と名前を変え、戦後の台湾の経済復興に貢
献し、建設当時と変わらずに現在も運転を続けている。現在でも日月潭の水を利用した発電量は、
台湾の水力発電全体の56%を占めている。

 松木が急逝した翌年、日月潭湖畔の取水口に松木の銅像が建立された。大東亜戦争中の44年に金
属類供出令で撤去され台座のみになっていたが、2010年3月、台湾電力を引き継いだ台湾の人たち
によって、再び銅像が造られ、残された台座上に復元されている。

             ◇     ◇     ◇

古川 勝三(FURUKAWA Katsumi)
1944年、愛媛県宇和島市生まれ。中学校教諭として教職の道をあゆみ、1980年、文部省海外派遣教
師として、台湾高雄日本人学校で3年間勤務。『台湾の歩んだ道−歴史と原住民族−』『台湾を愛
した日本人─八田與一の生涯』『日本人に知ってほしい「台湾の歴史」』『台湾を愛した日本人
2─KANO野球部名監督近藤兵太郎の生涯』などの著書がある。現在、日台友好のために全国で講演
活動をするかたわら『台湾を愛した日本人3』で磯永吉について執筆している。

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2>> 【広辞苑誤記問題】 岩波はもう終わっている  江畑 哲男(東葛川柳会代表)

こんな夜は読書に限る!?
【江畑哲男川柳Blog:2018年2月1日】
https://shinyokan.jp/senryu-blogs/tetsuo/4118/
 
 2月1日(木)21時45分です。

 明日は雪の予報が出ております。

 千葉県は暖かいのでしょうか? 外へ出て確かめたら、まだ雨でした。昨日の皆既月食よりも、
なぜか暖かく感じる(?)夜です。本当に雪になるのでしょうか?

 さて、こんな夜は読書に限りますね。

 いま、月刊『WiLL』3月号を読んでいます。『広辞苑』の「台湾」の小特集があったからです。

 『広辞苑』第7版の誤記は新聞でも報道されました。あまり報道されていない重大なマチガイ
に、台湾に関する記述があります。どうやら確信犯のようです。ヒドイものです。

 著者のお一人・柚原正敬氏(日本李登輝友の会事務局長。小生の大学の後輩)によれば、10年前
から問題点が指摘されており、当初岩波側は「訂正する」という約束をしていた、というではあり
ませんか。

 その約束が守られておりませんでした。呆れたものです。

 それにしても、中華人民共和国への媚び・へつらいが気になります。独裁の国・チャイナを、
「知識人」層はどうして持ち上げたがるのでしょうか? 不思議ですねぇ。かつて輝いていた「岩
波・朝日文化」はすでに過去のもの。こんなことを繰り返すようでは、もう「終わって」います。
小生にはそう思えました。

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3>> 【広辞苑誤記問題】 時宜を得た訂正要求  相沢 光哉(宮城県議会議員)

 もともと、朝日新聞、岩波書店、自由国民社(現代用語の基礎知識)は反日自虐史観に毒された
メディア・出版社ですが、漢字伝来のコンプレックスを未だ抜けきれず中国礼讚の体質も共通です。

 『広辞苑』と言えば、いまだに新村出編を一枚看板にしているのも滑稽で、朝日と同様、業界1
位? のプライド臭が鼻につく印象があります。

  月刊「WiLL」3月号に、柚原正敬事務局長が「広辞苑が何と言おうと、台湾は台湾です!」 を載
せられ、台湾関係の正しい理解に基づく訂正を要求されたことは、まことに時宜を得たことです。

 ただ、辞書という性格上、将来の再版時まで直らないというもどかしさがあり、事実、柚原局長
自身が触れているように、10年前の申し入れも無視されている経緯を考えると、多方面からの強い
圧力を継続してかけて行く覚悟が必要と思います。正名運動や地図教科書なども対象にし、世論を
喚起すべきです。

 たまたま、月刊「HANADA」3月号に、近現代史研究家の水野靖夫氏の「台湾の抗議も当
然  広辞苑は偏向、有害辞典」が掲載されています。最近のモリ・カケ報道を見るまでもなく、わ
が国のマスメディアの偏向報道ぶり(報道しない自由!を含め)は、アメリカのトランプ大統領が
NYタイムズ等を名指しで非難したことを笑えない実態にあります。

 実際、かつてNHKが特別番組ジャパンデビューで台湾を取り上げたとき、日本語世代の台湾人
の証言を意図的に編集して、あたかも差別や人権無視だけの時代であった印象操作を行い、広範囲
な抗議運動が起こったこと、しかもその事実を一切報道しなかったことは、公共放送としてあるま
じき行為として記憶に新しいものがあります。

 このところ日本李登輝友の会理事会に欠席が続き、申し訳なく存じておりますが、今後とも発信
力のある団体として行動されますよう、祈念いたしております。  

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・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
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