国際情勢

メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や、他では知りえない台湾情報などを、日本李登輝友の会の活動とともに配信するメールマガジン。

全て表示する >

【メルマガ日台共栄:第492号】 中嶋嶺雄氏が安倍首相の訪中を高く評価し、台湾は日本と世界の「結節点」と指摘

2007/03/29



>>>>> http://www.ritouki.jp/――――――――――――【平成19年(2007年) 3月29日】

    ☆★☆★ 日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」 ☆★☆★
            新しい日台交流にあなたの力を!!
<<INDEX>>――――――――――――――――――――――――――――――[Vol.492]
1>> 中嶋嶺雄氏が安倍首相の訪中を高く評価し、台湾は日本と世界の「結節点」と指摘
2>> 台湾語の常用語彙を網羅した画期的な辞典『東方台湾語辞典』
3>> 白幡洋三郎氏が平野久美子著『トオサンの桜』を読売と日経で紹介

■ホームページが復旧しました!
 先週末から本会のホームページがサーバーの故障により開示できない状態となっていま
 したが、昨日、ようやく復旧いたしました。ご迷惑をお掛けいたしました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1>> 中嶋嶺雄氏が安倍首相の訪中を高く評価し、台湾は日本と世界の「結節点」と指摘
   第34回日台「アジア太平洋研究会議」における中嶋氏の報告

 去る3月26日、東京・新宿区内のホテルで大陸問題研究協会(高野邦彦会長)と台湾の国
立政治大学国際関係研究センター(鄭端耀主任)の共催による、第34回日台「アジア太平
洋研究会議」が「東アジアはどこへ行く?−政治・経済・安全保障」をテーマとして開催
された。

 基調講演は日本、アメリカ、台湾をめぐる安全保障をテーマに、衆議院議員で日華議員
懇談会副会長の玉澤徳一郎氏が行った。台湾はフィンランドに学び、自分で防衛する決意
を示して欲しいと叱咤激励しつつ、安倍内閣はすでに台湾を視野に戦略を立てていると述
べた。

 興味深かったのは、中嶋嶺雄・国際教養大学学長による第1セッション「東アジアの政治
胎動」だ。中嶋氏は「安倍首相の訪中は大成功だった。高く評価したい」と切り出して、
その理由を述べる。

 安倍首相は、首相就任12日目の昨年10月8日に中国を電撃訪問したが、このとき、スピー
チ原稿を事前に中国側に見せなかった一事が端的に安倍首相の決意を示している、と指摘
した。安倍首相は、対中関係を一手に仕切る外務省のチャイナスクールによる事前摺り合
わせを断固拒否したのだという。

 成功の要因は、まず第一に、安倍外交を支えている谷内正太郎外務次官と麻生太郎外相
が小泉内閣の安倍官房長官のとき以来の強い信頼関係で結ばれていることにあり、この関
係が外務省のチャイナスクールや媚中議員に頼らない環境を作っているという。

 また、「関係が必ずしも良好ではないという土壌でも、いつでも会える状況は作ってお
きたい」とする安倍首相の目論みを実現させたことからも、訪中は大成功だったと指摘し
た。

 中国側にも、安倍首相の訪問を待っていた事情があったという。それは、胡錦濤が江沢
民に対抗すべく、日本の首相を歓迎して日中友好を推進する路線を見せつけるためで、日
本の新首相が最初の訪問国に中国を選んだことで、首長としての力を誇示した結果になっ
たという。

 さらに、この成功を演出した最大の功労者は小泉前首相で、靖国問題で中国に妥協しな
かった小泉前首相の一貫した態度が安倍首相にフリーハンドを与え、中国や韓国に首脳会
談を受け入れざるを得ない状況を作ったと指摘した。

 中嶋氏は、最後に、東アジアにおいては北朝鮮問題以上に重要なのが「台湾問題」だと
して、「台湾は日本にとっても世界にとっても結節点」と剔抉した。2008年の総統選挙に
おいて、中国国民党が選ばれれば第三次国共合作という事態も起こりうるし、民進党が選
ばれて「独立」を叫べば中国は反国家分裂法を楯に軍事行動を引き起こすだろうとして、
「台湾は賢明な選択をすると思う」と締めくくったが、台湾の「賢明な選択」とは何を指
しているのか、意味深長な締めくくり方だった。

 なお、この会議の模様は、台湾駐日代表処のホームページでも掲載しているので、下記
からご参照願いたい。

http://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/07/070327e.htm

                  (メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原正敬)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2>> 台湾語の常用語彙を網羅した画期的な辞典『東方台湾語辞典』

 天理大学の村上嘉英氏が東方書店から『東方台湾語事典』を出版した。「収録語数約1万
3,500語に及ぶという。台湾特有の事物や風俗習慣に関する語彙から,新語,日本語からの
外来語までを網羅していると謳っている。

 本会理事や会員の中には台湾語を専門に研究している方もいるが、台湾語は日本人には
まだまだなじみが薄い。そのような中での辞典の出版に敬意を表したい。やはり言語習得
や普及のために欠かせないのが辞典である。

 編集子は台湾語はできない。せいぜい挨拶程度である。そこで、台湾からの留学生にこ
の『東方台湾語辞典』を見てもらったら「よくできている」という評だった。自らも早速
求めたいという。

 先に日本で初めて出版された日本語の『台湾史小事典』(中国書店)を紹介したが(2月
16日、第468号)、併せて手元に置いておきたい。

 東方書店からご案内をいただいたので下記に紹介したい。        (編集部)
--------------------------------------------------------------------------------
謹啓 時下益々御清栄のこととお慶び申し上げます。
 平素より小社出版物を御高評賜り誠にありがとうございます。
 さて、この度小社では、
  『東方台湾語辞典』
  著者:村上嘉英(天理大学教授)
  定価:6300円(本体価格6000円)
  四六判上製西人ビニール表紙/本文528頁
を出版致しましたので、御案内申し上げます。

 小社では、2004年に『東方中国語辞典』、2005年に『東方広東語辞典』を刊行。今回の
『東方台湾語辞典』で、いわゆる「両岸三池」の中華圈の辞典が出そろいました!

 台湾語は、台湾の人口の約4分の3の人々が母語とする言語です。元は福建省南部の方
言である「[門構えに虫]南語」ですが、日本の植民地時代や、第二次世界犬戦後の「国
語(=標準中国語)」の影響等によって、福建で通用する[門構えに虫]南語とは異なる
面を持つようになりました。近年、台湾では母語教育が重視されており、それにより台湾
語の重要性が高まり、台湾の街頭はもちろん、メディアでも耳にする機会は飛躍的に多く
なりました。本書は、その台湾語の常用語彙を網羅した、画期的な辞典です。

 著者の村上嘉英氏は、1981年『現代[門構えに虫]南語辞典』を出版、司馬遼太郎氏の
『台湾紀行』の中で幾度も引用され、話題となりました。今回の『東方台湾語辞典』は、
著者の三十余年に及ぶ辞典編纂の成果となります。

 本書は、台湾特有の事物や風俗習慣に関する語彙、新語、日本語からの外来語など、現
代台湾語の常用語彙を網羅しております。収録した語には品詞表示を行い、語の用法や文
法の説明、語釈の理解を助けるための解説を必要に応じて記載、また例文や用例も豊富に
掲載、さらに台湾の香りのするイラストも多数収録しております。

 さらには、詳細な日本語索引を付したほか、中国の朝代名、中国人の姓、中国・台湾の
地名、世界の主要国名・地名などの固有名詞、常用の助数詞など、多彩な付録も収録して
います。

 宜しく御高覧の上、御高評たまわれば幸いです。

  2007年3月吉日

                        株式会社東方書店コンテンツ事業部

■東方書店 http://www.toho-shoten.co.jp/
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3>> 白幡洋三郎氏が平野久美子著『トオサンの桜』を読売と日経で紹介

 本誌でも2月1日(457号)に紹介した平野久美子さんの『トオサンの桜−散りゆく台湾の
中の日本』(小学館)について、国際日本文化研究センターの白幡洋三郎教授による書評
が読売新聞と日経新聞に続けて掲載された。
 同じような視点からとなるのはいた仕方ないが、台湾における日本統治時代の教育の一
端を知る意味で、併せて紹介したい。                  (編集部)
--------------------------------------------------------------------------------
台湾に残る日本の精神

                     国際日本文化研究センター教授 白幡洋三郎
【3月26日  読売新聞】

 台湾では、時間厳守、勤勉、正直、約束を守る、などの美徳を表現するとき「リップン
チェンシン(日本精神)」という言葉を使うらしい。日本の植民地政策の中で植え付けら
れた徳目だからだろう。

 かつて「大日本帝国」の版図に入っていた国々には、心や言葉などいろいろな面で「日本」を「押しつけられた」人々が大勢いる、と言われる。ところが、本書にはそんな固定
観念だけでは量れない、と思わせる人々が登場する。今も日本語を理解し、俳句を作り、
NHKの放送や日本の雑誌・書籍に親しみ、日本に対し愛憎交じる複雑な心理を抱く年配
者たちである。

 こうした人々を台湾では、「日本語族」とも「多桑」とも呼んでいる。「多桑=トオサ
ン」は、日本語の「父さん」の発音に漢字を当ててつくられた台湾語。日本統治時代に教
育を受けたことによって、今も日本語をしゃべる年配者を指す言葉である。

 そんなトオサンの一人が育てた見事な桜の名所が台湾中部にある。一九八〇年代半ばから、たった一人で黙々と植えてきた三千数百本もの桜並木である。極貧の家に生まれたそ
のトオサンは、両親が「百姓に学問はいらない」と強固に反対するなか、日本人教師の暖
かい気遣いにより学校に通えた。彼の一番の苦難時代は、日本が敗北し台湾を去った後で
ある。その時彼を勇気づけてくれたのが日本人の残した桜であり、通った学校や先生の思
い出であった。

 日本語を流ちょうにしゃべり、桜を愛で、正直や勤勉を自然な徳目として受けいれて明
るく熱心に働いてきた台湾のトオサンたち。彼らの多くが日本統治時代を懐かしむのは学
校の教師たちの熱意と人徳によるところが大きいと著者は述べる。教育再生が議論される
今日、巻末にまとめられたトオサンへのアンケートと共にぜひ一読を勧めたい。

◇ひらの・くみこ=東京都生まれ。学習院大卒。『淡々有情 忘れられた日本人の物語』
 で小学館ノンフィクション大賞受賞。
--------------------------------------------------------------------------------
トオサンと教育
           
                    国際日本文化研究センター教授 白幡洋三郎

【3月27日 日経新聞「あすへの話題」欄】

 花見の時期ももうすぐ。表題の桜と見慣れないトオサンが気になって平野久美子著『ト
オサンの桜』(小学館)を読んだ。

 戦前、日本が海外の植民地・占領地に桜を植えたことは知られている。そして、敗戦を
迎えると、台湾でも朝鮮半島でも、桜は次々に切り倒されてしまう。桜は軍国主義を鼓舞
する象徴だったという恨みから、攻撃目標にされたのである。台湾では日本が去った後の
蒋介石の政権下では梅の植樹が奨励されたので桜は梅にとって代わられるようになった。

 しかし桜を否定的に見るのではなく愛着を感じ、中には自ら桜の植樹に努める人もいた。「多桑=トオサン」たちである。「多桑」とは、日本語の「父さん」の発音に漢宇を当て
てつくられた台湾語。日本統治時代に学校教育を受け、日本語が達者な「日本語族」とも
言われる人たちを指す。多くは親日家であり、誠実で真面目によく働く人たちである。

 著者の平野さんは百名を超すトオサンたちにアンケートや聞き取り調査を行った。これ
がじつに興味深い。「日本時代の学校教育でもっとも大切な価値観はどれだと教わりまし
たか」という問いに対し、一位が愛国、二位が正直、三位が孝行、四位が勤勉と続く。次
に「戦前の教育で現在も身に染みついている価値は何ですか」と問うと一位が正直、二位
が勤勉、三位が時間厳守、四位が孝行、となる。ちなみに愛国は六位だ。教え込まれたの
は「愛国」だが、身に染みついているのは「正直」や「勤勉」である。また彼らの多くが
日本統治時代を懐かしむのは学校時代の先生の熱意と人徳によるところが大きいという。
読みながら教育について多くを考えさせられた。
--------------------------------------------------------------------------------
■著 者 平野久美子
■書 名 『トオサンの桜−散りゆく台湾の中の日本』
■出版社 小学館
■発 行 2007年2月
■定 価 1,575円(税込)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●メルマガのお申し込み・バックナンバーはホームページから
 http://www.ritouki.jp/
●投稿はこちらに
 ritouki-japan@jeans.ocn.ne.jp
--------------------------------------------------------------------------------
日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の
活動情報とともに配信するメールマガジン。
●マガジン名:メルマガ「日台共栄」
●発   行:日本李登輝友の会(小田村四郎会長)
●編集発行人:柚原正敬
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright(C) 2007 Friends of Lee Teng-Hui Association in Japan

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2003-10-06  
最終発行日:  
発行周期:週3回以上刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。