国際情勢

メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

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【メルマガ日台共栄:第1691号】 台湾安全保障シンポジウムに寄せるメッセージ  小田村四郎(本会会長)

2012/09/28

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1>> 台湾安全保障シンポジウムに寄せるメッセージ  小田村四郎(本会会長)
2>> 台湾との断交は戦後日本の大きな過ち  中嶋 嶺雄(国際教養大学理事長・学長)
3>> 慎重発言に努める米当局者が台湾重視を唱えた  田久保 忠衛(杏林大学名誉教授)
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◆【ネット署名(第5期)】台湾出身者の戸籍を中国から台湾に改正しよう!!
  http://www.shomei.tv/project-1988.html
  *第5期ネット署名数:508人(9月28日現在)
  *第5期署名期間:平成24(2012)年8月21日〜10月31日

● 第18回「日本李登輝学校台湾研修団」お申し込み【締切:10月22日】
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● 映画『父の初七日』DVD(日本語字幕)お申し込み
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1>> 台湾安全保障シンポジウムに寄せるメッセージ  小田村四郎(本会会長)

 9月21日、本会と台湾安保協会(羅福全理事長)の共催により、台北市内の台湾大学医院
国際会議センターにて、日本、米国、台湾の3カ国による国際シンポジウム「中国の台頭と
アジア太平洋地域の安全」が開催された。

 昨年のシンポジウムには、日本から安倍晋三氏がパネリストとして登壇したが、今年は
拓殖大学総長・学長の渡辺利夫(わたなべ・としお)氏と元海上自衛隊護衛艦隊司令で岡
崎研究所理事の金田秀昭(かねだ・ひであき)氏が登壇。小田村四郎・本会会長の名代と
して川村純彦(かわむら・すみひこ)常務理事、実務責任者として柚原正敬(ゆはら・ま
さたか)事務局長が参加した。

 アメリカからは国際関係学を専攻するペンシルバニア大学のアーサー・ワードン
(Arthur Waldron)氏がパネリストとして参加。

 尖閣諸島をめぐる動きが激しいさ中のシンポジウムだったが、200名の会場はほぼ満席と
なり、午前9時の羅福全・台湾安保協会理事長の開会挨拶に始まり、川村常務理事が小田村
会長のメッセージ(下記に紹介)を代読して挨拶、続いて蘇貞昌・民進党主席が来賓挨拶
してシンポジウムははじまった。第1セッションから第4セッションまで昼食を挟んで午後5
時までたっぷり行われ、盛会裡に終了した。

 前日(20日)の歓迎レセプションと当日(21日)のお別れレセプションは国賓大飯店で
行われ、登壇者や関係者などの間で親密な交流が図られとても有意義な時間となった。

 不思議といえば不思議だが、シンポジウムでは「良識」が働いたのか、まったく尖閣諸
島のことは出てこなかった。蘇貞昌氏が南沙諸島の台湾の領有について触れたときに尖閣
領有にも触れたが、中国とは連携しないと断言し、日本との友好関係を保つことに力点を
置く触れ方で、シンポジウムでは「中国の台頭」に日米台はどのように対応するのかにつ
いて熱心に討議された。

 台湾国内も尖閣に関しては「あれは一部の人がやっていること」「漁民の問題」という
捉え方がほとんどで、卵をぶつけられたりラーメンをかけられたりなどということは一切
なかった。いつも通り、日本人には親切な雰囲気に満ちあふれていた台湾だった。

 なお、後日、渡辺利夫氏と金田秀昭氏のレジュメ全文を本誌でご紹介したい。下記に金
田氏の提言を伝える9月22日付「自由時報」の記事も紹介する。

◆自由時報「日退休將領 籲台灣提升防衛能力」[2012/9/22]
 http://www.libertytimes.com.tw/2012/new/sep/22/today-fo9-2.htm

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台湾安全保障シンポジウムに寄せるメッセージ

               日本李登輝友の会会長・元拓殖大学総長 小田村 四郎

 この度台湾安全保障シンポジウムが開催されることを心からお歓び申し上げます。残念
乍ら私は所用のため参加できませんが、充実した成果を挙げられることを祈っております。

 さて、日本は台湾を除いて近隣を非友好国に取巻かれています。固有の領土を日本の敗
戦時又は被占領期に不法占拠したまま既成事実化しようとする国々(ロシア、韓国)、無辜
の同胞を不法に拉致したままその情報すら伝えようとしない国(北朝鮮)がそれですが、
何よりも警戒すべきは巨大国中国の軍事的、思想的脅威です。

 中国は天安門事件後、1990年代に入るや改革開放政策の一層の推進とともに軍備の大拡
張に着手しました。軍事費は毎年二桁の伸びを続け、躍進する経済力を背景に今や目を見
張る程の軍事大国に成長しました。その中心は海空軍の増強であり、さらにサイバー戦
力、宇宙戦力に於ても米国に匹敵する能力を持とうとしています。特に警戒すべきは海洋
進出であり、東は東支那海から第一列島線を越えて第二列島線に迫ろうとし、南は南支那
海を制圧してASEAN諸国を脅威し、西は印度洋からアラビア海を越えてアフリカの資
源漁りに狂奔しています。

 その領土的野心は既にチベット、ウイグルと共に南支那海をも「核心的利益」と称して
いますが、彼等の最大の目標は台湾であり、既に建国以来台湾を自らの「固有の領土」と
断じ、「反国家分裂法」を制定して台湾の独立のみならず現状維持すら攻撃の口実とする
構えを見せています。万一、台湾が共産中国の手中に陥るようなことになれば、台湾2300
万の国民にとって最悪の不幸となるのみならず、東支那海、南支那海は完全に彼に制覇さ
れ、台湾は中国海空軍(特に潜水艦)の重要基地となり、西太平洋制圧の重要拠点となる
でしょう。それは日本のシーレーン確保に対する重大な打撃となり、東アジアのみならず
世界の自由主義国家群にとっても恐るべき脅威となります。

 既に43年前の1969年11月21日、沖縄返還に関する日米共同声明に於て、当時の佐藤栄作
首相は、「台湾地域の平和と安全の確保は、日本の安全にとって極めて重要な要素であ
る」と述べましたが、その情況は当時に比して現在遥かに深刻となっています。

 中国は今や台湾併呑に止まらず、日本固有の領土である尖閣諸島まで「核心的利益」と
称し、さらに琉球列島までも領有権を主張しつつあります。中国の領土的野心は日本その
ものに向っているのです。

 それ故に日台両国は運命共同体であり、共同して中国の脅威に対抗しなければなりませ
ん。しかし当面は正規の国交がないので表だって協力はできませんが、民間同士の交流、
或いは米国等の第三国を通じての交流等、凡ゆる方途を検討する必要があります。同時に
日本政府は集団的自衛権行使の確認をはじめ国防体制の一層の強化を図る必要があります
し、台湾政府もまた国防力の強化に努めるとともに、台中交流に当っては重大な警戒心を
もって処理して行って欲しいと思います。また両国とも特に米国とは緊密な連繋を保持し
て行くべきことは言うまでもありません。

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2>> 台湾との断交は戦後日本の大きな過ち  中嶋 嶺雄(国際教養大学理事長・学長)

 明日9月29日で日中国交樹立から40周年を迎えるにあたり、国際教養大学理事長と学長を
兼ねる中嶋嶺雄氏が今朝の産経新聞「正論」欄で、日中国交樹立が正しい歴史的選択だっ
たのかを問い、台湾との断交は戦後日本の大きな過ちだったと断じている。まさに「正
論」であり、後世に伝えるべき記念碑的提言である。

 中嶋氏は、田中角栄が残した「負の遺産」は、台湾との国交正常化とともに清算されな
ければならないことを暗示している。

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中国に翻弄され続けた国交40年  中嶋 嶺雄(国際教養大学理事長・学長)
【産経新聞:2012年9月28日「正論」】

 明日29日、日中国交樹立40周年を迎える。本来なら日中友好の節目を画す祝賀ムードに
包まれるはずなのに、尖閣諸島問題に端を発した反日デモなどで、在留邦人は身の危険に
もさらされている。進出した日本企業の工場や店舗も破壊された。中国は、10月にも予定
される次期中国共産党大会の日程さえまだ発表されないという、内政上の異例の不確実性
の中にあり、国民の間に潜在する様々(さまざま)な不満も鬱積している。反日デモが反
体制の動きを引き起こしかねないことを恐れる中国当局は、デモを規制しつつ、国民の不
満が全土の反日デモで燃え尽きてくれたなら、と期待している。

◆正しい歴史的選択だったか

 この40年、日本外交はほぼ一貫して中国との友好に努めてきたにもかかわらず、その結
果がこのありさまである。となると、尖閣国有化といった個別の問題を超え、日中国交樹
立そのものが正しい歴史的選択だったのかが、今こそ、原点に遡(さかのぼ)って問い直
されるべきだと私は考えている。

 国交が正常化された1970年代初頭は、周知のように、中国をめぐる世界情勢が雪崩を打
ったように動いた時期であった。当時は米ソが世界の超大国として対立、文化大革命に揺
れていた中国は、同じ社会主義陣営のソ連を、「社会帝国主義」覇権国家と見なして激し
く非難していた。そうした状況下で、中国は、多数派工作の先兵として、「東欧の孤児」
アルバニアを最大限に利用した。71年秋の国連総会では、中国(中華人民共和国)を加盟
国とし、台湾(中華民国)を国連から追放するというアルバニア決議案が、多数の賛成で
可決されたのである。

 中華人民共和国が大陸を実効支配し、台湾は亡命政権のような形で「大陸反攻」を掲げ
ていたとはいえ、国連の原加盟国で安全保障理事会常任理事国、第二次世界大戦の主役で
もあった中華民国を、数の力で国連から葬り去ることは正しいのか、アルバニアに重要決
議を提案する資質があるのかも検討されずじまいで、国連は急旋回したのであった。そこ
に、当時の国際社会が犯した大きな誤りがあったといわねばならない。

◆台湾との断交は戦後の過ち

 中国をめぐる国際社会の急激な流れは、ニクソン米政権下の71年7月のキッシンジャー大
統領補佐官(国家安全保障担当)による北京隠密訪問、そして翌72年2月のニクソン訪中に
よる米中接近につながり、世界を驚かせた。

 そこに登場したのが、日中国交を引っ提げて人気絶頂の田中角栄政権である。わが国政
財界もマスメディアも、「バスに乗り遅れるな」と中国との国交樹立に動いていった。産
経新聞を例外として、マスコミによる報道は過熱し、それに乗って田中首相と大平正芳外
相の訪中が実現、北京での中国ペースの「日中復交三原則」に基づく日中共同声明で、一
挙に国交が樹立されたのであった。

 同時に、北京で公表された大平外相の談話によって、わが国は中華民国との間の日華平
和条約を一方的に破棄し、台湾との国交を断絶したのである。国際法上も日本と台湾との
歴史的に極めて深い結びつきからしても、戦後日本が犯した大きな過ちであった。

 以来、わが国はひたすら中国に跪拝(きはい)し、中国を刺激しないように低姿勢を貫
いてきたにもかかわらず、いや、それがゆえに、今日の事態に立ち至ったのである。この
間、中国側は、靖国、教科書、歴史認識の諸問題で常に日本側に問題を突き付け、内政干
渉まがいの立場を改めなかった。わが国が供与した多額の政府開発援助(ODA)資金や
超低利の円借款、様々な経済協力も、結局は、中国の経済・軍事大国化に寄与してきただ
けだったように思われる。

◆尖閣で何もしなかったツケ

 尖閣問題はご無理ごもっとも外交の典型である。中国が領有を唱えだしたのは、68年
に、国連アジア極東経済委員会(ECAFE)の海洋調査で尖閣海域の豊富な海底資源の
存在が明らかになってからだ。中国は、国交樹立前年の71年12月30日付の「釣魚島(尖閣
諸島)に関する中国外交部声明」で明確に領有を主張していた。にもかかわらず、日本政
府・外務省は国交樹立への流れの中で、何ら文句を言うことなく、国交樹立時にも、尖閣
問題はここでは避けようという周恩来首相の提案で一切論議しなかったのである。

 さらに、79年1月、副首相の鄧小平が来日し、「(尖閣問題は)次の世代、またその次の
世代で解決すればよい」と語ったことに、日本側は安心してしまった。当時の中国は華国
鋒政権だったが、その華国鋒が失脚して実権を握った鄧が改革・開放の「南巡講話」を発
表した92年2月、中国は全国人民代表大会の常務委員会で「領海法」を制定、尖閣諸島を中
国の領土に組み入れてしまった。

 事ここに至っても、日本政府・外務省は形式的な抗議にとどめている。秋の天皇、皇后
両陛下ご訪中に賭けていたのだ。「日中友好」でいかに大きな代償を支払わされたか再確
認すべき秋(とき)である。(なかじま みねお)

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3>> 慎重発言に努める米当局者が台湾重視を唱えた  田久保 忠衛(杏林大学名誉教授)

 またまた産経新聞「正論」の紹介で恐縮だが、9月26日に安倍晋三氏が自民党総裁に選出
されたことを受け、杏林大学名誉教授で本会副会長の田久保忠衛(たくぼ・ただえ)氏が
昨日の「正論」欄で、安倍新総裁に祝意を表し「防衛費を大幅に増やし、新しい憲法制定
の議論を巻き起こす」ことを期待すると述べた。

 大事な提言である。ただ台湾関係者にとってさらに注目すべきは、田久保氏が「私が特
に重視する」点として、アメリカのキャンベル米国務次官補が9月20日の上院外交委員会で
「台湾との非公式関係強化措置を取りつつある」と明言したことを紹介していることだ。

 ここで思い出すのが、アメリカでは民主党も共和党も、その政策綱領に台湾のことを
堂々と書いていることだ。

 共和党は8月28日に採択した綱領で「仮に中国大陸が平和的対話と台湾の人々の意志尊重
の原則を破って一方的に現状の変更を企てるならば、アメリカは台湾側の防衛に協力す
る」とし、民主党も9月4日に採択した政策綱領で「台湾関係法を順守し、台湾の人々の期
待と最大利益にかなう方式で両岸問題が解決されることを支持する」としている。しか
し、日本の自民党や民主党の政策綱領では台湾について一切触れていない。

 この日米の差はどこから来るのか。それはアメリカが「台湾関係法」を定め、日本が定
めていないことに真の原因がある。キャンベル米国務次官補の発言も、共和・民主両党の
政策綱領も、台湾関係法を基に述べているとみなければならない。

 日本の政治家でもっともよく日台関係を熟知している安倍晋三新総裁には、日本版「台
湾関係法」の制定に向けても力をそそいでいただきたい。

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安倍氏は「戦後脱却」の使命担え  田久保 忠衛(杏林大学名誉教授)
【産経新聞:2012年9月27日「正論」】

 日本の最高指導者の地位に最も近いところに身を置いた安倍晋三自民党新総裁に、まず
祝意を表したい。かねて、「戦後レジーム」からの脱却を唱えていた同氏に、時代が「ア
ンコール」を要求したといえる。が、鬱陶(うっとう)しい梅雨が続いた後の晴れ間を見
る気持ちには私はまだどうしてもなれない。このところ続いた与野党党首選挙の候補者に
は、今の日本が歴史的、地政学的にいかなる国難に直面しているかという認識、それにど
う立ち向かったらいいのかという迫力に欠けるところがある。

◆ユーラシア発の危機は深刻

 マスコミ側の意識にも、相当、問題があり、尖閣諸島をめぐる討論会や記者会見で、こ
の問題を、税制改正、エネルギー政策、社会保障制度の見直しなどと同列に扱って質問す
る。領土問題で、「相手の立場を考慮し、あくまで話し合いで」とか、「日中双方のナシ
ョナリズムは抑えなければいけない」などと答えていた民主党代表候補には、国家の浮沈
にかかわる深刻な危機がユーラシア大陸から押し寄せているとの感覚は微塵(みじん)も
ない。日本外交は悪魔たちの哄笑(こうしょう)の前で立ちすくんでいるのだ。

 両党党首候補から、「毅然(きぜん)として」「不退転の決意で」「大局的、冷静な判
断で」などの表現も一斉に飛び出した。が、中国の嫌がらせは続いている。それに、韓国
も親日的だった台湾までもが悪乗りしている。口先だけの大言壮語は何もできない遁辞
(とんじ)である。

 外務省には、チャイナ・スクールと称される「親中派」が今も活躍しているのか分から
ないが、これら外交官にも気の毒な面はある。力の裏付けのない外交は、非常時には機能
しにくい。力とは、経済、政治、軍事、文化、技術、インテリジェンスを含めた情報など
総合的国力プラス政治家のリーダーシップだ。日本の自衛隊の士気は一流だが、地位や体
制は、他国に比べて異常に不利なように、戦後の日本は仕向けてしまった。

◆日本は「愛国有罪」の体たらく

 私は、中国と徒(いたずら)に対立を煽(あお)り立てる論調には与(くみ)さない
が、日本大使館や大使、国旗などへの侮辱、日系企業の破壊、略奪を目にして、日本の国
家全体を立て直さないと危ういと痛感した。中国という国は国際秩序に責任を持つ国なの
か。それに対応するには、彼我の相違を見極める必要がある。

 先方は一党独裁体制下、ナショナリズムを教育し、必要な時にそれを意のままに煽り立
てる。中国には存在しない言葉「地球国家」を口にする「市民運動」の指導者が責任ある
座を占める日本には、そんな芸当などできもしない。中国では、法治は通用せず、反日で
あれば、何をしても「愛国無罪」で大目に見られる。片や、国家不在の日本では愛国者は
白い目で見られてきた。「愛国有罪」だ。

 戦前の日本が標語にした「富国強兵」は今、中国が仮借なく進めている国策である。日
本は対照的に「軽武装・経済大国」を目指してきた。自衛隊発足後に「富国他兵」だと茶
化(ちゃか)す向きもあったが、その通りで、日米同盟がなかったら、どうするつもり
か。国内で大衆迎合にかまけているときか。

 国際環境の変化は日本を変えてきた。隋・唐の対外圧力が大化改新を生み、元寇(蒙古
襲来)は鎌倉幕府を衰退させ、建武中興を促した。ペリーの来航で、日本は覚醒して明治
維新を成し遂げた。

 朝鮮半島の内紛を契機に日清戦争は起こり、次いでロシアの半島への影響力を拒否する
ために日露戦争は発生した。日露戦争後の処理は中国との対立激化の要因となり、旧満州
の市場争いと人種問題が遠因で日本は米国を次第に敵に回していく。そして敗戦だ。現憲
法下の日本はその結果であり、長い歴史の産物である。ロシア、朝鮮半島、中国から加え
られてきた圧力は熾烈(しれつ)の度を増している。

◆防衛費増大と新憲法論議を

 国際情勢の流れは中国に不利に展開していると思う。パネッタ米国防長官は9月19日、北
京での記者会見で、米国は中国を狙った「封じ込め」あるいは「包囲」を策しているのか
との質問に対し、そうではなく、太平洋への軍事力の「再均衡だ」と答えた。冷戦と異な
り、経済の相互依存性を強めている今は、封じ込めなどはできないが、米軍事力は太平洋
に集中させつつあるとの意味だろう。

 私が特に重視するのは、それを補うように、キャンベル米国務次官補が9月20日の上院外
交委員会での冒頭声明で、日本、韓国、豪州、タイ、フィリピン5カ国との同盟関係強化と
シンガポール、インド、インドネシア、ニュージーランド、マレーシア、ベトナムの6カ
国との友好関係増大に加えて、「台湾との非公式関係強化措置を取りつつある」と明言し
たことだ。慎重発言に努める米当局者が台湾重視を唱えたのである。

 日本は何をすべきか。安倍新総裁に期待するのは、国際環境を無視して10年間、減らし
続けた防衛費をとりあえず大幅に増やし、新しい憲法制定の議論を巻き起こす─の2点であ
る。関係諸国に与える政治的含意を考えて、戦後蝉脱(せんだつ)の歴史的使命を担って
ほしい。(たくぼ ただえ)

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