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【メルマガ日台共栄:第2560号】 換―台湾初の女性総統誕生は確実だが…  迫田 勝敏(ジャーナリスト)

2015/12/29

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1>> 換―台湾初の女性総統誕生は確実だが…  迫田 勝敏(ジャーナリスト)
2>> 韓国とは真逆、台湾人“日本愛”の理由  「早く日本人に戻りたい」と本気で願う台湾歌壇会員の熱い思い
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◆ 日本李登輝友の会事務局の年末年始
  本年の事務局業務は12月25日(金)で終了し、新年は1月5日(火)から始めます。

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1>> 換―台湾初の女性総統誕生は確実だが…  迫田 勝敏(ジャーナリスト)

 総統選挙に出馬している各候補者による第1回目の政見放送が12月25日に中央選挙委員会の主催
で行われ、それぞれの対中国大陸政策や経済の振興策をアピールした。政見放送は12月30日と来年
1月8日にも行われる予定だ。

 また、政見放送翌日の12月26日には、台湾選挙史上初となる副総統候補者によるテレビ討論会が
行われた。さらに、27日には総統候補者による第1回目のテレビ討論会が行われ、最大の争点であ
る対中政策などをめぐって激論が交わされた。

 第2回目のテレビ討論会は1月2日に行われ、次回はネットを通じた市民からの質問にも答える予
定だという。

 1月16日の投開票まで残すところ20日を切って大詰めを迎え、台北在住のジャーナリストで選挙
分析では定評のある迫田勝敏(さこだ・かつとし)氏は「民進党主席の蔡英文当確。問題は民進党
が立法院の過半数の議席を得て完勝なるか、そしてさらなる問題は選挙後にある」と指摘する。

             ◇    ◇    ◇

換―台湾初の女性総統誕生は確実だが…  迫田 勝敏(ジャーナリスト)

 日本の今年を表す漢字は「安」だった。台湾でも聨合報などが今年の漢字を募集した結果「換」
となった。多くの台湾人が「換える」を望んだ。何を換えるのか。それは馬英九国民党政権だろ
う。となれば来年の総統選の結果は決まりだ。民進党主席の蔡英文当確。問題は民進党が立法院の
過半数の議席を得て完勝なるか、そしてさらなる問題は選挙後にある。

◆国民党の逆転、「奥歩」頼み?

 総統選は1月16日、投開票だ。告示されたばかりだが、すでに終盤戦の印象。その割に「盛り上
がりに欠ける」という声を聞く。総統選は毎回、投票率は高い。初めて民進党政権が誕生した2000
年は82%を超えた。蔡英文が初出馬した前回でも74%強。関係者の間では「今回は70%を割る」が
多数だ。

 なぜ、投票率は低くなるのか。「そりゃ、当然だよ。投票前から結果は分かっている」と関係
者。世論調査では蔡英文が他候補を断然、引き離して安定的に40%台を維持し、トップの座に揺る
ぎはない。国民党の朱立倫は副総統候補、王如玄の不動産投機スキャンダルもあって20%にも届か
ない。新北市長職のままの立候補でもともと「本気度」が問われていた。選挙戦での遊説でも「朱
の選挙戦に懸ける熱情が感じられない」という声は多い。

 最後の望みはお得意の「奥歩(アオポ)」と呼ぶ汚い手か。前回2012年総統選ではバイテク国策
会社の株取得を巡る蔡の「不正」を暴き立てた。無実と判明したのは選挙後。投票行動には一定の
影響を与えただろう。

 今回も「一時に11カ所の土地を買い、その後一時に売って暴利を得た」と国民党は宣伝したが、
土地は1カ所で土地番号が11に分かれていたというだけの話。国民党の卑劣な手法を暴露する結果
になった。まだまだ「奥歩」が出てくる可能性はあるが、有権者はそうは騙されない。朱の逆転は
至難の業だ。

◆第三勢力と統一会派、民進党陣営の国会過半数に
 
 女性総統の誕生が確実となると、焦点は同日選挙の立法院(国会)だ。ここで民進党が過半数を
取れるかどうか。前回の民進党政権は少数与党のため、重要法案が阻止されるなど苦しんだ。例え
ば米国からの武器輸入。馬英九は自分の在任中に買った武器は陳水扁時代の8年間よりも多いと金
額を挙げて誇るが、当時、米大統領のブッシュは売却方針を台湾に伝え、陳は予算を組んだが、立
法院で過半数の馬党主席率いる国民党が予算通過を阻止した。国民党が反対したから買えなかった
のだ。

 蔡英文は陳時代後半の1年3カ月、行政院副院長を務め、立法院で「なんでも反対の国民党」に手
を焼いた。それだけに今回は「国会過半」のスローガンを掲げ、過半数獲得に懸命だ。民進党内の
票読みでは現有の40議席から大幅増し「単独過半数(57)いける」が大勢。現時点ではその可能性
大だが、国民党は最終段階で資金に物言わせることが多いし、中国の圧力も懸念材料だ。

 そこで民進党は過半数を確実にするため、11の選挙区で自党候補の擁立を見送り、時代力量や緑
党社会民主党連盟など第三勢力候補を支援、立法院で統一会派「進歩大連盟」を設立する戦略を打
ち出した。11選挙区の中には国民党に近い親民党の候補もあり、当選しても統一会派に加わるのか
疑問もあるが、このうち数人が当選すれば民進党陣営の過半数は確実性が増し、立法院のねじれは
なくなり、政策実施も順調になるはずだ。

◆馬政権は「看守政府」か「困獣之闘」か

 蔡英文総統が誕生し、立法院も民進党陣営が過半数なら、台湾の主権を強調する野党勢力は万々
歳だが、実は今回の選挙の最大の問題は「選挙後」にある。立法委員の就任は2月1日なのに対し、
総統は5月20日。4カ月近いタイムラグ。これが大きな懸念なのである。

 総統は国民党で、立法院は民進党。5月には総統も民進党になる。それまで少数与党の国民党政
権は「看守政府」(暫定内閣)になるはずだが、野党側には一抹の不安。周杰倫の歌ではないが、
馬英九の「困獣之闘」だ。野獣の悪あがきのようにシンガポールの馬習会談で合意した「一つの中
国」実現のため最後に諸々の措置を強行するのでは―ということだ。

 その兆しはすでに出ているともいう。半導体大手の紫光集団が台湾の半導体2社買収を宣言、台
湾経済のけん引役であるIT業界が中国に飲み込まれようとしているが、経済部は認可の方針。交
通部は中国観光客の自由旅行1日5000人の上限を更に拡大を検討。一方の中国は台湾人にも中国で
の個人経営を認めると発表、就職難に悩む台湾の若者の吸収を目論む―経済、社会の一体化が進
む。そして仕上げは「第二次馬習会談で和平協定」との観測も。2月以降、立法院で過半数を得た
民進党が「困獣の悪あがき」を封じなければ、5月、総統に就任した蔡英文は体中を中国の縛りに
掛けられているのを知ることになる。

                    【「透視台湾」(Econo Taiwan 速報掲載)12月号】

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2>> 韓国とは真逆、台湾人“日本愛”の理由  「早く日本人に戻りたい」と本気で願う台湾歌壇会員の熱い思い

 昭和20年から戦後70年を迎えた今年、節目の年ということで安倍晋三総理の談話発表をはじめと
して、新聞やテレビも特集や連載を組んで報道した。

 産経新聞も「戦後70年」をテーマに、特攻、大空襲、玉音放送から首相談話まで様々な記事を掲
載。12月28日には蔡焜燦氏が代表をつとめる「台湾歌壇」を取り上げ、日本語世代同人(会員)の
日本への思いを中心に伝えている。

 本会会員にも「台湾歌壇」の同人は少なくない。本年7月には、李登輝学校研修団で蔡焜燦先生
のご講義を拝聴して感銘を受けた仲間を中心に「和歌の会」(坂口隆裕代表)を設立、「台湾歌
壇」と同じ進め方で月1回の歌会を開いている。

 9月歌会には、この産経新聞記事で取り上げている「台湾歌壇」顧問の北島徹氏が所用で帰国し
た際に参加し、歌の指導を受けている。また11月には、坂口代表ら有志が22日に開かれた「台湾歌
壇」に参加するなど、活発に活動している。

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戦後70年:韓国とは真逆、台湾人“日本愛”の理由
「早く日本人に戻りたい」と本気で願う台湾歌壇会員の熱い思い
【産経新聞:2015年12月28日】

 われわれは日本人であることを“中断”させられているだけ─。日本へのそんな強い愛着をもつ
人たちの集まりが台湾にある。「台湾歌壇」。本省人と呼ばれる、もともと台湾に住んでいた人々
を中心に構成される和歌の同好会だ。月1回、歌会のために、というよりは「日本語で思う存分話
す」ために台北などに集まる会員らは「自分たちの『戦後』はまだ終わっていない」「日本時代に
戻りたいと思うぐらいだ」…と“望郷”の念を歌に詠んでいる。
                                      (古野英明)

◆70年たってもまだ終わらぬ「戦後」

 モンペ脱ぎ/目玉焼き出る/十五日/玉音聞きて/七十年も

 龍眼(南国のフルーツ)を/食めば八月の/十五日/玉音聞きて/籍替れる日

 この2首は、70年前の終戦の日(1945年8月15日)を思って、2人の会員が詠んだ歌だ。

 ある日突然終戦を迎え、野生の果物しか口にしかできなかった飢餓生活から解放された喜び。そ
して、一夜にして敗戦国から戦勝国国民となり、同時に「日本人」から「中国人」(中華民国)と
なったことへの戸惑い…。当時の複雑な心中が綴られている。

 台湾・開南大学で日本語を教えながら、「万葉集」の研究者であるという専門性を生かして台湾
歌壇の顧問も務めている日本人、北島徹さんは「大人たちは敗戦の悲しみに暮れたでしょうが、子
供たちにとっては、モンペを脱いだ解放感、目玉焼きを食べられる喜びを感じられた日だったわけ
です」と評する。

 しかし、こうしたことがうれしかったのか、悲しかったのかということについては、この2首は
余韻を残している。

 「その後、台湾で起きたことを考えると、台湾歌壇の会員に限らず、台湾の方たちが喜ばしい
『戦後』を迎えたわけではなかったんじゃないか、と感じます」

◆外省人による恐怖政治“白色テロ” 重い李登輝氏の言葉

 台湾歌壇は台北歌壇として1967年に創設。会員は台湾の人口の8割以上を占める本省人が中心で
現在130人。会の代表は、作家、司馬遼太郎さんの「街道をゆく 台湾紀行」で案内役を務めた実
業家、蔡焜燦さん。現在は、顧問の北島さんと事務局長の女性の2人が会を支えている。

 「実は、台湾の歴史のことはあまりよく知らず、当初は、なぜ台湾の人たちがこんなにも日本時
代のことをよく思ってくれるのか、わからなかったんです」と北島さんは振り返る。

 その理由を知ったのは、李登輝元総統と初めて会ったときに聞いた、こんな言葉からだった。

<私が総統になったとき、まっさきに考えたことは、この国を枕を高くして眠れる国にしたい、と
いうことだ>

 李登輝氏の話では、それ以前の台湾では、夜中にドアをたたかれたら「出てはいけない」「すぐ
に裏口から逃げろ」と言われていた。さもないと、当局に捕らえられて、もう二度と帰ってこられ
ないかもしれないからだという。

 「いつドアをたたかれるかわからず、いつも聞き耳を立てているから、台湾の人たちは安眠でき
なかったそうです」

 周知の通り、1945年の終戦後、中国は毛沢東率いる中国共産党と蒋介石率いる国民党による内戦
に突入、49年、戦いに敗れた国民党側は台湾に政府を移転し、多くの中国人(いわゆる「外省
人」)も移住した。それ以前の47年、本省人と外省人の大規模な抗争が起き、国民党政府はこれを
武力で鎮圧。以降、戒厳令が敷かれ、“白色テロ”と呼ばれる恐怖政治によって、多くの本省人が
投獄、処刑され、言論の自由も制限された。この“暗黒の時代”に終止符を打ち、「民主化」を実
現したのが李登輝氏だった。

 「年配の台湾人の多くの方が、日本統治時代の方がよかった、と懐かしんでくれるのは、こうい
う歴史もあるからなんですね」と北島さん。

◆「日本人であることを中断させられているだけ」

 もちろん、恐怖政治時代と日本統治時代の比較による“消極的日本シンパ”ばかりでなく、「日
本統治時代は本当によかった」と心から思う“積極的日本シンパ”も「潜在的にかなりいると思わ
れます」と北島さん。その最たる例が、台湾歌壇に集う人々なのだ。

 ある女性会員(88)は「戦後、父が国民党当局に捕らえられ、財産もすべて没収された上、投獄
されました。10年間、出してもらえず、ひどい拷問を受けました。そんなこともあって、長い間、
日本語を話すことも書くこともできませんでしたが、今は自由に歌を詠めます。誇らしくてしかた
ありません」と話す。

 さらに、「私たち日本語で教育を受けた世代の心の中には、人として正直に生きるという日本の
教育が浸透しています。私たちは日本のいいものをたくさん身につけて育ちました。それを子供や
孫たちにも言っています。だから台湾の人は若い人でも日本が好きなんです」とも。

 この女性によると、台湾には「あいつは日本精神だから安心しろ」という言い回しがあるとい
う。これは台湾人同士での「あいつは信頼できる」という意味の褒め言葉で、「同じ台湾人でも、
日本精神を持っているのと持っていないのとでは、信頼性に大きな違いがある」という。

 また、ある男性会員(90)は「私は日本人として生まれ、日本人として育った。今でも母国は日
本だと思っている」とした上で、こう話す。

 「今は、日本人であることを無理やり中断させられているだけ。まだ私の“戦後”は終わってい
ません」

 さらに別の男性会員(87)も「私のように、いつか日本時代に戻れる日が来ると信じている人は
多い。たとえ自分たちがその日を迎えられなくても、子や孫たちがその心を引き継いでくれるだろ
う」と日本への思いを語った。

◆若い世代にも広がる「日本愛」

 月1回開かれる台湾歌壇の会合は毎回盛況。高齢者の会員は亡くなるなどして年々減っていって
はいるが、会員総数は10年前の約80人を底に逆に増えているという。戦後生まれの若い世代や台湾
を愛する日本人の入会が相次いでいるためで、父母、祖父母から日本統治時代の話を聞いて育った
戦後世代が日本文化に興味を持って入会してくるケースが多いようだ。

 22歳の男性会員は「子供のころ、父が歌っていた歌のメロディーが好きで、調べたら日本の演歌
だったことがわかり、以来、日本語や短歌の勉強をするようになりました。短歌や演歌に使われて
いる日本語の古い言葉や表現が好きです」と話す。

 46歳の女性会員は「戦後の国民党教育のせいで、日本語世代と戦後世代の私たちは分断されまし
た。この会で歌を通して、先輩方と思いがつながった気がします。戦後の台湾に対する悔しさと、
建国独立の願いと、日本を愛する気持ちが強くなりました」。

 変わっているのは、山岳地帯に住む33歳の男性会員で、先住民族ブヌン族である自身のアイデン
ティティーを確認するために会に入ったという。「そもそもは私は、日本語しか話さない祖母の話
を聞くために日本語を習い始めました。私の住むところには、今でも普通に日本語で日常会話をす
る人が多いのです。早くしないと間に合わないので…」

 会合のたびに会員らの日本への熱い思いに触れている北島さんは言う。

 「同じように日本から統治を受けた韓国は今や“反日”一色ですが、台湾は違います。確かに、
日本のことをよく言えない時代はありましたが、自由にものを言えるようになってから、どんどん
親日になっています。戦前世代と戦後世代が交わるこの会の持つ意味は、台湾にとってだけではな
く、日本にとっても重要だと思っています」

                     ◇

北島徹(きたじま・とおる) 昭和26(1951)年6月16日、兵庫県西宮市に生まれる。平成15年2
月、台湾・開南大学に客員教授として赴任。現在に至る。17ら台湾歌壇顧問を務めている。

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・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
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・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)

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