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日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

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【メルマガ日台共栄:第667号】 日台関係強化への道(3) [台湾元行政院院長 謝 長廷]

2007/12/22



>>>>> http://www.ritouki.jp/―――――――――――【平成19年(2007年) 12月22日】

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<<INDEX>>―――――――――――――――――――――――――――――[Vol.667]
1>> 日台関係強化への道(3) [台湾元行政院院長 謝 長廷]
2>>【新刊紹介】郭瓊俐著『逆転勝利─謝長廷の生命美学』
3>>【新刊紹介】屏東県政府文化局編著『フォルモサの真珠』
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1>> 日台関係強化への道(3) [台湾元行政院院長 謝 長廷]
   台湾と日本の関係強化への道筋・進歩的な若者のカを結集

 謝長廷氏は今回の来日で日本人に何を最も訴えたかったのか──。それをよく現して
いたのは、講演草稿を準備して日本語で行った初日の京大講演だろう。それを、前々号
からご紹介している。今号が最終回である。

 因みに、この京大講演は台湾留日京都大学校友会の主催により、本会理事でもある大
田一博氏が推進役となって、12月16日、京都大学医学部創立百周年記念施設の「芝蘭会
館」で行われた。                          (編集部)
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日台関係強化への道(3)─台湾と日本の関係強化への道筋・進歩的な若者のカを結集

                          台湾元行政院院長 謝 長廷

■台湾と日本の関係強化への道筋

 私はつねづね台湾と日本がお互いの関係をいかに強めるべきかについて考えてまいり
ました。関係強化のためには、いくつかの側面からアプローチする必要があると思いま
す。

 まず一つは政治的な側面です。日本は中華人民共和国と国交を結んだ際、アメリカの
ように台湾との関係を法的に保障する「台湾関係法」を制定しませんでした。そのため、
日本と台湾の政府上層部が交流しようとすると、必ず中国の抗議や干渉を招いてしまい、
したがって日本と台湾の関係は思うように前進しないのです。私といたしましては、日
本が是非とも障害を取り除き、台湾との関係発展に取り組んでいただきたいのです。

 そこで私が日本に対してお願いしたいことは、日本が一日もはやくアメリカの「台湾
関係法」に類似した法律を制定して、台湾の総統・副総統クラスが日本にもある条件や
トランジットの形で訪問できるようにすることです。それによって両国の相互往来と友
好関係がますます発展することになると思います。

 二つ目のアプローチとは、NGO・NPOの活用です。台湾と日本はアジアにおいて
NGOが発達した社会どうしであり、その活動範囲や分野も広範にわたっています。そ
のなかでも私自身が最も注目してきたことは、環境保護運動です。こちら京都はまさに
京都議定書が締結された場所であります。私は日本が京都議定書に関して主導的な役割
を果たし、台湾も京都議定書に署名・参加できる道を開いていただきたく思います。

 私が総統になった暁には、台湾が世界とともに、二酸化炭素その他の温室効果ガスの
削減に積極的に取り組んでゆきたいと思います。

 また、2005年には東京地方裁判所でハンセン病元患者に対する判決がございました。
これは日本と台湾にとって意識革新、意識維新の一つの好例だと考えます。日本と台湾
両国のNGO、市民社会が協力して、ハンセン病患者の権利を勝ち取ったからです。

 私はまた台湾行政院長(首相)を務めていた間に、「ハンセン病補償特別法」を提案
しました。これらは価値観の革新であり、旧い思想を乗り越えることができた好例です。
日本と台湾両国の進歩的なカが結集した事例であったと申せましょう。

 三つ目のアプローチは情報通信・経済面での交流です。日本と台湾はこの方面で相互
協力・相互補完できる関係にあると思います。実際、台湾新幹線は日本の技術を導入し
て完成されたものであり、ほかにも経済協力関係は長い歴史を持っております。もし日
本の技術力と台湾のフレキシブルな企業経営の発想が結合した場合には、さらに経済関
係の飛躍が望めることでしょう。また、相互に相手先のための貿易特区を設けて、競争
力の相互向上を目指すことも考えてもよいでしょう。それに中国に対する投資について
みても、日本の技術力と台湾の中国文化に対する理解が結合できれば、ほかに比べるも
ののない強い競争力を誇ることになるはずです。

■進歩的な若者のカを結集

 最後になりますが、日本と台湾の若者について一言述べたいと思います。

 現在の台湾は日本統治時代の教育を受け、日本語が流暢な方がどんどん減る趨勢にあ
ります。しかし、私はそのことは台湾と日本との友好関係の発展に対して大きな障害に
ならないと考えます。と申しますのも、日本の若い世代のなかでも、台湾との貴重な歴
史的絆を重視し、積極的に台湾との交流を求めている人たちがたくさん出てきているか
らです。

 先ほど私がNGOについて申し述べましたが、NGO・NPOの交流や地球温暖化へ
の対応などに、若い世代の日本人と台湾人が積極的に関係を持つことは非常に重要であ
り、また両国政府もそうしたNGOの交流を積極的にバックアップし、交換留学の制度
を拡充してゆかなければならないと考えます。

 これに関連して、台湾の将来を担ってゆくものとして、私は「和解と共生」という哲
学を提示しております。台湾国民の将来のために幸福と希望を与えると同時に、中国と
の関係において台湾国民の知恵を結集してゆきたいと考えます。

 私が総統になった暁には、中国との関係は平和的で互いの尊厳が保障される対話が再
開されることと確信しております。台湾と中国の関係が平和的で安定したものとなり、
そして若い世代の進歩的な力を結集して台湾と日本との関係も強化することで、日本と
台湾がアジアと世界において最も進歩的な改革勢力となることができると思います。ま
たそれこそが、私自身がかつて京都大学で学んだ自由・民主主義・改革精神の実現につ
ながることだと思います。

 御清聴ありがとうございました。
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2>>【新刊紹介】郭瓊俐著『逆転勝利─謝長廷の生命美学』

 謝長廷氏は12月16日からの来日に合わせ、日本語による書籍を携えてきた。それが12
月14日付で出版された本書『逆転勝利─謝長廷の生命美学』である。17日にアルカディ
ア市ヶ谷で行われた講演会の会場で販売され、100冊が飛ぶように売れまたたく間に完
売した。

 著者の郭瓊俐(かく・けいり)氏はかつて謝長廷氏が国会議員時代のアシスタント・
スタッフを務め、政治大学助教授を経て「聯合報」や「中国晩報」などの記者をした経
歴を持つとある。

 本書は謝長廷氏のこれまでの半生をつづった伝記である。タイトルにも明示されてい
るように、謝氏がこれまで窮地に追い込まれながらも最後に「逆転勝利」してきたこと
を、家族や夫婦あるいは弁護士時代や議員時代などの行動を通して様々に描く。

 そもそも政治家の伝記は宣伝臭が鼻につく。本書もご多分に漏れず、その臭いは消せ
ない。貧しい子供時代と優しい母の存在、発奮して台湾大学法律学部に入学し、大学で
も3年生の時のトップで司法試験に合格する逸話。また弁護士時代や高雄市長時代の功
績などを紹介して、いかに謝長廷氏が勤勉でかつユーモアセンスのある魅力的な人物か
を描く、いわゆる「よいしょ本」だ。

 総統戦で未だ中国国民党候補の馬英九にリードを許す謝長廷だが、何とか「逆境に強
い謝長廷」を印象づけたいという意図が透けて見える。

 ただ、日本語で書かれた本書を持参してきた謝氏の来日に対する意気込みが伝わって
くることは確かだ。また、日本人には謝氏の経歴はほとんど知られていないし、家族を
はじめとした人間関係などから、唱える「共生共存の哲学」の由来も分かってくる。そ
の点で、日本人が謝長廷を理解するために欠かせない一冊である。

 台湾の天下遠見出版から刊行されている。国際標準図書コード(ISBN)がついて
いないため、残念ながら日本での入手は難しい。

■郭瓊俐著『逆転勝利─謝長廷の生命美学』
 http://vivataiwan.tv/newsday.php?sid=151
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3>>【新刊紹介】屏東県政府文化局編著『フォルモサの真珠』
   12月26日まで開催の「MY PINGTUNG」屏東で暮らした9人のまなざし展で販売

 本誌でも何度か紹介しましたように、12月18日から26日まで、東京・四谷にある日本
写真会館5階「ポートレートギャラリー」にて「MY PINGTUNG─南台湾・屏東
(ピントン)で暮らした9人のまなざし展」が開かれています。

 これは今年3月から4月にわたる2ヶ月間、台湾屏東県政府文化局の招聘で、同県各地に
滞在した9人のクリエイターが、その成果を持ち寄り「各自がそれぞれの視点と生活体験
を通じ、写真や動画、文章を使って“MY  PINGTUNG”を表現した、知られざる南台湾を
多角的に紹介するこの作品展」です。

 この9人の文編や写真をまとめたオールカラー版の『フォルモサの真珠─9人の日本人
作家 屏東創作の旅』(屏東県政府文化局発行、特価:1,000円)を作品展会場で販売し
ています。

 いったい何枚のカラー写真を使っているのか、全編にわたって屏東県内の風景や食材、
パイワン族などの原住民と装飾など、まばゆいばかりの色彩豊かな写真がちりばめてあ
ります。タイトルの由来も分かるような気がします。

 また、以下の順に2ヶ月にわたった屏東での生活を綴っていて、左が日本語、右にそれ
を翻訳した中文を配しています。

山野修(写真家・編集者) 詩「風の記憶」
中村信子(台湾史研究家、筆名:竹中信子)「屏東二ヶ月」
平野久美子(ノンフィクション作家)「ピントンの天然力」
安西保(編集者)「臍曲がりの屏東日記」
有川真由美(フォトジャーナリスト)「はじめまして、屏東の熱き人々!」
虎谷知彦(写真家)「一生只遇一次」
島内英佑(写真家)「恒春からの旅」
高木君子(フリーライター、筆名:埴輪君子)「はじめまして、屏東の熱き人々!」
葭原幸造(旅行ジャーナリスト)「屏東逍遥」

 筆力のある人々がそろっているからなのでしょうが、鮮やかな色彩の写真にも惹き込
まれてついつい熟読してしまいます。

 中村信子さん執筆の冒頭に、屏東に住む本会会員の王海生さんが屏東名物のマグロ像
を前に掲載されていたり、大東亜戦争中、バシー海峡で米国の潜水艦に攻撃されて沈没
した船から流れ着いた日本人を祀る潮音寺の写真も掲載されています。この潮音寺など
はもっともっと日本で知られてよいところです。

 本書は今のところ作品展の会場でしか入手できませんが、国際標準図書コード(IS
BN)がついていますので、洋書を扱っている書店なら取り寄せることができます。

 なお、本書の最後に12枚の写真がついていて、ミシン目にそって切り取ると立派な絵
葉書として使えるようになっています。本当に手の込んだ作り方をしていて、屏東県の
力の入れようがひしひしと伝わってくる、嬉しい、ずっしりと手応えのある一冊です。

■編著者 屏東県政府文化局
■書 名 『フォルモサの真珠─9人の日本人作家 屏東創作の旅』(文化資産叢書274)
■体 裁 B5判変型、並製、240ページ、ISBN978-986-01-1247-4
■発 行 2007年10月刊
■定 価 250元(税込)
■版 元 屏東県政府
     屏東市大連路69號 TEL:08-736-0331
     日本語ホームページ http://www.pthg.gov.tw/Japan/
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MY PINGTUNG─南台湾・屏東(ピントン)で暮らした9人のまなざし展

*会 期 2007年12月18日(火)〜12月26日(水)

*時 間 10時〜18時(会期中無休)

*会 場 ポートレートギャラリー http://www.sha-bunkyo.or.jp/gallery/port.html
     東京都新宿区四谷1-7 日本写真会館5階
        phone;03-3351-3002   fax.; 03-3353-3315
      (JR・地下鉄「四ツ谷駅」四ツ谷口→外堀通りを渡り、コージーコナーを右手
      に見て三栄通りを直進100mほど行った左。徒歩3分)

*出品者(50音順)
  有川 真由美(フォトジャーナリスト)
  安西 保(編集者)
  島内 英佑(写真家)
  竹中 信子(台湾史研究家)
  虎谷 知彦(写真家)
  はにわ きみこ(フリーライター)
  平野 久美子(ノンフィクション作家)
  山野 修(写真家・編集者)
  葭原 幸造(旅行ジャーナリスト)

*主 催 ピントン会

*協 賛 屏東県政府文化局 台湾交通部観光局

 なお、「まなざし展」期間中の会場では、別に9人の作品をまとめた『フォルモサの
真珠』(屏東県政府文化局発行)を、特別価格で販売しています。

■「ピントン会」連絡事務所
 〒179-0071 東京都練馬区旭町3-6-13 島内英佑方
 phone/fax.;03-3930-2121

■この「作品展」に関するお問合せは、下記にお願いいたします。
 企画責任 / 島内英佑 090-4226-1366 e-mail;shimauchi_e_photo@ybb.ne.jp
 広報担当 / 有川真由美 070-5692-2615 e-mail;arimayu@r7.dion.ne.jp
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