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【メルマガ日台共栄:第731号】 李登輝氏、本心を語る

2008/04/01



>>>>> http://www.ritouki.jp/━━━━━━━━【平成20年(2008年) 4月1日】

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<<INDEX>>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[Vol.731]
1>> 李登輝氏、本心を語る
2>> 李登輝前総統が3月20日の記者会見で示した総統選挙への期待と憂慮
3>> 戦い済んで夜が明けて……「昔の名前で出てきます」[宮崎 正弘]
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1>> 李登輝氏、本心を語る

 本誌でも、3月26日付の産経新聞1面トップ記事として掲載された李登輝前総統インタ
ビュー「『中台統一』加速はない」を紹介しましたが、一昨日、より詳しいインタビュ
ー内容が公開されましたのでご紹介したい。

 この中で、対日関係について「駐日代表は無理としても、(「最高顧問」といった肩
書で)フリーであれば何かできると思う」との発言は、27日、馬英九氏らが李前総統と
会談した際にも伝えられた模様で、産経新聞は「馬氏は会談内容を党内に持ち帰るが、
李氏が今後、東京駐在も視野に対日関係の最高責任者に就く可能性もある」(3月28日
付)と報道している。いずれにしても、李前総統の今後の去就がおおいに注目されると
ころだ。                              (編集部)
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李登輝氏、本心を語る
【3月30日 MSN産経ニュース「グローバルインタビュー」】

 3月22日の台湾総統選挙で圧勝し、8年ぶりの政権復帰を果たした中国国民党の馬英九
前主席(57)。独立派の人々は「中国に併呑される」と落胆するが、李登輝前総統(85)
はこれを一笑に付す。選挙結果を受けて本心を聞いた。
                              (台北 長谷川周人)

【今後の中台関係】

 日本も台湾も現実の情勢をつかんでいない。多くの人々は中国大陸が怖いの一点張り
で、台湾は飲み込まれてしまうと考えている。馬英九氏が当選したら、台湾がすぐ統一
されるのではないかと心配する。が、不勉強にもほどがある。

 なぜか? 日本がサンフランシスコ講和条約で台湾を放棄した後、台湾の帰属は不明
瞭(めいりょう)になった。ところが蒋介石(元総統)はアメリカの影響下で「台湾は
中華民国に復帰した」という。日本もすっかり台湾は中国に帰ったと思いこんだ。これ
がからくりだ。

 中共(中国共産党)はよく勉強している。口では台湾は中国のものというが、彼ら自
身がよくわかっているんだ。そう簡単に台湾が中国大陸にとられることなどありえない。

 もうひとつ、実は中共は馬氏を心の底から支持しているわけではない。米国との関係
が複雑すぎるというのがその理由の一つだ。私が多くを語る立場ではないが、彼はアメ
リカの影響を非常に強く受けている。

【国民党について】

 私は国民党主席を約12年務め、一党独裁をもって民主化を進めた。今の立法院(国会)
と同様、あの時に国民党の議席が4分の3以上なければ、実は台湾の民主化は難しかった。
国民党がすべて反民主的と考えてはいけないが、絶大な権力を得た国民党が人民の期待
を裏切るような独裁に走らぬよう、指導者がしっかりする必要がある。

【馬英九氏の評価】

 彼のいいところは正直なところだ。汚職をやったという人もいるが僕は信じない。孤
立的で独り善がりの面もあるが、近代的でもある。父親は彼を総統にしようと、厳しく
教育してきた。

 今回の総統選では、(馬氏が民家を泊まり歩き、農作業などを体験する)ロングステ
イが有利に働いた。彼は台湾人じゃないから、台湾人に「私はこういう人間です」とや
った。自分は何者かを人にわからせることは大切で、その点ではとても成功した。

 ただ、政治家としては、実務的な仕事にあまりタッチしてこなかった。それが大きな
欠点だ。台北市長時代も細かいことには携わらず、いい仕事をしていない。「中国人」
(外省系=中国大陸籍)でもあり、公に尽くすかは分からないな。仮に本人が努力した
としても、脇のグループがどう考えるかで大きく変わってくる。

 (作家の)司馬遼太郎は台湾には希望があるといったが、この8年を見たらがっかり
するだろう。しかし、どこの政党であろうと、私は台湾に希望を持たせる人ならいいと
思う。大切なことは人民が政府に信頼を置き、政府は人民に希望を与えることだ。

 彼(馬氏)が来たら私の本(近著「最高指導者の条件」)を読ませよう。「奥の細道」
もね。20年後の台湾は新総統の努力次第で大きく変わる。何をすれば台湾が飛躍できる
のか? 私も今、考えているところだ。

【対日関係】

 台湾経済の成長には日本の技術が必要だ。どう提携するか。日台関係をよくしていく
必要がある。私は国民党を除名された立場ではあるが、相手が頼みに来るなら、知恵と
経験は大いに生かしたい。

 今、日本に出るのは悪くないが、年をとりすぎた。だから駐日代表は無理としても、
(「最高顧問」といった肩書で)フリーであれば何かできると思う。

【チベット問題】

 チベット騒乱が台湾総統選で大きな力にならないのは、とどのつまり、北京政府を刺
激したくないからだ。台湾の安全が保障されない中、チベットを応援して台湾のプラス
になるか? ならないね。

【民進党について】

 8年も政権を担当しながら、民進党は何もできなかった。政治が悪いから人民はみな
いやになる。(外省系=中国大陸籍=と台湾人の)対立も激化。選挙戦を通じて台湾に
「民主内戦」を起こしてしまった。

 例えば、国連加入問題のための住民投票を総統選とかみ合わせた。あんなでたらめで
票稼ぎを考える。いったい何のためだ? 責任を追及すべきだろう。この社会では追及
されないが、日本の総理がしたら大変なことになるよ。

 民進党は複雑だ。謝長廷氏(同党総統候補)はよかったが、(陳水扁政権に対する有
権者の失望感など)重い荷物を背負わされた。台湾の独立派は口先だけの人が多すぎる。
本当は台湾をどうするかということを真面目に勉強し、努力しなければいけない。にも
かかわらず、政権が悪いことをしても批判ひとつせず、政権とぐるになって悪だくみを
する。汚職がひどすぎた。これが台湾人と思うと情けない。
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2>> 李登輝前総統が3月20日の記者会見で示した総統選挙への期待と憂慮

 台湾の李登輝前総統は総統選挙投票日の2日前(3月20日)に記者会見を開き、ようや
く民進党候補の謝長廷氏支持を発表した。

 しかし、その発言はかなり慎重で「私が見ているのはブルーとかグリーンではなく、
台湾の前途、台湾人全体の利益」とした上で、立法院を中国国民党が絶対多数を占めて
いる現状を「1匹の統制を失った野馬」と喩え、「台湾の民主が後退しかねないだけでは
なく、甚だしきにいたっては民主の崩壊と災難を引き起こし」かねないと憂慮感をあら
わにしている。

 この記者会見では民進党については言及していないが、上に紹介した産経新聞の「グ
ローバルインタビュー」の、特に「民進党について」の発言と併せて読んでみれば、李
前総統の視野の広さがよく分かる。やはり、李登輝氏は元首経験者として台湾の前途を
よくよく考え抜いている真のリーダーであることが分かるのではないだろうか。
                                  (編集部)
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李登輝前総統の記者会見
【3月20日 於:群策会】

 各メディアのみなさま、こんにちは。

 本日は台北から淡水までわざわざお越しいただき、はじめにみなさまに歓迎の意を表
したいと思います。

 もう2日も経つと、台湾は第4回目の総統直接選挙を行い、人民の手により直接新しい
総統が選ばれ、台湾を新たな段階へと邁進させていくこととなります。台湾の民主の発
展から見れば、これは喜ばしい大きな出来事であります。

 台湾の民主体制は、全台湾人により多くの困難を克服し、ともに努力して得られた結
果であり、また今日の台湾が国際社会で認められ、支持される理由を得ることができた
所以でもあります。この業績は先進民主国家と比較すると、たしかに改め、進歩させる
必要のある点も多々ありますが、喜びかつ安心に値することは1回1回の総統選挙を経て、
私たちの民主の基礎は深く強固なものを得ています。こうしたことから私たちは、民主
はすでに台湾に根付いた、と言うことができます。

 このたびの総統選挙は2組の候補だけが出馬したことで選挙民を2つに分けることをも
たらし、激しい競争を巻き起こしています。選挙民のなかにはすでに支持の対象を表明
している人ももちろん多く、様子をうかがう態度をとり続けている人も少なくありませ
ん。

 この間にも多くのメデイアの方々は、李登輝は何を考えているのか、誰を応援するの
かを知りたがり、異なる陣営の人は、私の態度および立場をメデイアを通じて、各種の
異なる解釈や推測を作り出しています。ですから鍵となるこの時、私は皆様をお呼びし、
自ら説明することを決めました。

 ある人は李登輝はブルーだと言い、またある人は李登輝はグリーンだと言います。実
際のところ、私が見ているのはブルーとかグリーンではなく、台湾の前途、台湾人全体
の利益なのです。私は以前に申し上げたことはないでしょうか。私に誰を応援するのか
聞かないでくれ。私は自分に「私は何者であるのか」と聞き、台湾の民主化を推し進め
たのはつまり、台湾人が自ら主人公となり、自らの運命の主人公となることを希望して
いたのです。だから私、李登輝はブルー陣営、あるいはグリーン陣営でないことを嬉し
く思います。そして、台湾がどのように歩むのか、その1人の総統候補者こそが台湾に
もっともふさわしい人選なのです。

 選挙が熾烈をきわめていようと、私たちは台湾民主の永遠たる価値を惜しまなくては
なりません。そのため私たちの努力の重心は、どのように台湾の民主を深化させていく
かの過程におかなければなりません。民主政治の基本精神には2つの大きな要件があり
ます。

 第1に、執政者には人民に充分な自由と幸せな生活を享受させる責任があり、あわせ
て国家が末永く発展する目標を兼ね備えていなければなりません。

 第2に、民主政治とは牽制と均衡の政治であります。現在、立法院は国民党が4分の3
の絶対多数を掌握しています。立法院では、台湾の前途および主権に関する重大な議題
に関しても、その他の政党はほとんど牽制と均衡の空間がなく、将来何か事が起こるか
もしれず、誰も知ることができなくなります。

 特に、新しく第1回の立法院が開かれて以来、この種の状況を表現すると、1匹の統制
を失った野馬がいるようであります。これにより、もしも今回の総統に当選した人が同
じ政党の候補者であれば、権力の牽制と均衡の問題はさらに厳しいものとなります。も
しも権力が適当な牽制と均衡を得ることができなければ、台湾の民主が後退しかねない
だけではなく、甚だしきにいたっては民主の崩壊と災難を引き起こし、憂慮しないわけ
にはいきません。

 私は最近、日本で『最高指導者の条件』という本を出しました。そのなかで、私たち
はどのような指導者を必要としているかを提起し、国家の命運は指導者の素質と能力に
より決定する、としました。民主の深化は大きな仕事で、必ず責任ある指導者に依拠し、
推し進めていかなければならず、これはブルー、グリーンの問題ではありません。言葉
を換えて言えば、誰の主張がもっとも台湾の利益に適しているのかということであり、
それはまた選挙民が必ず考慮しなければならない問題でもあります。

 そうでありますから私は、1人の国家指導者たる者は、固い中心となる思想を持ち、
敬虔な宗教への信仰、誠実な人としての態度、開かれた世界観、および自らの国家への
熱い愛情をあわせ持っていることと認識しています。そのなかでも自らの国家への熱い
愛情――それが台湾には最も重要となるのです。

 私たちは以上の民主政治の清新と国家指導者の条件を提起し、2人の候補者をよく見
なければなりません。ここ数ヵ月、私は2人の総統候補者を深く見た結果をここで公に
表明したいと思います。私のこの1票は謝長廷さんに投じることに決めました。最後に
選挙の結果がどうなろうと、私は台湾人民の選択を尊重します。

 各メディアのみなさま、私の報告はこれで終わります。もう一度みなさまがお越しに
なられたことに感謝いたします。ありがとうございました。

                          【翻訳:日本李登輝友の会】
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3>> 戦い済んで夜が明けて……「昔の名前で出てきます」[宮崎 正弘]
   連戦、宋楚瑜が海基会長を狙い、大陸委元主委の蘇起が国家安全会秘書長か

【4月1日「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」第2139号】

 馬英九(次期台湾総統)の当選御礼行脚が始まった。

 真っ先に訪問したのは李登輝前総統の自宅だった。

 李政権で馬は法務部長(法務大臣)を経験した。李総統は直前に謝長廷支持を打ち出
したものの「私の一票は謝さんにいれる(ほかの人が誰に入れようと自由)」と記者会
見したのだった。

 馬英九次期政権の公約は大陸との経済交流拡大だが、実務は馬が行うわけではなく、
外交は外務大臣が担うのでもなく、複雑な仕組みになっている。

 つまり外交部(外務省)は台湾といまも外交関係のある国々に携わり、対米外交は「北
米協会」が、対日外交は「亜東関係協会」がおこなう。

 となると、中国との交渉は誰がするのか?

 その要は国家安全会秘書長と海峡基金会理事長である。

 予想される馬英九の新体制の重要ポストのなかでも最も象徴的な意味を持つのはかつ
て台湾財界総理といわれた辜震甫がつとめ、中国側と交渉した「海峡基金会」である。

 馬は、この海峡基金会が中国とのあいだに取り決めた「92年合意」を守ると言ってい
る。

 ただし、本格的交渉は「中国が台湾向けミサイルを撤去してから」とも。

 このポストに意欲を見せているのが、政界を引退した筈の連戦(国民党名誉主席)と
宋楚瑜(親民党主席、元台湾省長、元国民党秘書長)である、と『自由時報』(3月27日
付け)が観測記事を流している。

 連戦は(連敗ばかりで)、まことに人気のない政治家だが、国民党の金庫を牛耳ってい
るため、馬英九としては尊重せざるを得ないだろう。

 もし連戦がポストにこだわれば、すくなくとも新政権初代の代表は彼だろう。その場
合、宋楚瑜の処遇だが、おそらくは監察院院長だろう。

▲行政院院長(首相)は知日派の江丙坤が最有力

 行政院長(首相)にはベテラン政治家で知日派の江丙坤(東大留学組)が最有力だが、
一部に劉兆玄を推す声がある。江は経済政策通でもあり、通産大臣経験者。安心感が高
いが、劉は未知数。

 また国家安全会秘書長には元大陸委員会主任委員の蘇起が最有力とされる。

 このポストは米国で言うキッシンジャーの担った重要ポストである。蘇起は、しかし
ながら容共姿勢が濃く、北京寄りのスタンスを不安視する向きが多い。

 他方、惨敗した民進党は謝長廷がいったんは党主席を辞任したが、その後、慰留され
て撤回、5月25日の党大会まで主席に留まることになった。

 次の四年間でいかにして組織を立て直すか、現在の四天王体制では金属疲労が激しく、
新主席には思い切った若返り人事が期待されている。

 ともかく台湾政局、つぎのステップへ向かって走り出した。

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