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【メルマガ日台共栄:第803号】 水利技師・鳥居信平の知られざる業績【5】 [ジャーナリスト 平野久美子]

2008/06/25



>>>>> http://www.ritouki.jp/━━━━━━━━【平成20年(2008年) 6月25日】

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<<INDEX>>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[Vol.803]
1>> 水利技師・鳥居信平の知られざる業績【5】 [ジャーナリスト 平野久美子]
2>>【良書紹介】八田晃夫著『後藤新平』(文芸社)
3>>【読者の声】サミットの重要課題は、チベット、拉致、核 [国分寺在住者]
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1>> 水利技師・鳥居信平の知られざる業績【5】 [ジャーナリスト 平野久美子]

 鳥居信平(とりい のぶへい)という、いまでも台湾の人々から尊敬されている日本
人技師をご存じだろうか。

 ジャーナリストで、特に台湾関係者には『トオサンの桜−散りゆく台湾の中の日本』
などの著者としても知られる平野久美子さんが、今年の2月1日発売の『諸君!』3月号
に、「日本・台湾=『水』の絆の物語─水利技師・鳥居信平の知られざる業績」と題し
たレポートを発表されました。

 平野さんは「八田與一だけではないよ、多くの無名の民間人が台湾のために尽くして
くれましたよ」──こう話すトオサンたちの言葉に背中を押されて農業土木技師の鳥居
信平(1883〜1946)の取材を始めた。その一端を「諸君!」に発表されたわけですが、
鳥居信平は屏東県林辺渓に独創的な地下ダムを築き、今でも屏東の人々から慕われ尊敬
されている、八田與一の先輩に当たる日本人技師だ。

 この平野さんの「諸君!」レポートを読んで感激した奇美実業創業者の許文龍氏は、
早速、鳥居信平の胸像制作に取り掛かったと仄聞しています。

 平野さんのご承諾をいただきましたので、「諸君!」3月号に掲載されたこのレポー
トを転載してご紹介します。原稿は「諸君!」で10ページ、約11,200字(400字で約28
枚)もの長文ですので、本誌では5回に分載してご紹介します。今回が最終回です。

 なお、掲載に当って、本誌が台湾関係の媒体であることから、「諸君!」発表時の
メイン・タイトルとサブ・タイトルを入れ替え、「水利技師・鳥居信平の知られざる業
績─感動秘話日本・台湾=『水』の絆の物語」としたことをお断りします。また、原文
は漢数字を使っていますが、本誌では算用数字に改めています。     (編集部)

■平野久美子(ひらの くみこ)ジャーナリスト。東京生まれ。1972年、学習院大学卒。
 出版社勤務を経て、アジアを多角的に捉えた執筆活動を続ける。99年『淡淡有情幅で
 第6回小学館ノンフィクション大賞受賞。『中国茶・風雅の裏側』(文春新書)や『ト
 オサンの桜−散りゆく台湾の中の日本』(小学館)など著書多数。
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水利技師・鳥居信平の知られざる業績【5】
 ─感動秘話日本・台湾=「水」の絆の物語

水は農民の命。いまも土地を潤す地下ダムの設計者に、台湾の人々はけっして感謝の心
を忘れない

                          ジャーナリスト 平野 久美子
■“飲水思源”のこころ

 地下にあるためその存在さえ知られず、民間企業の施設だったことから専門家も注意
を払わなかった二峰[土川]。それが、今になってがぜん注目を集めているのは、環境
悪化を食い止める工法として期待されているからにほかならない。

 前述の許文龍さんが私にこう言ったことがある。

「台湾を理解するには“水”のことを知るといい。水は農民の命、台湾の心ですから」

 だが、農民の命であるはずの「水」が危機にさらされている。ここ20年ほどの間に、
台湾では地下水を多量に使うブラックタイガーやウナギの養殖池が急増したため、地下
水が涸れて地盤沈下や土壌の塩害が広がっている。特に南台湾の沿海地方では、海水レ
ベルが地下水層より高くなっている場所もあると聞く。私たちにとって他人事で済まな
いのは、養殖エビやウナギのほとんどが日本へ輸出されているという事実だ。

 屏東県政府は、鳥居信平の工法を参考にして、洪水であふれた林辺渓の水を人工池に
溜め、地下水を増やすことで地盤沈下を防ぐ7カ年計画を始めた。また、高雄県との県
境を流れる高屏渓の支流や中部の大甲渓では、山本さんの指導によって水利局が取水堰
を造り、表流水と伏流水を取り入れる工事が始まっている。

 屏東市を去る前に、私はトオサンの子供の世代にあたる丁撤士さんと日本と台湾の互
いの歴史について話し合った。丁さんは私にこう語った。

「戦前の日本時代から学ぶことはたくさんあります。僕らは日本時代を否定する教育を
受けてきたけれど、ずっと違和感を感じていましたよ。海外留学をしたり本を読んだり
すれば、冷静な目で歴史を見るようになるものです」

 彼らは親から教わる事実と学校で教わる歴史との違いを体験しながらも、社会のリー
ダーとなった今、日本時代の遺産を台湾の未来に活かそうと努力している。週末になる
と、丁さんは愛車「ホンダ・シビック」に二峰[土川]を説明した手製のパネルを積み
込み、林辺渓へ出かける。河原や近くの公園でバーベキューをする若者グループに出会
うと声をかけ、車のトランクからパネルを取り出して説明を始める。丁さんを突き動か
しているものは、公共財の「水」を守ろうとする使命感、温暖化や渇水による砂漠化が
進む地球へのいたわり、そして何よりもトオサンたちから受け継いだ台湾を愛する心な
のだ。

 2005年、二峰[土川]をわかりやすく展示した「水資源文物展示館」が、来義郷の森
林公園内に開館した。そのオープニング・セレモニーには、信平の孫にあたる東京大学
教授の鳥居徹さん(52)が招かれた。“飲水思源”という敬虔な気持ちを持ち続ける台
湾の人々は、自分たちの恩人を忘れない。日台の水の絆はここ南台湾でも、静かに確実
に世代を超えて息づいている。                      (終)
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2>>【良書紹介】八田晃夫著『後藤新平』(文芸社)

 著者の八田晃夫(はった てるお)氏は、烏山頭ダムを造った八田與一(はった よ
いち)技師の長男だ。一昨年の5月20日、その2週間ほど前に烏山頭ダム湖畔の尊父銅像
前にて斎行された墓前際に参列して、帰国後、亡くなられた。

 本書は、八田晃夫氏が先に私家版として出版された『後藤新平略史』の新組復刻版で、
愛知県土木部長時代の部下だった磯貝正雄氏が編著者として今年の3月に出版したものだ。

 編集子は編集者時代の平成9年(1997年)11月、八田晃夫氏からこの『後藤新平略史』
を10部ほどいただき、当時、代表を務めていた台湾研究フォーラムの主要なメンバーに
配布したことがある。

 当時の第一印象は、なぜ八田さんが後藤新平なのだろう、尊父のことを書かれればい
いのにというものだった。

 八田さんは湾生である。いったい自分の育ってきた台湾の日本統治とはどういう統治
だったのか、果たして西洋列強のような植民地だったのか、ずいぶんと気になっていた
ようだ。そこで、日本の台湾経営の基礎を築いた後藤新平に目を付け、戦前出版された
後藤の女婿鶴見祐輔の編纂による後藤の伝記『後藤新平』(全4巻)を読むに及んで「彼
こそが明治、大正を通じて第一級の政治家であることを確信するに至った」という。そ
れが執筆の動機だった。

 昨年は後藤新平の生誕150年目にあたり、後藤新平関係の本がずいぶん出された。来
日した李登輝元総統が第1回後藤新平賞を受賞したことも未だ記憶に新しい(受賞記念
の講演「後藤新平と私」は日本李登輝友の会編『李登輝訪日・日本国へのメッセージ』
に収録)。

 後藤新平の名は今でこそ普通に語られるようになったが、10年ほど前はほとんど語ら
れることなく、むしろ敬遠する雰囲気が漂っていたといっていいかもしれない。手軽に
読めるものは、中公新書で出ていた北岡伸一氏の『後藤新平』(1988年)や郷仙太郎こ
と青山やすし氏の『小説 後藤新平』(1997年)くらいだった。4巻本の『後藤新平』
はすでに古本屋で見つけるしかなかった。

 八田さんはそんな時代に後藤新平に目をつけて、公に重きを置いた後藤による台湾統
治の実態などを探って伝記として一書にまとめたのが『後藤新平略史』だ。この後藤の
軌跡に尊父八田與一が連なる。八田さんはそう確信したはずだ。

 この略史に「編著者に聞く」と「人名・地名・事件などの索引および解説」を付して、
一書にまとめたのが本書『後藤新平』だ。編著者の磯貝氏の労を多とし一読をお勧めし
たい。

 なお、『李登輝訪日・日本国へのメッセージ』は下記から手軽にお申し込みできます
ので、こちらもどうぞ。                       (編集部)

■『李登輝訪日・日本国へのメッセージ』お申し込みフォーム
 http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0008.reg

■著 者 八田晃夫
■編著者 磯貝正雄
■書 名 後藤新平─夢を追い求めた科学的政治家の生涯
■体 裁 四六判、並製、296ページ
■版 元 文芸社
■定 価 1,470円(税込)
■発 行 2008年3月15日
 http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-04370-8.jsp
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3>>【読者の声】サミットの重要課題は、チベット、拉致、核 [国分寺在住者]

 もう直ぐ、洞爺湖サミットが開催される。サミットの議題として、経済問題ばかりに
関心が集中しているようであるが、中国北朝鮮のテロや軍事覇権に如何に対処するか、
国際的な協力によって取り組むことこそ、最も重大な課題でないか。

 チベットで、顕在的な弾圧が発生して、3ヶ月が過ぎ、日本でも外国でも、早くも関
心が低下しているようであるが、実際は何の解決もみていないのである。

 チベットの独立には、欧米ではなく日本こそが、第一に責任を負わなければならない。
東アジアの大国であり、仏教国でもあるからである。今般、日本でサミットが開催され
ることは、チベットに対する国際的な支援を世界に向けて訴える絶好の好機であり、ま
た、決して逃げてはならない機会なのである。今回のサミットで必ずチベット問題が取
り上げられるよう、政治家諸氏は、政府に働きかけてほしい。

 チベットに協力することは、単にチベットのためだけでなく、各種テロに悩まされる
世界全体のためである。勿論、北朝鮮の拉致、中国北朝鮮の核から、重大な被害、脅威
を受けている日本の安全にもかかわることである。

 アメリカが、北朝鮮に対するテロ支援国家指定を解除することを表明したことに、日
本朝野は重大な衝撃を受けている。確かに、拉致事件を置き去りにして、国内の政局を
優先させる、このようなアメリカ政府の方針は、大変問題である。アメリカ議会には、
このような政府の方針に批判的な議員が多いそうであり、なんとしてでもアメリカ政府
に、解除の方針を撤回させるように尽力して欲しいものである。

 然し、アメリカ政府ばかりを難詰するのも当たらない。日本側も、海上自衛隊による
給油継続問題で、混乱をきたした。恐らくこのことは、アメリカ側に、日本はテロ対策
に余り熱心でないのではないかとの不審を抱かせる結果をもたらしたのではなかろうか。
またチベット問題に関して、わが政府が余り熱心でないどころか、胡錦濤来日を受け容
れたことも、アメリカ側にあまりよくない心証を抱かせる結果になっているのではない
か。

 拉致問題解決は、勿論日本人自身の問題であり、基本的には、日本が、経済制裁強化
などの方策を探らなければならない。国際的な協力を求めるのは、それに加えてのこと
である。その場合、単に、アメリカ等に協力を要請するだけでは駄目である。日本側も
テロや人権抑圧の問題に真剣に取り組む姿勢を見せなければならない。

 当面行うべきこととして、サミットで、チベット問題、拉致問題、核の問題を取り上
げ、議長国の日本が、議論と国際社会への訴えを主導しなければならないのである。
                                  (6月23日)
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