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【メルマガ日台共栄:第2317号】 KANO精神は台湾の誇り <特別対談> 李登輝vs魏徳聖 (下)

2015/01/25

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1>> KANO精神は台湾の誇り <特別対談> 李登輝vs魏徳聖 (下)
2>> 映画「KANO」が他の類似品と一線を画するところ  前田 有一(映画批評家)
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1>> KANO精神は台湾の誇り <特別対談> 李登輝vs魏徳聖 (下)

 昨日(1月24日)、李登輝元総統を感泣させた話題の超大作映画「KANO」が日本で公開され
た。詳しくは公式サイトの「劇場情報」をご覧いただきたいが、この映画の日本公開に合わせ、1
月23日、月刊「Voice」2月号の巻頭に掲載された李登輝元総統と映画「KANO」プロデューサー
の魏徳聖氏との対談「KANO精神は台湾の誇り」の全文も公開された。

 本誌でもこの対談の全文をご紹介したい。ただし、14ページに及ぶ長い対談なので2回に分けて
ご紹介したい。

 先にこの対談のことを本誌で紹介したときに「お二人の気持ちが通じ合っていることがよく伝
わってくるからなのだろうか、なんとも言えない清々しさを覚える対談だ」と記したが、再読して
もその清々しい読後感は変わらない。お二人とも台湾が大好きだという気持ちが強く伝わってくる
し、目指す方向もよく似ているからだろう。

 ちなみに、日本語を話せない魏徳聖氏の通訳をつとめたのは張文芳氏。台湾関係者には馴染み深
い友愛グループの代表。掲載写真を提供している一人は片倉佳史(かたくら・よしふみ)氏。これ
また、台湾関係者の間では「台湾の達人」の異名をとる片倉氏の名前を知らなければ「モグリ」と
言われてしまうほど。

 神は細部に宿るというが、「Voice」編集部の力の入れようがこんなところからも分かる、本当
に深い読後感を味わうことができる対談だ。下記に、対談全文や写真を掲載している「衆知」のU
RLもご紹介したい。

◆ KANO精神は台湾の誇り <特別対談> 李登輝vs魏徳聖[1月23日公開「衆知」]
   http://shuchi.php.co.jp/article/2174

◆ 映画「KANO」上映館
    http://www.eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=296

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KANO精神は台湾の誇り <特別対談> 李登輝vs魏徳聖 (下)
【月刊「Voice」2月号】

 日本統治時代の台湾から甲子園をめさず球児たちの不屈の青春を描いた映画『KANO』が日本
で公開される。この機会に、台湾を代表する映画監督であり、『KANO』の製作総指揮を務めた
魏徳聖氏と李登輝元総統の対談が実現。日本人が忘れてしまった日台の歴史、そして絆がいま鮮や
かに甦る!

魏徳聖(ウェイ・ダーション/Wei Te-Sheng)映画監督
1969年、台湾台南市生まれ。2008年に初の監督作『海角七号 君想う、国境の南』を発表。台湾で
歴代2位となる興業成績を収め、注目を集める。2011年、『セデック・バレ』を発表。2014年に台
湾で公開された『KANO』では製作総指揮を務めた。

李登輝(リー・テンフェ/Lee Teng-hui)元台湾総統 
1923年、台湾・淡水郡生まれ。台北市長、台湾省政府主席、台湾副総統などを経て、88年、総統に
就任。90年の総統選挙、96年の台湾初の総統直接選挙で選出され、総統を12年務める。著書に、
『新・台湾の主張』(PHP新書)ほか多数。

                  ◇   ◇   ◇
(承前)

◆「私とは何か」という問題

 魏 李登輝総統時代(1988〜2000年)、私は10代後半から20代の多感な時期を過ごしました。ご
本人を前にして恐縮ですが、当時の私にはあなたの大きさがわからなかった。政治に関心が少な
かったせいもあるかもしれません。しかし、陳水扁総統時代(2000〜2008年)や馬英九総統(2008
年〜)になって初めて、李元総統が求めた理想がわかる気がしました。人間というのは、ただ頭が
いいだけでは用をなさない。さらにいえば、ブルー(国民党のイメージカラー)を支持するか、グ
リーン(民進党のイメージカラー)を支持するか、そんなことよりも大切なものがある。すなわ
ち、心です。いまの台湾人には同理心(人を思いやる気持ち。共感)が欠けているように思いま
す。

 李 生きるうえでいちばん肝心なことは、「私とは何か」という問題です。現在の私の一部を形
づくったのは、紛れもなく戦前の日本の教育です。『KANO』をみたあと、「日本の教育は素晴らし
かったね」と家内と語り合ったほどでした。しかし、台湾を統治していた日本人に対して、不満が
なかったわけではありません。日本人は台湾人のことを少々見くびるところがあった。私自身、何
回もそういうことに遭遇しました。

 私の母親は田舎の女性でしたが、ある日、菊本百貨店(台湾に開業した最初の百貨店)に連れて
いってあげたんです。当時、私は旧制台北高等学校の生徒で、その制服を着てね。「台湾人の俺
だって、これぐらいのことはできるんだ」という気持ちからです。

 日本統治時代の台湾では、日本語が強制されていましたから、台湾語は厠に隠れて勉強しまし
た。まだ9歳か10歳だったと思います。そのころ、祖父と『論語』の素読をやりました。「先進」
篇に「いまだ生を知らず、いずくんぞ死を知らん(生を知らないで、どうして死を理解できよう
か)」という言葉があるのを知り、子供ながらにイヤな感じがしたことを覚えています。生を肯定
しすぎることは、利己主義や享楽的な人生をめざすことにつながりかねない。他方、日本の武士道
は「武士道とは死ぬこととみつけたり」(『葉隠』)という有名な言葉が示すように、まず死を前
提としたうえで、有意義な生を考える哲学があります。

 日本の武士道が説く無私の精神に加え、後年キリスト教に入信することで、私は長年自分を苦し
ませてきた「私とは何か」という問題に、ようやく一つの答えを出すことができた。それは「我是
不是我的我(私は私でない私)」というものです。自分の命はいつなくなっても構わない。台湾の
ために死力を尽くして働く。いかなる栄誉も求めない。こうした気持ちで仕事をしてきました。も
ちろん、これからもその覚悟です。

 魏 李元総統の書かれた『台湾の主張』(1996年)を私も読みました。この本に書かれているこ
とには、おおむね同意いたします。しかし、台湾のメディアはその記述の一部分だけを捉えて、批
判している。それは政治的意図によるものにすぎない、と感じました。

 李 昨年も、いわゆる中国寄りとされる新聞の虚報によって、ちょっとした騒動が起こりまし
た。日本の敗戦後、台湾大学に編入学した時期に関することで、私が共産党に二度入党し、二度脱
党した、という虚報を流したのです。台湾大学で私は学生運動のリーダーの立場にありました。学
生運動をしていたのは事実ですが、台湾独立運動を展開していたわけではないし、ましてや共産党
に入党したことはない。そもそもマルクスの『資本論』によれば、共産革命は高度に資本主義が発
達した国で起こることになっている。しかし、当時の中国はそんな状況には程遠く、革命の担い手
となるような労働者階級も育っていない。中国共産党がマルクス主義を謳うのは、古代の専制政治
を行なうための手段にすぎないと当時、気付きました。そんな恐ろしい党に二度も入って、一度た
りとも無事に出てこられるはずがないでしょう(笑)。

 魏 そうですね(笑)。

◆立法院で特別上映される

 李 2014年3月、台湾で東アジアを揺るがす大事件が起きました。「太陽花学運(ヒマワリ学生
運動)」です。学生たちが占拠していた立法院(日本の国会議事堂に相当)で、『KANO』が特別上
映されたそうですね。学生たちにどのようなメッセージを送ったのですか。

 魏 何か特別に言葉を伝えたわけではありません。太陽花学運が起きたとき、学生たちによる立
法院の占拠はいつまで続くのか、そもそもなぜこの運動が起きたのか、社会は理解できていないと
感じました。私自身、学生たちにいうべき言葉が見つからなかった。私は映画人です。だから、自
分の映画をみてもらうのがいいと思いました。『KANO』をみてもらうことで、球児たちの不屈の精
神に学んでほしかった。自分たちの信念を貫け、と。

 李 立法院での上映後、期せずして「台湾加油(台湾ガンバレ)」という声が巻き上がったそう
ですね。涙を流した女学生もいたとか。学生たちが占拠していた立法院から退去して数週間後のこ
とです。私は学生たちの希望に応えて、立法院内のレストランで今後の台湾に必要なことについて
話をしました。その一つが先の「新しい時代の台湾人」というコンセプトです。台湾に来た時代や
時期、エスニック・グループにとらわれることなく、民主台湾の建設に進む重要性をあらためて強
調しました。

 魏 私の周りには、以前のように、外省人や本省人という区別をしている人は少ないように思い
ます。誰でも「自分は台湾人である」といいます。

 李 じつは日本統治時代を経験した高齢の日本語世代は、「自分は台湾人である」という意識を
もつ人がほとんどです。民主化以降の台湾で育った人も同様です。しかし、戦後に中国大陸から
渡ってきた人間のなかには、自分は中国人であるという意識を捨てきれない人がいまだにいるのが
事実です。日本人にとって、自分は日本人であることは自明ですが、台湾はこの認同(アイデン
ティティ)の問題を解決しきれていません。

◆日本への思いは「片思い」

 李 『KANO』は、日本人が台湾との絆を考える1つのきっかけを与えるでしょう。私は日本に対
して、とても残念に思っていることがあります。東日本大震災のとき、われわれは交流協会台北事
務所(正式な外交関係がない日本と台湾において、大使館の役割を果たす窓口となる)を通じて、
すぐに救助隊の派遣を申し出ました。民間のNGO組織、中華民国捜救総隊です。1999年の台湾大地
震の際も、倒壊した建物のなかに危険を顧みずに突入し、生存者の救援活動を行なうなど、まさに
台湾精神を代表する義の男たちです。

 ところが、同隊の被災地派遣に関して日本側はすぐに承諾しようとしなかった。日本政府の協力
が得られなかったため、同隊は日本のNPOと連携して、自力で被災地に向かうしかありませんでし
た。なぜ、当時の日本政府は台湾からの民間救助隊の即時受け入れを躊躇したのか。日本の報道に
よれば、「台湾は中国の一部」とする中国共産党の意向を気にした、とされます。人道的な援助と
いうものは、政治やイデオロギーによって判断するものではない。台湾人としてこれ以上の屈辱、
悲しみはありません。

 魏 李元総統がお感じになった心の痛みは、よく理解できます。私にも似たような経験がありま
す。香港で開かれたある映画祭に招かれたときのことです。会場には中国人や香港人、台湾人、日
本人など、大勢のアジア人がいた。日本の代表者が演壇に立ち、東日本大震災の支援に関する感謝
を述べたのですが、台湾への言葉はありませんでした。私は聞いていて、とても腹が立ちました。
東日本大震災のとき、台湾からの援助は巨額で世界一だったともいわれます。私はその日本人の代
表者に抗議しようとする気持ちを抑えるのに必死でした。

 李 2001年、持病の心臓病の治療のために訪日した際のことです。中国の意向を気にした当時の
外相や外務省の反対で、なかなかビザが下りないということがありました。それ以外にも、日本政
府の対応について我慢しなければならないことが多くありました。私の日本びいきは度が過ぎてい
ると、台湾ではしばしば批判の対象になっているのに、これではまったく割に合わない(笑)。
『海角七号』は、戦後約60年ぶりに日本人男性から台湾人女性にラブレターが届くという物語でし
たね。しかし、私たち台湾人から日本へのラブレターはいっこうに届かない時代が長く続いた。私
はよくいうのです。戦後、日本に対する私たちの思いはずっと「片思い」だったと。ただ、安倍政
権が誕生して以来、ようやく日台関係は対等の関係になりつつあると感じており、安倍首相にはこ
れからも期待しています。

◆日本人よ、歴史に学べ

 魏 『KANO』を通じて私が日本人に知ってほしいのは、台湾というところは、いろんなエスニッ
ク(民族)が集まってできている社会ということ。そして、かつて多くの日本人がこの台湾に住
み、共に同じ時代を生きていたということです。日本統治時代の台湾には、よいことも、悪いこと
も、たくさんあった。日本人と台湾人の衝突もありました。しかし歴史的にみて、われわれの提携
は、見事に成功したではないですか。いま振り返っても、それは素晴らしいことだったと思いま
す。甲子園をめざした嘉農の球児たちは、その象徴です。

 私は、台湾に対する世界からの差別にとても心を痛めています。私はなにも日本に対して、台湾
とグルになってくれという気持ちはありません。台湾はほんとうに小さな国なのです。一方、いま
の日本は台湾からみれば大国です。なのに、なぜ日本は台湾を国として公平に扱ってくれないの
か。日本はどこかの国の属国なんですか。どこかの国に管理でもされているんですか。繰り返しま
すが、われわれ台湾人と日本人は、同じ土地で、同じ時代を生きた経験がある。どうしてそれを日
本人はわかろうとはしてくれないのか。私がいま述べたことは、少し過激すぎたかもしれません
が。

 李 現在の台湾は、れっきとした民主国家です。私はその実現のために、全身全霊で取り組んで
きました。もちろんこれからも、台湾のために尽くします。でも、魏さん、これからは、あなたの
ような若い人たちの時代だ。あなたの映画はどれも「台湾人の主体性」をうまく描いていると思い
ます。自分の道を信じて、これからも突き進みなさい。

 最後に日本人にいいたいのは、台湾の民主改革は、日本の明治精神、あるいは戦後の改革に学ん
だものである、ということです。『KANO』をみたあと、私は映画館の外で待っていた記者たちにこ
ういいました。「台湾人はこの映画をみるべきだ」。これと同じように、日本人にいいたいと思い
ます。「日本人はこの映画をみるべきだ。そして歴史に学びなさい」と。

                                    (通訳:張文芳)

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2>> 映画「KANO」が他の類似品と一線を画するところ  前田 有一(映画批評家)

 昨1月24日、日本全国で映画「KANO」が公開された。初日舞台あいさつが新宿バルト9で行わ
れ、近藤兵太郎(こんどう・ひょうたろう)監督役の永瀬正敏やその妻の近藤カナヱ役の坂井真紀
ほか、大倉裕真(小里初雄役)、山室光太朗(福島又男役)、青木健(錠者博美役)、主題歌を担
当したRake、中孝介ら日本側のキャスト・スタッフが壇上に上がって舞台あいさつを行った。

 ここで、日本人キャストを驚かせるサプライズが起こった。「シネマトゥデイ」の名鹿祥史記者
は、その模様を次のように伝えている。 

<イベント終盤、永瀬が「今日は本当に残念です。台湾の皆さんともここに立ちたかったんですけ
ど……」とつぶやいた直後、司会者が「どうやら思いが届いたようですよ」とお膳立て。ジーシア
ン監督と台湾キャストの一人、チェン・ビンホンをステージへ招いた。

 「永瀬さん、坂井さん、皆さーん!」と会場に現れたジーシアン監督。日本人キャストとタッチ
を交わしながら壇上へ上がると、永瀬と熱く抱擁。永瀬は「あったかいですね、台湾の人は」と言
葉を詰まらせつつ、涙を流す坂井の横で「泣いていませんよ」と精一杯の強がり。「本当に驚きま
した。全く知らなかったので」と語り、台湾語で「来てくれてありがとう」と監督の来場を改めて
歓迎した。>(1月24日「シネマトゥデイ」)

 監督やキャスト同士の強い絆を垣間見せたが、それはこの映画がどのようにして製作されたのか
をも物語っていたようだ。

 折しも、映画批評家で日本文化チャンネル桜のキャスターをつとめ、辛口批評で知られる前田有
一(まえだ・ゆういち)氏が「アサ芸プラス」でこの映画を取り上げ、このところ「バンクーバー
の朝日」「アゲイン 28年目の甲子園」、「ドラフト・デイ」と野球映画の上映が続いているもの
の「どれも個性的な作品だが個人的なイチオシはコレ」と絶賛している。

 前田氏は「『俳優が選手に見えない野球下手では嫌だ』、『高校球児たるもの礼儀正しくなけれ
ば』といったコアな野球マニアの鑑賞にも堪える、数少ない野球映画の登場」とも述べている。

 初日舞台挨拶にサプライズで登場した監督の馬志翔氏はいみじくも「この映画は日本統治下の
1931年を描いた作品。間違いなく台湾の歴史の一部であり、日本の歴史の一部。この映画を観て過
去から学び、力をもらってください」というメッセージを述べたという。日本の台湾統治とはどう
いうものだったのか、この映画「KANO」で知っていただきたい。

 下記、前田有一氏のプロフィールは日本文化チャンネル桜で掲載しているものです。

                ◇   ◇   ◇

前田有一(まえだ・ゆういち)映画批評家。東京都・亀有生まれ。週刊誌、新聞等や、1000万ヒッ
トWEB『前田有一の超映画批評』にて、独自の「批評エンタテイメント」を展開中。宅建主任者、
健康運動実践指導者、消費者団体、消費者問題ライターを経て映画批評家に。常に観客の味方とし
ての立場から、作品を評価する。100%の信頼感と、100kg超の肉体が特徴。ボディビル歴20年。

◆前田有一の超映画批評
 http://movie.maeda-y.com/
 E-mail:webmaster@maeda-y.com  
 ホームページ   http://movie.maeda-y.com/

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「やっぱり映画っていいなあ」 ─KANO〜1931海の向こうの甲子園〜─
【アサ芸プラス:2015年1月24日】

●ストーリー 1929年、日本統治下の台湾。嘉義農林野球部は弱小だったが、そこに日本人監督・
 近藤が就任する。スパルタ式訓練で甲子園進出を目指す

●監督/マー・ジーシアン 出演/永瀬正敏、坂井真紀ほか

●配給会社 ショウゲート

●1月24日より新宿バルト9ほか、全国公開。

 野球ファンにとって、ドラフト会議から開幕戦までの数カ月間は話題もとだえ、寂しい時期を過
ごすわけだが今年は違う。

 「バンクーバーの朝日」「アゲイン 28年目の甲子園」、「ドラフト・デイ」と野球映画がめじ
ろ押しなのだ。

 どれも個性的な作品だが個人的なイチオシはコレ。1930年代の台湾を舞台にした高校野球映画
で、史実をもとにしたスポ根ものだ。

 弱小チーム嘉義〈かぎ〉農林学校の野球部に、名門・松山商業出身の鬼監督・近藤(永瀬正敏)
が赴任、スパルタ方式で部員を鍛え上げる展開は、この手の王道パターンといったところか。

 この映画が他の類似品と一線を画するのは、メキメキ強くなるこの生徒たちが、民族の垣根を越
えたチームという点だ。言うまでもなく戦前の台湾は日本統治下にあったわけで、嘉義農林野球部
も日本人、台湾人(漢人)、台湾原住民の混成メンバー。複数の言語が飛び交うこの映画同様、て
んでバラバラな子供たちだが、甲子園出場の大目標と優秀なコーチを得ると、やがて本土の球児以
上の結束力を発揮する。

 東アジア情勢がきな臭くなってきた現在、アジアの多民族が力を合わせて絆を深めるストーリー
こそ、最大の泣きどころだ。

 興味深いことに、この話は台湾の若者に大ウケし、社会現象にまでなった。製作費10億円弱、台
湾映画としては最大級の大作とはいえ、そのフィーバーぶりは異例中の異例。

 主演の永瀬正敏によれば、現地で会ったファンの中には、映画の半券14枚を貼ったノートを持参
した筋金入りのリピーターがいたという。監督の話では20枚以上貼りつけた「KANO」ファンもいた
というから尋常ではない。

 日本人から教えを請い、それを受け入れ強くなる。自国の歴史を暗喩したようなストーリーに、
台湾の若者たちはここまで熱狂した。ナインを演じるのは野球経験5年以上を条件に集めた演技未
経験者たちだ。

 どこかの国の映画のように野球素人の人気アイドルを並べるようなキャスティングではない。そ
れなのにこれほど愛されている意味は重い。

 そんな部員役の面々は、撮影中、雨の日も朝練を欠かさず、全員で体を鍛え続けた。毎日、監督
役の永瀬が撮影を終え現場を去ろうとすると、全員が駆け寄り整列し、最敬礼して見送ったそう
だ。他の国の現場では考えられない礼儀正しさだ、と永瀬も絶賛していた。

 そうした現場の空気と野球技術はおのずと映像にも反映されるもの。「俳優が選手に見えない野
球下手では嫌だ」、「高校球児たるもの礼儀正しくなければ」といったコアな野球マニアの鑑賞に
も堪える、数少ない野球映画の登場だ。

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・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)

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  • 名無しさん2015/01/25

    やっぱりlove is oveかな