国際情勢

メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

全て表示する >

【メルマガ日台共栄:第1942号】 政府解体─傾中勢力の国防部攻撃  迫田 勝敏(ジャーナリスト)

2013/09/05

>>>>> http://www.ritouki.jp/ ━━━━━━━━━━━━━ 平成25(2013)年 9月5日】

    ☆★☆★ 日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」 ☆★☆★
            日台共栄のためにあなたの力を!!
<<INDEX>> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [Vol.1942]
1>> 政府解体─傾中勢力の国防部攻撃  迫田 勝敏(ジャーナリスト)
2>> 日本を左右する重要な鍵─「台湾関係基本法」の制定を(下)  樋口 譲次
3>> 台湾とインドが「経済協力協定」締結に向けた共同研究を発表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

● 第20回「日本李登輝学校台湾研修団」お申し込み【締切:10月20日】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/sdbtsix1k40x 【PC用】

◆【ネット署名(第9期)】台湾出身者の戸籍を中国から台湾に改正しよう!!
  *第8期署名は8月31日に終了しました。ご協力ありがとうございました。9月4日、小
   田村四郎会長はこの署名とともに是正要望書を谷垣法務大臣に提出しました。
  *第9期署名:2013年9月1日〜11月30日

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1>> 政府解体─傾中勢力の国防部攻撃  迫田 勝敏(ジャーナリスト)

【台湾ダイジェスト:9月号】

 この夏、総統府前の凱達格蘭(ケタガラン)大道は政府批判の声が渦巻いた。下士官の
虐待死に抗議する25万人の白衫軍(白シャツ軍団)のデモ、反核デモ、中国とのサービス
貿易協議反対デモ、苗栗県の強制立ち退き反対デモ…。政府解体を訴える声も上がり、遂
に先ず馬総統に近い立法委員の罷免を求め、馬英九政権を打倒しようという政党色のない
文化人や学生たちのグループによる署名運動も始まった。 

◆「国民党の忘八蛋!」と牛糞

 8月18日夕、総統府前では「818拆政府(政府解体)」と書いた黄色いプラカードを掲げ
た2万人近い人たちの集会が行われていた。苗栗県大埔の強制立ち退きに反対するデモで、
「昨天拆大埔、今天拆政府」(昨日大埔を壊し、今日は政府解体)と書いた小さなビラを
「はい、護身符(お守り)。護身符よ!」と次々に配っているおばさんがいた。

 道路脇のテントの中には祭壇が設えられ馬英九の似顔。その似顔絵に向かって叔父さん
が「国民党の忘八蛋(馬鹿野郎)!」と牛の糞を投げつけ、それに続いて若者も簡易手袋
をはめて思いっきり牛糞を掴んで投げていた。集会の舞台裏手の鉄条網にも「どうしても
っと早く言わないの」と耳に手をかざした馬英九の似顔絵が貼られ、これにも水をかけた
りする若者が絶えなかった。この有様をみれば馬英九の支持率10%台低迷も頷ける。

 この若者たちは集会終了後、行政院に向けてデモ行進し、突然、方針を変更、塀を乗り
越えて内政部の建物に侵入した。警備員、警察官は対応できず、1000人余が建物を占拠、
あちこちの壁にスプレーで「拆政府」と書いた。最近のデモでここまで「無法」状態にな
ったのは珍しい。

◆軍事法廷廃止で国防部一部解体?

 デモ隊をここまで「無法」にさせたのは、政府が民意を聞かないからだろう。「どうし
てもっと早く言わないの」という似顔絵は民意を聞かない馬英九に対する皮肉だ。その典
型が虐待死事件。死因を不審に思う遺族に対し「軍事審判法で厳正に対処する」と一切を
軍・国防部任せ。その軍に対して不信感を持っている遺族の心情など全く理解していない。

 結局、死因はその後2回も書き換えられ、最後は「他殺」になった。トップが事態の深刻
さをもっと早く察知し、対応していれば、その後の25万人デモにはならなかったはずだ。
悲しみを表す白い服を着たデモは、反核デモを上回る今年最大規模。慌てた指導部は軍事
審判法を急遽、改正し、軍事法廷を廃止し、虐待死の軍の関係者たちを一般の司法で裁く
ことにした。

 軍事法廷の判決は一般の司法の判決より厳しいのが常識。軍の規律を守るためだ。しか
し虐待死事件は逆。被疑者たちがかばわれていた。だからこそ死因が二転三転した。白シ
ャツ軍団の圧力で軍の判決より厳しい措置を迫られ、軍事法廷を廃止し、一般の司法の裁
判を受けさせることにした。政府自ら国防部の一部解体をしたのである。これで民意を聞
いたというつもりなのか。

 ところが法改正で喜んだのは軍専用の台南監獄で服役中の軍人たちだろう。法改正で軍
事法廷も台南監獄も廃止になり、一般の刑務所に移管され、いずれは司法の裁きを改めて
受ける。その時、軍事法廷の判決よりは軽く、つまり減刑になる公算が大きいともいう。
14日、全台湾11の監獄に分散移送された243人の受刑者の顔には笑みが浮かんでいたか?

◆対岸からも政府解体の手

 虐待死事件では国防部は袋叩きに遭い、身を削った。自ら撒いた種ではあるが、国防大
臣は2人更迭、軍事法廷は廃止になり、軍人は今後、軍の管理を離れ、民間人と同じく司法
の裁きを受ける。事件とは無関係だろうが、来年度の国防予算は過去4年間で最低に縮減さ
れた。

 そこへ飛び込んできたのが、中国が米国に対し台湾への武器売却を止めるよう求め、見
返りに台湾向けのミサイル配備などを縮減するというニュースだ。米国も台湾国防部も否
定しているが、中国国家主席の習近平が米国大統領、オバマと会談したときに提起したこ
とは確実だ。中国は台湾国防部のスキャンダルを衝いて台湾の国防を弱体化させようとし
ているのではないかとの観測も出てくる。事実、米国の台湾関係者が台湾国防部を攻撃し
ているのは台湾の傾中勢力だとの発言も伝えられた。

 そういえば25万人白シャツ軍団のデモは、2006年の陳水扁打倒の赤シャツ軍団(紅衫
軍)のデモに似た側面もある。赤シャツ軍団のデモは元民進党主席の施明徳がリーダーだ
ったが、背後には中国の支援があるともいわれた。まさか白シャツ軍団も同じではないと
思うが、政府解体の手は対岸からも伸びているのかもしれない。

                      (敬称略、ジャーナリスト・迫田勝敏)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2>> 日本を左右する重要な鍵─「台湾関係基本法」の制定を(下)  樋口 譲次

 元陸上自衛隊幹部学校長で陸将の樋口譲次(ひぐち・じょうじ)氏が、今後の日台関係
を考える上でたいへん示唆的な論考を「Japan Business Press」に発表している。

 本会は去る3月24日に今年度の政策提言として「我が国の外交・安全保障政策推進のため
『日台関係基本法』を早急に制定せよ」を発表している。

 その主旨は「我が国が毅然とした対中政策を打ち立てるには、台湾との基本関係を定め
る法律が不可欠であり、安倍首相が『外交5原則』で示した構想を実現するためにこそ……
『日台関係基本法』の制定を急ぐべき」というものだが、樋口氏も「中国の軍事行動を牽
制する主体的な取り組み」として「特に、台湾の帰趨は、我が国に死活的影響を及ぼすこ
とから、日本版『台湾関係基本法』を制定」せよと提案している。

 樋口氏は「台湾関係基本法」の具体的内容を示していないものの、「平時から安全保
障・防衛協力を行なう」内容だと示唆している。一方、本会の「日台関係基本法」は「平
等互恵を原則とする日台間の関係を発展させることを目的とする、台湾との総合的な外交
を行うための根拠法規」だと定義している。

 つまり、樋口氏の「台湾関係基本法」は、台湾への防御的武器の供与をも定める米国の
「台湾関係法」をイメージさせる点で、本会の提案する日台関係基本法とは力点の置き方
が異なっているのかもしれない。

 しかし、これは出口が異なるだけで、入口は一緒だ。ともに中国の台頭を念頭に、日米
同盟を主軸に台湾と協力することを意図したものだからだ。

 樋口氏の「台湾海峡危機で露呈した米国の本音─曖昧戦略の米国は尖閣有事に介入する
か」と題した論考は、尖閣諸島への米国の対応を、第1次台湾海峡危機(1954年9月〜55年1
月)における米国の対応に照覧し、尖閣有事を想定した日本の沿岸(領域)警備、特に国
境防衛の強化はどうすべきかをテーマに書かれている。かなり長い論考なので、2回に分け
てご紹介したい。

 掲載に当たっては、タイトルを「日本を左右する重要な鍵─『台湾関係基本法』の制定
を」と改めたことをお断わりする。また、下記のプロフィールは「Japan Business Press」
掲載のものである。

-----------------------------------------------------------------------------------------
樋口譲次(Johji Higuchi) 元・陸上自衛隊幹部学校長、陸将

昭和22(1947)年1月17日生まれ、長崎県(大村高校)出身。防衛大学校第13期生・機械工
学専攻卒業、陸上自衛隊幹部学校・第24期指揮幕僚課程修了。米陸軍指揮幕僚大学留学
(1985〜1986年)、統合幕僚学校・第9期特別課程修了。自衛隊における主要職歴:第2高
射特科団長、第7師団副師団長兼東千歳駐屯地司令、第6師団長、陸上自衛隊幹部学校長。
現在:郷友総合研究所・上級研究員、日本安全保障戦略研究所・理事、日本戦略フォーラ
ム・ 政策提言委員などを務める。
-----------------------------------------------------------------------------------------
台湾海峡危機で露呈した米国の本音─曖昧戦略の米国は尖閣有事に介入するか(下)

                   樋口譲次(元・陸上自衛隊幹部学校長、陸将)

【Japan Business Press:2013年8月26日】
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38508

◆米国の「恐るべきジレンマ(a horrible dilemma)」と我が国の防衛

 米華相互防衛条約締結交渉を通じて露呈した米国の本音と採用した戦略は、尖閣諸島有
事における米国の対応を想定するうえで、きわめて例示的である。つまり、尖閣諸島有事
に際して、米国には「恐るべきジレンマ(a horrible dilemma)」があり、「尖閣諸島に
関する米国の立場」には、そのジレンマが内包されているとは言えないだろうか。

 米国は、尖閣諸島防衛への介入によって中国との全面的な軍事衝突に拡大することは何
としても回避したい。

 一方、中国の尖閣諸島への攻撃を黙認し、あるいは介入を完全に放棄すれば、中国の軍
事行動はエスカレートし、東アジアにおける日本、台湾、フィリピン、ベトナムなどの安
全保障が脅かされるとともに、各国との同盟の信頼性を著しく損なうことへの懸念がある。

 その結果、米国は、「(中国との)尖閣諸島の帰属に関する実力行使を伴う国際紛争の
場合、日米安保は発動しない」(モンデール元駐日大使)。

 一方、中国が尖閣諸島を攻撃した場合、米国がいかに反応するか中国を疑心暗鬼にさせ
ておくため、「尖閣諸島は、日米安保条約第5条の適用対象である」(クリントン国務長
官)として、「適用範囲」に「曖昧(fuzzing up)」性や柔軟性を持たせることによっ
て、中国へのいたずらな挑発を避けると同時に、中国の軍事行動を牽制しようと考えてい
ると見て間違いなかろう。

 当初の問題設定に戻れば、米国の真意は、モンデール元駐日大使とクリントン国務長官
の双方にあり、いずれも米国の立場を表明していると言えるのではないだろうか。

 では、我が国の防衛は、どうあらねばならないのか――。

(1)領域(沿岸)警備、特に国境防衛を強化せよ

 我が国では、尖閣諸島有事に際して、米軍への来援期待度が大きい。しかし、尖閣諸島
は日米安保条約の「適用範囲」であるとの見解は、あくまで米国の曖昧戦略上の立場を表
明しているに過ぎないと見るのが自然で、尖閣諸島有事に「米国が助けに来てくれる」と
安易に考えるのは、いかにも早計である。

 もとより、尖閣諸島の防衛は、国境の防衛であり、寸土たりとも譲れない日本の領土主
権に関わる問題であるが、我が国では、その意識が希薄で、自助自立の体制も不十分である。

 諸外国の沿岸(領域)警備のあり方は、安全保障あるいは国防を第一義的に捉え、その
役割を準軍隊である国境警備隊か正規軍(国防軍)に担わせている。

 我が国では、戦前、沿岸防備については海軍が担任していた。しかし、戦後、占領軍の
非軍事化(非武装化)・弱体化政策によって、陸海軍はことごとく解体され、安全保障あ
るいは国防の機能が極度に制限された。

 その戦後体制は今日までなお続き、沿岸警備は、一義的に「海上の安全及び治安の確
保」を任務とする海上保安庁が対応することになっているため、ただ単に警察機能(活
動)として捉える傾向が強い。

 中国は、歴史的にも国際法上も疑いのない我が国固有の領土である尖閣諸島を、実力に
よって実効支配の実績作りを本格化させている。この中国の一方的で、無法な挑戦を断固
として払い除けるには、沿岸(領域)警備、特に国境防衛の強化は、もはや避けて通れない。

 そのためには、海上保安庁の組織規模や装備を強化し、準軍事組織に制度変更するか、
「領域警備法」を制定して自衛隊に領域(沿岸)警備の新たな任務を付与するか、あるい
はその2つを同時並行的に行なわなければならない。

 そして、国境の島には、普段から一定の部隊を配置することを基本として、平時から有
事に至る隙のない領域(沿岸)警備・国境防衛の体制を、米国に頼らず自ら確立すること
が優先すべき課題ではないだろうか。

(2)防衛力を増強し、自国防衛により主体的に取り組め

 中国やインドなどの飛躍的な台頭によって、米国の地位とパワーが相対的に低下してい
く傾向は、米国国家情報会議「GLOBAL TRENDS 2030」も予測する通り、否定し難い世界的
な潮流と見られている。

 米国は、中国の覇権拡大に伴い、リバランシング(rebalancing)あるいはピボット
(pivot)によってアジア太平洋地域を重視した戦略態勢の強化に努めている。

 しかし、今年3月から発効した「歳出強制削減」によって、米国防予算は10年間で約5000
億ドル(約46兆円)の大幅な削減を求められており、アジア太平洋地域における戦力増強
やその運用を縮小せざるを得ない事態に追い込まれている。

 チャック・ヘーゲル米国防長官は、7月30日の国防総省における記者会見で、「『米議会
が強制削減の見直しを行わなければ、海軍の空母11隻のうち最大3隻が運用停止になる』と
述べて、即応戦力の維持に強い危機感を示した」(8月2日付産経新聞)。

 国防総省の強制歳出削減に伴う「戦略的選択・管理の見直し」と題する報告書では、陸
軍54万人(2013年2月現在)が削減目標の49万人よりさらに7万人少ない42万人に削減され
るなど、大規模な削減計画があることを明らかにしている。

 我が国を取り巻く安全保障環境は、中国の脅威が増大する一方で、同盟する米国の地位
とパワーが相対的に低下し、アジア太平洋地域におけるプレゼンスや即応態勢に重大な懸
念が表明されるなど、一段と厳しさを増している。

 そのようななか、我が国の安全保障・防衛体制の強化は必然の要請であり、「自分の国
は自分の力で守る」の基本原則を再認識し、防衛力を大幅に増強して、自国の防衛に主体
的に取り組むことが何よりも重要である。

 我が国の防衛努力は、防衛費の対GDP比0.8%という数字が示すように、列国と比較し
て極めて不十分である。

 主要国の国防費(2010年度)は、対GDP比にして、米国4.6%、中国2.2%、ロシア
5.3%であり、英国、ドイツ、フランスは平均して概ね2%である(平成24年版「日本の防
衛」)。

 我が国は、今後ますます強まる中国からの一方的な軍事的挑戦を確実に抑止し、自国の
「生存と安全」を確保しなければならない。

 そのためには、安倍政権下で今年末策定予定の新「防衛計画の大綱」において、欧米列
国並みに「防衛費を10年間に倍増(対GDP比2%に)する」との大胆かつ明確な方針を打
ち出すことが、最もその目的達成に資することになるのではないだろうか。

(3)日米同盟の深化と関係諸国との安全保障・防衛協力の強化を図れ

 日米同盟を維持し、それを有効に機能させるためには、1.価値・目的の共有、2.負担
の共有、3.リスク(危険)の共有、そして4.利益の共有の4要件が不可欠である。

 「思いやり予算」を中心とする接受国支援(HNS)によって、我が国の2.負担の共有
は、一定の成果を上げている。しかし、いま論議されている集団的自衛権の問題は、これ
まで我が国が一方的に同盟による4.利益の恩恵を受けながら、3.リスク(危険)の共有
を避けてきたことにある。

 同盟関係は、日本が自から国を守るために必死の覚悟で行動することが大前提である
が、同時に、1.価値・目的および4.利益を共有するため、同盟国とともに血を流す覚悟
が無ければならない(3.)。自ら血を流す覚悟のない国を、同盟国の米国とて、一方的に
米国兵だけに血を流させてまで守る義務はないのである。

 日本の安全保障・防衛戦略は、我が国の政治や国民意識の現状を踏まえると、当分の
間、米国の拡大抑止(「核の傘」)への依存なしには成り立たないであろう。

 我が国は、「自分の国は自分の力で守る」を基本として、格段の防衛努力を行うととも
に、集団的自衛権の問題を早急に解決しなければならない。

 同時に、日米首脳会談や「2+2」の場で拡大抑止を両国の公式テーマとして取り上げ、
ガイドラインの見直しを通じて共同の核抑止戦略を構築し、共同作戦計画の作成、日米共
同調整所の常設など、米国の拡大抑止の信頼性を高める方策の具現化が急務である。

 他方、米国は、下図の通り(省略:編集部)、極東(アジア太平洋地域)だけでも、日
本、韓国、台湾、フィリピン、タイ、オーストラリア、ニュージーランドとの間で安保条
約や相互防衛条約を締結している。極東(アジア太平洋地域)有事の際には、これらの国
との同盟上の義務を果たさなければならない。

 その米国が、それぞれの同盟国と中国などとの間で抱える島嶼等の領有権問題に対して
「主権中立」の姿勢をとり、軍事介入の言質を与えることを回避しつつ、曖昧戦略によっ
て同盟上の義務を果たそうとする立場を選択せざるを得ない事情は、全く理解し難いこと
ではないであろう。

 したがって、我が国は、尖閣諸島などの有事に際し、自国の領土や主権を守るための力
と態勢は自ら整備しなければならないのである。

 そのうえで、米国の曖昧戦略を有効に機能させるためにも、米国が現実的に介入する条
件や可能性を作為し、それを顕示して中国の軍事行動を牽制する主体的な取り組みが必要
である。

 すなわち、日米ガイドラインを基に、両軍の第一線レベルにまで至る共同作戦調整所や
共同作戦規定を整備し、例えば尖閣諸島防衛を想定した共同演習・訓練を目に見える形で
実施するなど、日米同盟をさらに深化してその実効性を高め、我が国の抑止力の強化に万
全を期さなければならない。

 一方、中国の海洋戦略は、尖閣諸島の略取にとどまらない。尖閣諸島は、あくまで中国
の海洋進出の前哨戦であって、対米核戦略上の確実な報復戦力(第2撃力)としてのSSB
N(弾道ミサイル原子力潜水艦)の潜伏海域を南シナ海に確保しながら、目標は第1列島線
そして第2列島線の海域を支配し、西太平洋からインド洋にわたる地域に覇権を確立するこ
とにある。この中国の覇権的拡大に対抗して、その挑戦を抑止できるのは米国をおいてほ
かにない。

 米国は、前述の通り、極東(アジア太平洋地域)有事の際には、多くの国との間の同盟
義務を果たさなければならない。

 我が国は、「日米安保中心主義」によって我が国の安全保障・防衛を果たそうとしてい
るが、米国の広範多岐にわたる同盟義務を考えた場合、極東(アジア太平洋地域)有事に
多方面に分散して支援せざるを得ない米国の軍事力に大幅に依存する安全保障・防衛体制
は、すでに成り立たなくなっていると考えるべきではないか。

 あえて付け加えれば、本地域の主要国であり、世界第3位の経済大国である日本が、いま
だに「日米安保中心主義」の安全保障・防衛政策を掲げること自体、もはや滑稽を通り越
して、恥ずべきであると言われても致し方ないのではないか。

 むしろ、これから米国の地位とパワーが次第に低下する趨勢を踏まえるならば、日本は
自らの防衛に主体的に取り組むのは当然であり、さらに、極東(アジア太平洋地域)にお
ける米国のコミットメントを後押しする責任ある役割を求められている、と強く認識しな
ければならないのではないだろうか。

 中国の戦略は、西太平洋を焦点として、北極海からインド洋の広域に及ぶ壮大かつ息の
長いものであり、日本が独力でこれに立ち向かうことは困難である。

 我が国は、米国との同盟を堅持しつつ、台湾およびフィリピン、ベトナムなどのASE
AN(東南アジア諸国連合)各国、オーストラリア、インドなどとの戦略的連携が欠かせ
ない。

 特に、台湾の帰趨は、我が国に死活的影響を及ぼすことから、日本版「台湾関係基本
法」を制定して、平時から安全保障・防衛協力を行なうなど、日米安保体制を基軸とし
て、中国による「力ずくでの挑戦」を受けている周辺諸国との連携を一段と強化できるか
否かが、今後の我が国の「生存と安全」を左右する重要な鍵となるのは間違いなかろう。

                                     (了)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3>> 台湾とインドが「経済協力協定」締結に向けた共同研究を発表

 中国がWTO(世界貿易機関)に加盟したのは2001年12月11日だが、その直後の2002年1
月1日に台湾もWTOに加盟している。

 その台湾が本年7月10日、ニュージーランドと自由貿易協定(FTA)となる経済協力協
定(ECA)を締結した。台湾はこれまで、パナマやグアテマラなど中南米の5カ国とFT
Aを結び、2010年6月には中国とも実質的なFTAである「経済協力枠組み協定(ECF
A)」を結んでいるが、国交のない国と締結するのは初めてだった。

 台湾は2010年12月からシンガポールとも経済パートナー協定締結の交渉を進めており、
間もなく締結の見込みだが、インドとも経済協力協定を進めているそうだ。台湾の
「Radio Taiwan International」が伝えているので下記にご紹介したい。

 台湾はニュージーランドとの経済協力協定でも2011年12月から共同研究をはじめ、1年半
後に締結に至っている。インドとの間でもそう遠くない時期に経済協力協定が締結できそ
うな見込みだ。

 馬英九総統は就任早々から日本との自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)
締結を望む発言を繰り返しているが、8月末にも改めて締結に向けた意欲を表明している。

 すでに日本との共同研究は終わっている。後は、中国の牽制をいかに抑えるか、日本政
府の意欲と締結時期の問題が残っているだけだ。シンガポールやインドとの経済協力協定
を経た時期が最良のタイミングかもしれない。

-----------------------------------------------------------------------------------------
台湾とインドとのECA締結は双方に有利
【Radio Taiwan International:2013年9月2日】

 台湾とインドとの経済協力協定の締結が、双方にとって共に有利だということが双方の
民間シンクタンクの研究で確認された。台湾は、インドと商品、サービス、投資、貿易、
及びその他の面で、経済協力協定を締結する可能性を探っている。双方の民間シンクタン
ク、台湾の中華経済研究院、及びインドの国際経済関係研究所(Indian Council for 
Research on International Economic Relations, ICRIER)は、2011年にこのテー
マについて研究を始め、2日、インドの首都、ニューデリーで研究報告を発表した。

 『インドと台湾との貿易、投資、及び協力関係を増進させよう』と題されたこの報告で
は、「研究を通じて次のことが分かった。つまり、台湾とインドが商品、サービス貿易、
投資、貿易手続きの簡素化などの議題において、関税の撤廃などを目的に、協定を締結す
るならば、両国が共に利益を得る可能性が非常に高い。これらの利益を得るには、両国は
国内で貿易と投資を促す、一連の改革策と措置を実施する必要がある。」と結論付けてい
る。

 特に情報通信産業の面では、中華民国台湾とインドは、市場において補完関係にあるほ
か、多くの台湾企業関係者は、ビジネスチャンスを得るため、近年、対外貿易発展協会の
訪問団と共に南アジアを訪問している。

 対外貿易発展協会市場開拓処アジア太平洋部の頼文毅・部長はインドとの協力関係につ
いて、「台湾のハードウエアの面での実力が非常に強い。インドはソフトウエアの面での
人材が多く、しかも給料がそれほど高くない。ソフトウエアの生産について言えば、イン
ドにはソフトウエアを大量生産している製造業はない。インドの最大の問題は、中国大陸
のように、多くの就職人口を収容できる大量生産の製造業はないことだ。そのため、イン
ドは、台湾のハードウエア産業と結合することを希望している。」と説明した。

 対外貿易協会は、南アジアでの市場開拓に積極的に取り組んでいるほか、7年間連続で地
元で台湾工業展を開催、インドの業者の台湾での買いつけを誘致するよう努力している。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【日本李登輝友の会:取り扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

● 荘進源著『台湾の環境行政を切り開いた元日本人』 お申し込み
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbq2livmbqmm  【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/nbq2livmbqmm【携帯用】

● 映画「台湾アイデンティティー」全国共通「前売券」お申し込み
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/u1nyi0fpku01  【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/u1nyi0fpku01【携帯用】

● 台湾・友愛グループ『友愛』お申し込み
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr  【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr【携帯用】

● 李登輝元総統推薦! 石川公弘著『二つの祖国を生きた台湾少年工』お申し込み
http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0149.reg

●「台湾フルーツビールお試しパック(3本セット)」ご案内
http://www.ritouki.jp/news/distribution/taiwanbeer-otamesi.html

●「台湾フルーツビール・台湾ビール(金牌・瓶)」ご案内
http://www.ritouki.jp/news/distribution/2013-taiwanbeer.htm

● 盧千恵著『フォルモサ便り』(日文・漢文併載)お申し込み
http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0122.reg

● 李筱峰著・蕭錦文訳『二二八事件の真相』お申し込み
http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0142.reg

● 李登輝・中嶋嶺雄『THE WISDOM OF ASIA』(『アジアの知略』英語版)お申し込み
http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0138.reg

● 林建良氏新著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』≪特別頒価≫ お申し込み
http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0136.reg

● 映画「台湾人生」DVDお申し込み
http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0064.reg

● 映画「父の初七日」DVD(日本語字幕)お申し込み
http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0126.reg

● 映画「海角七号」DVDお申し込み
http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0069.reg

● 李登輝元総統も激賞の映画『跳舞時代』DVDお申し込み
http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0120.reg

● 廖継思著『いつも一年生』お申し込み
http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0075.reg

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆日本李登輝友の会「入会のご案内」

入会案内 http://www.ritouki.jp/guidance.html

入会お申し込み【PC用】https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46
入会お申し込み【携帯用】https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46

-----------------------------------------------------------------------------------------
◆メールマガジン「日台共栄」

日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の
活動情報とともに配信する、日本李登輝友の会の公式メルマガ。

●発 行:
日本李登輝友の会(小田村四郎会長)
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1

●事務局:
午前10時〜午後6時(土・日・祝日は休み)

●振込先: 

銀行口座
みずほ銀行 本郷支店 普通 2750564
日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
(ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

郵便振替口座
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)
口座番号:0110−4−609117

郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
加入者名:日本李登輝友の会 (ニホンリトウキトモノカイ)
店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
*他の銀行やインターネットからのお振り込みもできます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright(C) 2011  Friends of Lee Teng-Hui Association in Japan

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2003-10-06  
最終発行日:  
発行周期:週3回以上刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 名無しさん2013/09/05

    馬糞九シナ傀儡政権を打倒し台湾人のための「台湾愛国政党」を立ち上げよう。チャンコロを追放し台湾人の台湾を作ろう。