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【メルマガ日台共栄:第1649号】 カジノ島起こし―馬祖島は台湾の縮図? 迫田 勝敏(ジャーナリスト)

2012/08/05

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1>> カジノ島起こし―馬祖島は台湾の縮図? 迫田 勝敏(ジャーナリスト)
2>> 李登輝元総統が「台湾一周の旅」で「北京大講演の誘い」を明らかに
3>>【読者の声】 台湾を論ずるに際して忘れてはならない事  伊藤 英樹
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  *7月31日で第4期署名を締め切りました。ご協力ありがとうございました。
   間もなく第5期署名を始めます。

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1>> カジノ島起こし―馬祖島は台湾の縮図? 迫田 勝敏(ジャーナリスト)

 東京新聞・中日新聞の上海特派員や台北支局長をつとめた後、論説委員として健筆を揮
っていた迫田勝敏(さこだ・かつとし)氏は現在、桃園県にある開南大学で日本語を教え
つつ東京新聞・中日新聞の嘱託記者として記事を書いている。

 本誌では迫田氏の「台湾ダイジェスト」掲載の記事を紹介させていただいている。8月号
から下記にご紹介したい。

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カジノ島起こし―馬祖島は台湾の縮図?
【台湾ダイジェスト:8月号】

 中国福建省の福州と目と鼻の先にある馬祖島が住民投票でカジノ開設を決めた。人口1万
人そこそこの離島で、これといった産業もない。環境保護団体などが反対運動を展開した
が、カジノ経営団体は「利益から毎月、島民に福利金を支給」と宣伝、結局は環境保護よ
り実利が勝った。だが、「カジノで島起こし」はそう簡単ではない。前途は多難である。

◆澎湖島は金より環境を選ぶ

 刑法で禁止のカジノを離島振興のために馬英九政権は2009年、離島建設条例を改正し、
地域限定で合法化した。かつては大量の軍隊が駐屯し、その「軍需」が島を潤した離島
は、台湾海峡の緊張緩和で、駐屯軍が削減され、生計に困った。産業は観光と漁業ぐら
い。その漁業は後継者不足で先細り。観光といっても多くの台湾人は離島より海外に行っ
てしまう。

 そこでカジノによる島起こしのアイデアが生まれた。金門、馬祖は小三通で中国人観光
客の増加が期待される。小三通がない澎湖島が先ず名乗りを上げ、国際リゾート開発企業
もホテル用地の買収など先行投資を始めた。

 カジノ建設は住民投票による賛成が必須条件。澎湖島は2009年9月、住民投票を実施し
た。島民も「金の卵」を産むカジノを心待ち、と思ったら、違った。台湾本島からの環境
保護団体が反対運動を展開したこともあり、結果は否決。住民はお金よりも環境保護や文
化保全を選んだのだった。

◆金門は小三通ですでに活況

 澎湖島の失敗をみて、金門は慎重になった。それでなくとも金門は小三通で中国人観光
客が急増し、活況を呈している。台湾本島から戸籍を金門に移す人も多く、空前の不動産
ラッシュで、地区によっては不動産価格の値上がり率は台北を上回る。馬英九政権の傾中
路線で中台間がぐっと近づき、金門を中国進出の前線基地と考える人が増えているのだ。
そんな中で敢えて巨額の投資をして、観光客をさらに増やすためのカジノ建設が必要なの
か。そう考えている間に馬祖が、住民投票を決めたのだった。

 馬祖は確かになにもない。中国と対峙していた当時の戦跡はあるが、金門のような本格
的な戦闘があったわけではない。金門の高粱酒同様、「八八坑道」の名の高粱酒がある
が、金門のほど有名ではなく、それだけに金門のように酒の利益で小中学校の学費を無料
にすることもできない。小三通も中国側の出発港が福州から離れた馬尾なので利用客は少
ない。馬祖経由で台湾本島に行く人はさらに少ない。漁業はあるといっても福州からわず
か30キロ足らず。周辺は中国の漁船に占められている。

◆中国のためのレジャーランドに

 だからカジノで島起こしをという気持ちはわかる。開発業者は「カジノ開設で年間500万
人の利用客とし、初年度は住民1人当たり1・8万元、5年後は同8万元を利益還元」とバラ色
の青写真を掲げた。その結果、住民投票は可決成立した。

 だが、カジノ建設は簡単ではない。馬祖の空港は狭く、年間数百万人もの旅客を受け入
れは不可能。空港の拡張工事などで100億元はかかるという。水も足りないし、電気も足り
ない。海水淡水化プラントや発電所の建設費用は、結局、カジノ業者の責任ということに
なると、馬祖開発を業者に丸投げするような形になってしまい、採算はとれるのか。しか
もその業者から住民は毎月還元金をもらう。そうなったら県政府はどういう存在になるの
か。

 最大の問題は利用客だ。その99%は対岸から来る中国人。馬祖は開発業者が事実上、経
営する中国人のための一大レジャーランドになり、同じ福州語を話す住民は中国人観光客
のために働くことになる。

◆台湾は中国人向け海鮮餐庁

 陳水扁時代、ある政府高官が、台湾経済が中国人観光客の受け入れなどで活性化を目指
せば「台湾は中国の海鮮餐庁(レストラン)になってしまう」との趣旨の発言をしたこと
がある。輸出の対中依存度が高まり、観光収入も中国依存。やがては台湾経済全体が中国
なしでは回転しなくなれば、台湾自体が中国人のための台湾になってしまう。

 島の経済をほぼ100%中国に依存することになりかねないカジノ馬祖はまさに未来の台湾
の縮図か。そんな危機感があるからか、住民投票で敗れた「反カジノ連盟」は「カジノ建
設は馬祖だけの問題ではない。馬祖を守れなければ台湾中にカジノが広がる」と3年後に反
カジノ住民投票を実施すると運動継続を宣言している。

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2>> 李登輝元総統が「台湾一周の旅」で「北京大講演の誘い」を明らかに

 前回(6月19日〜21日)、大雨のために仕切り直しとなった李登輝元総統の「台湾一周の
旅」第3弾「雲林県・彰化県訪問」が7月31日に再開された。ところが、8月2日は公共機関
や学校も臨時休業や休校となる台風による大雨で、またもや途中断念せざるをえなくなっ
た。

 李元総統は8月1日、同行する台湾メディアに、中国から北京大学講演を何度か誘われた
ことがあったことを明らかにしたという。MSN産経ニュースからご紹介したい。

 ちなみに、李元総統の「台湾一周の旅」は、旧友を訪ね、各地の産業を視察することを
目的とし、その第1弾として4月18日から20日にかけ南部の屏東県と高雄市を訪問。5月16日
から18日はその第2弾として台南市と嘉義県を訪問された。この「台南・嘉義」訪問には本
会の早川友久・台北事務所長も動向し、機関誌『日台共栄』7月号に発表している。

 6月の雲林県・彰化県が第3弾となり、それが天候により延期され、仕切り直した今回も
天候で再延期となった。南から北上し、花蓮県・台東県まで台湾を一周される予定だとい
う。

◆早川友久:李登輝元総統が「台湾一周の旅」【機関誌『日台共栄』7月号】
 http://www.ritouki.jp/magazine/pdf/31-3.pdf

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李登輝元総統「北京大講演の誘いあった」 中国側は否定
【MSN産経ニュース:2012年8月3日】

 【台北=吉村剛史】台湾の李登輝元総統は3日までに、「ここ数年、中国側から北京大学
での講演に複数回の誘いがあった」と明らかにした。中国側は「そのような事実はない」
と否定している。

 台湾中南部の彰化、雲林を訪問中の李氏が1日、地元メディアに明かした。李氏は「最高
指導者の条件」との演題を示されたが、「中国は中国、台湾は台湾」とする自身の立場な
どから、「現段階では行けない」と説明した。要請の公式、非公式については明らかにし
ていない。

 一方、台湾の中央社電によると、中国国務院台湾事務弁公室の報道官は2日、報道陣の質
問にこたえ、「私の知る限りそのような事実はない。北京大でも、大陸(中国)でも講演
に誘った者はいない」と否定したという。

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3>>【読者の声】 台湾を論ずるに際して忘れてはならない事  伊藤 英樹

一、
 我々友の会会員が台湾を論ずるに際し、忘れてはならない事がある。それは、その論が
「台湾の生き残り」のためのものであらねばならないという事だ。より具体的には、大陸
の併合圧力に対し「台湾が主権独立国家として存続してゆく方策を求めてのもの」であら
ねばならないという事だ。

 こうした事は誰もが熟知していることであって、敢えて指摘するまでもないことのよう
である。しかし論が具体的になったとき、少なからぬ人々が例えば反蒋介石感情や反外省
人感情に捉われて忘れがちとなるのである。例えば「台湾は日本の生命線」と声高に叫び
ながら、 いざその台湾の防衛政策となると、反蒋介石感情に捉われているため、それがあ
たかも防衛政策であるが如く錯覚して「反中華民国」や「反外省人」を叫んで事足れりと
しているのは、そうした「忘れ」の一例である。

 そこで、そうした状況を阻止するため、より積極的に前記防衛の方策として以下二点を
挙げることとする。

二、方策のその一は、「民主化が果たしている防波堤としての機能の再評価及び中華民国
在台湾論を強調する」ことである。

1、軍事力においても経済力においても彼の国に著しく劣る台湾が今日なおその吸収を免
 れているのは、独りアメリカの保護があるからだけではなく、台湾が民主主義的政治形
 態を採っているからなのだ。「アラブの春」に見られるように民主主義の尊重は今日の
 揺るぎなき国際世論なのである。そうした中にあって独裁国家の大陸が民主国家の台湾
 に侵攻したならば、国際世論から激しい批判を浴びせられるであろうことを大陸当局は
 意識せざるを得ないのである。即ち台湾の民主主義的政治形態は強力な防波堤となって
 いるのである。

2、その民主主義の実現に我らが李登輝先生が多大な寄与をしたことは誰もが認めるとこ
 ろだ。しかしそれは李登輝個人として実現したのではなく中華民国総統としての地位に
 基づいてのものである。しかもその総統としての地位は当然のことながら中華民国の存
 在を前提とするものである。従って中華民国在台湾論は強調されてしかるべきなのであ
 る。

 ところが、現実には、蒋介石の悪行に目を奪われるあまり、中華民国在台湾の否定を声
高に叫ぶ者も少なくない。しかしそれは「防波堤としての民主化」を否定し、引いては大
命題である「台湾の生き残り」を否定することになることを指摘したい。

三、「台湾生き残り」の政策としての その二は、「主権独立国家としての法的地位」を確
 保することである。

(1)その方法として先ず台湾の法的地位の未定を前提として、台湾が建国宣言をした上
 で次いで国際社会の承認を得ることが考えられる。

 地位未定を訴える論者はその承認の手始めとして、アメリカの承認を求めているようで
ある。しかし、アメリカが承認をする可能性が限りなく少ないことは誰でも認識するとこ
ろである。更に仮令アメリカが承認したところで、アメリカの力が相対的に減少した今日
にあっては、直ちに他の国々が追随することも想像し難いのである。

 このことについては、陳水扁政権時代、彼に独立建国宣言を求める論があった。しか
し、筆者の想像するところであるが、仮令彼が威勢よく建国独立宣言をしたとしも、後ろ
を振り返って見たら追随する国家は名も知れない数カ国に過ぎず、しかもその状況が数年
経っても変わらないことにより、かえって台湾が<主権独立国家ではない>ことが国際的
に確立されたことに成りかねなかったのである。陳水扁氏が暴走しなかったことを評価し
たい。

 地位未定論のもう一つの問題点は、将来はともかく現在は台湾に主権が存在しないこと
を自ら主張することになり、たとえ大陸からの侵攻がなされたとしても国際社会に主権の
侵害を訴えられないことである。領土は主権の主要な内容をなすものであり、それにも拘
らず自ら主権を否定することは領土に関する権利を否定することに他ならないからだ。

 要するに、地位未定論は前述の中華民国否定論と同様「台湾の生き残り」を忘れた論な
のである。

(2)では、他の如何なる方策によれば主権独立国家としての法的地位の確保をすること
 ができるか。

 この点で重視されるのが、<中華民国は台湾にある・1949年に中華人民共和国が、その
存在を宣言した時点で中国は分裂した・中華民国は内戦で負けたけれど台湾に残ってい
る・その中華民国は主権を持つ国家である・台湾は独立を言う必要はない・中華民国を台
湾化すればよいのだ・台湾中華民国・台湾はすでに独立している>とする、李登輝元総統
の一連の発言である(台湾の主張・李登輝学校の教え・サピオ‐2000,11,1・李登輝の原
点)。

 「台湾はすでに独立している」として、台湾の法的地位につき認識を新たにするその主
張は、前述した地位未定論に生じる多くの問題点を回避できる点で高く評価されるもので
ある。が、その詳細は明かされていない。そこで「台湾の法的地位」と称して以下 私なり
の解釈をする。

「台湾の法的地位」

1、1945年、国民党軍が台湾に進駐し、その統治が開始されることによって、台湾・澎湖
 諸島・金門島・馬祖島は「中華民国」の一部となった。

 「中華民国在台湾」の開始時期については、本論のように国民党軍が台湾に進駐した19
45年とする見解の外に蒋介石が台湾に逃れてきた1949年の時点とする見解がある。この見
解は、蒋介石の独裁性を重視して彼をして中華民国を体現するものとし、彼の台湾上陸を
もって中華民国による統治の開始としたのであろう。

 しかし、もし、蒋介石の上陸(1949年)までは中華民国の領土ではなかったこととする
と、イギリスに亡命したフランスのド・ゴールと同様、蒋介石政権は故国から逃亡した亡
命政権ということになろう。しかしそれはまた、ド・ゴール亡命政権の例が示すように、
蒋介石に大陸に対する潜在的統治権が有ることを示すものであっても、亡命先の台湾に対
する統治権が有ること即ち中華民国在台湾を示すことにはならないのである。

 そこで次に広く人口に膾炙される考えが、蒋介石の独裁性を重視して彼をして中華民国
を体現するものとし、彼の<1949年の台湾上陸をもって中華民国が移転した>とすること
であった。

 しかし、いかに独裁とはいえ、国家と国家の構成員ないしその機関にすぎない蒋介石と
は峻別されてしかるべきであるから蒋介石の移転をもって直ちに国家の移転ありとするの
は説得力を欠くし、そもそも領土と国家は一体をなすものであるから、日本国(という法
人)だけがその領土を離れてアメリカに移るなどということが有り得ないように、中華民
国(という法人)だけがその領土を離れて領土ではない台湾に移転するなどということは
有り得ないのである。

 以上要するに、1949年の蒋介石の台湾上陸をもって「中華民国在台湾」を論証すること
不可能であり、これに対し本文の如く<1945年の国民党軍の台湾上陸によって台湾は中華
民国に編入された>と捉えれば無理なく中華民国在台湾を論証できるのである。

2、1949年、中華人民共和国が大陸部分のみを領土として(それまで大陸及び台湾を領土
 としていた)中華民国から分離独立した。

 しかし、残りの台湾部分は、依然 中華民国がその領土として支配し続け、それ故、それ
まで有していた主権独立国家としての地位も保持し続けた。

 然るに、その中華民国は1996年の総統選によって台湾共和国に成り代り(*)、それに伴っ
て 主権独立国家たる地位もその共和国に継承された。

 因って、現在の台湾は共和国であり、かつ事実上のみならず法的にも主権独立国家たる
地位を有す。

* 共和制とは・・主権が国民にあり、国民が選んだ代表者たち合議で政治を行い,国民が選
 挙で国の元首を選ぶ政治形態(広辞苑)

3、1971年、国連決議で「中華民国」の代表権が「中華人民共和国」に替えられた。

 同決議は、大陸部分に於ける主権が「中華民国」から「中華人民共和国」に替ったこと
を反映したものである。それ故変更された代表権の範囲は大陸部分に関するもののみで、
未だ中華民国が統治する台湾部分の代表権に言及したものではない。

 従って、「中華民国」の台湾部分に関する<代表権>を訴えていたならば認められる可
能性が十分にあったが、大陸反抗のスローガンを捨てきれぬ蒋介石総統がそれを敢えて拒
絶したために台湾部分に関する代表権までも失うこととなった。

 しかし国連での議席(代表権)を失ったことをもって法的主権独立国家たる地位をも失
った、などと考えてはならない。この点について多くの人に混乱が見られるが、日本が か
つて国際連盟を脱退しその議席を失った後も依然として、世界の誰もが認める主権独立国
家であった様に、国連に議席(代表権)を有すか否かの問題と法的主権独立国家であるか
否かの問題とは分けて考えるべき事なのである。

4、本論(継承国家論)によったときのサンフランシスコ条約をめぐる疑問点。

(1)日本が台湾を放棄したサンフランシスコ条約締結は1951年であるにも拘わらず何故
 に蒋介石が台湾に進駐した1945年をもって「中華民国」の一部となった、と出来るの
 か。

 1951年に締結された同条約の効果は1945年の実効支配時に遡及して(あたかも1945年に
締結された如く)その効力が生じると解されるからである。無数の法律関係を処理しなけ
ればならない平和条約の締結は多くの時間を要するのが通常であるが、他方でその期間の
統治行為の正当性を無視することは出来ない。そこで、そのような正当性を確保するため
に多くの平和条約は実効支配時に遡ってその効力が生ずると解釈されるのである。

(2)サンフランシスコ条約は日本が放棄したことを定めるだけで、放棄の相手方を言及
 していないにも拘わらず何故に台湾が中華民国に帰属することになるのか。

 日本の台湾領有は下関条約に基づくものであるから、その台湾領有の放棄は下関条約の
台湾に関する部分の破棄を意味すると解釈されるのである。とすれば下関条約のない状
態、即ち清国による台湾領有に復帰することとになる。しかるにその清国の統治権は中華
民国に継承されたのであるから、台湾は、たとえサンフランシスコ条約に帰属先が明示さ
れていなくても、中華民国に帰属すると解されるのである。

四、以上に対し、反論や批判がなされることは容易に推察できるところである。しかし、
それらが単に蒋介石の否定にとどまって前述した「台湾の生き残り」ないし「台湾の主権
独立国家として存続」のためのものでない限り、認めるわけにはゆかない。そうした反論
や批判は、反論のための反論、批判ための批判にすぎず、時間の浪費を招くだけのことだ
からだ。
(8月1日)

●本誌で紹介したように、台湾の国際法的な地位について、元台北駐日経済文化代表処代
 表で政治学者の許世楷氏は「現在、台湾は『事実上の独立国家(de facto independent 
 state)』であります。そこから抜けて『法理上の独立国家(de jure independent 
 state)』になるためには、『中華民国』という虚構から脱皮して『新生国家(newborn 
 state)』台湾にならなければならない」と指摘されている。

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  • 名無しさん2012/08/05

    伊藤英樹氏の主張は、総統に就任してからの馬英九の「中華民国」論とどこが違うのだろう。主権独立国家である現在の台湾の政権や政党が「中華民国憲法」を前提として成り立っていることは自明のことです。

    しかし、すでにWHAの内部文書で明らかになったように、台湾が「中華民国」を名乗り続けている限り、国連を始めとした国際機関への加盟はあり得ないし、李登輝元総統や陳水扁前総統の努力が水泡に帰すことは火を見るより明らかです。

    また、米国も日本もEUそして東南アジア諸国も、中華民国との国交正常化は望んでいないし、逆に、中華人民共和国に亡命政権併呑のための格好の「大義」を与えることになるのではないでしょうか。