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日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

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【メルマガ日台共栄:第1557号】 日本と台湾の絆─日本統治時代から現代まで (1)  李登輝元総統

2012/04/14

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1>> 日本と台湾の絆─日本統治時代から現代まで (1)   李登輝元総統
2>> 『友愛』第12号のご案内
3>> 三輪車  張 文芳(友愛グループ代表幹事)
4>> 廖継思著『いつも一年生』のご案内
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◆【ネット署名(第3期)】台湾出身者の戸籍を「中国」から「台湾」に改正しよう!!
  http://www.shomei.tv/project-1901.html
  *署名数:348人(4月14日)
  *1期・2期のネット署名総数=11,814人

◆ 台湾出身者の戸籍を中国から台湾に改正しよう!!
  http://www.ritouki.jp/suggest/koseki.html
  *署名用紙やアピールチラシもダウンロードできます。

● 第6回台湾セミナー(講師:池田維・元台湾大使)お申し込み【締切:4月20日】
  http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0115.reg
  *詳細は本会HPを → http://www.ritouki.jp/

● 【ツアー】片倉佳史さんと行く台湾200%満喫の旅 お申し込み【締切:5月14日】
  http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0116.reg

●【動画】李登輝元総統が語る「日本李登輝友の会の歩み」
  http://www.youtube.com/watch?v=uR1wLpH9e0s

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1>> 日本と台湾の絆─日本統治時代から現代まで (1)   李登輝元総統

 時局心話會代表の山本善心氏が國會新聞社編集次長の宇田川敬介氏とともに去る3月15
日、台湾で李登輝元総統にインタビューした。李元総統は今回の総統選を総括しながら、
中国依存の台湾の現状や馬英九政権の未来について、また日本に対しては東日本大震災へ
のエールを送りつつリーダー論などを展開されたという。

 山本善心氏が毎週木曜日に発表している「山本善心の週刊木曜コラム」で、そのインタ
ビューを掲載している。第1回が4月12日、次回は4月19日掲載の予定だという。ここにその
第1回を転載してご紹介したい。

 なお、「週刊木曜コラム」には総タイトルとして「李登輝台湾元総統の単独インタビュ
ー」とあり、小見出しも付されていないため、本誌ではインタビューのタイトルを「日本
と台湾の絆─日本統治時代から現代まで」とし、また、読みやすさを考慮し、小見出しを
付し、一部の漢字を平仮名に開いたり適宜改行したことをお断りする。

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李登輝台湾元総統の単独インタビュー(1)

                           時局心話會 代表 山本 善心

【山本善心の週刊木曜コラム:2012年4月12日 第373号】

 3月15日、淡水にある台湾綜合研究院に李登輝台湾元総統をお訪ねして、日台を取り巻
く、現今の政治、経済、歴史に関するご意見を伺った。本文の一部は以下のとおりであ
る。この模様は4月11日、午後9時からBS11で放映された。なお、筆者と、ジャーナリス
トの宇田川敬介氏がインタビューを担当した。

◆日本の統治下で近代化された台湾

 山本善心:今日は、まず歴史の問題、現在の政治状況、経済問題、それから今後の日本
に対するご意見などご質問させて戴きたいと思います。

 まず、1895年から1945年の間、台湾は日本の植民地下にありました。我が国の台湾統治
は、台湾にどのような影響を与えたのか。そして「日韓併合による朝鮮統治は日本側が一
方的に悪いことをした」と政治問題化しています。しかも、韓国側の歴史観に日本政府や
反日議員が同調しているのは残念なことです。その当時の歴史に詳しい李先生のご意見を
伺いたいと思います。

李登輝:このことに関しては一言で結論が言えます。台湾は50年間の日本の統治下で近代
化されました。その間、台湾に大きな変化をもたらしたのは、何と言っても伝統的な農業
社会から近代社会に変貌を遂げたことです。

 また、日本は台湾に近代工業資本主義の組織経営観念を導入しました。台湾製糖株式会
社の設立は、台湾の資本的工業化の発展となり、台湾銀行の設立により近代金融経済を取
り入れたのです。さらに度量衡と貨幣を統一して、台湾各地の流通を早めています。

 1908年の縦貫鉄道の開通により、南北の距離は著しく短縮され、灌漑水道と日月潭水力
発電所の完成は農業生産力を高め、工業化に大きく一歩を踏み出すことができたのです。

 日本はまた、台湾に新しい教育を導入しました。伝統的な私塾は次々と没落し、台湾人
は公学校を通して、新しい知識である博物、数学、地理、社会、物理、化学、体育、音楽
等を吸収し、徐々に伝統的な儒学や科挙の束縛から抜け出すことができました。そして世
界の新知識や事象を理解するようになり、近代的な国民組織や国民的意識が培われたので
す。

 1925年には、台北高等学校に文科・理科からなる高等科が設けられました。台北帝国大
学は1928年に創立され、台湾人は大学へ入る機会が得られました。直接内地の大学に進学
する者も出てきました。これによって、台湾のエリートはますます増え台湾社会の変化も
日を追って速くなったのです。

 こうして、近代観念が台湾に導入された結果、時間を守る、法を守る、さらに金融、貨
幣、衛生、そして新型の経営管理を会得した「新台湾人」を作り上げることができました。

 これが50年間、日本植民地時代に台湾を近代化させた大きな功績です。韓国側の問題は
後ほど話します。

◆独裁体制から民主化と台湾本土化を定着させた静かな「無血革命」

山本善心:日本の統治後1945年から1990年まで、中国国民党が武力で台湾統治することに
なります。1947年2月28日に行われた2.28事件というものがありましたね。国民党の政権
が台湾住民に与えた苦痛は地獄の世界であったとも聞いておりますが、そうした過程を経
て李先生は台湾人として初めて台湾総統に就任され、しかも22年前に台湾の民主化を実現
された訳でございます。

 台湾の民主化がその後どうなったのか、これは世界から喝采を浴びた台湾革命ですが、
決して生易しいものではなかったと思います。この民主化について、いま李登輝先生はど
のようにお考えでしょうか。

李登輝:1945年10月、国民党政府が台湾を接収した後、特権が横行したため、政治は腐敗
して社会秩序の混乱を招き、1年半を経ずして1947年2月に2.28事件が起こり、火種は台湾
全島に広がりました。

 国民党は中国大陸から兵を送り込んで鎮圧に当たり、台湾のエリート、民衆を数万人惨
殺し、台湾人を恐怖の底に落とし入れ、台湾人の正義に関わる勇気を喪失させました。

 1949年5月、国民党政府は台湾に戒厳令を敷き、しばらくして国民党政府そのものが中国
大陸の内戦に破れて台湾に退いてきました。そして自らの政権を堅固なものにするため、
多数の反対分子を逮捕しました。これが所謂、1950年代の白色テロと呼ばれるものです。

 国民党はさらに大陸反攻を国策とし独裁体制を作り上げたのです。そして戒厳令は38年
間も続き、1987年になりやっと解除されました。これは前代未聞のことであり、台湾人が
いかに言論の自由や思想や結社の自由が剥奪されていたか、当時の不安と恐怖の中での生
活や恐ろしさを皆さんは想像できるでしょうか。

 戒厳体制を打ち破るため台湾エリート達は長い時間をかけ、多数の犠牲者を出し、倒れ
ては起ち上がり、民主化運動は止まらず、やがて国民党が譲歩せざるを得なくなりまし
た。

 私、李登輝が台湾人として初めての総統に就任してからの12年間は、何とかして台湾人
の期待に沿うことができるよう民主化と台湾本土化を定着させるという争いの連続でし
た。

 まずは、「万年国会」を解散、終結し、また中華民国憲法の改正に踏み切りました。さ
らに1996年には歴史上初めて、人民による総統直接選挙を実行しました。その結果「主
権、民にあり」の観念が徐々に定着し、自由民主の社会が打ち立てられ台湾人は国民党の
統制から離れて、台湾主体の人民が生まれるようになったのです。

 これが私の強調する、静かな「無血革命」で、台湾を独裁体制から自由と民主主義とい
う民主化に打ち替えることができたのです。

◆民主化を停滞させた陳水扁と馬英九

山本善心:ハンチントン教授は民主化が定着する難しさを発表していますが、これを定着
させるにはいくつかの難問・抵抗が22年間あったと思われます。その後の陳政権あるいは
馬政権ではこの民主化は順調に守られ育成されてきたでしょうか。それとも、いろいろな
問題で間違った方向に進んでいることがあったりしたのでしょうか。

李登輝:私の使命のひとつであった台湾民主化は、一応軌道に乗りました。しかし、民主
主義というのは文化であり生活様式でもある。それが定着するまでは完成したとは言えな
い。民主化の完成の道はなかなか長いものだと私は思っておりました。

 陳水扁総統は、期待されたほどの使命感は持ち合わせていなかった。台湾の民主政治を
曲げてしまった。また馬英九政権になって何も起こらず、ただ昔の政治体制を踏襲してい
るだけです。むしろ、ほとんどの台湾の主体性を喪失して、中国に全てを託するような政
策を取っています。台湾の民主化、自由化というものは徐々に変な形で中国に近寄って行
くように見えてなりません。

◆政策転換が求められている台湾と中国の経済

山本善心:今回の台湾総統選で蔡英文さんが負けたことについて伺います。この最大の原
因は、台湾の経済界が馬さんを後押ししたことと聞いております。

 また米国も馬総統にもう1期4年間やらせてはどうかと蔡さんに対して冷たかった。今後
の4年間は、馬総統の体制で台湾と中国の経済関係がどのようになっていくのか、そうい
うことによってずいぶん今後の中台関係は変わっていくだろうと思われますが、いかがで
しょうか。

李登輝:馬英九総統は台湾の経済主体性というものを、ほとんど放棄した形で中国との関
係を結んできました。台湾経済が主体性として何をやるべきかということがはっきりして
いません。

 現在、中国大陸においてはかなりの台湾企業及びビジネスマンが活躍しています。そし
てそこで工場を建設したりしていますが、中国大陸自体が大きな問題にぶつかっていま
す。

 まず世界における需要の減少から、中国大陸がかつて「世界の工場」として発展してき
ましたが、前途に暗雲が立ち込め始めたということがあげられます。中国の温家宝首相が
今年から中国経済は8%という経済成長率を維持できず、次第に下降して行かざるを得ない
とハッキリいっています。中国経済は製造業の発展と輸出によって国の富を増やそうとす
る考え方が継続できなくなりました。中国経済は何とかして内需を拡大して、国民全体が
裕福な生活ができるように政策転換しなければなりません。

 そのために恐らく、今まで軍事費に使っていた予算をオーバーするぐらいのお金が必要
になるでしょう。それでうまく行くかどうかという保証はありません。このことは、現在
の台湾問題でもあるのです。大陸で活躍するビジネスマンにとっても同じ問題が突き付け
られています。

◆総統選で蔡英文候補が敗れた理由

 ただ、今回の総選挙で、この困難で最も重大な問題は十分に討議されていないのは残念
です。蔡英文は、民進党の候補者として出ましたが、今のビジネスマンから見た場合、彼
らに対応する政策というものがほとんど発表されていません。

 それに今後の馬英九総統は、台湾がこれから中国の新しい変化にどう対応していくのか
という政策も取られておりません。

 ただ中国大陸内部としては、台湾のビジネスマンに対して、蔡英文に投票しないようい
ろんな形で影響力を行使しました。だいたい、中国で活躍する台湾のビジネスマンの得票
数は40万票以上あります。台湾国内のビジネスマンも、中国大陸の経済問題を重視しない
民進党には投票しないということになり、蔡英文は負けたのです。                                             (つづく)

                              【次回は4月19日(木)】

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2>> 『友愛』第12号のご案内

 台湾に「美しく正しい日本語を残そう」と活動している「友愛グループ」があります。
李登輝総統の下に民主化が本格化していた1992年10月に「友愛日本語クラブ」として発足
し、翌年3月に機関誌『ツツジ』を発刊しています。1999年12月には会名を「友愛グルー
プ」、機関誌名も『友愛』と改めました。150名ほどのメンバーを擁し、毎月、月例会を開
催、今日までたゆむことなく日本語を学んでいます。

 本会ホームページでご紹介しているように、友愛グループの『友愛』誌は第11号(2010
年9月刊)まで発行されていましたが、昨年末に第12号を発行し、最近、本会にお送りいた
だきましたので、ここにご紹介するとともに皆さまにお頒ちします。

 第12号は340ページものボリュームで、25人のエッセー(27編)や詩歌(2編)、月例会
における13人のスピーチ、月例会のテキスト(2010年8月〜2011年11月)を掲載し、読み応
えたっぷりの盛りだくさんの内容です。主なエッセーは下記のとおりです。

 なお、第1号から第11号までは本会ホームページでご案内しています。

◆ 台湾・友愛グループ機関誌『友愛』のご案内
  http://www.ritouki.jp/news/distribution/youai.html

・思い出深き我がクラス会  林 森林
・空海に会いたくて  酒井 杏子
・結婚行進曲  邱 顔雲年
・外交官生活体験記  張 文仁
・人生あれこれ  張 天賜
・台北で住所を探す  廖 継思
・我が家の終戦  劉 心心
・日台絆のバトンリレー  渡邊 崇之
・台湾における漢族「日本語人」のアイデンティティーについての研究  杉本 麗華
・鳥居信平の功績とその評価  平野 久美子
・人類の歴史を変えた十大植物  張 文芳
・NHKのど自慢・台湾開催  呉 正男

■書 名:『友愛』第12号
■発行人:友愛会誌編集委員会
■体 裁:A5判、並製、340頁
■発 行:2011年12月31日(台湾)
■発行所:〒100-68 台北市和平西路二段142号3F
     TEL:02-2304-1717 FAX:02-2304-1711
     E-mail:shanghon@ms3.hinet.net
■取扱い:日本李登輝友の会

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◆頒布価格 会員=1部:1,000円 一般=1部:1,200円
       *入会希望の方は会員価格
       *送料=1部:160円 2部以上:実費(*日本国内のみ)

◆お申込:申し込みフォーム、またはお申し込み書に必要事項を記入しメール、FAXで。

      ・申込フォーム http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0082.reg
      ・E-mail:info@ritouki.jp
      ・FAX:03−3868−2101

◆申 込 先 日本李登輝友の会事務局
       〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
       TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
       E-mail:info@ritouki.jp

◆お支払い 代金後払い(郵便局・銀行) *本とともに請求書と郵便払込取扱票を同封。

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友愛グループ機関誌『友愛』第12号 お申込書

*定期購読をご希望の場合はその旨を記してください。

・注文数:   部
・振込先: 郵便局・銀行  *いずれかを○で囲んで下さい。
・お名前:
・会 籍: 会員・一般・入会希望  *いずれかを○で囲んで下さい。
・電 話:
・送付先: 〒

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3>> 三輪車  張 文芳(友愛グループ代表幹事)

 ご紹介した『友愛』第12号には読み応えのあるエッセーや詩歌もさることながら、月例
会におけるスピーチも見逃せません。

 2010年10月から2011年10月までの月例会における13人のスピーチが掲載されています
が、軽妙洒脱なものから人生の深遠を覗くようなものまで、いずれもエッセーとして発表
してもおかしくないものばかりです。何と言っても、その日本語能力の高さにびっくりし
てしまいます。

 ここに、友愛グループの代表幹事を務められている張文芳さんの「三輪車」と題したス
ピーチをご紹介します。2010年11月20日の月例会で発表されたそうです。

 なお、本誌掲載にあたり、横書きのため原文の漢数字は算用数字にしていることをお断
りします。

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三輪車

                                    張 文芳
                            (1929年生れ、友愛会員)

 私は1952年頃、屏東女子中学に勤めていた頃、高雄市に住んでおりました。わが家の経
済状況はかなり悪く、50代の父親は屏東市のある醤油メーカーの醤油を仕入れ、高雄市で
販売して生計を立てていました。醤油はビール瓶と同じ600CC入りのガラス瓶に詰めら
れ、1ダースをワラ縄でくくります。それを50ダースぐらい荷馬車で3、4日に1台、屏東か
ら高雄まで運送されます。

 私は高雄から汽車で毎日屏東まで通勤していました。ある日、市内を貨物用三輪車が貨
物を積んで走行しているのを目にし、これを購入して醤油を高雄まで運送して運賃を稼げ
ないか、と思い付いたのです。

 当時、三輪車1台3千元もの値段で、私の月給は150元程度、三輪車を購入する余裕などあ
りませんので、その購入資金を醤油会社の社長に融通してもらい、三輪車を注文し、2週間
で黒塗りの三輪車を手に入れました。

 いよいよ運送屋開業です。最初は15ダース程度の醤油を積みました。醤油1ダースの重さ
は13キロ、15ダースで196キロ程度です。勤め先の学校から屏東駅前の工場へ行き、半ズボ
ン、Tシャツに着替え、下駄を履き、三輪車を漕ぎました。市内を出たところで長い陸橋
を越えねばならないが、一人では登れないので、その都度学校の用務員に協力を頼み、私
が漕ぐ車を陸橋の上まで押してもらうのです。下りは楽です。

 やがて下淡水渓の東洋一長い鉄橋と並行している橋に差し掛かり、上り坂になります。
物凄くカがかかります。

 間もなく大寮郷の後庄村に入る急な坂道になる地点に差し掛かりました。この坂道は全
く相想定外、危険知らずで、サドルからお尻を離し、ペダルに立った形で漕いだが、途中
で登れなくなり、慌てて車から降りて、全力で車を押し進めたが、ややもすると車が逆行
しかねません。それに引きずられたら、醤油を積んだ車が引つくり返る事故になると大変
なので、死力を尽くして坂の上まで車を押して、文字通りの難関を乗り越えました。

 今後、どうするか、答は簡単です。この坂道は短いので、坂道に入る前方からスピード
を上げ、その加速度を利用しながらペダルを懸命に絶え間なく漕ぐことで難関を超えまし
た。この後、より重い荷物でも難なく超えられました。

 屏東から高雄市内の我が家までざっと27キロの道のりを4時間近くかけて着くともうヘト
ヘトです。父が積み荷を降ろす間、私は風呂で汗を流し、遅い夕食を摂り終えると倒れる
ようにベッドに転がり込んだ時は午後10時過ぎでした。

 翌朝は4時半起床、朝食をかき込み、空き瓶を20ダース積んだ三輪車を漕いで、屏東へ向
かいます。積み荷重量は118キロ、昨日の重さに比べれば空き車同然なので、スピードが上
がり、2時間足らずの7時頃屏東に着くと、出勤服装に着替え、自転車で学校へ出勤しま
す。その夜は学校の当値を務め、5元程度の当直費を稼ぐのです。そして翌日退勤後、又一
昨日の運送作業に就きます。

 慣れと云う事は凄いもので、徐々に貨物を増やし、半年後には最高30ダース、即ち393キ
ロもの積み荷をこなし、平均24ダース314キロぐらいを1日おきに運送しておりました。

 1回24ダースで運賃が24元、ひと月12回くらい運送し、月に288元程度の収入で、月給の
倍近く稼げたから副業にしては悪くありません。

 その頃、成功大学に就学していた次弟が、私の働く様子を見て、醤油工場の三輪車を借
りて夏休みの間、運送に協力してくれました。弟はその後、建築技師の資格をとり、アメ
リカに留学、建設会社に勤め、数年前リタイア、今年77歳です。

 この仕事は身体を壊すと周囲に言われ、1年余りで廃業しました。

 考えて見ると運送している時、特に坂を登る時が地獄、下り坂は天国、わが家に着いた
時は極楽、地獄と天国の繰り返しで、人間がやる仕事ではないようです。

 あのバカげた仕事を買ったのが今から57年前の25歳、若気の至りとは云え、我乍ら呆れ
ています。(2010年11月20日の月例会で発表)
                         
                             【『友愛』第12号掲載】

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4>> 廖継思著『いつも一年生』のご案内

 本書は、戦前から戦後にかけ、筆者の成長過程に伴う様々な体験を通して、その時々の
日本と台湾の世相と時代の空気を、日本語で等身大につづった一冊。特に、日本ではあま
り紹介されたことがない戦後台湾の職場風景の描写は貴重だ。

■著 者:廖継思
■書 名:『いつも一年生』
■版 元:(財)台北市台中一中交友会文教基金会
■体 裁:A5判、並製、232頁
■発 行:2010年7月17日(台湾)
■取扱い:日本李登輝友の会

【目 次】
序・許秋滄/はじめに/日本語一年生/中学一年生/特別寄稿・台中一中受験記/浪人一
年生/薬専一年生/サラリーマン一年生/薬剤師一年生/教師一年生/製薬一年生/海外
旅行一年生/パソコン一年生・あとがきにかえて

                   (校正・編集:張文芳 編集協力:平野久美子)

【廖継思氏プロフィール】
大正13(1924)年、台湾・台中市生まれ。台中一中(第23期)を卒業後、昭和17(1942)
年に千葉医科大学附属薬学専門部(現・千葉大学薬学部)に入学。卒業後、ライオン油
脂、薬剤師、高校教師、製薬会社などを経て翻訳業に従事。台湾の日本語世代で組織する
「友愛グループ」の重鎮として活躍するかたわら、平成17(2005)年、酒井杏子氏などと
台北・日本・ロサンゼルスを結ぶ「杏の会」を設立し会長を務める。翻訳家。台北市在
住。翻訳書に『CDA?』『護用薬理学』など。

◆頒 価:会員:1,000円 一般:1,200円
      *入会希望の方も会員価格です。
      *送料:1冊=160円(日本国内のみ)

◆お申込:申し込みフォーム、またはお申し込み書に必要事項を記入しメール、FAXで。

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      ・FAX:03−3868−2101

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