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【メルマガ日台共栄:第3132号】 尖閣諸島は中国に奪われたら還ってこない  ロバート・D・エルドリッヂ(政治学者)

2018/02/01

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1>> 尖閣諸島は中国に奪われたら還ってこない  ロバート・D・エルドリッヂ(政治学者)
2>> 台湾が日本食品の輸入規制を解かない理由  西本 秀(朝日新聞台北支局長)
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1>> 尖閣諸島は中国に奪われたら還ってこない  ロバート・D・エルドリッヂ(政治学者)

 本会が台湾で実施している日本李登輝学校台湾研修団(略称:李登輝学校研修団)は来る5月開
催で29回となる。2年前の2016年5月、蔡英文氏の総統就任式に合わせて実施した第25回にロバー
ト・D・エルドリッヂ氏を講師に招き「尖閣をめぐる日本と台湾」と題して話していただいた。流
暢な日本語で尖閣諸島と台湾の地政学的重要性を説く講義は、その深い知識とともに参加者に多大
な感銘を与えた。

 このほど講談社の「現代ビジネス」に「日米外交史の専門家が心底危惧する、日本の『尖閣無
策』」を寄稿、日本は尖閣諸島を「中国に奪われてしまったら、還ってこない」ことを肝に銘ずべ
きと説き、アメリカの尖閣に対するスタンスを明らかにして「一番恐ろしいシナリオ」を提示して
いる。背筋が凍りつくような鋭い指摘だ。

 アメリカはこれまで尖閣諸島に対する日本の施政権を認めても、なぜ領有権を認めないのか常々
疑問に思っていたが、ようやくその謎の一端が解けた思いだ。かなりの長文だが、下記に全文をご
紹介したい。熟読されたい。

 なお、本誌掲載に当たって、原題の「日米外交史の専門家が心底危惧する、日本の『尖閣無策』
─『もちろん、決めるのはあなた達だが』」から「尖閣諸島は中国に奪われたら還ってこない」と
改めたことをお断りする。

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ロバート・D・エルドリッヂ 政治学者・元米海兵隊太平洋基地政務外交部次長
日米外交史の専門家が心底危惧する、日本の「尖閣無策」 「もちろん、決めるのはあなた達だが」
【現代ビジネス:2018年1月31日】

 1月の初旬、中国の潜水艦が潜航したまま尖閣諸島の大正島の接続海域を航行した。これまでに
ないレベルの挑発行為である。日本は政府も国民も尖閣危機を騒ぐ割には、事態の深刻化を全く止
めることが出来ていないし、その気配すら見えない。全くの無策、お手上げ状態なのである。何故
なのか?

 戦後日米外交史の専門家で、アメリカ海兵隊の基地問題担当者として沖縄で活動した経験も持つ
著者が、日米両国に責任がある尖閣問題の起源を読み解く。

◆東ヨーロッパで考えた尖閣への教訓

 つい最近、東ヨーロッパに行ってきた。スイスでシンポジウムに参加した後、まだ行ったことが
なかったブルガリア、ルーマニア、モルドバを回った。

 そして最後に訪れたモルドバで印象的なことがあった。この国はロシアとの間の領土問題を抱え
ている。ロシアが、国土の一部を実際に占拠している状況だ。

 地元の大学で尖閣問題に関する講演を行ったが、そこで、50代の研究者にあった。大学の学科長
だった。彼は英語が得意ではなく、長くソ連圏の教育を受けていたような人なのだろう。アメリカ
人である私を警戒しているようだった。

 しかし、講演の後、その態度は全く変わった。まず「ありがとう」のあと、「大変ためになっ
た。示唆を受けた。感謝します。参考にします」といってきたのである。講演中、一所懸命メモを
取っていた姿が印象に残っている。彼は彼なりに、自分の国、超大国に隣接する小さな国の国益を
考えているのだと思った。

 そこで改めて認識したことは、いったん、領土を隣の大国に占領されてしまうと、もう取り戻す
ことが出来ないということだった。この形は、北方領土の事例とよく似ている。

 東欧に行く直前、中国の潜水艦が、尖閣諸島の接続水域を潜水したまま航行した。これまでにな
い挑発行為であり、尖閣問題が日本にとっていま最も緊張度の高い領土問題であることが改めて示
された。ところが、日本政府をはじめ、政治家、国民のほとんどは無関心である。

 この尖閣諸島もまた、中国に奪われてしまったら、還ってこない。そして、日本の戦後の領土問
題は、北方領土に加え、韓国が1954年に武力によって獲った竹島のすべて日本にとって不幸な形で
決着することになってしまう。

 領土の一部でもとられると、その相手と隣接している以上、その国の主体的な外交はできなくな
る。モルドバ国内では、NATO加盟を希望している声が多いが、それはロシアが絶対許さないし、そ
の現実に、その意思を強要している。

 つまり、尖閣諸島を奪われてしまうと、日本は対中国外交で主体性がなくなってしまう。中国の
顔を一層立てなければならなくなるからだ。このことが歴史や他地域の国際政治に学ぶべき教訓な
のである。日本は、北方領土問題と竹島問題からだけでも分かるはずだ。

◆尖閣で起きうる日本の敗北

 日本の尖閣政策は、一言で言うと、「奪われるようなことがあったら取り返す」につきる。しか
し、占領されると還ってこない、という教訓から考えると、意味のない非現実的な原則に立ってい
ることになる。まず奪われないようにすることを考えなければならないはずだ。

 つまり日本は尖閣問題に政策も持っていないし、戦略もないのである。それゆえ私は「尖閣無
策」とよんでいる。

 もう一つ、今回の東欧訪問で学んだことがある。

 これも歴史的なロシアの手法だが、影響力を及ぼしたい国や地域に、まずロシア人を送り込むの
である。ロシア民族、ロシア語話者の人たちが、そこでコミュニティを形成している。これら「在
外ロシア人」を守るというのが、対外政策の言い訳になるのである。

 ロシアが2014年にウクライナのクリミアに侵攻して自治共和国として編入したことが、その直近
の例となる。

 ドイツも、第二次世界大戦前に同じやり方をした。「ドイツ系住民を守るため」が、オーストリ
ア、チェコスロバキア、ポーランドへの軍事行動や領土併合の表向きの理由となった。

 中国もまた、沖縄へ多くの中国人を送り込み、日本国内に多くの中国人が在住している。日本だ
けではない。南アジアやアフリカにも万人単位で送り込んでおり、東南アジアには歴史的に多くの
中国系住民が実際に生活している。

 このことが、例えば、沖縄で独立運動などが本格的になった場合や、そのほかの地域でも何かの
問題が起きた場合、中国が口を出し、さらにそれだけではなく、手を出す理由になる。世界の歴史
がそれを証明している。

 現時点で、尖閣問題は、あくまで隣国間の領土問題、外交問題だが、中国人の住民の人口が、日
本国内、特に南西諸島に増えれば増えるほど、別な次元の問題が起きてくる。

 以前から議論になっていることだが、中国には在外中国人を有事の際にあらゆる形で動員するこ
とが出来る「国防動員法」という法律がある。だから、中国人が送り込まれれば込まれるほど、内
側と外側からの圧力が高まることになる。

 このように、領土問題を甘く見てはいけない。一部でも主権を失うと、主体的な外交はできなく
なるし、内政も妨害を受けるからである。

 日本は政策がないから、海上保安庁と自衛隊という現場に任せっぱなしになる。海上保安庁には
大変な負担がかかっているし、航空自衛隊もスクランブルで振り回されている。

 去年、その回数が減ったことから、中国は平和を望んでいると評価する人たちがいた。これは昨
秋の共産党大会があったので控えただけだ。あれから、また、回数は増えており、主張も激しく
なっている。

 最近、自民党政府も、中国といい関係を築くことが出来ると思っているようだが、すごく甘く極
めて危険というしかない。

◆安保条約第5条の幻想

 中国は尖閣諸島をとりたい。沖縄を支配下に置き、日本までも完全に中立化させたい。

 これに対し、日本は、最悪の場合、有事になったら日米安全保障条約の第5条の適用で対応しよ
うとしているが、極めて限界がある。第5条は、安保条約の発動条件を、日本の施政権下にある領
域で、どちらかの国が攻撃を受けた場合とした規定である。

 それを、外から見てうかがわせる良い事例がある。アメリカの高官が来日する際、また、日本の
高官が訪米する際、尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用範囲であることを確認する発言を
延々と繰り返している。

 これは私から見ると、恋人同士の関係に似ていると思えてならない。「まだ私のことを愛してい
るの?」と念押しを繰り返さなければ安心できないという、ある意味、気持ち悪い関係である。

 尖閣諸島が日米安全保障条約の適用範囲であることは、1971年の沖縄返還協定の批准の際に、ア
メリカ議会における証言で認められている。したがって、それ以上、確認をとらなくてもよい事柄
なのだ。

 このことは、国際社会から見れば非常におかしく見える。同盟が強固なものならば、確認の必要
はないのである。日本政府が聞けば聞くほど、日米同盟は脆いと思われてしまう。

 その上、第5条が適用できる事態だけで済むとは限らないのである。そもそも、第5条シナリオが
有効な状況というのは、簡単な事態なのである。つまり、武力行使の対象となったので日米が対処
する、ということだ。

 問題は、第5条適用以外のシナリオだ。例えば、海上で日中間で何事か起こった場合。中国は情
報戦、広報外交がうまいので「日本が先に撃った」という雰囲気にされかねない。

 日本から先に攻撃した場合とアメリカが認識すれば、第5条は適用されない。さらに力を行使し
ても解決をする、時のアメリカの政権が中国よりであれば、なおさら行動しない可能性が高い。

 そもそも、大きな矛盾を孕んでいる。アメリカ政府が、日本の施政権を認めつつも領有権を認め
ない日本の領土に対して、防衛義務があることはおかしいと指摘するアメリカ国民がいるので、も
しその数が増えれば政府として行動し難くなることも忘れてはならない。

 さらに、武装した漁民などが尖閣諸島に上陸した場合など、ほかに、条約上のグレーゾーンがある。

 例えば、尖閣諸島の領域に中国などの船が入り、「故障」し、修理用の部品や、船員の食料など
の補給の理由で、2隻目、3隻目が入り込み、いつの間にか、対応し切れないほどの船や人数がいる。

 当然、その間、中国は、軍艦と変わらないほど武装化されている、日本の巡視艇に当たる海警の
船を出し、中国の漁民を守ると名目で派遣し、情報収集のためにも船を派遣する。

 この緊迫した状況の中で、現在の日本政府に退去させる力があるだろうか。このような事態は、
容易に想像できる。

 実は、返還前に、小規模ではあったがシナリオの前半に似ている事態が台湾との間で発生したこ
とがある。このときは、米軍が退去させた。

 日本は、いつもの外交カードである、「対話による」解決を選ぶだろう。しかし、そうした方法
は、そもそも正当性がない中国の主張を正当化し、彼らの立場を強化することにつながる。

 このようなことを日本政府は、46年間、一貫して繰り返している。なぜ、日本人は歴史や教訓を
覚えないだろう?

 そもそも、中国は、尖閣諸島における日本の主権を認めていないので、「退去する理由がない」
と反論できる。それでも平和裏に退去させようとしたら、何か別な条件を飲まされかねない。

 これは主張や立場の違いではなく、国益をめぐる国際政治の厳しい現実なのだ。力を行使しても
解決をする中国は、他の国と比較できないほど国益を追求している国だ。そろそろ日本も甘え考え
を捨てて、真の国益を追求しないといけない。

◆アメリカの日和見

 最も警戒しなければならないことは、尖閣問題に対するアメリカの現在のスタンスに、根本的な
誤りがあることだ。上記で言及したように、日本の施政権を認めるが、アメリカは、実は尖閣領有
権問題に関しては中立方針をとっているのである。

 今のアメリカの方針では、日本の領有権については、肯定も否定もしていない。しかし、同じよ
うに論理的に考えた場合、中国の領有権主張については否定していないことになる。

 もし中国が第5条に抵触するような軍事的な作戦を展開した場合に、アメリカが中国に対して、
何らかの言及や行動を行おうとしたら、中国は、アメリカは中国の領有権を否定していないのであ
るから、口も手も出すべきでないと主張できるのである。

 これがおそらく一番恐ろしいシナリオである。最初から何もできないからだ。

 このように、尖閣問題の起源は、アメリカの中立政策にある。

 戦争が終わってから27年間の占領・統治期間、アメリカは沖縄が日本の領土であるという方針を
とってきた。国際的にも、サンフランシスコ平和会議の際、南西諸島に対し日本は潜在主権がある
という見解を、アメリカのダレス国務長官が言明したことで、広く認識されている。

 ここでいう、南西諸島を、尖閣諸島を含む形で、アメリカは占領・統治している。つまり、尖閣
諸島は旧沖縄県の南西諸島の一部であり、日本は沖縄県に潜在主権を保有しているというのが、返
還までのアメリカの立場だった。

 しかし、1971年6月の沖縄返還協定締結の際、台湾と中国の尖閣諸島領有権問題が浮上した。台
湾はその頃まで、アメリカの同盟国であった。また、同年7月にはニクソン大統領の訪中が発表さ
れた。そのための折衝が、水面下でキッシンジャー補佐官によって行われていた。そのため、両国
も主張に対して、アメリカは曖昧な姿勢をとってしまったのである。

 このことは日本にとって死活的な問題を残している。

 紛争の際、アメリカが、中国に対して口を出した場合、中国は、このアメリカの立場の穴を鋭く
指摘できるので、アメリカの軍事行動を制約することが出来る。

 従って、この穴は早急に埋めなければいけない。

◆尖閣への不作為が世界に示すもの

 このように、尖閣諸島問題はアメリカに大きな責任がある。しかし、それは沖縄返還まででのこ
とである。返還以降については、はっきり言って、日本政府に大きな問題がある。

 他国から領有主張があるにも関わらず、日本政府は、実効支配や施政権を示すための行動を行っ
てこなかったのである。

 もちろん海上保安庁などが、尖閣諸島を日本領として警備してきたのであるが、実効支配を示す
ために必要な装置、つまり公務員の常駐、港・へリポート、気象台、灯台の建設などは何も行って
こなかった。

 しかし、日本の他の他国の領域に隣接する離島には、ちゃんと行っているのである。なぜ尖閣諸
島にだけ行おうとしないのか。しかも、こうした措置は、国際公共財になり、国際社会によって歓
迎される。

 日本は何もしないことによって、中国に対してだけではなく、国際社会に対して、尖閣諸島の領
有権に対して自信がない、というメッセージを発し続けているのである。

 このことに対して日本政府が示す唯一の理由が、「中国政府を刺激したくない」である。少なく
ともそういう態度を実際に取り続けている。では、中国は日本を刺激していいのだろうか。国際法
違反を繰り返して犯してもいいのだろうか。

 傲慢な対外政策をとる国に対して、対処する力がある国は、はっきりNOといわなければならな
い。そうしなければ、フィリピン、ベトナムなどより力の弱い国は、なおさら、傲慢な国の思い通
りにされてしまう。

 尖閣諸島問題は、単に日本だけの問題ではない。この地域全体の問題である。

◆2010年、中国で起こったデモ

 先に触れた今年初頭の、中国艦船の尖閣諸島接近ルートをみると、中国は、この日米の問題を理
解したうえで行動しているとしか思えない。

 中国の潜水艦と艦艇が接近したのは大正島であった。実は、ここは米軍の演習場でもある。

 にもかかわらず、アメリカはこのことについて、表立って非難していない。水面下では何か言っ
ているかもしれないが。

 アメリカが公に非難しないことを中国は喜んでいるだろう。少なくとも、そうしないことを計算
したうえでの行動だったと思う。それゆえ、この中国の行動は、アメリカへの挑戦でもあるといえる。

 歴史教訓を思い返すと、対外的に傲慢な行動をとる国に対し、融和政策をとることは、結局、高
いコストを払うにつながる。

 このままでは、後々、日本は、東ヨーロッパの小国のようになりたくなければ、問題解決のため
に、軍事的な対応を迫られるまで、追い込まれかねない。そのことは、非常な覚悟が必要なだけで
はなく、コストもまた非常に高くなる。

 しかし、今の段階で賢い方法をとれば、そのような事態を、より低いコストで回避できる。これ
は、前述した気象台、港などの整備や公務員の常駐など措置で、行政的手法による予防的政策だと
思う。

 どちらがいいか。日本は自身の判断で選択していただきたい。しかし、時間があまりない。

 安倍政権内で中国が動くまで待つか、それとも、先に自信を持って、積極的に尖閣諸島における
行政的な態勢を確立し、国際社会における日本の立場を強化していくのか、を決める時期だ。

             ◇     ◇     ◇

ロバート・D・エルドリッヂ
1968年米国生まれ。神戸大学大学院法学研究科博士課程修了。政治学博士。大阪大学准教授、米海
兵隊太平洋基地政務外交部次長などを歴任。著書に『沖縄問題の起源』(アジア太平洋賞大賞、サ
ントリー学芸賞受賞)、『尖閣問題の起源』(大平正芳記念賞受賞)、『オキナワ論』、『だれが
沖縄を殺すのか』など多数。

エルドリッヂ研究所HP:http://www.robertdeldridge.com/

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2>> 台湾が日本食品の輸入規制を解かない理由  西本 秀(朝日新聞台北支局長)

 去る1月29日、台湾の衛生福利部(厚労省に相当)の陳時中部長(大臣に相当)は、東日本大震
災の福島第1原発事故以降「5県産食品の全面輸入停止は、事故発生直後に汚染のリスクが高い食品
についてすぐに把握できなかったために採用した一時的な方法だったと説明。すでに事故から数年
が経過していることに触れた上で、措置の見直しが必要だと述べ」たうえで「特定の地域を対象に
している現行の規制方法から、米国などを参考にした高リスクの品目に限定する方向で検討する方
針」(中央通信社)を示したと伝えられた。

 衛生福利部の何啓功・政務次長(副大臣に相当)も「措置について数年間全く調整を行っていな
いことに異議を唱えた」(中央通信社)という。

 蔡英文総統がなかなか決断しないことに業を煮やし、いわば担当部署の大臣と副大臣が5県産食
品の全面輸入停止という措置は過渡的なものだから、高リスクの品目に限定したらどうかと蔡英文
総統に見直しを迫った形だ。

 朝日新聞の西本秀(にしもと・ひでし)台北支局長が、なぜ台湾政府が日本食品の輸入規制を解
かないのか、その理由となる背景を探っている。記事の原題は「日本食品の輸入規制、解かない台
湾 背景にあるものは…」だったが、本誌では「台湾が日本食品の輸入規制を解かない理由」と改
めて掲載することをお断りしたい。

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日本食品の輸入規制、解かない台湾 背景にあるものは…
【朝日新聞:2018年1月30日】
https://www.asahi.com/articles/ASL1J0QL9L1HUHBI035.html

 台湾で、東京電力福島第一原発の事故後から続く日本食品の輸入規制が解かれず、日台関係に微
妙な影を投げかけている。中国が日中関係改善を背景に緩和へ動き始める中、台湾側からも懸念の
声が出る。

 12日、台北で開かれた日本企業関係者の新年会。就任以来、初めて出席した蔡英文(ツァイイン
ウェン)総統を前に、日本の大使に当たる日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹男代表があいさつ
した。

 沼田氏は日台関係の好調さを評価しつつ「食品問題など解決できなかった問題もあり、中だるみ
というのが正直な感想だ」。苦言に蔡氏はぴくりと表情を変えたが、その後のあいさつではこの問
題に直接言及せずに会場を後にした。

 福島第一原発の事故からまもなく7年が経つのに、台湾が規制緩和に踏み切れない背景には世論
がある。

 民進党の蔡氏は一昨年の就任当初に緩和を模索したが、野党の国民党が強く抵抗。市民も年間約
400万人が日本を訪れるほどなのに世論調査では6〜7割が反対だ。台湾では近年、違法な添加物の
混入事件などが続き、食の安全に敏感になっている事情もある。

 打開には政治のリーダーシップが必要だが、蔡政権の支持率低迷や11月に統一地方選が控えるこ
となどから決断は先送りされている。政権関係者は「科学的に判断されるべき問題が、政治問題に
なってしまった」と漏らす。

 日本は1972年に台湾と断交したため、政権幹部が台湾を訪れることを控えてきた。それでも昨年
3月、断交以来、最高位となる総務副大臣を台湾に派遣したのも、日本食品の安全を訴え規制緩和
を促すことが狙いの一つだった。

 そんな台湾を尻目に、中国政府は昨年12月、北京を訪れた自民党の二階俊博幹事長らに日本食品
の規制緩和を議論していく意向を表明した。安倍政権と蔡政権は中国の圧力に向き合うためにも関
係強化を進めてきたが、台湾の外交関係者は「決断が遅れると、台湾は日本にとって中国より優先
度の低い存在になってしまう」と懸念する。(台北=西本秀)

             ◇     ◇     ◇

福島原発事故に伴う日本食品の禁輸

 独自の禁輸措置をとるのは現時点で韓国、ロシア、シンガポールなど7つの国と地域。食品全般
を禁輸にしているのは中国と台湾だけで、台湾は福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県、中国は10
都県からの輸入を禁じている。韓国やロシア、シンガポール、マカオは水産物など、香港は乳製品
などに規制対象を絞り込んでいる。

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 1,000円(税込)を別途ご負担いただきます。【2014年11月14日】

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・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)

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郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
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