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【メルマガ日台共栄:第672号】 福田首相の台湾・住民投票への不支持表明は台湾の民意を封じ込める内政干渉

2007/12/29



>>>>> http://www.ritouki.jp/―――――――――――【平成19年(2007年) 12月29日】

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<<INDEX>>―――――――――――――――――――――――――――――[Vol.672]
1>> 福田首相の台湾・住民投票への不支持表明は台湾の民意を封じ込める内政干渉
2>> 福田首相の訪中に関する台湾外交部のコメント
3>> 福田首相が日本版NSC新設のための改正法案の廃案を決定

■日本李登輝友の会本部事務局の年末年始
 本部事務局は12月27日から1月4日までお休みします。今年もお世話になりました。良
 いお年をお迎えください。皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
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1>> 福田首相の台湾・住民投票への不支持表明は台湾の民意を封じ込める内政干渉
   姑息な中国の手法と穏当な台湾政府の対応

 昨日、中国を訪問している福田康夫首相は、温家宝・中国首相との日中首脳会談後の
共同記者会見で、台湾が来年3月の総統選と同時に台湾名での国連加盟の是非を問う住
民投票を行うことについて、「「緊張が高まることは望んでいない。一方的な現状変更
につながっていくのならば、支持できない」との方針を表明、日本政府として初めて台
湾の住民投票に対する見解を明らかにした。

 また、台湾の独立に関して、温首相が福田首相の台湾に関する発言を説明した際、通
訳が「福田首相は台湾独立に反対するとの立場を順守、厳守していくと表明した」と紹
介したところ、「福田首相が凍り付いた。温首相に気付かれないように右手の人さし指
で、目の前の記者席にいた外務省の藪中三十二外務審議官に『資料をよこして』とサイ
ン」、その後、メディアの質問に答えた福田首相は、「最後に『台湾についても、私か
ら日本の立場を申す』と切り出し、『2つの中国という立場はとっていないし、台湾の
独立も支持していない』と語り、『独立反対』という表現を『支持しない』に修正して
みせた」(産経新聞)という。

 首脳会談後、外務省の佐々江賢一郎・アジア大洋州局長は「『支持しない』と『反対』
とはニュアンスが異なる。強度に違いがあることは日本人なら理解できるだろう」と説
明している。

 福田首相が異例とも言える補足説明したことで、台湾の独立問題についてはこれまで
の日本政府の立場を踏襲したと言える。

 また、住民投票に対しては、確かに「一方的な現状変更につながっていくのならば、
支持できない」との前提を設けたことで、発言に含みを持たせた格好になった。

 しかし、これは先に紹介した産経新聞「主張」のように、日本は「反対」こそ表明し
なかったものの「台湾住民は日本も中国の要求に屈したとみなし、対日不信を強めるだ
ろう。日台関係にも悪影響を及ぼす。台湾海峡の緊張を高める結果にもつながりかねな
い」のである。

 現に温首相が、こうした日本の姿勢を「評価したい」と語ったことが、台湾を中国の
領土の一部と主張する中国にとって有利に働いたことを証している。

 それにしても、今回もまた中国政府は姑息な一面を見せた。温首相はこれまでの日本
政府や福田首相の発言内容を知っていながら「福田首相は台湾独立に反対するとの立場
を順守、厳守していくと表明した」と発言し、日本が台湾独立に「反対」を表明したと、
なし崩し的に認めさせようとしたのである。

 日本はすでに台湾に対してノービザ措置、自動車免許の相互承認、天皇誕生日レセプ
ションの開催など、さまざまな場面で、台湾を「統治の実態」として認め、明らかに中
国とは別の政策を取っている。

 ましてや日本が「台湾は中国の一部」という中国の主張を承認していないことは、日
中共同声明に署名して帰国した大平正芳外相が、自民党両院議員総会において、「台湾
の領土の帰属の問題で、中国側は中国の領土の不可分の一部と主張し、日本側はそれに
対して『理解し、尊重する』とし、承認する立場をとらなかった。つまり従来の自民党
政府の態度をそのまま書き込んだわけで、日中両国が永久に一致できない立場をここに
表した」と明言していることからも、日本の立場は明確だ。

 このような日本政府の従来の立場からすれば、台湾の法的地位にも関わる「独立」に
関して「反対」や「不支持」を表明すること自体が踏み込みすぎなのである。同様に、
住民票問題についても、「一方的な現状変更につながっていくのならば」という前提は
設けたものの、「不支持」表明は、台湾の民意を封じ込めようとする外国からの内政干
渉と謗られても致し方あるまい。

 昨日、台湾政府は福田首相の訪中についてコメントを発表し、「国民投票は、正当な
民主的手続きをもって国際社会に対し台湾の主流の民意を示すものであり、統一か独立
かを問うものではなく、海峡両岸の現状を変更するものでもない」と述べた上で、「台
湾と日本の関係は密接不可分なものであり、今後も安定した基礎の上に引き続き発展し
ていくものと認識している」と述べた(下記に全文を紹介)。

 日本との信頼関係は崩れていないという台湾政府の穏当な対応によって、出すぎた真
似をした日本は救われた感がある。

 日本はいつまでも1972年体制に縛られることなく、台湾の現状を認識した上で、日本
独自の対応をすべき時期に来ている。

                    (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原正敬)
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2>> 福田首相の訪中に関する台湾外交部のコメント

【台湾外交部 2007年12月28日】

一、日本の福田康夫首相が2007年12月27日、首相に就任以来初めて中国を訪問し、日中
 友好関係の増進および東アジアと国際社会の協力のための意見交換を行ったことは、
 アジア太平洋地区の平和と安定および世界の環境保護に対する貢献を生み出すことと
 期待するものである。われわれは、中国が今後さらに開放を行い、より民主化を進め、
 日本が地域の平和と繁栄のためにより積極的な役割を果たすよう望んでいる。

二、福田首相の談話は、日本が両岸の現状維持と平和的解決を求める一貫した立場を示
 すものであること、並びに国民投票が両岸の現状変更を引き起こすのではないかとの
 関心を示すものであった。国連加盟は台湾の国民のコンセンサスおよび願望であり、
 わが国が推進している国連加盟を問う国民投票は、正当な民主的手続きをもって国際
 社会に対し台湾の主流の民意を示すものであり、統一か独立かを問うものではなく、
 海峡両岸の現状を変更するものでもない。わが国が日本および国際社会に呼びかけた
 いのは、台湾の国民の知恵を信じ、台湾の国民が民主国家として持つべき権利を行使
 することを尊重すべきだということである。

三、台湾と日本の関係は密接不可分なものであり、今後も安定した基礎の上に引き続き
 発展していくものと認識している。
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3>> 福田首相が日本版NSC新設のための改正法案の廃案を決定
   遠のいた台湾有事への対応を含めた集団的自衛権行使への道

 安倍晋三首相が政権の目玉の一つとして唱道していた日本版「国家安全保障会議」
(NSC)構想を、元々その必要性を認めていなかった福田首相が葬った。

 日本版NSC新設のための安全保障会議設置法改正案を、今国会で廃案にすることを
決めた。これで、台湾有事への対応を含めた集団的自衛権行使への道は一歩遠のいた。

 その理由は、福田首相が「従来の枠組みを活用することで官邸主導の外交・安保政策
の企画立案機能を強化することは可能だと判断したため」だと言うが、従来の枠組みで
は不可能と判断していた安倍首相との考え方の違いがはっきりと分かる対応である。

 これで日本はまた「戦後レジーム」という無菌室に舞い戻った。     (編集部)
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日本版NSC見送り 首相、従来の体制活用
【12月25日 産経新聞】

 政府は24日の安全保障会議で、日本版「国家安全保障会議」(NSC)新設のための
安全保障会議設置法改正案を、今国会で廃案にすることを決めた。内閣官房にある準備
室も近く廃止する。参院で野党が過半数を握る「ねじれ国会」のもとでの成立が困難に
なっていることに加え、福田内閣としては日本版NSCがなくても従来の枠組みを活用
することで官邸主導の外交・安保政策の企画立案機能を強化することは可能だと判断し
たためだ。

 福田康夫首相は同日の安保会議で、関係閣僚に対し「目下の政治状況にかんがみ、法
案が成立する見込みは極めて乏しい。官房長官、防衛相、外相で、従来にも増して一層
緊密に協議する形で、国家安全保障会議で求められていた機能を事実上果たしていくよ
うにすべきだ」と指示した。

 日本版NSCは、安倍晋三前首相が官邸主導による機動的な外交・安保』戦略立案や、首
相官邸の情報集約・評価機能の強化を目指すために、創設を提唱した。小池百合子元環
境相を担当の首相補佐官に任命し、有識者による「国家安全保障に関する官邸機能強化
会議」(座長・石原信雄元官房副長官)を設置、同会議の最終報告を受け、今年4月には関
連法案を通常国会に提出した。

 しかし、7月の参院選で自民党が大敗して、参院で野党が過半数を握ったことから、法
案成立は厳しい状況となっていた。

 福田首相は日本版NSCが必ずしも必要ではないとの立場だ。首相は同日、首相官邸
で記者団に対し、「個人的な意見」と断りつつも、「NSCのような機能は官邸にある。
危機管理監が危機管理をやっているし、有事法制の中で事態対処(専門)委員会などが
ある。そういう機能をさらに強化する考えもある」と説明した。

 これに対し、町村信孝官房長官は同日の記者会見で、福田内閣が“安倍カラー”の払
拭を図っているとの評価を避けるためか、廃案することについては「安倍氏を含め、関
係者の了解を得ている」と強調した。その上で「官邸機能の強化は、引き続き必要だ。
法律がなくとも、やれることはしっかりやる」と訴えた。
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国家安全会議(NSC)

 米政府が、安全保障にかかわる外交・防衛政策について企画立案し、決定する政府最
高レベルの会議として1947年に創設した。大統領が議長を務め、副大統領、国務長官、
国防長官らがメンバー。事務局長は国家安全保障問題担当の大統領補佐官、スタッフは
約200人で構成される。
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