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日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

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【メルマガ日台共栄:第512号】 聖火リレールートを巡る衝突の原因は中国のルール違反[台北 中西 功]

2007/04/29



>>>>> http://www.ritouki.jp/――――――――――――【平成19年(2007年) 4月29日】

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<<INDEX>>―――――――――――――――――――――――――――――[Vol.512]
1>> 聖火リレールートを巡る衝突の原因は中国のルール違反[台北 中西 功]
2>> 温首相訪日で台湾問題浮き彫り[中国軍事研究家 平松茂雄]
3>> 温家宝首相の国会演説と台湾の地位[チャンネル桜キャスター 濱口和久]
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 昭和の日オフィシャルサイト http://www.429jp.info/

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 開催要綱は日本李登輝友の会のホームページに掲載 http://www.ritouki.jp/
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1>> 聖火リレールートを巡る衝突の原因は中国のルール違反[台北 中西 功]

北京オリンピック聖火リレールートを巡り台湾・中国間で衝突
原因はまたも中国のルール違反

                   青森李登輝友の会事務局長 中西 功(台北)

 3月26日、来年開催される北京オリンピックの聖火リレールートが決定しましたが、こ
のルートに対し、台湾が抗議・拒否をしています。なぜそのような事態になってしまっ
たのでしょうか。

聖火リレールート
http://torchrelay.beijing2008.cn/upload/torchrelaymap/map.pdf

 元々台湾は、聖火リレールートに台湾が含まれることがわかった時点で、ルートが「中
国〜台湾〜その他の国」、「その他の国〜台湾〜中国」、「その他の国〜台湾〜その他
の国」のいずれかでなければならないと主張していました。

 もし「中国〜台湾〜中国」のようなルートだと、世界の国々に台湾が中国の一部であ
ると誤解されるため、台湾は「台湾の国際的立場を低くする、いかなるルート選定も認
めない」と申し出たのです。

 さて、正式に発表されたルートを見てみると、「〜タイ〜マレーシア〜インドネシア
〜オーストラリア〜日本〜韓国〜北朝鮮〜ベトナム〜台湾〜香港〜マカオ〜海南島〜広
州〜」となっています。そうです、中国は台湾の申し出を受け入れ、「ベトナム〜台湾
〜香港」というルートを選定しました。それではごり押ししているのは台湾なのでしょ
うか?

 いいえ、確かに台湾側にも狡猾な中国の策略を読みきれなかった非はありますが、明
らかに中国の台湾いじめです。

台湾は、
(1)中国が「台北、香港、マカオについては、『国際路線』ではなく『境外路線』である
 ことをはっきりと認識してほしい」と、台湾を中国の一部として発表したこと。
(2)中国が意図的に終始『中華台北』を『中国台北』と呼称していること。
 の2点により、このルート選定は台湾の国際的立場を低くするものであり、絶対に容
認できないとしているのです。

 さて(1)の『境外』はどのように解釈すればいいのか、「はっきりと認識してほし
い」と言われても私には全くわからなかったので、台湾人の友人に聞いてみましたが、
それでも「ある一定の境界の外」ということ以外、やはりはっきりしません。台湾でも
外国の株式を扱っているファンドを『境外ファンド』というらしいのですが、それなら
『境外』=『国外』ですから、意味が通じません。どうやら中国は自国の主権が及ぶ範
囲を『境内』、及ばない範囲を『境外』としているようです。そこで、「台湾、香港、
マカオは(中国国内の)境外」と言われたのですから、台湾が容認できるはずがありま
せん。

 次に(2)ですが、この『中華台北』という呼称は、1989年に台湾と中国の2国間で
協議・決定した正式な中国語名称です(英語名称のChinese Taipeiは1981年に決定済)
これを中国が一方的に無視して『中国台北』と呼称するなど許されることではありませ
ん。

 このような国際ルールを無視した中国の態度は絶対に許されるものではありません。
しかも中国は、自分がこのようにオリンピックを政治に利用しているにもかかわらず、
台湾に対して「政治とスポーツは別物」などと、二重人格としか思えない発言をしてい
ます。

 また、自国台湾の地位が貶められているにもかかわらず、「聖火が来れば台北の国際
的立場があがる」と、現台北市長([赤におおざと]龍斌/カクリュウヒン)は手放しで歓
迎の意を表明しています。

 台北が『中国の台北』であることが世界中で認識されることを喜ぶ中国のスポークス
マン。

 台湾政府は中国と自国の両方を相手に、これから難しい交渉を始めることになりまし
た。しかし、台湾が1国で声高に叫んだところで、見直される可能性は低いでしょう。
例え北京オリンピックをボイコットしたとしても、1国だけのボイコットでは国際世論
に与える影響は微々たるものです。さらには、台湾が頑なに正式決定した聖火リレール
ートを拒否し続ければ、最悪IOC会員資格の剥奪といったIOCによる制裁処置もあ
るかもしれません。願わくはIOCの良識に期待したいものです。

 今後、この問題がどのように進展するかはまだわからないものの、あの中国が簡単に
引き下がることは決してありえません。来年のオリンピックはどうやらビール片手に浮
かれている場合ではなさそうです。
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■参考 『中華台北』の経緯(台湾:国家政策研究基金会HPより)
 意訳ですので、原文は下記HPでご確認ください。
 (中国語:http://www.npf.org.tw/PUBLICATION/EC/090/EC-R-090-017.htm

1952年 第15回ヘルシンキ大会開催
    中国の圧力によりIOCは台湾に大会参加を認めない旨通知する。台湾側の交
    渉により『中国』名義での参加は認められないが、『台湾』名義での参加が認
    められる。
1954年 中国がIOCに加盟
    これにより中国、台湾の両国がIOC加盟国となる。
1956年 第16回メルボルン大開開催
    台湾に中国の国旗を使用するよう中国が画策するも不調に終わる。これに怒っ
    た中国は大会をボイコット。
1958年 中国は台湾がIOC加盟国であることへの反対を重ねて表明
    中国がIOCからの脱会を宣言。IOCが中国のIOC脱会および再加盟の禁
    止を決定(その後も中国は台湾妨害活動を継続)。
1959年 第55回ミュンヘンIOC総会開催
    IOCは台湾に今後『中国オリンピック委員会』の名称使用禁止を通知(名称
    変更によりIOC加盟は継続可能)。
1960年 第58回ローマIOC総会開催
    『中華民国オリンピック委員会』としてIOC加盟資格を回復(英語名称:
    Republic of China Olympic Committee)。しかしオリンピック参加名称につい
    ては未解決のまま。しばらく『台湾』としてオリンピックに参加。
1968年 第68回メキシコIOC総会開催
    台湾の『中華民国』名でのオリンピック参加を承認される。
1971年 中国が国際連合へ加盟、台湾が脱退
1975年 中国が再度IOCへ加盟申請と台湾のIOC加盟資格剥奪を申請
    両案ともに却下。
1978年 スウェーデンIOC総会開催
    中東・アフリカ・東欧・アジア等35カ国が台湾のIOC加盟資格剥奪を提議す
    る(認められない場合、1980年モスクワ五輪へのボイコットを表明)。
1979年 第81回モンテビネオIOC理事会開催
    中国のIOC加盟資格が回復(名称:Chinese Olympic Committee,Peking)
    台湾のIOC加盟資格も継続(名称:Chinese Olympic Committee,Taipei)
    これを不服とした中国は同年、プエルトリコ、サンファン、名古屋で開催され
    たIOC理事会で、以下を提案し採用される。
    (1)中国は『中国オリンピック委員会』の名称を使用する(英語名:Chinese
     Olympic Committee)。
    (2)中国はオリンピックにおいて中華人民共和国の国旗、国家を使用する。
    (3)台湾は『中華台北オリンピック委員会』の名称を使用する(英語名:
     Chinese Taipei Olympic Committee)。
    (4)台湾がオリンピックで使用する旗、歌は別に用意しIOCの承認を受ける。
    台湾は本決定がオリンピック憲章に抵触するとして、IOCを相手に訴訟、勝訴。
1980年 IOCがオリンピック憲章を改正
    この改正により前決定が憲章違反でなくなる。
1981年 台湾が正式に前決定を受け入れ、以下のとおりとなる。
    (1)台湾は『中華台北オリンピック委員会』の名称を使用する(英語名:
    Chinese Taipei Olympic Committee)。
    (2)台湾がオリンピックで使用する旗、マークは梅花と五輪のものとする。
    (3)オリンピック入場の序列は、中国はC(China)台湾はT(Taiwan)とする。
1989年 北京でアジア青年体操選手権が開催
    『Chinese Taipei Olympic Committee』の中国語標記について、台湾と中国間
    で協議を実施し、以下のとおり定めて署名。
    「台湾のスポーツ団体・組織が中国で試合・会議・その他活動に参加する場合、
    中国が使用する台湾の呼称はすべて(プログラム・ネームプレート・広告等)
    IOC規則に基づき『中華台北』を使用する」
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2>> 温首相訪日で台湾問題浮き彫り[中国軍事研究家 平松茂雄]
   日本の「台湾独立不支持」表明の重み

温首相訪日で台湾問題浮き彫り−日本の「台湾独立不支持」表明の重み

                            中国軍事研究家 平松茂雄

【4月26日 産経新聞「正論」】

≪最大の解決困難な問題≫
 中国の温家宝首相訪日は「台湾問題」が日中間最大の重要課題であることを改めて教
えた。温首相は国会演説で、安倍首相が中国を訪問した際に提起した「戦略的互恵関係」
を構築するうえでの「共通認識」としていくつかの原則をあげた。その第1は「約束を
履行する」ことだとして、「中日共同声明」他の3つの政治文書に記載された諸原則を
厳格に守っていけば、「両国関係は順調に前進する」と表明。その中で最も重要な問題
は「台湾問題」であり、「国家の核心的利益にかかわる問題だ」と説明し、「台湾独立」
を絶対に容認しない、と強く述べた。

 これに対して、安倍首相は温首相との会談で「台湾の独立を支持しない」と表明した
と報じられている。

 「台湾問題」は日米安保条約とともに、この五十余年間の日中関係で最大の解決困難
な問題であった。中国によれば「台湾問題」の解決を妨害している最大の要素は、米国
の軍事力であり、それと裏腹の関係にある日米安保条約であるからだ。それ故建国後の
約20年間、中国の対日工作は、日本に中華民国と断交させ、中華人民共和国を承認させ
るとともに、日米安保条約の廃棄を迫るものであった。だが1972年9月の日中国交回復で、
中国は日米安保条約の廃棄を棚上げし、日本に中華民国と断交させることでひとまず満
足した。

≪核ミサイル戦力の到達点≫
 日米安保条約の廃棄を棚上げした背景には、中ソ国境に「100万人の大軍」を配備して
圧力を加えていたソ連軍に対処する上で米軍と日米安保体制を積極的に利用するとともに、
経済成長を基盤に急速に軍事力を成長させつつある日本を日米安保体制の枠の中に押さ
え込んで、日本の「軍事大国化」を非難しつつ抑制する巧妙な対日工作があった。それ
と並行して「中国の市場」に期待する日本の経済界、それと経済的利害を共にする自民
党に働きかけて、急速な経済成長を遂げ、それを土台に軍事力の迅速な成長を意図した。
とりわけわが国の政府開発援助(ODA)が中国の遅れたインフラ整備に果たした役割
は大きく、その上に中国は現在見るような経済成長を遂げた。

 他方中国は建国以来一貫して通常戦力の近代化を後回しにして、核ミサイル戦力の開
発に国家の総力を集中し、70年代から80年代にかけて最小限核抑止力を構築し、それを
土台に宇宙と海洋に進出している。有人宇宙船の打ち上げは、米国が台湾問題に軍事介
入するならば、ワシントン、ニューヨークその他の米国の主要都市を核攻撃すると威嚇
して、米国に対して中国への核攻撃を断念させるところにまで、中国の核ミサイル戦力
が到達したことを示した。今年1月に実施された人工衛星破壊実験は、米国が中国の核
ミサイル攻撃を阻止するために開発しているミサイル防衛システム(MD)を運用して
いる偵察衛星を無力化する能力を開発していることを明るみに出した。米国は中国の台
湾軍事統一を阻止するために、中国と核ミサイル兵器を撃ち合うことはないだろう。

≪「台湾」と拉致問題の関係≫
 安倍首相は「台湾問題」で執拗(しつよう)な温首相に対して、日中共同声明の立場
を「堅持する」とした上で、「台湾独立を支持しない」と表明したと先に書いた。だが
日中共同声明は「台湾は中華人民共和国の領土であるとの中華人民共和国政府の立場を
理解し尊重する」と規定していて、わが国は台湾が「中華人民共和国の領土である」こ
とを認めたのではない。いわんや「台湾の独立を支持しない」とは明記していない。

 報道によると、今回「台湾問題」を「共同プレス発表」に記載したのは、拉致問題へ
の中国の協力を記載させたことと交換であったという。拉致問題の重要性を筆者は十分
に承知しているが、「台湾問題」はわが国の安全保障にかかわる最重要な問題であり、
同列に論じる問題ではない。筆者が本欄で繰り返し論じてきたように、シーレーンの要
に位置する台湾は「日本の生命線」だから、台湾が中国に統一されると、日本は安全保
障・経済両面で中国の強い影響力を受けることになる。

 遠くない将来、台湾の軍事統一が現実化し、米海軍の空母が横須賀から出動する時、
「台湾独立を支持しない」と約束したではないかと発言するだけで、日本はパニックに
なるだろう。中国は労せずして、日米安保体制を無力化し、「台湾問題」を片付けるこ
とができる。温家宝首相は日本の大学生と野球をしたり、市民と一緒にジョギングをし
に来たのではない。(ひらまつ しげお)
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3>> 温家宝首相の国会演説と台湾の地位[チャンネル桜キャスター 濱口和久]

温家宝首相の国会演説と台湾の地位

                    日本文化チャンネル桜キャスター 濱口和久

【4月22日発行 「立ち上がれ!日本」メールマガジン71号】
「立ち上がれ!日本」 http://www.tachiagare-nippon.org

 中華人民共和国(以下・中国)の温家宝首相は4月12日の国会演説で、台湾問題に触
れ、「台湾問題は中国の核心的利益にかかわる。台湾独立は絶対に容認しない。日本側
には台湾問題の高度な敏感性を認識し、約束を厳守し、慎重に対処するよう希望する」
と述べた。

 中国は昭和29年(1954年)以降、台湾の領有権を主張し、「台湾の軍事統一を放棄し
ない」と、ことあるごとに強調しており、温首相の演説もその延長線上にあると言える。

 しかし、中国は建国以来、台湾に国家権力を行使したことはなく、主権上は、中国と
台湾とは無縁な関係であり、中国による台湾統一という主張(行動)は、法律上、根拠
がなく、台湾に対する侵略行為に等しい。

 台湾は清国の領土であった歴史はあるが、清国は漢民族とは異なる満州民族の国家で
あった。中華民国の創立者である孫文が革命で打倒の対象とした国家でもあり、清国に
とって台湾は中華文明のそれより外の地域で、野蛮人の住む化外の地だった。つまり清
国にとっては中国の外の地という認識であった。

 大東亜戦争後、連合国は蒋介石政権に台湾を占領させ、中華民国が一方的に領土に編
入した。その後、蒋介石政権は毛沢東との戦いに敗れ、中華民国は台湾に逃れて存続し
たかたちになった。つまり歴史的には、中国の領土になったことは一度たりともないの
である。

 台湾問題(地位)は日本の安全保障に密接にかかわる問題でもある。中国が台湾を軍
事統一(侵略)すれば、中国は太平洋に面した国家となり、南シナ海、バシー海峡、台
湾海峡、東シナ海という日本の海洋航路の重要な拠点をおさえることになる。日本にと
って台湾はシーレーンの生命線であり、台湾有事は日本有事という認識を持つべきであ
る。

 しかしながら、温首相の国会演説に、ほとんどヤジ一つ飛ばさず、神妙な顔つきで拍
手喝采する日本の政治家の態度からは、台湾有事に対処する(強固な意思)気概を感じ
ることは出来なかった。

*濱口和久氏は日本李登輝友の会の理事。プロフィールなどの詳細は下記ブログから。
 http://blog.livedoor.jp/kazuhisa431014/
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  • 名無しさん2007/04/30

    国会議員の不甲斐なさを感じますね、今後も活躍を期待します。