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【メルマガ日台共栄:第1574号】 洪坤山と台湾歌壇(『今昔秀歌百撰』より) 蔡 焜燦(台湾歌壇代表)

2012/04/01

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1>> 洪坤山と台湾歌壇(『今昔秀歌百撰』より) 蔡 焜燦(台湾歌壇代表)
2>> 未来へ(日台文化交流青少年スカラシップ2012年大賞受賞作品) 沼野井 万希子
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  *署名数:306人(4月1日)
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1>> 洪坤山と台湾歌壇(『今昔秀歌百撰』より) 蔡 焜燦(台湾歌壇代表)

 百人一首といえば『小倉百人一首』の代名詞ともなっているが、天智天皇にはじまる100
人の歌人の和歌を藤原定歌が1首ずつ選んで編んでいる。お正月のカルタ取りの定番だっ
た。

 『小倉百人一首』にならい『愛国百人一首』(昭和18年)や『平成新選百人一首』(平
成14年)なども編まれている。

 最近と言ってももう1月のことになるが、『今昔秀歌百撰』(企画:石井公一郎、監修:
桶谷秀昭、発行所:文字文化協会、発行:平成24年1月25日)が編まれて刊行された。3月3
日付で第2刷が出ている。

 『小倉百人一首』『愛国百人一首』『平成新選百人一首』と重ならないよう古代から現
代までの101首の名歌を選び、101人の方が解説を書かれ、見開き2ページに1首を年代を追
って編年で紹介している。見出しに取り上げた和歌を配し、解説が続き、最後にカッコで
執筆者名と職業役職を記している。

 解説者はそうそうたる顔触れだが、ほとんどが歌人や研究者と限らないところに『今昔
秀歌百撰』の特色があるようだ。本会の小田村四郎会長は国語問題協議会会長として明治
天皇(65番)、岡崎久彦副会長は元駐タイ大使として齊藤史(90番)、稲田朋美・衆議院
議員は橘曙覧(61番)、弁護士の高池勝彦氏は和泉式部(35番)などだ。

 もちろん歌人や研究者の方々も執筆している。不二歌道会の福永眞由美さんは額田王(5
番)、風日社同人の椿原直子さんは伴林六郎光平(62番)、日本歌壇代表で玉鉾書院院長
の森田忠明氏は平野國臣(63番)などだ。

 台湾歌壇代表をつとめる蔡焜燦(さい・こんさん)氏も、台湾歌壇同人だった洪坤山
(こう・こんざん)氏の和歌を取り上げて執筆されている。本会初代会長で作家の阿川弘
之氏が絶句してしまったと「文藝春秋」の巻頭随筆でつづっていた洪坤山氏の和歌だ。下
記にご紹介したい。

 『今昔秀歌百撰』に紹介されている和歌には見出しは付されていない。読者の便を考え
本誌で見出しを付したことをお断りする。

・書 名:『今昔秀歌百撰』(ISBN978-4-9905312-2-5C3)
・発 行:平成24年1月25日
・企 画:石井公一郎
・監 修:桶谷秀昭
・編 輯:市川浩、谷田貝常夫
・装 幀:坂崎千晴、立澤あさみ
・題 字:渡邊東龍
・体 裁:A5判、上製、218頁
・発行所:特定非営利法人 文字文化協會
      〒146-0085 東京都大田区久ヶ原3-24-6
      TEL・FAX:03-3753-1429

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洪坤山と台湾歌壇  蔡焜燦(台湾歌壇代表)

  北に対(む)き年の初めの祈りなり心の祖国に栄えあれかし   洪 坤山

 少年のやうに澄んだ瞳の洪坤山。満身病気の巣窟のやうな状態の洪坤山ではあつたが、
日本のこと、短歌のことになると瞳をキラキラ輝かせて急に活気づいてくる。晩年、人工
透析をしながらも桜前線を追つて、夫婦で日本を南から北へと旅したのも、日本をこよな
く愛すればこそで、「不思議ですよ、日本へ着くとすつかり元気になるのだから」と奥さ
んを喜ばせてゐた。

  わが波乱の人生のそのひとコマに大和村なる少年期の日

 洪坤山は、戦局厳しい昭和十八年に、働きながら学ぶといふ名目で試験を受けて十三歳
で海軍軍属として日本内地へ渡り、戦闘機の製作に従事した所謂「台湾少年工」であつた。

 少年工の日々は苦しいことばかりで、約束の卒業証書も貰へぬまま日本の敗戦で軍隊は
解散、八千四百人の台湾の青少年たちは異郷の地に置き去りにされ、自分たちで帰台の道
を画策し、日本ではなくなつた故郷の台湾へ帰つて来た。

 国籍も国語も変つた台湾で、帰国した青年たちの生活は辛酸を極めたが、彼らは後に
「台湾高座会」を組織して台日の民間交流では最大の団体となつてゐる。

 日本時代に台湾に生まれた私たちは生まれながらの日本人であり、教育を受け、日本精
神を教へられてそれを誇りにしてきた。私自身も岐阜陸軍航空整備学校奈良教育隊に入学
した身であり、読書も思索も日本語であり、寝言までもが日本語であつた。日本語、日本
の心の美しさに魅せられて和歌を楽しむ人たちもかなりゐた。

 「台湾歌壇」の前身「台北歌壇」を創設した孤蓬万里こと呉建堂氏は、次のやうな短歌
を詠まれてゐる。

  万葉の流れこの地に留めむと生命(いのち)のかぎり短歌(うた)詠みゆかむ

 この歌のとほりに、台湾歌壇の同人たちは命の限り今も短歌を詠い続けてゐる。今でも
日本を心の祖国と思ふ日本語世代は多い。

 冒頭の洪坤山の短歌は、作家阿川弘之氏が奥様に呼んで聞かせようとして「涙が溢れ出
し、声がつまつて、説明が説明にならなくなつた」と「文藝春秋」の巻頭随筆「葭の随か
ら・七十六」に書かれてをり、これがきつかけとなり洪坤山は阿川氏とご縁が結ばれたこ
とを大変喜んでゐた。

  初対面にわが手を固く抱きかかへたる阿川氏の温み今も残れる

 阿川弘之氏のご自宅を訪問した時の歌である。

 七転び八起きの波瀾の人生の最後に、洪坤山は自分が一番やりたかつたことにやつと専
念できるやうになつたのだが、その時には様々な病気が巣食ひ、顎の骨を折つて会話もま
まならぬ状態であつた。だが、彼は熱心に和歌を詠んだ。『闘病の日々』といふエッセイ
と短歌を集めた著書も上梓した。

 また、台湾の歴史を勉強してゐた。子孫に正しい台湾の歴史を残したいといふ願ひをも
つてゐたからだ。ただの歌詠みではなく、台湾を愛し、日本を愛する熱血の人であつた。
花を愛した洪坤山だつたが、彼のエッセイの中に「山茶花の様に最後の一ひらまで生きた
くもない。ひたすら桜の様に潔く散っていく事を願うのみである」と書いてあり、桜の季
節に潔く散つてしまつた。

 義兄弟の契りを結んで僅か半年の短い期間ではあつたが、私はこの弟を誇りに思ひつつ
も、なぜもつと長生きしてくれなかつたかと悔しい想ひが過ぎるのである。

  弟よ国の行く末語る時汝が眼光の炯炯たりしを

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2>> 未来へ(日台文化交流青少年スカラシップ2012年大賞受賞作品) 沼野井 万希子

 2月15日発行の本誌で、サンケイビジネスアイと産経新聞が主催する日台文化交流「青少
年スカラシップ」は今回で9回目を迎え、大賞は『台湾万葉集』を通して感じた台湾と日本
の共通する文化への思いなどをつづった作文「未来」の沼野井万希子さん(大田原市立野
崎中3年)が受賞したことをお伝えした。

 3月26日、台北駐日経済文化代表処において受賞者の表彰式が行われ、受賞者はその足で
5泊6日の台湾研修旅行に出発した。27日には台湾歌壇代表の蔡焜燦氏が例年のように食事
会に招待したという。大賞受賞者の沼野井さんの席は蔡代表の隣に設けられ、台湾歌壇の
ことなどをいろいろお聞きしたそうだ。下記に沼野井さんの作品をご紹介したい。

 それ以外の作品も胸を打つものが少なくない。入賞作品は日台文化交流青少年スカラシ
ップのホームページにPDF版で掲載されている。
 
◆日台文化交流青少年スカラシップ 入賞作品
  http://www.business-i.jp/scholarship/works.html

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未来へ

                     大田原市立野崎中学校3年 沼野井万希子

 一九九六年、私が生まれた年だ。この年、「台湾万葉集」が菊池寛賞を受賞した。

「プロ野球のテレビに見入り五分間を待たせし患者半額にする 荘啓東」

 新聞でこの短歌を目にし、とても驚いた。日本の新聞に台湾の短歌が載っているのだ。
そして、ほのぼのとしていいな、と思いながら、以前他の新聞に、宝塚歌劇団が台湾で初
公演することが決まったという記事があったのを、ぼんやりと思い出した。「(宝塚発足)
100 周年の記念すべき年を前に公演を通じて相互の文化交流がさらに深くなることを願っ
ている」と歌劇団はコメントしたそうだ。「台湾側の招請を受けて公演実施を決めた」と
いう本文が印象的だ。このように、日本と台湾は文化面で深く関わりあっていることを知
り、私は不思議な感じがした。

「日本人になり切らむとしてなり切れぬ苦しみ重ね戦ひ終えぬ 蕭翔文」

「日本語のすでに滅びし国に住み短歌詠み継げる人や幾人 孤蓬万里」

「勝利者の便宜によりて台湾人日本人になり中国人に 傳彩澄」

 これらの短歌を初めて耳にしたとき、私の胸につきささるものがあった。素直な思いが
あふれて言葉になったのか、強い気持ちを感じた。日本統治時代があったことは知ってい
たが、その思いを短歌という形で目にしたのは初めてで、なんて短歌は彼らの身近にある
ものだろうと驚嘆し、同時に彼らの苦難の大きさを垣間見た気がして、一体どんな思いで
歌を詠み続けたのか、全くわからなかった。平成に生まれた私は、その苦悩を知ることは
できない。ただ、訴えかけてくる言葉に耳を傾け、短歌に込められた強い思いを感じなが
ら、自分がどうあるべきか考えるだけだ。推測することしかできない、しかしそれでも不
十分な、そんな思いの前に、私は悔しい。

 「われわれ台湾万葉の衆は、短歌を詠んで余生への句読点としてゆくのみ」と心情を語
るのは、日本の教育を受けた台湾の歌人の一人だ。台湾の謝惠貞さんによると、彼らの多
くが高齢となり、第一線から退いて戦後生まれの若い世代にバトンタッチされつつあるそ
うだ。日本の文化である短歌が、異国の地で継承されていくのはすばらしいことだと思う
が、そこに至るまでの経緯を振り返れば、複雑な気持ちになる。また「北米万葉集」など
が創刊されたように、謝さんの言葉「今後、文化のグローバル化はますます進み、植民地
時代の言葉の越境の名残、台湾の短歌や俳句も文化資産として生き続けていくことでしょ
う」に重みを感じる。日台の文化交流といわれるが、今はもう、世界の文化交流の時代が
始まっているのかもしれない。国の粋を越え、様々な文化が流れこむ状況の中で、また新
たな文化が、固有の風土に合わせ、時代に合わせ、思いに合わせ、築かれていく。そして
再び、国の文化として現れたものが、日本と台湾の違いを代表し、文化交流によって互い
に刺激し合う。古き良き伝統文化は、いろいろな場面で受け入れられて、新たな発展を遂
げるのだろうか。文化の共有、それこそが文化交流で最も大切なことだと思った。私は、
台湾へ行き、台湾の人と直接、短歌を詠み合いたいと強く思う。

 「台湾短歌のもつ、何にもまして得がたい美質は、明るく乾いたユーモアに富んでいる
ことである。…湿った感傷におもむきがちな日本の現代短歌ときわだった対象をなし、こ
うした歌い方があることを知らせてくれたことだけでも、『台湾万葉集』が復刻された値
打ちがあるといわなくてはならない。」私の国語の教科書に作品が載る、大岡信氏が寄せ
た言葉だ。私は、自分が詠んだ短歌と台湾の友達が詠んだ短歌を比較して、実際に文化の
違いを感じたいと思う。それから学ぶこともあるだろうし、自分なりに解釈することがで
きたら、次は台湾風の短歌を詠むことに挑戦したい。今、ここにいる台湾の人と、同じ思
いを感じることができたらと思うと、跳び上がりたいくらいうれしくなる。

 ふと、新聞の中で、ある言葉が目についた。

「命を燃やす夢」

 冒険家の三浦雄一郎氏のインタビューの記事の中に見つけた。すてきな響きの言葉だと
思う。私にとってそれは何だろうと考えたとき、思いつくのは「書く」ことだ。書きたい
ことが突き上げてくる喜び、自分の情熱が感動したときに沸き上がる、あの感覚。そして
それを書きたいと強く思うのに、力不足でまだ書ききることができない。

 難しい歴史を抱えながら、それでも根付いて広がろうとする文化に私は夢を見る。過去
の時間は動かなくても、目の前に広がる時間は私たちでつくりだせる。その中で私は生
き、新しい文化をつくる一人になりたい。

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  • 名無しさん2012/04/02

    台湾在住の日本人です。非常に質の良いメルマガです。