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日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

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【メルマガ日台共栄:第498号】 李登輝前総統vs井沢元彦氏「SAPIO」対談(2)

2007/04/09



>>>>> http://www.ritouki.jp/――――――――――――【平成19年(2007年) 4月 9日】

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<<INDEX>>――――――――――――――――――――――――――――――[Vol.498]
1>> 李登輝前総統vs井沢元彦氏「SAPIO」対談(2)
2>> 「呉三連台湾史料基金会」と「三田文庫」がわかるホームページ
3>>「日本語世代」の失望[産経新聞台北支局長 長谷川周人]
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1>> 李登輝前総統vs井沢元彦氏「SAPIO」対談(2)
   「台湾の選択、日本の将来」前編−台湾は民主的な独立国家。独立宣言など必要ない

 3月25日に行われた日本李登輝友の会第5回総会の記念講演において、講師の黄昭堂・台
湾独立建国聯盟主席は、この講演に先立ち、李登輝前総統に「『壱週刊』より『SAPI
O』のインタビュー記事の方が本当の李登輝発言だと伝えていいか」と確認すると「その
通り」と答えた、というエピソードを披露された。

 「SAPIO」のインタビューとは、「台湾の選択、日本の将来」と題された李登輝前
総統と作家の井沢元彦氏による対談のことで、前編が2月14日に発売され、後編が2月28日
に発売されている。

 そこで、未だに「李登輝は転向した」とか「180度、方向転換した」と誤解している向き
があり、すでに「SAPIO」誌も入手し難いので、ここに、「SAPIO」編集部の許
可の下、 この対談を本誌に掲載して参考に供したい。長文なので何回かに分載して紹介す
るが、李登輝前総統の真意をご理解いただければ幸いである。

                   メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原正敬
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李登輝(台湾前総統)vs井沢元彦(作家)特別対談「台湾の選択、日本の将来」前編
「台湾は民主的な独立国家。独立宣言など必要ない」

【2007年2月28日発行(2月14日発売)SAPIO(第19巻第5号通巻410号)】

陳水扁政権には
期待して裏切られた

李 先ほどの話の続きですが、『出エジプト記』には、エジプトの奴隷になっていたイス
ラエルの民をモーゼが引き連れて脱出するルートが書かれているので、同じ道、エジプト
から紅海を渡りシナイ半島を回ってみたいですね。

井沢 先生は昔、“台湾のモーゼ”と呼ばれていましたね。

李 それは周りの人間が言ったことで、自分で言ったことはありません。「台湾でも『出
エジプト記』をやらなければならない、奴隷の身に甘んじていてはいけない」と言っただ
けです。

井沢 モーゼは約束の地に到達する前に亡くなり、ヨシュアが継いで達成します。先生が
モーゼなら、陳水扁はヨシュアですか(笑)。

李 いやいや。神様はいろいろなことをモーゼに命じるんですが、モーゼは精神的に弱い
部分があった。だから、約束の地カナンに入る前に、神様はモーゼにシナイ山に隠居しな
さいと言う。シナイ山の頂上からはカナンの地が見える。見えるのに入ってはいけない。
非常に辛いことです。これはまあ、ある段階まで仕事が終われば、次の段階は他の人にや
らせるべきだという神様の意志なんだろうね。

井沢 でも、李登輝モーゼが「ちゃんと民主主義をやれよ」とバトンを渡したのに、汚職
だの何だのと。結局、中華民族には本当の民主主義の経験がないということが原因なんで
しょうか。

李 う〜ん。でも、台湾がまだ中国大陸に比べて進んでいるのは、市民社会という考え方
が浸透しているところでしょう。市民社会がないところに近代政治や民主主義を持ち込む
のは非常に難しい。責任を誰もとらない、法律を守らないではどうにもなりません。
 私から見ると、まだ教育が不足しているのかなと。それで李登輝学校(*3)をつくった
んです。我々自身の歴史を知る、台湾の内情も知る。白分たち自身に関する認識をまず高
めなければ、海外の民主主義のシステムをアレンジして台湾に定着させられませんから。
一歩ずつ今の若い人々を教育し直す必要がある。

*3…李登輝氏が設立した政治学校。政治思想や歴史学とともに武士道や日本精神について
も李登輝氏が講義をするという。

井沢 先生は蒋経国(*4)から政権を受け継ぎ、その後、中華民族全体で考えたら歴史的
に初めて平和裏に政権を交代したわけですね。ある意味で、民主主義とはこういうものだ
という模範を示されたと思うんですが、後を継いだ若い人間はその意志をくみ取ってくれ
なかった。陳水扁総統には非常に期待されていましたね。

*4…蒋介石の長男として78年から総統を務めた。88年に死去、当時副総統だった李登輝に
職務が継承された。

李 期待してサポートしましたが、裏切られて汚職問題ばかり起こしている。まだ経験不
足なんでしょうか。時々、私も少し早過ぎたかなと思うことがあります。

井沢 あ、やっぱりそうですか(笑)。

李 しかし、やはり若い世代に譲らないといけないのです。先日、日本の雑誌でも語った
ことですが、私が考える指導者の条件には5つあります。第一には、自分なりの信仰を持
つこと。私はクリスチャンだから、判断に迷った場合も最終的には「公義の精神」と「愛」
という2つを原則に決断をしてきました。

井沢 神を信じない人間は畏れを知らないから、権力を握るととんでもないことをする。

李 第二には、司馬遼太郎さんにもお話ししたことですが、「私は権力ではない」と考え
ること。権力というのは人民が与えたもので、人民が必要なときに借りてきて使い、物事
の処理が終わったら返すものです。司馬遼太郎さんは「ちょっと変わった権力理論だな」
と思われたようですが、私はそう考えている。権力というのは恐ろしいもので、どんどん
人が寄ってくる。相手の要求を権力でかなえてやれば、お金は入ってくるし、言いなりに
なるし、すぐに堕落します。だから、絶対にけじめをつけないといけない。
 第三には公と私の区別をつけること。個人の問題で公に迷惑をかけるようなことがあっ
てはならない。

井沢 陳水扁総統は権力と公私の区別の部分でしくじったということでしょうか。

李 そうですね。夫人とその親族の金銭スキャンダルの問題では、もう第6回目の公判に
なりますが、病気だの何だの理由をつけて出てこない。総統は刑事案件に顔を出さないと
か、司法で処理できないとか、へ理屈をこねていたずらに長引かせている。そんなことを
するなら、さっさとけじめをつけるべきだった。
 私の父親は県会議員を務めたことかあり、私が総統になると、多くの人々が父を通じて
口利きを頼んでくるようになった。そこで父に「お父さんが地元の人に世話になったこと
はよくわかっています。しかし、彼らの頼みを聞くことはできないので紹介しないでくだ
さい」とお願いした。父はそれ以来、一切友人を紹介しなくなり、そのおかげで職務をま
っとうすることができた。今でも感謝しています。

井沢 素晴らしいお父上ですね。では、指導者の第四の条件とは何でしょう。

李 人が嫌がる仕事、誰もやりたくないような仕事を喜んでやりなさいと。第五の条件は
、自分のカリスマに注意を払うな、誠心誠意、人民に相対しろということ。カリスマをも
つ指導者は楽ですよ。人民に呼びかけたらオーケーと答えてくれる(笑)。しかし、カリ
スマというのは幻想に過ぎず、人々の希望がかなえられないとわかった瞬間崩れ去るんで
す。

井沢 実態がともなわない幻想だから、消え失せるのも一瞬ということですね。でも、実
績を積み上げていくことで、先生もカリスマと思われているような気がしますが。

李 他人がどう思おうと、自分はそういう気持ちを持たない、カリスマを利用しないとい
うことです。
                                 (次号につづく)
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2>> 「呉三連台湾史料基金会」と「三田文庫」がわかるホームページ

 昨年9月から、台湾史研究家の三田裕次氏が台湾関係書籍を紹介する【三田裕次の一口コ
メント】を断続的に掲載していましたが、最近は下記に紹介する納本の方が多忙を極めて
いることもありしばらく休載しています。
 これまでの【三田裕次の一口コメント】、呉三連台湾史料基金会宛納本リスト、台湾史
もぐら叩きは下記からご覧下さい。また、3月19日付の「台湾週報」が三田氏のホームペー
ジを紹介していますので、併せて転載してご紹介します。          (編集部)

■三田裕次の一口コメント
 http://home.sailormoon.com/ymita/
■呉三連台湾史料基金会宛納本リスト
 http://taj.taiwan.ne.jp/koe/mita.htm
■台湾史もぐら叩き
 http://www.geocities.jp/twkiji/
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【3月19日 台湾週報】

 台湾史研究家として知られる三田裕次氏が運営する《三田裕次Home Page》では、三田氏
が台湾の呉三連台湾史料基金会「台湾史料センター」へ納本を続けた書籍に関する情報が
まとめられている。

 呉三連台湾史料基金会は、日本統治時代は社会運動家、新聞記者として、戦後は政治家
、実業家として台湾に功績を残した呉三連氏(1899〜1988)の遺志を伝えるため設立され
、台湾に関連する書籍を集めた「台湾史料センター」と呼ばれる図書館を運営している。

 三田氏は日本で発行された台湾に関する書籍を収集し、呉三連台湾史料基金会から依頼
を受けて納本(一部寄贈)を続け、「台湾史料センター」では1993年以降に日本で出版さ
れた台湾関連書籍がジャンルを問わずほぼ網羅されている(それ以前のものも大量にあ
る)。このため、日本語の台湾関連書籍に関して非常に強い図書館となっている。

 また、三田氏は台湾史をより理解するためには日本史や日本からの視点も重要であると
の認識から、昭和史を中心に日本語書籍の寄贈を続けており、1000冊を超える書籍が《三
田文庫》として、「台湾史料センター」内に収蔵されている。

三田裕次Home Page
http://home.sailormoon.com/ymita/bunko.html
呉三連台湾史料基金会 台湾史料センター
台北市南京東路三段215号10F
(MRT木柵線「南京東路」駅徒歩5分)
http://www.twcenter.org.tw/
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3>>「日本語世代」の失望[産経新聞台北支局長 長谷川周人]

「日本語世代」の失望
【4月6日付 産経新聞「台湾有情」】

 「傷口に塩をすり込まれた。今まさにそんな思いです」。ある会合で偶然、隣り合わせ
た台湾人男性が切り出した。彼は日本統治下の台湾で読み書きを日本語で覚えた、いわゆ
る「日本語世代」。「切って捨てられたとは思いたくないが、結局は“同床異夢”という
ことなのでしょうか」

 学生寮の所有権をめぐる光華寮訴訟で、「中国の代表権」を失った台湾が原告として行
った法手続きは、すべて無効だとの判断を下した先の最高裁判決のことである。

 判決を踏まえ、台湾当局は日本政府に向けて、「中国の温家宝首相の訪日に影響を受け
たのではないか」と非難のメッセージを送った。訪日直前に下された司法判断に、くだん
の男性が、「日本は司法も台湾を踏み台にして中国にこびを売るのか」と深読みするのも
心情的には理解できる。

 法的存在を国際的に認められない台湾の人々、中でも「日本人との心の絆(きずな)は
生きる糧」と言い切る台湾の“元日本人”たちが、「棺おけに片足を突っ込むわれわれを
切り捨てる判決だ。義理と人情は日本人の美徳ではなかったのか」と、憤懣(ふんまん)
やるかたない思いを抱くのも、無理からぬことだと思うからだ。

 日中関係の重要性は言うまでもない。法解釈も専門家に譲るとしよう。ただ、彼らが判
決に抱く失望感や挫折感もまた、厳然たる事実である。日本は、台湾の旧宗主国として、
この現実を厳粛に受け止めて、理解する責務はないのだろうか。    (長谷川周人)
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