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【メルマガ日台共栄:第894号】 台湾経済の最大の課題は内需拡大だ(1)[民進党主席 蔡 英文]

2008/11/01


>>>>> http://www.ritouki.jp/ ━━━━━━━━━━【平成20年(2008年) 11月1 日】

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1>> 台湾経済の最大の課題は内需拡大だ(1)[民進党主席 蔡 英文]
2>> 正論を吐いた空幕長 [ジャーナリスト 花岡 信昭]
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1>> 台湾経済の最大の課題は内需拡大だ(1)[民進党主席 蔡 英文]

 10月27日発売の「週刊東洋経済」(東洋経済新報社発行)が台湾の蔡英文・民進党主
席への単独インタビューを、「台湾経済の最大の問題は内儒不足。消費喚起策を」と題
して掲載している。日本のメディアが民進党主席としての蔡英文氏へのインタビューを
掲載したのは、恐らくこれが初めてではないだろうか。混迷の度を深める台湾の経済問
題から対日関係まで幅広く、かなり具体的に答えている。

 実はインターネットでもこのインタビューは掲載されていて、活字版は2ページだが、
それよりもかなり長い。同じ内容だが、刈り込まない分だけわかりやすい。そこで、こ
こではインターネット版から紹介したい。

 もちろん、本誌で紹介したからといって、蔡英文氏の主張に賛同している訳ではない
ことをご了承願いたい。本誌では先に、馬英九政権の行き詰まり状況に対して「ようや
く民間の勢力が動き出した。それが10月25日行われた民進党の反政権集会の参加者60万
人という数字によく表れている」と述べたように、李登輝元総統も同党主催の反政権デ
モへの参加を呼びかけ、民間が馬英九政権に対して明確に「ノー」と言いだし、ようや
く民進党や民間が動き出した状況をよりよく理解するためにご紹介する次第だ。

 だから、先に「世界」11月号(岩波書店、10月8日発売)が馬英九総統への単独イン
タビュー「対中関係−争議を棚上げし、現実を直視する」を掲載したが、それと読み併
せてみるのも面白いだろう。

 この「週刊東洋経済」には、李登輝元総統が一昨年の12月3日発売の12月8日号から「長
老の智慧」と題したエッセイを5回にわたって寄稿したことがある。本誌でも全編を紹
介したが、本会ホームページでも掲載している。
・その1 台湾の基礎を築いた後藤新平 独自の精神性にこそ惹かれる
・その2 現実と仮想との混乱を憂う 最も重要なのは信仰心
・その3 アジアでは米中の覇権争い 日本は自信を持って行動を 
・その4 有能な人間を特別部局に 試験だけに強い人材は無用
・その5 台湾はすでに一つの独立国 「新台湾人」が育ってほしい

 なお、インターネット版には小見出しが付していないので、編集部で付したことをお
断りする。また、長文なので2回に分けてご紹介したい。         (編集部)

■蔡 英文(さい えいぶん)
1956年生まれ。台湾大学法律学科卒業、米・コーネル大学法学修士、英・ロンドン政経
学院(LSE)法学博士。帰国後は経済部国際経済組織首席法律顧問、政治大学、東呉
大学で教授。90年代後期、当時の李登輝総統の顧問となり、李登輝・前総統が1999年に
提出した両岸「二国論」(台湾と中国は特殊な国と国の関係)の起草者といわれている。
民進党政権誕生後、行政院大陸委員会主任委員(大臣)に起用され、対中国政策を担当。
2004年に民進党入党、同年の立法委員(国会議員)選挙の比例代表制全国区で当選。2006
年に行政院副院長(副総理)。本年5月18日、民進党主席に当選就任。

■週刊東洋経済
http://www.toyokeizai.net/shop/magazine/toyo/detail/BI/a7555152ec84ae6ae91c89b2cdee9ee7/
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【「週刊東洋経済」11月1日特大号(10月27日発売)第6171号】
*本誌掲載はインターネット版

台湾経済の最大の課題は内需拡大だ(1)

                             民進党主席 蔡 英文

 2008年1月の立法院(国会)選挙で大敗。さらに同年3月の総統選挙で、対抗馬の国民
党・馬英九氏に敗れ、政権の座を明け渡した台湾・民主進歩党(民進党)。1986年の結
党以来、台湾の民主化をリードしてきた民進党だが、8年間にわたる政権実績、特に経
済政策が支持されず、陳水扁前総統のスキャンダルも重なり、結党以来の満身創痍の状
態にある。

 そのいわば、結党以来の最大の危機に直面した民進党が、トップの主席に選んだのが
蔡英文氏だ。最大野党として、現政権の経済政策や中国、対日関係をどう見ているのか。
堅調だった台湾経済も世界経済の混乱を受け減速、現在の馬政権の支持率も急落してい
る。台湾にいま求められる政治・経済的課題は何か。蔡主席に単独インタビューした。

                       (聞き手:福田恵介 撮影:黄威勝)

■馬英九政権の対中政策は政治的リスクを伴う

 ――世界経済が不調になっており、台湾も経済的な問題を抱えている。まずこれにつ
いてお考えを聞きたい。

 たしかに今回の政権交代はちょうど世界の経済・金融情勢の変化という状況の下で行
われたが、すでに馬英九政権の経済問題への対応は、市民の信頼を低下させている。こ
れは、世論調査の数字にも表れているが、これほど短期間で支持率を大きく下げた大統
領も少ないだろう。

 彼の台湾経済運営には、まず第1に、選挙戦期間中、世界経済の悪化が発生すること
を予測すべきだったことが問題だ。そのため、経済の青写真、経済の見通しをあまりに
も楽観的に示してきた。選挙の期間、一般の有権者の期待は非常に高かった。特に3月
22日の選挙終了から5月20日の就任までの期間、多くの人が株式市場に参入した。株に
投資を行い、さらには不動産にも投資した。しかし彼らは、この時点で国際的な経済情
勢はすでに悪化の途上にあることに注意を払わなかった。

 もちろん彼の管理能力には、以前から疑問視されていたが、とくに株に投資している
人が彼に対して非常に不満を示していることだ。短期間での大幅な下落は、台湾市場で
顕著だ。

 第2に、彼が就任以来、発表してきた経済政策のうち、一部はすでに効果がなく、ま
た矛盾している政策があるということ。さらには、財政・経済部門の閣僚たちが自らの
政策を説明するたびに、問題を起こしている。このため、このため、政府の経済問題の
処理に対する信頼は崩壊している。

 現在、台湾の経済指標はほぼすべてがマイナス。過去にもあったが、それは輸出で埋
め合わせていた。だが、いまは輸出もマイナス。台湾経済は自身を失っている。

 「対中政策」と「愛台12建設」のうち、対中政策はこの数カ月以来、当初予想されて
いたほど有効ではないことが証明された。これには中国側の協力が必要だったが、その
中国側は積極的ではない。さらに、中国側の協力を得るには、多くの政治的代償を払う
必要があると誰もが疑うようになった。

 馬英九政権の経済政策は、その効果が不透明で、さらに過度な政治的代償を払うこと
になる。そのため、対中政策は台湾経済にとって即効性のあるものではない、というこ
とだ。誰もがすでに、これに大きな期待は抱いていない。

 「愛台12建設」については、これも内需を拡大できるような即効性のあるものではな
い。この中身の多くが、総統選の際の票集めに協力してくれた者への報酬みたいなもの
である。

 現状で最も問題なのは、内需の不足だ。内需不足を輸出によって解決してきたが、現
在は輸出さえも衰退している。したがって、内需不足の状況の下で、消費を刺激するこ
とが必要だ。これが政府にとって、施政の重点であるべきだ。

 ――対中関係では、直行チャーター便の運航や中国からの観光客受け入れも始まった
が、これについてどう考えるか。

 われわれと中国との関係は、他の国と中国との関係と、経済面の本質で特別な違いは
ない。ただし、程度の違いがある。

 中国は製造地点とすることができるし、市場でもある。これについては、誰にも異論
はないだろう。しかし問題は、中国経済は北京オリンピック以降、不安定期に入ること
だ。さらに政治も不安定期に入る。もし政治・経済体制の全体が不安定期に入るとすれ
ば、われわれが過度にこの市場に近づく、あるいは過度に生産地点として依存するなら
ば、不安定要素の影響を受けることになる。したがって、一定のファイヤーウオールを
持つ必要がある。

 台湾は容易に中国に過度に引き寄せられる。それは、われわれの文化や血縁、さらに
は地理的環境が、中国とあまりに近いからだ。このため台湾の経済は、台湾の不安定要
素の影響を受けることになる。これは台湾にとって大きなリスクだ。中国との往来は、
台湾にとって一定の経済的利益があるが、しかしリスクは非常に大きなものがある。特
に台湾は彼らから非常に近いのだ。

 経済面でのリスクが大きいほかに、例えば、国家安全上のリスクもある。中国は多く
のミサイルの照準を台湾に合わせている。中国は台湾は自分たちのものと主張し、中国
の軍事力は増強を続けている。中国と他の国との関係の中に、台湾は必ず巻き込まれる。
つまり、われわれと中国との関係は、単純な経済関係ではない。多くの政治的な要素が
その中に含まれている。

 中国の台湾に対する経済政策は、多くの政治的要因の干渉を受けることが避けられな
い。つまり、われわれと中国との往来は、もう1つのコスト、つまり政治コストを払わ
なければならない。しかもその政治コストはますます高くなっている。

 さらに台湾は、国家安全コストを払わなければならない。例えば、中国の観光客が台
湾にやって来る。あるいは中国の資金が台湾に入って来る。さらには中国人が将来ここ
にやって来て就職する。われわれは、それに伴う国家安全上の問題について考慮しなけ
ればならない。このために、コストは上昇する。このため、われわれが中国と往来する
ためのコストは、経済でも社会でも、他の国よりも高くなる。

 従ってこれは、慎重に処理しなればならないことだ。しかし、過度に期待したり、過
度に楽観視したりしてはならない。

■経済運営で民進党が悪かったというのなら今の政権はもっと悪い

 ――では内需拡大で、民進党は何を主張しているのか。

 まずは税の払い戻しで、これは即効性ある方法の1つだ。また、物価上昇に対する抑
制策を行うよう主張している。だが、現政権はそれを行わず、高騰と暴落に任せている。
高騰、暴落は人民の自信に対して大きな傷害となっている。人民の消費能力を向上させ
るには、税の払い戻しのほかに、消費能力が不足している人、あるいは基本的な生活を
維持する能力が不足している人に対して生活補助を提供すべきだ。生活補助の支給方法
はたくさんある。しかしこうした生活補助は、消費に使われなければならない。もらっ
た生活補助が銀行に預金されてはならない。このため、さまざまな設計が必要だ。

 ――とはいえ、現在、民進党は与党ではない。現政権に対しどう実行を迫るのか。

 台湾の現在の経済状況に対応するには、経験のある政権が必要だ。民進党は8年間の
政権担当を経て、その財政・経済チームは比較的に成熟し、経験を持ったものとなって
いる。しかし残念なことに、最も重要な時期に政権が交代した。その結果、新しい財政
・経済官僚に交代した。

 現政権の財政・経済官僚は2000年以前に国民党が政権を担当していたころの官僚だ。
彼らは8年間、政権から遠ざかっていたため、現実からかけ離れてしまっている。依然
として前世紀の考え方だ。

 つまり単純な政策の問題ではなく、実際に政策を処理する人の経験、および民意、人
民の心理に対する理解能力の問題がある。現在の官僚でこうしたものを持っている人は
多くなく、民進党政権期の財政・経済官僚に教えを請うべきだ。

 しかし最大の問題は、人民のこの内閣に対する基本的な信頼がすでに崩れていることだ。

 ――かつて民進党は財政・経済面の人材が不足しているといわれてきたが、この8年
の政権担当で民進党にはすでに経験が蓄積されたのか。

 政権担当のチャンスがあって初めて、政策担当の経験が生まれる。だからこそ、今回
のわれわれ下野で政権運営経験を持つ人材が再び政権から離れてしまうことを最もおそ
れている。

 民進党にはシンクタンクがあり、政権担当経験のある人材を集めている。そして、党
本部と立法委員との共同で作業を進めている。そのため、どのような政策についてもい
つでも討論できる。自分たちが政権を担当した時にどのような政策を進めるか、われわ
れはシミュレーションを行っている。そうすることで、将来、政権を奪取した際にも現
実離れした政策を出すことはないはずだ。

 馬英九政権の官僚が現実からかけ離れているのは、基本的な訓練の問題と、現在の需
要に合わないことが原因だ。現在の台湾経済は、すでに台湾は台湾だけで作っていれば
良いという輸出主導型の経済ではない。現在の台湾経済は世界の一部であり、世界経済
全体の変動から影響を受ける。このため、世界経済に非常に習熟していることが必要だ。
われわれが世界経済の変化に影響を与えることはできないが、その動きを掌握し、国内
的に適切な対応を行う能力が必要だ。

 このため財政・経済官僚は、2つの条件を満たしていなければならない。1つは世界経
済の動きを理解すること。もう1つは台湾内部の構造を理解し、しかも人間の心理を掌
握すること。この2つの条件の1つでも欠けていれば、優れた経済運営はできない。

 また、台湾の政府全体を変革すること、すなわち優れた人材を政府にどう取り込んで
いくか、だ。官僚、あるいは以前に政権を担当していた時期の政務官に依存するだけで
なく、優れた人材を取り込んで直接に全局面をコントロールさせることだ。これは、台
湾の政治システムでの最大の挑戦になる。

 ――とはいえ、民進党が政権を失ったのも、その経済運営に不満があったからだが。

 しかし、人民も現政権になってから状況がさらに悪化したことを知っているはずだ。

 実際に、民進党政権時代、台湾経済は安定状態を維持していたといえる。経済成長率
は上昇していたし、物価上昇率は低水準を維持していた。失業率は3.7%から3.8%を維
持した。外貨準備も増加した。経済成長は安定成長であり、貧富の差は許容範囲内にあ
った。多くの社会福祉政策、たとえば生活手当、低所得者手当などは、いずれも民進党
時代に始まったものだ。こうした社会的セーフティネットは、民進党時代に構築された。

 民進党の政権運営は全体的に見て悪くなかったはずだ。当初は比較的に経験が浅かっ
た。しかし政権担当の後期には成熟を始めていた。確かに、われわれが政権を担当して
いた時期、国際的な経済状況は変化していた。このためこの社会は、格差が拡大の傾向
を見せていた。そのため、格差社会の中で弱者の立場に置かれた人たちは、経済は悪い
と感じるようになった。選挙では、この人たちの票が影響を与えることになる。

 しかし現在、一般の有権者も、振り返ってみて民進党時代の政権運営は安定しており、
良好だったと感じているはずだ。現在の政権の政治、経済の処理を見ると、民進党が悪
かったというのなら、今の政権はもっと悪いといえる。

■今の台湾に必要なのは研究・開発型の産業、健康・介護産業、観光産業

 ――世界的な競争、特に中国との競争の中で、台湾経済には次の競争力の核となるも
のが必要なのではないか。そうだとすれば、次の核となるのは何か。

 台湾経済の体質は変わらなければならない。台湾の過去の形態はやはり製造だ。台湾
の製造は能力が非常に高い。しかし製造業は、簡単に台湾から流出してしまう。台湾経
済が完全に製造業に依存するとすれば、十分な収入と雇用を提供できない。このため、
必ず研究・開発を中心とする産業に向かうべきで、研究・開発そのものは「インダスト
リー」だ。

 例えば、民進党が政権を担当していた時代、ずっとバイオテクノロジーの研究・開発
を強調してきた。バイオテクノロジーは、リサーチ(R)からディベロプメント(D)
までがすなわち1つのインダストリーだ。製造の段階に入って初めてインダストリーだ
というわけではない。研究・開発そのものがインダストリーだ。

 これは台湾の発展にとって非常に重要だ。なぜなら台湾には最高の科学者がいる。し
かも多くの資本がある。政府がプラットフォームを確立しさえすれば、R&Dを中心と
するインダストリーになれる。このことは、バイオテクノロジーだけでなく、多くの産
業でも可能だ。特に台湾の「開放、自由」の雰囲気は、大きな創意の可能性をもたらし
ている。

 ただし、これは高度な人材に関するものだ。社会には、基本的な仕事をする人たちが
必要で、そのために良質のサービス業を発展させる必要がある。サービス業については、
金融などといった高度なサービス業も発展させる必要があるが、大量の雇用を提供する
サービス業をも発展させる必要がある。

 こうした中で最大の産業になるのが、健康・介護産業であることは明確だ。台湾は高
齢化が進む社会で、健康・介護を産業化できれば、多くの人が参加でき仕事を得られる。
一方で、高齢者は世話を受けることができる。この産業の規模は非常に大きくなるはず
だ。台湾にはその能力がある。というのも、台湾に医療設備、医療人材は非常に多いか
らだ。

 もう1つは観光産業だ。中国からの観光客が来なければ台湾の観光産業は発展できな
いと考えている人も多いが、それは間違い。台湾の観光産業は、これまでもすでに徐々
に高品質の産業に発展してきており、だからこそ日本や韓国、香港などから富裕層が台
湾を訪れるようになった。

 観光産業がすべて中国からの客に頼るならば、これらの国からの観光客を追い出して
しまうことになる。そうなれば、高品質の産業にはなれない。私は中国からの観光客導
入に反対はしないが、必ず一定の比率で制限を設けるべきであり、台湾の観光産業の高
品質化に影響を与えてはならない。

 ――介護については、日本では雇用はあるが低収入に苦しむという現状があるが、台
湾ではどうか。

 介護には社会福祉の要素がある程度含まれる。完全に民間で行うと、経営を維持でき
る利益が得られない可能性もある。そのため、政府がある程度の資金注入が必要だ。そ
こで、問題は資金注入をサービスの提供者に対して行うのか、サービスを受ける側に対
して行うのかだ。私は、サービスを受ける側に福祉補助を行いたい。そうすれば、サー
ビスを提供する側に競争が働き、効率が高まる。多くの社会福祉事業、あるいは福祉に
近い産業で、効率が低いためにコストが高くなるということがよくある。となると、国
家が注入すべき資金も増えてしまう。

 また、台湾の賃金は金額的に見ればそれほど高くない。台湾の基本的な物価が安定し
ているためだ。PPP(購買力平価)値からみると、台湾の生活水準は低くない。しか
し台湾の物価は、日本や韓国ほど高くない。民進党政権の最大の成果は、物価を安定さ
せたことだ。物価が高くないという状況の下で、生活を一定の水準に保つことができる
のだ。この点、台湾は健康・介護産業を発展させる上で、コスト面の優勢を持つことが
できる。

 しかし、この産業の長期的に大きな競争相手となっているのが外国人労働者だという
ことは分かっている。外国人労働者の無制限な供給は、この産業に打撃を与えている。
この産業に競争力が求められるなら、外国人労働者を導入することになる。そのため、
本国人の雇用の機会が失われる。この点でバランスを確保する必要がある。

                                  (つづく)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2>> 正論を吐いた空幕長 [ジャーナリスト 花岡 信昭]

 今朝の新聞各紙のトップ記事が、田母神俊雄・航空幕僚長の更迭だ。

 本会理事でもある元谷外志雄氏が代表をつとめるアパグループが今年5月に募集した
懸賞論文で、田母神俊雄・航空幕僚長の応募作『日本は侵略国家であったのか』が最優
秀賞を受賞した。だが、論文内容が政府見解に反すると判断されたため、浜田靖一防衛
相は昨晩更迭を決めたという。

 この第1回「真の近現代史観」懸賞論文の審査員をつとめるジャーナリストの花岡信
昭氏が審査の経過を説明し、「ここまで書いて更迭されるのであれば、それでいいでは
ないか」と憤っている。同感である。田母神空幕長の武人としての、日本人としての勇
気をこそ讃えるべきである。

 花岡氏は田母神空幕長の論文(PDF)も紹介しているので、「花岡信昭メールマガ
ジン」第642号を下記にご紹介したい。

                    (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原正敬)
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正論を吐いた空幕長
【11月1日「花岡信昭メールマガジン」第642号】
http://www.melma.com/backnumber_142868/

 田母神俊雄・航空幕僚長が更迭された。適切でない論文を発表したためという。

 ウィキペデイアはさすがにすばやい。もう、こういう記述が出ている。

 2008年10月31日、アパグループ主催の第1回「真の近現代史観」懸賞論文で応募作『日
本は侵略国家であったのか』が最優秀賞を受賞。「日中戦争は侵略戦争ではない」「日
韓併合は国際条約に則って合法的に行われた」とする自説を展開すると共に現在は政府
見解において日本国憲法で禁止されている集団的自衛権を容認すべきであると、政府見
解と異なる主張を行なった。問題視され浜田靖一防衛大臣により同日付で更迭。

 この論文募集はアパグループの元谷外志雄代表が企業の社会還元活動の一環として、
総額500万円を投じて実施された。200本を超える論文の中から最優秀賞に選ばれた。

 審査委員長は渡部昇一氏。実は小生も審査委員の1人であった。

 執筆者の氏名が入っていない論文のコピーがCDで届けられて、それぞれが読み込ん
だうえで、2回、審査委員会を開いて絞り込んでいった。審査委員の合計得点で最高だ
ったのが、田母神氏の論文だ。だれが書いたものか分からないまま、内容だけで判断し
た結果である。

 論文はこれである。
 www.apa.co.jp/book_report/index.html

「日本は侵略国家であったのか」と真っ向から問いかけ、多くの事実をあげて、たんた
んと論理的に記述されていた。文句なく最優秀賞にふさわしいと判断した。

 麻生首相は「立場が立場だから適切ではない」と述べたが、おそらく、この論文を読
めば、100%賛同するはずである。

 過去の植民地支配と侵略について「深い反省」を示した村山談話と相違しているのは
確かだ。政府当局者としては、見解の不一致をつつかれることにはなる。まして、国会
は不穏な情勢だ。野党に格好の攻撃材料を与えてしまうことにもなる。

 そうした政治判断での更迭である。田母神氏は堂々とこれを受ければいい。正論を吐
いて更迭された空爆長として歴史に残ることになる。

 論文の末尾だけ紹介する。

「日本というのは古い歴史と優れた伝統を持つ素晴らしい国なのだ。私たちは日本人と
して我が国の歴史について誇りを持たなければならない」

「私たちは輝かしい日本の歴史を取り戻さなければならない。歴史を抹殺された国家は
衰退の一途をたどるのみである」

 一気に読み込んでいって、最後の文章にうなった。ここまで書いて更迭されるのであ
れば、それでいいではないか。こころある人の多くは、ひそかに拍手を送っているはず
だ。 
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  • 名無しさん2008/11/01

    台湾に頼もしい逸材が登場してきましたね。日本もしっかりしないと!