国際情勢

メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

全て表示する >

【メルマガ日台共栄:第735号】 【対談】李登輝前総統・安藤忠雄氏─日台の未来 地球の未来(1)

2008/04/05



>>>>> http://www.ritouki.jp/━━━━━━━━【平成20年(2008年) 4月5日】

  ☆★☆★ 日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」 ☆★☆★
          新しい日台交流にあなたの力を!!
<<INDEX>>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[Vol.735]
1>>【対談】李登輝前総統・安藤忠雄氏─日台の未来 地球の未来(1)
2>> 月刊「正論」5月号が台湾少年工の軌跡を掲載
3>>【夕刊キャスター】繊細なパンダ 政治利用再考を
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1>>【対談】李登輝前総統・安藤忠雄氏─日台の未来 地球の未来(1)

 昨日の本誌で、読売新聞の李登輝前総統へのインタビューを紹介しましたが、この読
売新聞のインタビュー記事は早速台湾メディアによって大きく取り上げられています。
特に、「対日顧問役に就任か」の部分については各識者のインタビュー等も流され、台
湾国内でも大きな反響を呼び、李前総統の影響力が健在であることを示しています。

■台湾メディアの報道
 http://www.ritouki.jp/pdf/20080404central-01.pdf

 李前総統は、3月の総統選挙で投票2日前になって民進党の謝長廷氏支持を表明したも
のの、謝氏は200万票の大差で敗退。その結果から、「李登輝前総統の政治的影響力は
費えた」とする報道も見受けられました。

 しかし、本誌でもお伝えしたように、先週も、産経新聞による独占取材で馬英九氏へ
の評価や今後の日台関係についての展望を述べ(3月27日発行、第728号)、その産経新
聞記事も今回と同様に台湾メディアで大きく報じられており、李氏が日台関係について
未だ強い影響力を保持していることが台湾国内では再認識されています。

 やはり、混乱する台湾にあって「日台関係は中台関係以上に重要」「中国は、複雑な
内部の問題処理に追われ、台湾問題まで手が回らない」と、台湾にとっての重要なポイ
ントを冷静に、かつ的確に指摘する李前総統の指導者としての力量が見直されつつある
ようです。

 本会ホームページで産経新聞(3月26日付)と読売新聞(4月4日付)のインタビュー
記事を掲載しています。

■日本李登輝友の会ホームページ
 http://www.ritouki.jp/

 読売のインタビューが掲載された昨日、産経新聞が李登輝前総統と建築家の安藤忠雄
氏との対談を2ページの見開きで掲載していました。

 李前総統は安藤忠雄氏とは初対面だったそうですが、講演や論考の中で安藤氏の仕事
ぶりに言及し、また、安藤氏は台湾では最も関心の高い建築家であり、司馬遼太郎記念
館や西田幾多郎の哲学館(石川県かほく市)などの設計を通じて、間接的に李前総統の
考えをよく理解していたようです。

 世界的な政治家と建築家、住む世界は異なるにもかかわらず、その世界観や価値観が
一致しているのは不思議な感じもしましたが、対談では「場所の論理」がキーワードと
なっていて、得心するところがあります。

 4つに分けている対談ですので、4回に分けてご紹介します。      (編集部)
--------------------------------------------------------------------------
【対談】李登輝前総統・安藤忠雄氏─日台の未来 地球の未来(1)
【4月4日 産経新聞】

 総統選挙によって8年ぶりに政権が交代する台湾。この政権交代の制度を打ち立てた
前総統の李登輝氏と、日本を代表する建築家の安藤忠雄氏が台北郊外にある李氏の私邸
で対談を行った。二人は初対面だったが、作家の故司馬遼太郎氏にかかわる思い出話か
ら打ち解けた。話題は日本や台湾にとどまらず、情報化社会の進展、地球環境など人類
全体が直面する問題に及んだ。          (司会 長谷川周人台北支局長)

■ 1 偶然─歴史学び「脱古改新」

 長谷川 お二人は初対面だそうですね。
 
 李登輝氏 そうそう。けれど、先生の講演は読みましたよ。フランス建築アカデミー
大賞を受賞(1989年)した時の話は素晴らしかった。それに台湾で先生は一番人気の建
築家。実はね、うちの孫娘(李坤儀さん=26)も先生の大ファンなんだ。英国留学の後
にイタリアで設計やデザインを勉強して、台湾に戻ってからは家や家具に興味を持った。
政治屋にはならないというんだなあ(笑い)。

 安藤忠雄氏 光栄です。ぜひ今度、お孫さんと大阪方面においでください。私が設計
した司馬遼太郎記念館をご案内します。

 李氏 司馬先生の記念館、まだ見ていないんだな。昨年の訪日に続く「奥の細道」を
たどる旅もあるが、大阪と京都にはもう一度行きたい。その時に司馬先生のご自宅にお
邪魔し、記念館も見てみましょう。

 安藤氏 司馬さんの紀行文「台湾紀行」に李登輝さんのことが書いてありますね。し
かも司馬さんは、李さんがアジアの指導者として重要な役割を果たしていると評価して
いた。今日のテーマにもなりそうですが、李さんは今、これからの国際社会が、特にア
ジアがどう歩んでいくべきだとお考えですか?

 李氏 司馬さんとの出会い、懐かしいなあ。台湾に生まれ、台湾に育った台湾人は、
400年にわたって外来政権に統治されてきた。だからこそ、台湾の人には「われわれが
台湾の主でありたい」と願う気持ちが強くあります。そこにいくつかの偶然が重なり、
今の「民主台湾」がある。蒋経国(蒋介石元総統の長男)という総統がいたからこそ、
私が(台湾人初の)総統になれたのです。
 この偶然を利用して、台湾の民主化と経済発展を進め、日本との関係も再構築したい。
そう考えたときに司馬さんとの出会いがあり、おかげで私は台湾政治をひっくり返す考
えを対外的に発表できた。結局、司馬先生との出会いがあるまで、私は外に向かって新
しい台湾を訴えることができなかったのですよ。

 長谷川 偶然、ですか?

 李氏 そうだよ、偶然だ。台湾の過去を振り返れば涙が出る。だが私は歴史を学ぶが、
批判はしませんよ。見るのはいつも将来。私のいういわゆる「脱古改新」だな。副総統
時代、過去の過ちに学んで将来に向かうべきだ、そう考えていたところ、幸いにして総
統になった。ただ、なぜ蒋経国が私を選んだのか、今もよくわからないなあ。
 正直にいうと、僕は彼をよく知らない。ところが、彼は僕を気に入っていたようだ。
なぜか。僕の仕事のやり方は中国式ではなく日本式だからかな。まじめくさってなんで
もきちっとやり、彼の前では手を膝(ひざ)に置いて背筋を伸ばして座る。取り巻きの
中国人とは少し違う、と思ったのでしょう。

 安藤氏 司馬さんが台湾を訪れたことは、単に作家が取材に来たという以上の大きな
意味があったわけですね。司馬さんはアジアの将来を一生懸命に考えていました。特に
日本、中国、台湾、そして韓国がバラバラにならぬようにと。李登輝さんとは、お年だ
けでなく、考え方も近いものを感じます。

 李氏 西田幾多郎哲学のいう「場所の論理」でしょ。でもちょっと待って。その司馬
先生がね、台湾にやってきたときのことを思いだした。(東海岸の)台東などを回ると
いうので、私がガイド役を申し出たことがありました。私なら台湾の隅々まで知ってい
るからね。ところが彼は辞退した。「台湾に関する資料は貨物列車1台分はあります。
どうぞご心配なく」と。彼は本当に台湾をよく知っていましたよ。勉強しているんだな
あ。                                 (続く)
--------------------------------------------------------------------------
李登輝氏 1923年、台北県生まれ。43年、京都帝国大学農学部入学後に学徒出陣。戦後
は帰台して台湾大学に編入。68年、米コーネル大学で農業経済学の博士号を取得。中国
国民党に入党後、台北市長、副総統などを歴任、88年、蒋経国総統の死去に伴い総統に
昇格。96年、台湾初の総統直接選挙で圧勝。2000年、国民党主席辞任後、党籍を剥奪さ
れ、独自の政治活動を繰り広げている。

安藤忠雄氏 1941年、大阪生まれ。69年、安藤忠雄建築研究所を設立。79年、日本建築
学会賞、96年、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。91年にはニューヨーク近代美術館で
日本人初の個展を開催。97年、東京大学教授、2003年から名誉教授。同年、文化功労者。
代表作に「住吉の長屋」(大阪市)「六甲の集合住宅」(神戸市)「光の教会」(大阪
府茨木市)など。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2>> 月刊「正論」5月号が台湾少年工の軌跡を掲載
   岡村青「日台の絆を忘れまじ−台湾少年工の至誠純真を思う」

 4月1日発売の月刊「正論」5月号に、台湾少年工の軌跡を描いた10ページにわたるレ
ポートが掲載されている。執筆はジャーナリストの岡村青(おかむら あお)氏で「日
台の絆を忘れまじ─台湾少年工の至誠純真を思う」と題し、見出しに「“あの戦争”を
ともに戦った友邦の歴史を未来に語り継ごう」と謳っている。

 台湾少年工に関しては本誌でも何度か紹介し、阿川弘之名誉会長が台湾少年工出身の
洪坤山氏の短歌を取り上げて「文藝春秋」(平成15年8月号 巻頭エッセイ「葭の髄か
ら」)に「心の祖国」と題して発表していることや、李登輝学校日本校友会が毎年12月
に靖国神社で斎行している「台湾出身戦歿者慰霊祭」でも、その祭文には必ずご祭神と
して祀られている60名の台湾少年工も顕彰されていることを伝えている。

 また、台湾少年工出身者でつくる台湾の「台湾高座会」(李雪峰会長)と交流を続け
ている「高座日台交流の会」の佐野た香(さの たか)会長、石川公弘(いしかわ き
みひろ)事務局長は本会理事でもある。特に石川氏は本会の神奈川県支部長としても活
躍し、機関誌『日台共栄』2月号でも「台湾高座会との深く長い交流」と題し、昨年の第
20回大会に参加した模様を執筆していただいた。同会の初代会長の野口毅(のぐち たけし)氏は現在、同会名誉会長で、本会でも理事とつとめていただいた。

*心の祖国[作家 阿川 弘之]【本誌第624号(平成19年9月28日)】
*野口毅・高座日台交流の会名誉会長が『遥かなる祖国』(共著)を出版【本誌第624
 号(平成19年9月28日)】
*しめやかに第3回台湾出身戦歿者慰霊祭を斎行【本誌第658号(平成19年12月11日)
*昭和戦争中の元台湾少年工組織の代表 李雪峰さん【本誌第697号(平成20年2月5日)

 岡村氏のこのレポートは、神奈川県大和市に建立されている台湾少年工の慰霊碑や台
湾高座会が寄贈した「台湾亭」を訪問するところからはじまり、神奈川県大和市、座間
市、海老名市にまたがる当時の「高座海軍工廠」の設置経緯や、そこに台湾少年工が入
るようになった由来などを詳しくつづっている。

 また、台湾少年工出身者で日本在住の何輝州氏(80)、謝村泰寛氏(79)、呉春生氏
(79)、台湾在住の黄成鑑氏(77)の4氏を取材、来日の模様や当時の状況を伝えてい
る。そして最後に、当時、30数名いた士官の中でただ一人、少年工の宿舎に同居して少
年工と起居をともにした野口毅(83)氏を取材し、当時の様子はもちろんのこと、高座
日台交流の会の設立と台湾高座会との交流、野口氏の尽力によって実現した卒業証明書
の発行、戦歿した台湾少年工の靖国神社への合祀などについても伝えている。

 台湾少年工については、野口氏らが執筆している『台湾少年工と第二の故郷』(平成
11年、展転社)さらに詳しいが、近年、ここまで詳しく取り上げた文篇は寡聞にして知
らない。ご一読を勧めたい。

 なお、ささいなことだが、岡村氏のレポート中、事実認識に間違いが散見される。気
がついたところを以下に摘出しておきたい。

・P257:下段 高座海軍工廠の広さ「約186万坪」→「約30万坪」
・P257:下段 高座海軍工廠の「敷地内に士官用及び台湾少年工たちの宿舎」→士官
 用は南林間駅近くにあり、台湾少年工の宿舎は大和市上草柳にあり、高座海軍工廠の
 敷地内ではない。
・P258:中段 台湾少年工の人数「8,491人」→「8,419人」
・P261:中段 作家の三島由紀夫も少年工に志願して入所→三島は勤労動員として配
 属されて寮に入るが、台湾少年工には志願しておらず、少年工の寮ではない。
・P265:上段 台湾の戒厳令が1987年8月に解除→解除は1987年7月15日。
・P265:中段 平成5年に『高座日台交流の会』を設立→高座日台交流の会は『台湾少
 年工と第二の故郷』を出版した後、台湾高座会との交流の受け皿として平成12年3月に
 設立。

                    (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原正敬)

■月刊「正論」5月号
 http://www.sankei.co.jp/seiron/wnews/0804/mokji.html

■野口毅編著『台湾少年工と第二の故郷』
 http://tendensha.co.jp/asia/asia168.html
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3>>【夕刊キャスター】繊細なパンダ 政治利用再考を

【4月4日 産経新聞】

 パンダほど政治的に利用される動物はないだろう。台湾の次期総統に決まった馬英九
氏はさっそく、陳水扁政権が拒否していた中国からのパンダ贈呈を受け入れる考えを表
明した。

 中国がパンダのつがいを寄贈すると発表したのは2005年。台湾の返答を待たず、2頭
の個体まで選定した。台湾の世論は「平和の使者か、統一への懐柔工作か」と割れたが、
愛くるしさがまさり、歓迎ムードが広がった。

 だが、陳水扁政権は拒否した。絶滅危惧(きぐ)種のパンダはワシントン条約で「国
際取引」が禁止されている。受け入れることは、中国側の「国内取引だから問題ない」
という論理を認めることになるからだ。

 台湾では、各地の動物園が早くも争奪戦を繰り広げているというが、ワシントン条約
の観点からは、どのような説明がなされるのだろうか。解釈次第では、極めて政治的な
色合いを帯びることになる。

 だが、もっと気がかりなのは、台湾の飼育技術。日本には日中国交正常化を記念して
1972年に上野動物園に2頭贈られた。しかし、上野では繁殖が続かず、今は高齢の1頭
がいるだけだ。最近の動物園は「珍獣」に頼らず、動物固有の行動を見せる「行動展示」
が広まっている。繊細なパンダこそ、本来の生息地で安住させてほしい。中国はパンダ
外交を見直すときだ。                  (総合編集部・記野重公)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●日本李登輝友の会へのご入会─入会申し込みフォームをお使いください
 本会へのご入会申し込みフォームをホームページに設けています。これでお手軽にご
 入会申し込みができますのでご利用ください。

 ■入会申し込み http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0005.reg

●本誌が届かなくなった方は【解除→再登録】の手続きを
 このところ、本誌「メールマガジン日台共栄」が届かなくなったという方が続出して
 います。通常は週に3回以上発行しております。購読を解除したわけでもないのに届
 かなくなったという場合は、いったん購読を解除し、それから再登録をお願いします。

1)解除手続き http://melma.com/contents/taikai/
  「メールマガジン日台共栄」のマガジンIDは「00100557」
2)メルマ!事務局から「メールマガジン解除完了のお知らせ」が届く。
3)本会ホームページのメールマガジン欄「購読お申し込み」から申し込む。
  ホームページ:http://www.ritouki.jp/
4)メルマ!事務局から本登録を完了させる「メールマガジン登録のご確認」が届く。
5)本登録。
6)メルマ!事務局から「メールマガジン登録完了のお知らせ」が届いて完了!
--------------------------------------------------------------------------
日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会
の活動情報とともに配信するメールマガジン。
●マガジン名:メルマガ「日台共栄」
●発   行:日本李登輝友の会(小田村四郎会長)
●編集発行人:柚原正敬
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright(C) 2007 Friends of Lee Teng-Hui Association in Japan

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2003-10-06  
最終発行日:  
発行周期:週3回以上刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。