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【メルマガ日台共栄:第2434号】 歴史の改竄許すまじ─台湾高校生たちの教科書闘争  傳田 晴久

2015/07/10

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1>> 歴史の改竄許すまじ─台湾高校生たちの教科書闘争  傳田 晴久
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1>> 歴史の改竄許すまじ─台湾高校生たちの教科書闘争  傳田 晴久

 台湾では現在、昨年春の「太陽花学運(ひまわり学生運動)」に続き、高校生たちが、教育部
(文部科学省に相当)が進める教科書の学習指導要領改訂が密室で行われ、台湾の歴史を歪(ゆ
が)めて高校生を「洗脳」するものだとして問題視し、反対運動に立ち上がっています。

 この運動は台湾全土に広がっているそうで、台南在住の傳田晴久(でんだ・はるひさ)氏がいつ
もの「台湾通信」で取り上げています。

 この「台湾通信」が100号を迎えたそうです。おめでとうございます。これからも、傳田流の切
り口で「日本人に知ってもらいたい台湾で起こっていること」をお伝えいただきたいと思います。

 なお、サブタイトルの「台湾高校生たちの教科書闘争」は編集部で付け加え、また読みやすさを
考慮して改行したり漢字を仮名に開いたりしていることをお断りします。

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傳田晴久:歴史の改竄許すまじ
【台湾通信(第100回):2015年7月9日】

◆はじめに

 3回にわたって『日本人を狂わせた洗脳工作(WGIP)』(関野通夫著)を紹介してまいりまし
た。「台湾」通信なのになぜ「日本」に対する洗脳工作についてくどくどと書いたのか。日本人に
知って欲しいとの思いはもちろんありますが、この洗脳工作に類似のことが台湾にも「あった」、
ないし現在も「ある」ことについても述べたかったのです。

 今回は台湾で、現在進行しつつある極めて憂慮すべきことについて報告させていただきたいと思
い、筆を執りました。

◆ひまわり(大学生)の次は高校生に

 昨年(2014年)3月、大学生による「ひまわり學運」(立法院占拠)が起こり、台湾の政治環境
に大きなインパクトを与え、11月29日に行われた統一地方選挙において、国民党に大打撃を与えま
した。そして今回は、高校生による「反黒箱課綱」活動が持ち上がっています。これは「教育部
(日本の文科省に相当する)の『課程綱要』(指導要領)の密室改訂に反対する」活動です。

◆問題は「黒箱課綱」

 いま政府側、教育部は「微調」と言っています。僅かな改変、字句の調整であって、大幅な変更
ではないと強弁しているわけですが、学生たちは「これは我々に対する洗脳である」と認識してい
ます。とくにその改訂のプロセスが、オープンでなく、陰でこそこそ推進しているように見えるわ
けで、これを「黒箱」(ブラッボックス)と呼んでいるわけです。

 例えば、教育部は改訂のための委員会を設けているのですが、そのメンバーが誰であるかを公表
していないとか、審議内容を公開していないとかいう不満が、学生側にあります。

 ひまわり學運の発端はサービス貿易協定の批准審議を僅か30秒で切り上げた事が切っ掛けと言わ
れています。政府側に言わせれば、30秒で切り上げざるを得なかった理由はあるでしょうが、強引
すぎると言わざるをえません。

 内容もさることながら、進め方、手続きが民主主義に反するというのが、学生側の不満の一つで
す。数十年前の60年安保闘争を思い出します。デモに参加した私達も、安保の内容(実はあまりわ
かりませんでした)もさることながら岸内閣の進め方に対しての反発も大きな理由でした。

◆「微調」の核心

 指導要領を具体的にどのように改定しようとしているのか。呉俊瑩氏(国立台湾大学歴史所博士
課程)はFBで、台湾中南部の学校が選定した泰宇出版社発行の「台湾史課本」(教科書)を例に
とり、新旧本での違いを指摘した後、次のように述べています。

 「微調課綱」の問題は二つある。一つは「微調」課綱に基づいて改訂された教科書は審査(検
定)され、教科書の記述内容が調整されるということ、もう一つは新旧教科書の内容が歴史事実か
どうかの問題である。

 教科書検定について、旧教科書は冒頭「行政長官公署は権力を笠に専横で、日本統治時代の総督
府の再現として『総督制復活』と謗った」。新教科書はそれを「第二次大戦が終結し、中国は一躍
世界の強権の一つになった。大多数の台湾民衆は祖国の懐に再び帰ることを期待し、台湾に来て接
収を進める政府がよりよい生活を与える事を切に希望した」と改めた。

 旧教科書はもともと長官公署のやり方を批判しており、歯に衣着せることなく「接収に来た役人
は人材登用に不公平で、貪官汚吏は腐敗し、能力薄弱のくせに、征服者として居座っている」「社
会において軍警は権勢を張り横暴で、住民を食い物にし、更に民衆に身に染みる苦痛を与えた」と
このようなことを書いていたが、新教科書はこれらを全て捨て去り、謙遜な言葉を用いて明らかに
おとなしくなり、故意に公平を装い、もともとの著者が表現したかった批判力は全て跡形もなく消
失してしまっている。

 つづいて二二八事件の影響について、新教科書は「大災難にも死なずにすんだ一部の英才も、ほ
とんどは政治にかかわることに冷ややかに、疎遠になり、甚だしくは子弟に政治にかかわることを
戒めており、台湾の政治に対して悪い影響を与えている」という記述を削除した。

 教育部の過失は、二二八事件を課綱の「説明」から「重点」に移したことと盛んに言われている
が、微調後の教科書がなぜ二二八事件の遠因を記述する際、重要な点を避けて二次的なものを取り
上げるようなことをするのか? 事件の影響面において、削除して簡潔にするようなことを推し進
めるのか? これは教科書の編者が自ら削除したとでも言うのか? それとも審査を通るために行
う小細工とでも言うのか? 教科書は審査を受けねばならず、誰が「微調」課綱を審査するのかを
忘れてはいけない。

 歴史的事実かどうかについては、泰宇版教科書には、新旧共に「保釣運動」(釣魚島、日本名尖
閣諸島は中国の固有領土との主張)に関する段落において、「日治時期当該列島は台北州に隷属し
ていた」と言及している。根拠は何か? あるというならば、原始資料を提示してもらいたいもの
だ。しかし、ネット情報や国民党のシンクタンクの資料は全く不要である。それらは出鱈目である
ことは分かっている。

 葉高華教授がたいへん面白い資料「台湾四極演変史」をお持ちで、台湾総督府の政府側の資料に
よれば、日本統治が終了する時点では、台湾澎湖島の東の果ては棉花嶼の東端、北の果ては彭佳嶼
の北端とあり、釣魚台のどの部分も該当しない。教科書はいったいどの材料を根拠に釣魚台群島が
日本時代に台北州に隷属していたと断定しているのか? 

 この問題に関して、葉高華教授の《地図上の釣魚台(一)、(二)》をご覧になることを皆さん
に強くお勧めする。教科書の記述「朝野がいままでずっと釣魚台は我が国固有の領土と見ている」
という「固有の領土」であるか否かよく見てほしいものだ。

◆どういうことか

 歴史教科書の内容に「誤り」があり、その誤りが学術的に明らかになったのであれば、正すのは
当然であり、これは「歴史修正主義」でもなんでもありません。しかし、政府の都合、特定政党の
主義主張に合わせて、歴史教科書の内容に変更を加えるのはいかがなものでしょうか。

 私は台湾の歴史、中国の歴史を専門的に研究しているわけではないので、断定的なことは言えま
せんが、新聞やネットに書かれている事柄を読む限りでは、歴史を書き換えようとしているように
思われます。これは許されることではありません。

 「微調課綱」の内容が妥当であるのか否か、従来の記述に「誤り」があるのかどうか、新しい記
述が学術的に妥当であるのか否か、オープンな場で議論すればよい。

 いま高校生を中心に、教育部長(文科省大臣)に対して議論の場を作ろうと持ちかけているとこ
ろです。しかし、当局はそれを拒否し、教育部の建物には「刀片蛇籠」(小さな鋭い刃物を付けた
ケーブルを網状にしたもの)という鉄条網を張り巡らして、高校生が近づくことを阻止していま
す。なぜ当局は高校生との対話を拒否するのでしょうか。理由は明確です。

◆おわりに

 洗脳の方法にはハードなやり方とソフトなやり方の2つがあると思います。日本がGHQにして
やられたWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)は秦の始皇帝が行ったと
いう「焚書坑儒」に相当し、焚書はソフト的な方法であり、坑儒の方はハード的な方法です。

 台湾の人々は戦後大陸から逃げ込んできた蒋介石、国民党による228事件、それに続く白色テ
ロ、戒厳令によって言論を封殺されましたが、これはハード的手法です。いま行われつつある「黒
箱微調課綱」はソフト的手法と言えるでしょう。

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2>> 日本と台湾、テツ旅連携 互いに切符無料配布・駅弁販売協力

 本誌読者の方から、昨日の朝日新聞「夕刊」が1面で日台の鉄道連携の記事を掲載していること
を教えていただいた。

 日台の鉄道提携については、提携のたびに本誌でお伝えしてきたので、本誌読者の方には目新し
いことではないかもしれない。しかし、活字メディアの大手紙が取り上げた意味は小さくない。下
記にその全文を紹介したい。

 昨年も、日台間で姉妹都市提携が増えていることに注目した読売新聞が本会にも取材、掲載資料
も本会で取りまとめている「日台姉妹都市一覧」を使い、「日台の自治体 姉妹提携増加」(中津
幸久・編集委員)という見出しで報じた(本誌2014年7月4日号掲載)。

 やはり、活字が衰えたとはいっても、新聞で取り上げられることの影響力は小さくない。それも
5大紙と呼ばれる大手紙に掲載されれば伝播力は大きい。

 日台間では、姉妹都市や鉄道をはじめ、温泉や学校の姉妹提携などさまざまな分野で提携関係が
深化している。

 変わったところでは、富士山と玉山の友好山や広島県教育委員会と桃園県教育局との教育協定、
秋田県スキー連盟と台湾スキー協会の友好協定、瀬戸内しまなみ海道と日月譚自転車道の姉妹自転
車道などもある。もっとも新しいのは、「八仙水上楽園」の粉塵爆発事故を契機に前倒しで結ばれ
た日台の医師会による緊急時の人的支援に関する覚書だろう。

 なお、朝日新聞の記事では資料として「日台の主な鉄道協力」を掲載しているが、改めて本会が
まとめている日台間のこれまでの鉄道提携を年代順にご紹介しよう。
 
1)1986年01月25日 大井川鐵道と阿里山森林鉄道が姉妹鉄道提携
2)2013年04月20日 黒部峡谷鉄道と阿里山森林鉄道が姉妹提携
3)2013年04月23日 江ノ電と平渓線が観光連携協定
4)2013年10月13日 JR四国の松山駅と台湾鉄道の松山駅が姉妹駅提携
5)2014年04月30日 秋田の鳥海山ろく線(由利高原鉄道)と平渓線が姉妹鉄道協定
6)2014年10月28日 千葉のいすみ線と集集線(台湾鉄道)が姉妹鉄道協定
7)2014年12月22日 山陽電鉄と宜蘭線(台湾鉄道)が姉妹鉄道協定
8)2014年12月22日 山陽電鉄の亀山駅と宜蘭線(台湾鉄道)の亀山駅が姉妹駅提携
9)2015年02月12日 東京駅と新竹駅が姉妹駅提携
10)2015年02月26日 京浜急行電鉄と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定を締結
11)2015年03月14日 西武ホールディングスと台湾鉄路管理局が友好協定を締結
12)2015年03月14日 西武鉄道が台湾鉄路管理局と姉妹鉄道協定を締結
13)2015年09月08日 長良川鉄道と内湾線が姉妹鉄道協定を締結(予定)

◆日台の自治体 姉妹提携増加 中津幸久(読売新聞編集委員)[2014/7/4]
 http://melma.com/backnumber_100557_6054951/

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日本と台湾、テツ旅連携 互いに切符無料配布・駅弁販売協力 観光客増狙う
【朝日新聞:2015年7月9日「夕刊」】
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11850219.html

 日本の鉄道会社と台湾全土で鉄道を運営する台湾鉄路管理局(台鉄)の間で、お互いの乗客を増
やすため、無料乗車券の相互提供や駅弁販売などで協力する動きが相次いでいる。昨年、国・地域
別の訪日客で最多だった台湾に熱視線を送る日本側と、日本人観光客の増加を期待する台鉄側の思
惑が一致したからだ。日本の地方鉄道で始まった取り組みだが、首都圏の大手にも広がってきた。

 「川越で江戸時代の日本の古い建物を見たい」

 5月下旬、西武新宿駅(東京都新宿区)。台湾から旅行でやってきた劉政能さん(59)、余佑俐
さん(53)夫妻が本川越駅(埼玉県川越市)までの往復割引切符を買い、特急電車に乗り込んだ。

 2人は約10回の訪日歴があり、東京や大阪、北海道などの主な観光スポットに行ったことがある
「日本通」。今回は、友人の勧めもあり、川越を観光することにした。蔵づくりの古い街並みが美
しいと知ったからだ。

 2人が利用した西武鉄道は台湾観光客の呼び込みに力を入れる。3月に台鉄と姉妹鉄道協定を結
び、沿線の観光地をPRする広告スペースをお互いの駅に設けた。話を持ちかけたのは西武だ。鉄
道を傘下に持つ西武ホールディングスの後藤高志社長は「昨年、台湾からの訪日客が最多だったと
いうことと、台湾は親日家が多いから」と説明する。

 京浜急行電鉄は今年2月、記念ポスターの貼り出しなどを柱とする友好協定を台鉄と結んだ。京
急グループ戦略室の高橋太一課長補佐は「台湾では日本メーカーがつくった車両が多いせいか日本
の鉄道のファンが少なくない」と期待する。

■江ノ電が成功例 

 日台の協力関係が注目されるきっかけとなったのは江ノ島電鉄(本社・神奈川県藤沢市)だっ
た。江ノ電か台鉄平渓線の使用済みの1日周遊券を双方の駅で提示すれば、無料切符をもらえる取
り組みを2013年に始めた。1万人超が利用する「成功例」となり、西武などの大手にも台鉄との協
力が広がった。

 背景には、人口が減り、外国人客の取り込みが日本の鉄道会社の重要な課題になっている事情が
ある。台湾からの訪日客は昨年、約283万人(前年比28%増)と国・地域別ではトップ。鉄道の利
用が期待できる個人旅行が多く、魅力的な市場となっている。

■台湾もPR強化 

 台湾側にも鉄道協力を観光客増につなげたいとの思いがある。台湾の鉄道は1895〜1945年の日本
統治時代に整備が進み、今も当時の駅舎が一部で残るなど日本との縁は深い。32ある日台同名駅と
同じ名前の日本人を台湾に招くキャンペーンを昨年行うなど、話題作りに余念がない。

 昨年台湾を訪れた日本人は163万5千人(前年比15%増)。中国からの約400万人に次ぐ2位だが、
大型バスで各地を回ることが多い中国人と違い、日本人は鉄道の利用が目立つという。北部の平渓
線や内湾線、中部の集集線などの支線沿線には、古い町並みを残している地域が多い。先住民が多
く、多様な文化が混在する東海岸の花蓮や台東には鉄道が便利だ。日本時代の蒸気機関車も重要な
観光資源だ。

 ただ、人口規模が5倍の日本からの訪問客が台湾から日本を訪れる人の数を下回っているため、
台湾側には「もっと増えて欲しい」との思いも強い。台鉄の周永暉局長は「協力を知らせるポス
ターが日本で貼り出されていて『台湾』の存在感を感じることができた」と手応えを語るが、具体
的な成果はこれから。周氏は「駅の日本語表記を増やすなど、日本人客に優しい環境を整備してい
きたい」と話す。

                              (益満雄一郎、台北=鵜飼啓)

■日台の主な鉄道協力

<2012年>
JR北海道(札幌市)  SLで姉妹提携。記念乗車証明証交付

<2013年>
江ノ島電鉄(神奈川県) 無料切符の相互提供(対象は平渓線) 
JR四国(高松市)   松山駅と台鉄の松山駅が姉妹駅提携

<2014年>
由利高原鉄道(秋田県) 記念乗車券発売(対象は平渓線) 
いすみ鉄道(千葉県)  1日周遊乗車券発売(対象は集集線) 
山陽電気鉄道(神戸市) 記念入場券発売

<2015年>
JR東日本(東京都)  東京駅と新竹駅が姉妹駅提携 
京浜急行電鉄(東京都) 台鉄弁当の販売、記念ラッピング電車を運行 
西武鉄道(埼玉県)   観光PRや大災害時の協力

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・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)

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