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【メルマガ日台共栄:第572号】 李登輝前台湾総統来日、講演で日本に期待感 [月刊BAN 8月号]

2007/07/22



>>>>> http://www.ritouki.jp/――――――――――――【平成19年(2007年) 7月22日】

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       新しい日台交流にあなたの力を!!
<<INDEX>>―――――――――――――――――――――――――――――[Vol.572]
1>> 李登輝前台湾総統来日、講演で日本に期待感 [月刊BAN 8月号]
2>>【読者の声】台湾の地質研究者(2)岡本要八郎 [地質学研究者 長田 敏明]
3>> 米台間に軍事ホットライン開設
4>> 新刊紹介:喜安幸夫『新日中戦争−尖閣諸島を奪回せよ!!』
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1>> 李登輝前台湾総統来日、講演で日本に期待感 [月刊BAN 8月号]

 李登輝前総統の来日につきましては様々なメディアが取り上げました。昨日は、江東
区の「こうとう区報」7月号および「な〜るほど・ザ・台湾」7月号掲載のレポートをご
紹介しましたが、本日は警察官向けに発行されている月刊誌「BAN」8月号に掲載され
ましたので、ここにご紹介します。                 (編集部)
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李登輝前台湾総統来日、講演で日本に期待感
【月刊BAN 8月号】

 5月30日〜6月9日まで、台湾前総統である李登輝氏(84歳)が、曾文恵夫人とともに訪
日した。今回は、学術・文化交流と松尾芭蕉の歩いた奥の細道をたどることが目的。途
中、秋田県の国際教養大学や東京都などで、3回の講演を行った。日本での講演は初めて。
亡兄が祀られている靖国神社を参拝した6月7日、東京で行われた講演の内容をレポート
する。

 台湾前総統の李登輝氏が来日し、6月7日夜、東京都内のホテルで講演を行った。李登
輝氏は、1988〜2000年まで台湾総統。台湾の民主化を実現した。「22歳まで日本人であ
った」前総統は、終始、力強い日本語で日本を励ました。

 「2007年とその後の世界情勢」と題した講演では、07年は米国が、イラク戦争やブッ
シユ政権の弱体化という状況にある中で、この機に乗じて、ロシアと中国が大胆になり、
より侵略的な行動に出る、とした。その上で、増大する中国の影響力を多方面から分析、
東アジアにおける日本の指導力に強い期待感を示した。07年の主な東アジア情勢の分析
は、次の通り。

 「ロシアは、旧ソ連の中心的位置に立ち返ろうともくろんでいる。したがって、06年
にウクライナの天然ガスの危機が引き起こされているが、さらにこの傾向は顕著になる
だろう。そして、自ずと米国とその他の強権国家、特に中国の利益と直接衝突すること
になる。

 中国は、国内の経済問題が深刻であるため、内部問題に翻弄(ほんろう)されるだろ
う。中国の国有銀行の不良債権は莫大(ばくだい)で、国内総生産の約6割にも達して
いる可能性がある。国際メデイアには取り上げられないが、外国からの直接投資を見て
も、欧米とアジア各国からの投資が減少している状況だ。しかし、依然として多くの人
々が現在の中国の高度成長に惑わされ、経済危機を否定している。重要なことは、世界
が中国の金融危機をいつ認識するのか、中国は問題を処理する能力があるのか、だ。

 実際、中国は、日増しに深刻化する都市と農村の経済格差を縮小させることにすべて
の注意力を注いでいるが、効果的な方法が見つからず、経済問題の衝撃を緩和する政策
に転じている。この中には、中国の宇宙計画や北京五輪、日本との歴史問題など、大衆
の注意力をそらすことも含まれている。中国政府は、経済問題に手を打つために、中央
政府役人の免職によって政治力を強化するだろう。

 北朝鮮は、米国が中東問題に縛られている間に、中国との関係を顕著に改善させてき
た。このため、今年、新たな経済改革政策を打ち出す可能性がある」

 日本については、「安倍首相が、教育基本法を改正し、憲法改正を果たすべく取り組
み、日本を“普通の国家”に転換しようとしている。日本は世界第2位の経済体にふさ
わしい政治的地位と影響力を追求するのだ。また、日本は、NSC(National Security
 Council)機構の成立を発表したが、この重要性を強調し、実態的に推進することが必
要である」とした。

 これらを踏まえて、08年われわれはどうすべきかについて、次のように述べた。

 「中国は専ら東アジアの政治の主導を狙っている。米国が中東地域に縛りつけられ、
弱体化したままの状態でいれば、東アジアで、権力競争の主軸となるのは中国と日本だ。
安倍首相は、靖国神社参拝問題で、中国に白旗を上げたようにも見えるが、彼の本当の
答えはNone of your business(よけいなお世話)であり、中国の内政干渉の要求を実質
に受け入れたわけではない。こうした内政を考慮した外交手段から見ると、日本は少な
くとも短期間に中国と対等に張り合う力を持てるよう努力しなければならない。これに
より、日本は初めて08年以後の東アジア政治を主導する国となり得る」と日本への期待
感を表した。日本が強くなることが台湾の安全保障上、必要だからだ。

 質疑応答の時間には、同日、靖国神社に参拝したことにも触れた。「兄が日本人とし
て戦死した時、父は一切信じなかったため家には位牌もない。亡兄の跡があるのは靖国
神社だけ。だから靖国神社には本当に感謝している。62年ぶりに兄に会えて感激してい
る」と語った。

 「余った時間は台湾にささげて奮闘する」という84歳の李氏の決意に、会場からは拍
手が鳴り止まない講演となった。

写真:講演する李登輝前総統
写真:李登輝ご夫妻
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2>>【読者の声】台湾の地質研究者(2)岡本要八郎 [地質学研究者 長田 敏明]

 先に法政大学文学部地理学教室で非常講師をされていたという地学史研究者の長田敏
明氏から、戦前の台湾において地質調査に従事した日本人地質学者で、台湾総督府の技
師だった大江二郎についての投稿を掲載しました(7月15日発行、第567号)。

 第2弾として、台湾鉱物学の先駆者で、「北投石」の発見者である岡本要八郎について
投稿していただきましたのでご紹介します。

 なお、掲載に当りましては、元号を先に記して西暦を括弧でくくり、字句の訂正や句
読点の付け直しなど少し編集させていただいたことをお断わりします。   (編集部)
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戦前の台湾の地質学研究史−地質研究者伝(2) 岡本要八郎(1876-1960)

                           地質学研究者 長田 敏明

 岡本要八郎は、正式な鉱物学の教育を受けたわけではなく、独学で鉱物学を勉強した。
日本鉱物学の黎明期に、台湾にあって多大の貢献をした人物である。通常の業務は国語
教師であった、いわば立志伝中の人物である。

 岡本要八郎については、日本地質学会60周年記念誌(昭和28年:1953年)に岡本自身
が書いている「昔の地質学雑誌」及び台湾総督府発行「台湾鉱物調査報告」(明治44年
:1911年)・経済部中央地質調査所発行の地質24巻3号の「地質専題−発現北投石100
年」(平成17年:2005年9月発行)によって記載する。

 岡本要八郎は、愛知県に明治9年(1876年)に生まれ、旧制三重中学(現在の三重大学)
を同29年(1896年)に卒業した。三重中学卒業後、郷里の愛知県三河に帰省した。その
時、生来鉱物採集が好きで好きでたまらなかった岡本は、郷里の野山を駆けめぐってあ
らゆる鉱物を採集していた。

 岡本のことを東京帝国大学の鉱物学の教授である神保小虎から聞いた比企は、岡本の
もとを訪れた。岡本が青鳥山において採集した電気石やベルリ石について、当時、学生
であった比企忠(後の東京帝国大学の鉱物学の教授)が、岡本のもとを訪ねたのである。
比企は、岡本からこれらの鉱物に関する情報を得た。

 その後、福地信世、吉田弟彦、東条英一などの著名な鉱物学者各氏が、岡本のもとを
訪れた。明治30年(1897年)には、東京高師の鉱物学の教授であった佐藤伝蔵らが岡本
のもとをおとずれた。この時、愛知県幡豆郡各地の鉱物産地を案内した。また、岡本は
同年暮れに、佐藤を三河の段戸山に案内し、これらの採集品については、翌年、佐藤伝
蔵によって『幡豆郡鉱物誌』としてまとめられた。

 岡本は明治32年(1899年)に渡台し、台中の中学校の国語科の代用教員となった。そ
のときに地質学会の会員となるが、1899年の会員数は計128名で、外地会員は浜野弥四郎、
斉藤譲、岡本要八郎の3名のみであった。

 これ以後の30余年は台湾島の島民の国語教育が本務であったが、明治41年(1908年)
からは台湾殖産局鉱務課の仕事を兼務し、台北の博物館では鉱物部門の調査官を兼務し
た。

 この間、岡本は、基隆川のジルコンや大屯山の角閃石(後に金瓜石のエナージャイト
であることが判明した)などの鉱物を、鑑定のために神保小虎へ送ったりした。これら
の鉱物標本は神保を通じて和田維四郎へと渡った。和田の編集になる「日本鉱物誌」に
は、岡本が送付したこれらの鉱物が記載されている。

 岡本は大病をするが、「日本鉱物誌」を送られたときは歓喜したという。以後、岡本
には和田維四郎と神保小虎の著書やBeitrageが送られた。

 岡本の最大の発見とされるのが、明治38年(1905年)に台北近傍の北投温泉で発見し
た「北投石」である。当初、神保によって新鉱物と認定されたが、現在では放射性の重
晶石とされている。

 刊行間もない初期の地質学雑誌には、雑録や雑報に新発見の鉱物についての情報が掲
載されている。岡本にとっては、このうち篠本二郎、高荘吉などの短報や集録が楽しみ
であったという。地方の会員では、長野の保科百助、八木貞助、福井の市川新松なども
地質学雑誌の寄稿者であった。
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3>> 米台間に軍事ホットライン開設

【7月17日 韓国「朝鮮日報」】

 最近アメリカ・ハワイの太平洋司令部と台湾軍の衡山指揮センター間に、秘密裏に軍
事ホットラインが開通した。

 北京の外交筋と台北のマスコミが16日伝えたところによると、アメリカの太平洋司令
部と台湾の衡山指揮センターの間に、中台間の軍事衝突などを想定した24時間体制のホ
ットラインが開設された。

 このホットラインは2004年の台湾総統選挙の際、陳水扁候補に対する銃撃事件が発生
したことでその必要性が提起された。来る2009年までに戦地の映像を太平洋司令部に転
送できるシステムを構築する計画という。

                     北京=朴勝俊(パク・スンジュン)特派員
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4>> 新刊紹介:喜安幸夫『新日中戦争−尖閣諸島を奪回せよ!!』
   未来を空想した軽い読み物ではなく、予言めいたものを感じさせるリアルさ

 喜安幸夫氏の新刊『新日中戦争−尖閣諸島を奪回せよ!!』は本誌でも先に紹介したが
(6月30日発行、第555号)、「台湾週報」でも紹介されたので、転載してご紹介したい。

 喜安氏は昨春、『日本中国開戦−激震襲う台湾海峡』も刊行しており、日米台間に軍
事ホットラインが引かれる場面も登場する。今春にはマンガ版も出ている。

 台湾と中国の軍事衝突よりも、日本と中国の軍事衝突にはリアル感が漂う。架空とい
って済ませられない切迫感を感じる。日台、日米台はかくあるべしという期待が伴うか
らだ。この2書をお薦めしたい。                   (編集部)
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新刊紹介:『新日中戦争』
【7月18日 台湾週報】

 東アジア情勢はいったいどこへ向かうのか。日本近海で有事が発生したとき、日本政
府は果たして対処できるのか。そんな未来をシミュレーション小説という手段で描いた
のが本書である。とはいえ、ただ未来を空想した軽い読み物ではなく、予言めいたもの
を感じさせるリアルさがある。なぜなら、著者は本「台湾週報」の前編集長であり、本
書は2007年までに起こった現実を前提に、科学的に東アジア情勢の動向を分析し、起こ
り得る未来を描いているからだ。

 上海万博が開催される2010年、東シナ海の日中中間線付近で日中双方が開発する石油
ガス田に中国の軍艦が異常接近するなどし、日中間の緊張は徐々に高まっていた。しか
しながら、万博期間中、マスコミの報道は「大中国の発展」を称える色に塗りつぶされ
ていた。そんな中、中国は初の原子力空母・鎮遠を完成させた。そして、日本政府は野
党議員と民間団体を通じて、水面下で台湾の国防部長と連絡をとり、来日講演会をセッ
トし、非公式ながら日台防衛会談を実現させた。これに中国が強烈な反発を示すと、米
国もまた困惑の色を隠さなかった。

 2010年の上海万博を表面上成功させた中国は、急激に経済成長を遂げた一方で、深刻
な社会問題を抱え込んでいた。特に水と空気の汚染問題は深刻さを増し、川は淀み、町
ではマスクをしなければ歩けないほど悪化していた。また、急速な開発で土地を奪われ
た農民が北京や上海の周辺にスラム街を形成し、不安要素となっていた。

 黄河の枯渇が迫り、北京の水不足を解決するため、長江から黄河流域へ水を引き込む
運河を建設する「南水北調」巨大プロジェクトが2002年から進められていたが、この工
事で立ち退きに遭い、土地を奪われた農民らが暴動を起こし、これに軍隊を動員して鎮
圧する事態がたびたび発生するようになった。長江の最下流に位置する上海にとって、
貴重な長江の水を北京に持っていかれることへの不満が募っていた。北京は上海や長江
流域の高官を汚職で摘発し、人事を握ってコントロールしようとした。

 新疆ウイグル自治区で上海へ石油を運ぶパイプラインがウイグル独立派によって爆破
され、また「南水北調」プロジェクト工事現場を襲撃した暴民を鎮圧するために出動し
たある部隊の大半が長江流域出身者だったため、暴民側と合流し、軍区どうしで争う事
態となり、さらに重慶では大気と水の汚染に反発して外資・国営を問わず工場が襲撃さ
れ、中国内部はコントロール不能状態に陥った。

 中国政府は国内矛盾を外へそらすため、緊急事態を作り出し、反乱分子を利敵行為と
して捕らえる口実にしようとした。そして“脅せば脅すほど萎縮する”日本を標的に、
尖閣諸島へ偽装兵を送る。そのとき、日本、台湾、米国の対応は……。

 本書では日台防衛協力が現状より進んでいる想定で描かれているが、もしそうでなか
ったら、この「起こり得る未来」の結末も、違ったものになっているかもしれないと考
えさせられるのである。

『新日中戦争』
著者:喜安幸夫
出版社:学研・歴史群像新書
定価:900円+税
2007年7月3日 初版発行
http://www.bk1.jp/product/2800912
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創刊日:2003-10-06  
最終発行日:  
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  • 名無しさん2007/07/22

    今後も期待しています。